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国際結婚の離婚率は日本人同士の結婚より高い?

離婚率が高い国際結婚のシンボル
バツイチも珍しくはなくなった現在ですが、直近の厚生労働省による離婚に関しての発表では年間約20万件のカップルが離婚という選択をしていることになります。
このうち、夫あるいは妻が外国籍といういわゆる国際結婚カップルの離婚率でいうと、外国人の夫との離婚率は約1.4パーセントです。

また、妻が外国籍という国際結婚のカップルの離婚率は約4.1パーセントとなっています。
さらに、外国人妻との国際結婚の離婚率はピーク時の約6パーセントに比べて、若干減少傾向にあるという結果も報告されているようです。

これを、同年の日本人同士のカップルの離婚率である約1.7パーセントと比べると、外国人夫との国際結婚の場合の離婚率はあまり差がありません。
しかし、妻が外国籍の国際結婚カップルとの平均値を考えると、やはり国際結婚の離婚率は日本人同士よりも高い傾向にあると言えるでしょう。

国際結婚の離婚率が高い理由

高い離婚率で別れる国際結婚で傷ついたハート
では、国際結婚の離婚率が高いとされる理由は何なのでしょうか?
以下の国際結婚の離婚率が高いとされる理由をご紹介します。

  1. 言葉の壁
  2. 環境の違い
  3. 習慣や常識の違い
  4. 金銭問題
  5. 理想と現実のギャップ

理由①:言葉の壁

国際結婚の離婚率が高いとされる理由としては、まず夫婦間の言葉の壁が大きいと言えます。
これは国際結婚での夫婦生活を夫、妻どちらかの母国で送るかあるいは全くの第三国で送るかによっても多少の違いが出てくるようです。

いずれにせよ、母国語ではない言語での日常生活を強いられる側のストレスは、大変なものがあるのが現実。
夫婦生活がうまくいっている間はともかく、少しでも隙間風が吹くようなタイミングでは言葉の壁がより大きな障害となってしまいます。

理由②:環境の違い

国際結婚カップルの高い離婚率の要因には、生育環境の違いや気候風土の違いといったことも挙げられます。
例えば日本でも少子高齢化の歯止めとなるべく政府が掲げた「一億総活躍社会」の下、共働きが当たり前になりつつあるのが現状ですが、諸外国ではそうした方針や考えがずっと以前から確立していたところも少なくありません。

そのため子供の教育と家庭の有り様の認識の違いなどから夫婦間に埋めがたい亀裂が生じてしまうといったことも起こってしまうようです。

理由③:習慣や常識の違い

外国と日本との差でよく言われるのが、子供との距離間の違いなどがあります。
例えば日本では未就学の幼児と父親や母親が一緒に入浴することは割に普通のことととらえられていますが、国によっては親によるセクシュアルハラスメントと認識されることも。

そうした日本での常識が相手の国での非常識であったり、またその逆の事態が生じるといったことが頻繁に起こりうるといったことも高い離婚率の要因となっています。

理由④:金銭問題

国際結婚カップルが最終的に高い離婚率となる理由としては、日本人同士の離婚理由と同じく金銭問題も大きな要因となっています。
特に相手の出身国と日本との間で貨幣価値に大きな差があるといった場合などは、義実家を含めた親族への経済支援といったことも、夫婦間の埋めがたい深い溝となるようです。

理由⑤:理想と現実のギャップ

国際結婚での高い離婚率の背景には双方の国際結婚に対する理想と現実のギャップもあります。
特に結婚前に相手の母国で生活したことがないといったカップルの場合、ネットや本、TVといった媒体から得た情報だけで判断せざるを得ず、デメリットや負の局面といった情報が不足しがちです。

そのため、結婚生活の中で現実に直面した時のギャップがより大きくなってしまいます。

【出身国別】国際結婚の離婚率

高い離婚率の原則に逆らえず離婚する国際結婚のカップル
では、気になる国際結婚の離婚率はどれほどなのでしょうか?
以下の出身国別の国際結婚における離婚率をご紹介します。

