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「しっぽり」の語源や意味とは?

ムードのあるしっぽりしたバー

語源

しっぽりの語源や由来ははっきりとわかっていません。
一説には、「しっぽ」いう言葉が語源とも言われています。

意味は「情がこもっていてしめやか、充分に湿気によって濡れているさま」で、そこから変化して出来た言葉という説があります。
しかし、ひとつの諸説であって確かではありません。

また、しっとりやしみじみから変化したものという説もあります。
ではいつから「しっぽり」という言葉があったのか。

1739年に初演された人形浄瑠璃である「ひらかな盛衰記」にはすでにこの言葉が出てきているので、古くから使われている言葉だということがわかります。

意味

①:男女が情愛細やかに過ごす様子

男女間の親密で繊細な様子が描かれる言葉として使われています。
情がある、心があるなど、ネガティブなイメージではありません。

例文としては「しっぽりとお酒を飲みながら二人で過ごした」です。
好きな人と心を寄せあいながらロマンチックな時間を過ごしたという雰囲気が伝わってきます。

少し艶っぽく、ムードがあり、二人の間が親密であることもわかるでしょう。

②:落ち着いて静かな様子

しっぽりは男性と女性の間だけで使われる言葉ではありません。
また、恋愛以外にも使われる言葉で、一人でもこの表現を使います。

例文としては「一人でしっぽりと美術館で絵を見た」です。
これは静かに落ち着いて絵を見た様子を表しています。

また、人だけではなく「暗い冬空からしっぽりと雪が降り出した」など、静かに雪が降るさまを表すような使い方もします。

③:濡れて十分に湿り気を含む様子

しっかりと濡れていて湿気を含んだ様子を表した言葉でも使われます。
例文としては「雨に打たれて洋服がしっぽりと濡れる」です。

洋服が雨の水によって湿気てしまいびちょびちょに濡れている様子を表します。
また、「朝靄で芝生がしっぽり濡れてキラキラ光っている」など、洋服だけではなく濡れている状態ならば他の言葉にも使えます。

「しっぽり」「しっとり」の違い

温泉でしっぽりする

例えば、「洋服が雨で濡れてしっとりしている」と「洋服が雨で濡れてしっぽりしている」の違いを見ていきます。
しっぽりは、充分な湿り気があり様子なので、洋服はびちゃびちゃ、ぐしょぐしょという表現になるでしょう。

しかし、しっとりは軽く湿っているだけなので洋服はびちゃびちゃではありません。
つまり、大まかな意味合いは同じですが細かな違いを表していると言えるでしょう。

また、言葉の表現としては洋服のようなきちんとした対象物だけではなく、雰囲気や印象など、目に見えない対象物に使う事も出来ると言えます。

「しっぽり」の類語や対義語

思いを巡らせながらしっぽりする

類語

①:ほそぼそ

「男女が二人でぼそぼそと飲む」ということから、「ぼそぼそ」という言葉が類義語となります。
「男女が情愛を含めたこまやかなさま」なので「しっくり」と同じ意味合いになります。

②:ゆっくり

「しっぽり」には静寂を表した言葉なので「ゆっくり」が類義語になるでしょう。
「一人でしっぽりと温泉に入る」という文章は「一人でゆっくりと温泉に入る」となります。

②:しっとり

充分に湿り気があるさまから「しっとり」という言葉も類義語になります。
「女性の長い髪がしっぽり濡れる」は「女性の長い髪がしっとりと濡れる」と同じ意味合いになるでしょう。

対義語

①:すぐに

「しっぽり」にはゆったりと静かな様子を表すので、その対義語は「すぐに」というスピード感を表す言葉になります。
そのため、「すぐに飲む」となると慌てて、落ち着かない様子になってしまいます。

「しっぽり」は逆にスピード感がない様子を表すので対極した印象になるでしょう。

②:騒がしい

「静か」の対義語は「騒がしい」です。
「冬の夜はしっぽりとした雰囲気」であれば静けさが際立った様子を表しています。

しかし、「冬の夜は騒がしい雰囲気」となると騒音や雑音が聞こえてくるようなイメージになるでしょう。

「しっぽり」は方言でもある?

しっぽりした風景

京言葉のひとつです。
しかし、口語として既に言葉が存在していました。

しかし、京都の方言との関連性は不明です。
京言葉では、品があり物静かなイメージを表現しています。

例文としては「しっぽりした娘さんやわ」となり、「品があり、物静かでおしとやかな娘さんという意味になります。
しかし、京都と言っても「しっぽり」は関西弁ではありません。

かといって京都の方言ではなく京言葉というのがしっくりくるでしょう。

「しっぽり」の使い方

彼氏としっぽり過ごす

使い方①:男女間の言葉として使う

「仕事が忙しかったので、今週末は彼氏としっぽりと温泉旅行を楽しみます」「しっぽり」のよく聞かれる表現です。
これは、お互い想いを寄せている相手と心を通わせながら温泉をまったりと様子を表しているので、騒がしい場所や活動的なシーンには使いません。

