【フェムケアでココロとカラダを健やかに・第二回】気になるけど聞きにくいフェムゾーンケアのおはなし
まず、フェムゾーンってどこ?という話からしていこうと思います。フェムゾーンというと、『なんとなくこの辺り』というイメージを持つ方も多いと思います。私もそのひとりです。今回は気になるけど人には聞きにくいフェムゾーンケアがテーマです。
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フェムゾーンってどこ?
サイトなどで調べてみるとフェムゾーンは、以下のように認識が人によって異なるようです。
外性器、外陰部と呼ばれている部分
外性器、外陰部と呼ばれている部分+膣、内陰部
下着で覆われる部分
こうやって見ると、この部分だけがフェムゾーンとハッキリ決まっていないのかもという印象です。
今回お伝えするフェムゾーンケアは「外陰部」ケアのことです。とはいうものの、外陰部を連呼するよりもフェムゾーンの方が抵抗ないと思うので、フェムゾーンケアという言い方でお伝えさせていただきますね。
内陰部のケアをテーマにしたお話は、またの機会に。
気になるけどどうしたら良いかわからない、フェムゾーンケア
フェムゾーン(外陰部)は、下着やおりものシート、生理用ナプキンと触れる機会が多く、蒸れやこすれなどが気になる人も多いのではないでしょうか。
「気にはなるけど、どうしたら良いか分からない」「仕方がないからそのままにして我慢している」という方もいると聞きます。
それを聞いて思ったのが、「どの位の人がフェムゾーンのケアをしているのか?」ということ。そこで今回は、フェムゾーンのケアが必要なわけ、フェムゾーンのチェックをしている人がどのくらいいるのか、私なりに調べた結果をお伝えします。
フェムゾーンのケアが必要な理由
フェムゾーンは、常に下着に覆われています。また、おりものシート、生理用品と触れることも多いため蒸れたりこすれたりしやすい状態です。汗もかきやすいでしょうし、尿やおりもの、経血がつくことで痒みや痛み、ニオイなどがしやすくなります。
これらの不快な状態を解消に一役買ってくれるのが、フェムゾーンのケアなんですね。
また、フェムゾーンをケアすることでフェムゾーンの変化や不調に気が付きやすくなるというメリットもあります。
例えば
いつもと違うニオイがする
おりものの量や色、状態が違う
傷やできものがある
といった状態によって、いつもと違うことに早く気付けるのです。症状によっては、自分で対応できる場合と受診した方が良い場合があるでしょう。私の場合は、不安に感じることがあったら、婦人科に相談するようにしています。
何度か相談させていただいているので、「この症状なら自分で対応できる」「今回は相談しよう」と考えられるようになりました。
フェムゾーンのケアは自分の不快な思いを軽減してくれるだけでなく、不調の早期発見にも繋がる行為。フェムゾーンをチェックしてケアすることに恥ずかしさを感じる方もいるかと思いますが、「まずはチェックだけ」というようにできることから始めてみてはいかがかなあと思います。
フェムゾーンのチェックをしている人ってどの位いるの?
先日、フェムゾーンのチェックをしているか30人の女性に聞く機会がありました。ここでいうチェックとは、ケアのためにフェムゾーンを見たり触ったりした経験があるかというもの。結果は18人の方が「チェック経験アリ」との回答でした。
30人中18人ですから、約6割ですね。正直、もっと少ないかと思っていました。だから、思いの外フェムゾーンのチェックをしている人がいることを知って「結構みんなチェックしているんだな」と驚いたものです。まぁ、考えてみれば私自身もフェムゾーンのチェックをする1人なんだから、他の人だってチェックするよね…。
フェムゾーンケアの方法
ここからはフェムゾーンのチェックの仕方ややり方について見ていきます。私は入浴時にパパッと気になる所を触って、ただれてないか傷やできものなどがないかチェックする程度です。フェムゾーンを見ることもありましたが、いちいち鏡を持ってくるのが面倒で、最近は『見てチェック』をしていないというのが正直なところ。面倒くさいことをするのって続かないですよね。……私だけかしら?
