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グルテンフリーの効果って?メリット・デメリットは?

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「パンが大好き!パスタやラーメンも好き。小麦で作られたものっておいしいよね。だけど、最近グルテンフリーってよく聞くなあ。小麦って体に悪いの?食べ続けたら私の体はどうなるの?」
「最近なんだか疲れが取れないから、一度食生活を見直そうかな。グルテンフリーって体調の改善に効くのかな?」
「グルテンフリーって結局何がいいの?健康や美容にどんな効果があるの?」

そんなふうに思っている人はいませんか。

グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などの穀物に含まれるタンパク質成分のこと。
主にグリアジンとグルテニンのふたつがあります。

小麦でできたパンやパスタ、ピザ、クッキー、ケーキなど小麦製品を食べず、グルテンを摂取しない食事療法をグルテンフリーといいます。
では、グルテンフリーの食生活を送れば、体調不良の人は皆元気になるのでしょうか。

答えは「人による」です。
グルテンフリー食を取り入れることで、健康効果が現れる人もいれば現れない人もいます。

次の章で、グルテンフリーが効果的な人とそうでない人について解説していきますね。

グルテンフリーをおすすめする人・しない人

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グルテンフリーをおすすめする人
グルテンフリーの食事法が必要なのは、次の人たちです。
「小麦製品を食べると倦怠感を感じる・・・」「小麦製品を食べたあとはお腹がゆるくなったり膨張感がある・・・」そんな風に感じる人は次の4つに当てはまる可能性があります。

1. セリアック病
2. 小麦アレルギー 
3. グルテン不耐性
4. リーキーガット症候群

セリアック病

セリアック病を患う人は、病気の管理のためにグルテンの摂取を避ける必要があります。
もともとグルテンフリーとはセリアック病患者の治療食として生まれたもの。

セリアック病とは、グルテンの摂取により、小腸が損傷され栄養素の吸収障害が起きる自己免疫疾患です。
欧米で患者が多い病気で、150~250人に1人の割合で発症が見られますが、日本ではきわめて稀にしか発症しません。

セリアック病であるかどうかは、病院の精密検査で診断されます。
小麦アレルギー
小麦アレルギーを持つ人は、アレルゲンである小麦を除去することで健康的に過ごせます。
小麦アレルギーであるかどうかは、病院で血液検査などのアレルゲン検査をするとわかります。
グルテン不耐症
グルテン不耐症の人にも、グルテンフリー食は効果があります。
セリアック病や小麦アレルギーではないものの、グルテンを消化しにくい体質の人もおり、「グルテン不耐症」と呼ばれます。

しかしグルテン不耐症には十分な診断方法がなく、自覚症状に基づいて診断されているのが現状で、まだ未解明の部分が多い領域です。

リーキーガット症候群

リーキーガット症候群の人にもグルテンフリー食が推奨されています。
リーキーガット症候群とは、腸の粘膜に隙間ができて異物が侵入しやすい状態になること。

原因解明や治療法の確立はまだですが、小麦が腸内バリアの損傷に関係あるとする説もあります。

上記4つにあてはまる人がグルテンフリー食を取り入れると体調が改善します。
有名なテニスプレイヤーであるジョコビッチ選手は、グルテンフリーの食事法を取り入れて健康になり、テニスの成績も上がったことで有名です。

ジョコビッチ選手は、自著で書いているとおりグルテン不耐症でした。
グルテンを除去したことで体調がよくなりパフォーマンスがあがったのです。

おすすめしない人

上記ににあてはまらず、特に不調を感じていない人

アメリカのフロリダ大学で行われた研究で、健康な人は「グルテンを除去することによって消化器官によい影響があるという医学的な根拠はない」と発表されました。
むしろ、デメリットとして、健康な人が小麦製品を除去することにより、食物繊維など体に必要な栄養素が足りなくなる懸念が指摘されています。