例えば「仕事が忙しかったので、今週末は彼氏としっぽりとディズニーランドを楽しみます」などです。
「まったり」「ゆったり」という意味合いがあるので温泉がマッチするのです。

使い方②:静かな雰囲気の言葉として使う

静かで落ち着いた様子を表すので「行きつけのバーでしっぽり過ごすのが至福の時間」となります。
雑音が少なく、静かに過ごせる場所なので「クラブでしっぽり飲むのが楽しみ」となると意味合いが違ってくるでしょう。

日常の雑踏から離れた所、落ち着いていられる場所、一人でも誰にも邪魔されない場所が「しっぽり」に相応しいでしょう。

使い方③:湿り気がある様子を表した言葉として使う

「夏の急な雨で草花がしっぽり濡れている」と使います。
これは草花が充分な湿気で濡れてしまっている様子を表します。

「しっぽり」は充分な湿り気を表しているので「夏の急な雨」が「霧雨」となると意味が違ってくるのです。
なぜなら、霧雨は霧のような細かい雨なので、充分に濡れていないからです。

「しっぽり」の英語表現

しっぽりできるお店

「しっぽり」は日本語特有の表現なので、ぴったりとしたひとつの単語はありません
近しい意味だと「しっぽり濡れる」は「be wet through」、しっぽりと仲むつまじい(男女)は「quietly making love」となります。

また、少しずつゆっくりと言う意味で「little by little」という表現になります。
その他、「あなたとしっぽりと話をしたい」ならば「I wish to have a quiet talk with you」です。

「しっぽり飲む」ってどんな状態?

雨にしっぽり濡れる

状態①:1人で落ち着いて飲む

大人数の飲み会や友達同士でワイワイ飲むのではなく、一人で誰とも絡まないで飲む様子です。
本を読みながら飲んだり、好きな音楽を聞きながら飲んだり、リラックスできる環境でお酒を飲むようなシーンです。

そのため、飲む場所も静かで心が落ち着く場所がぴったり。
それは、雰囲気の良いバーや灯りのトーンを落としたようなムードのあるお店でしょう。

状態②:大人の男女がゆっくりサシ飲みする

大人の二人がゆっくりと飲む様子です。
その男女の関係も知り合ったばかりや友達の関係ではなく、お互いの心が通じ合っている、通じつつある、一緒に居て落ち着く相手でしょう。

また、その時にはお互いの気持ちが穏やかで、心が乱れていないこともポイント
お店のムードも良く、少し艶っぽい雰囲気にもなるようなお店でしょう。

状態③:しみじみと思いを巡らせながら飲む

一人で誰にも邪魔されずに物思いにふけりながら飲む様子です。過去の恋愛に思いを巡らせたり、今までの苦労を懐かしく振り返ったり、これからのことを考えたりと、日中になかなか取れないような時間を楽しむような飲み方です。

しっぽり飲みに向いている場所

しっぽりとした木々

場所①:隠れ家的バー

人の出入りが激しくない会員制の隠れ家的なバー
話さなくても常連さんは静かに、ゆっくり飲みたい人達しかいません。

そのため、話しかけられたり、大きな声で話したりする人はいないでしょう。
マスターも余計な私語をしてこないので、誰かに気をつかう必要がありません。

また、常連であればお客さんの好みもわかっているので、何も言わなくてもお気に入りのお酒が出てきます。
まさに、しっぽり飲む為にあるようなバーでしょう。

場所②:お気に入りの部屋

しっぽりするためには心が落ち着く場所でなくてはならないでしょう。
一番、心が落ち着く場所と言えば、自分のお部屋という人も多いでしょう。

好きなインテリアに囲まれて、好きな音楽を聞きながらしっぽりと飲むことが出来ます。
また、アロマをたいてリラックス出来る香りを楽しむのもしっぽりします。

場所③:高層階のスカイラウンジ

眼下に夜景が広がるようなスカイラウンジもしっぽりと飲める場所です。
ビルの下の雑踏を見ていると、余計にお店の静けさが際立ってしっぽりするでしょう。

そして、昼間に忙しく働いていた人達がそれぞれ家の灯りの中に帰っていると考えると、色々な事に思いを巡らせてしっぽりします。
また、カップルも夜景を見るために飲みに来ることも多いので、騒がしさもなく、落ち着いた空間でムードもあるでしょう。

「しっぽり」を楽しめるようになれば大人の女性

しっぽりとした海辺

しっぽり飲むと聞くと、どこか大人びたイメージがあるでしょう。
また、一人でしっぽりと過ごすことが出来ると、自分が大人の女性になったような気分になります。

しかし、「しっぽり」を楽しむためには、心が落ち着いてリラックスしている状態でなければなりません。
そのため、内面も大人になって本当に「しっぽり」が楽しめるようになりましょう。

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ライター
noel編集部

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