ですが、目で見ることでしか、気付けないこともあります。例えば、汚れ具合や肌の状態など。だから、本当は面倒くさがらずに『触れる』『見る』のダブルチェックが良いのかも…。
私の場合は、『見る』までの準備が手間という理由ですが、『見る』という行為に抵抗がある人もいますよね。なので無理なさらず。
『見る』チェックも、「たまにはすると良いらしいよ」と、覚えておいていただいて、挑戦したくなったらしてみたら良いと思います。くれぐれも無理なさらず。
フェムゾーンのチェック
フェムゾーンは、手や顔のように外に出ているわけではありませんから、フェムゾーンを見たり触ったりする時間を設けるか、トイレや入浴、着替えなどのついでにチェックするなど意識してやらないと、チェックする機会が少ないかと思います。
私の中では、一番手間がかからないと思っているのが、入浴時。どうせ、全部脱ぐんだから一度ですませられて楽じゃない?という考えです。
チェックする際は、そっと触れる程度で大丈夫。デリケートな場所なので、やり方によってはチェックしたせいで、「傷つけてしまった」なんてことになりかねません。「ソフトタッチ」がポイントです。
目でチェックする際は、鏡に映すのがやりやすい方法です。携帯などで取って、じっくり確認する方もいるのでしょうか。目で見ることで、フェムゾーンの汚れや乾燥などを触るだけでは気づかなかった点について確認できます。
フェムゾーンの洗浄
フェムゾーンは、経血やおりもの、尿、汗など汚れがたまりやすい部分です。そのため、フェムゾーンを洗浄して、清潔にすることが大切。
まず、フェムゾーンはフェムゾーンに傷や肌荒れなどのトラブルがないことを確認した上で洗浄しましょう。
洗浄する際は、フェムゾーン専用の洗浄料がおすすめ。しっかりと泡立てて、こすらずに優しく洗います。泡で出てくるタイプのソープもありますから、泡立てるのが苦手な方はこのようなタイプを使用するのも良いかもしれません。
洗い方は泡で汚れを包み込むイメージ。大陰唇と小陰唇のひだの間は汚れがたまりやすいので、ひだの両側をそっと洗うのがポイントだそう。また、膣に肛門付近に付いている汚れや菌がはいらないようにするために、前から後ろ方向へ洗います。
ゴシゴシと強く洗ってしまうと、傷や肌荒れの原因に繋がります。また、熱すぎる湯温は、乾燥の原因になることもあり注意が必要です。
頻繁に洗いすぎるのもNG。ほどほどが良いそうですよ。ちなみに、私は『フェムゾーンは、洗うときも流すときも洗顔と同じように』を意識するようにしています。
フェムゾーンの保湿
フェムゾーンの皮膚は、薄くて繊細。乾燥しやすい部分です。乾燥や下着やナプキンなどがこすれることによる摩擦で黒ずみやすくなるといいます。また、乾燥は痒みに繋がることも。キチンと保湿して乾燥、そして痒み対策や黒ずみの発生や悪化予防に繋げていきましょう。
使用するのは専用の保湿剤。オイルやクリーム、ジェルタイプなどさまざまなタイプがあります。自分の肌に合い使い勝手の良いタイプを選んでもらえたらと思います。
私はクリームタイプかワセリンを良く使用しています。ワセリンは、保湿効果が高く、顔や髪、カミソリ負けしたときや赤ちゃんのオムツかぶれにも使えるといわれています。
もともとワセリンでリップを作るなど唇のお手入れに使用していたんですね。そんな時に小陰唇が粘膜だと知って、それならワセリンでも大丈夫なんじゃないかと思い調べてみたら、フェムゾーンにもワセリンが使えるという記事を見つけまして…。じゃあ、何かあったときにはワセリン塗っとこうっと、まぁそんな感じです。あっ、もちろん唇用とフェムゾーン用はちゃんと分けていますよ。
フェムゾーンの『綺麗』を保つ工夫