ほかにも、グルテンフリーを実施するとグルテンフリー製品を購入する金銭的負担や、食べられるものが制限される精神的ストレスの問題も出てきます。

パン屋のお客さまのグルテンフリー体験談

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パン屋をしていると、当然パンが好きでよく食べる人がお客様として来て下さいます。
その中で「パンが大好きでよく食べているけど、体調がよくないから一度やめてみようかな・・・」と言いグルテンフリー生活を始めたふたりのお客様がいらっしゃいました。

Aさん 40代女性
パンや麺類が大好き。
朝は必ずパン、昼はラーメンなどの麺類を食べることが多い。
最近なんとなく体が重いと感じて、グルテンフリー生活を開始。
1ヶ月ほど小麦製品を除去し、和食中心の食生活を続けた結果、体重は5キロ減り、ウエストが細くなった。体も軽くなった。
しかし「好きなパンが食べたい」「ラーメンが食べたい」という思いが強く、ストレスが溜まっていった。
小麦製品を解禁したときは「おいしい!!」と感じた。パンやラーメンを再開しても、体調に変化はなかった。

Aさんは、おそらくグルテンフリー食が医学的に必要ではない人だったのでしょう。
パンやラーメンを久しぶりに口にしたとき、体調に変化は起きなかったということでした。

体が重かったのは、パンやラーメンを中心に食べるバランスの悪い食生活が原因だったためでしょう。
和食中心の健康的な食生活に切り替えたことでダイエットができたパターンだと考えられます。

Bさん 30代女性
パン、パスタ、ピザが大好きで、一人暮らしを始めてからしょっちゅう食べるようになった。
そのうち、体の倦怠感に気づいた。
倦怠感の始まりが小麦製品を多く摂取し始めた時期と重なる気がして、グルテンフリー生活を開始。
2週間、小麦製品を除去したら意識がすっきりとして倦怠感がなくなっていった。
その後、小麦製品を口にするとまただるくなった。

Bさんはグルテンフリーの食事法が必要な人だったのでしょう。
グルテンを除去したほうがいい人の特徴は、小麦製品を絶った後再び口にしたとき、体調が悪くなることです。
Bさんはそのタイプでした。

気になる人はグルテンフリー食にチャレンジを!

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グルテンフリーは、万人を健康にする食事療法ではないことをお伝えしてきました。
「セリアック病」「小麦アレルギー」「グルテン不耐症」「リーキーガット症候群」の人には効果がありますが、それ以外の人には効果のない食事療法です。

自分がグルテンフリーを取り入れるべき体質かどうかは、病院で必要な検査を受けるか、もしくは最低2週間程度グルテンフリー食にチャレンジするとわかります。

もしあなたが、パンなどの小麦製品をよく食べ、原因不明の体調不良に悩まされているのであれば、まずは2週間グルテンフリー食にチャレンジしてみてください。
その後、小麦製品を口にしたときの体調の変化で、自分がグルテンフリー食が必要な体質かどうかがわかりますよ。

また、今回はグルテンのことをお伝えしてきましたが、グルテンと同時に摂取することの多い乳製品(カゼイン)やカフェインが原因で体調不良を起こしている人もいます。
グルテンに問題がなければ、カゼインフリーやカフェインフリーへのチャレンジも考えてみましょう。

最後に大切なことをひとつ。
健康や美容を作るのは、グルテンだけに限ったことではありません。

腸内環境などの体のケアや栄養バランスのよい食生活はもちろん、睡眠や運動習慣もあわせて大切です。
総合的に気をつけていくことで、笑顔でいきいきと過ごせる毎日を作り出していきましょう!

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ライター
あじ

noel連載ライター。料理・パン担当。関西の地方都市でパン屋を営む2児の母。常においしいものを食べたい、「食」で楽しみを感じたい、元気になりたいと思っています。365日パンに触れている身ならではの知識や経験を活かし、健康や美容に役立つパンの豆知識や、手軽にチャレンジできる簡単レシピを発信していきます!

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