年齢を重ねたりお手入れをサボったりしていると、フェムゾーンもお顔や体のように衰えてきたり、トラブルを招いたりするそう。だからフェムゾーンを綺麗に保つ工夫が大切だと考えています。フェムゾーンの綺麗=健康であるとかトラブルがない&少ない状態を目指していきたいですね。
サイズに合った締め付けが少ない下着を選ぶ
サイズの合わない下着は蒸れや摩擦による黒ずみの原因になるだけでなく、冷えに繋がることもあるそう。冷えは生理痛の原因になることもあるから、サイズの合わない下着で締め付けて骨盤周辺の血流を滞らせないように気を付けないといけません。
ピッタリとした下着は、なんとなく苦しい気がすることもあり、ゆったりとした履き心地の下着が好きなので下着は今まで通りの選び方でいこうと思いました。お気に入りはおへそくらいまで隠れる某メーカーの防水ショーツ、ゆったりサイズなんですけどね。
生理用品はこまめに交換
清潔を保つためにも、蒸れさせないためにも生理用品はこまめに交換することが大切です。経血やおりものがついたまま、長時間そのままにしておくとニオイだけでなく雑菌も繁殖しやすいそう。
とはいうものの、正直「ちょっとしかついていないのに交換するのもなぁ」と思ってしまう私がいます。生理用品もそれなりのお値段ですしね。ただ、そうやってケチっていると痒くなります、私の場合。ほぼ100%の確立で、痒くなります。だから、交換しています。「ちょっとしか汚れていないのに~」って思いながら。
拭くときは前から後ろに
汚れを拭くときは、前から後ろに拭きます。これ、絶対だそう。後ろから拭くと肛門付近についている汚れや菌がフェムゾーンに付着してしまうから。膀胱炎や細菌性膣炎などの病気になる可能性があるそうです。
これ、子どもの頃は知りませんでした。まだ和式が主流だった時代、普通に後ろから前にスーって拭いていましたね。よく病気にならなかったなと…。いつ知ったかというと、子どもを産んだときです。どこで知ったのかは覚えていないのですが、女の子のオムツを替える際、前から後ろに拭くことを初めて認識しました。「そうか、膣に入っちゃうのか…」これは、自分にも当てはまるんだろうなと思い、そこからは前から後ろの拭き方です。
外出中でも、フェムゾーンを清潔に保ちたいなら、フェムケア用の流せるウエットシートやスプレーがおすすめ。汚れが気になるときや乾燥などの不快な症状があるときにサッと出して使えますし、ポーチに入る小さめサイズなら持ち運びも楽なので、ひとつ持っていると重宝すること間違いなしのアイテムではないでしょうか。
フェムゾーンと上手に付き合いましょう
フェムゾーン、以前はデリケートゾーンと言われていたように、何となく『そっとしておく所』というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ですが、フェムゾーンも私たちの体の一部。体は定期的に健康診断を受けたり、自分で気にかけたりしますよね。同じように、フェムゾーンもチェックして、労ったりケアしたりすることが大切だと思っています。
フェムゾーンをチェックするのって、恥ずかしさなどから抵抗のある人もいるかと思います。ですが、もし少しでも不快な症状を感じたことがあるなら、入浴した際にでも少し触れて気になる所はないかチェックすることをおすすめします。そして、フェムゾーンも年齢共に衰えるそうなので、お顔と同じように優しく洗い保湿して『綺麗』に『健やかなフェムゾーン』を保っていただけたらと思います。
noel連載ライター。フェムケア担当。生理中の悩みを模索する中で、ケア次第で自分らしく過ごせることに気づきフェムケアに関心を持つ。小学生の女の子と男の子の母。娘はもちろん、息子にも女性をいたわれる男性になってもらいたいとの思いから、子供たちとフェムケアについて一緒に学び、日々アップデートしている。