  1. アメリカ
  2. イギリス
  3. カナダ
  4. オーストラリア 5.ヨーロッパ諸国
  5. 韓国
  6. 中国
  7. フィリピン

①:アメリカ

パートナーの出身国でみる離婚率ですが、夫婦どちらかがアメリカ人である国際結婚カップルの離婚率は他の諸外国に比べて特に高いとは言えません。
しかし、妻がアメリカ人である場合の離婚率に比べて夫がアメリカ人である場合の離婚率は約24倍に上昇します

これは妻がアメリカ人である夫婦の場合、結婚生活を夫の母国である日本で送っているカップルが比較的多いのに比べて、妻が日本人の場合は夫の母国であるアメリカで結婚生活を送っている場合が多いことが原因であると考えられます。

②:イギリス

妻が日本人、夫がイギリス人という国際結婚カップルの離婚率は約2.3パーセントとなっています。
イギリスもカナダやオーストラリアなどと並んで日本との間にワーキングホリデー制度が結ばれていることもあり、そういった交流などから国際結婚を選ぶカップルも多いようです。

しかし、日本と同じく島国であるイギリスは、ある意味日本よりも根強い階級社会制度が色濃く残っているともされるお土地柄。
そうした社会的な問題や、認識のギャップなどから離婚となるケースも少なくありません。

③:カナダ

妻、あるいは夫がカナダ人という国際結婚カップルの離婚率は厚生労働省管轄などでの統計はとられていません。
しかし、日本との間にワーキングホリデー制度が結ばれているカナダに渡って現地で結婚する人や、反対にワーキングホリデーで来日したカナダ人と結婚する日本人など、国際結婚を選ぶカップルが数多く誕生しています。

そんな中で残念ながら最終的に離婚となってしまったというケースは、離婚率として数字化されていないだけで決して少なくありません。

④:オーストラリア

カナダと同じく日本との間にワーキングホリデー制度のあるオーストラリアは、留学や観光でも人気の高い国です。
そのため、現地あるいは日本で知り合ったオーストラリア人と結婚するという国際結婚カップル数も増加傾向にあります。

その一方で、価値観の違いや学歴に対する考え方の相違など様々な要因が積み重なることで、残念ながら離婚してしまうカップルも婚姻数に比例するように増えてきつつあります。

⑤:ヨーロッパ諸国

イギリス以外のフランスやドイツ、イタリアといったヨーロッパ諸国出身のパートナーとの国際結婚カップルも、数多く誕生しています。
しかし、同時に破局を迎えてしまうカップルもやはり多く存在し、その離婚率もかなり高いと言わざるを得ません。

イギリス以外のヨーロッパ諸国出身者との離婚率が高くなってしまう背景には、母語が英語以外の国がほとんどで、言葉の壁がさらに高いといった問題があるようです。

⑥:韓国

夫が日本人、妻が韓国人という国際結婚カップルの離婚率は約13.4パーセント、それに対して妻が日本人、夫が韓国人というカップルの離婚率は約21.6パーセントとなっています。
これは韓国国内における韓国人同士の離婚率約2パーセントに比べると、かなり高い数字と言えるでしょう。

こういった日本と韓国との国際結婚カップルが高い離婚率となる背景には、文化や家族観の相違、とりわけ嫁と夫の実家との関係が大きく作用しているとされています。

⑦:中国

夫が日本人、妻が中国人という国際結婚カップルの離婚率は約36.5パーセント、それに対して妻が日本人、夫が中国人というカップルの離婚率は約16.1パーセントです。
この中国人伴侶は大きく分けていわゆる大陸出身者と台湾出身者の2つに分かれます。

特に親日家も多く、日本との繫がりも強い台湾へ留学した人や旅行で訪れた人、またワーキングホリデーで滞在した人で、台湾人の恋人が出来たという人も少なくありません。
中華圏では概ね日本語教育熱も高く、他の国の出身者に比べると言葉の壁も比較的低いというメリットもあります。

一方では、いざ結婚となると根底の夫婦観や金銭感覚などでの違いが思ったよりも大きく、最終的には離婚に至ってしまうということもしばしばです。

⑧:フィリピン

夫が日本人、妻がフィリピン人という国際結婚カップルの離婚率は約31パーセント、それに対して妻が日本人、夫がフィリピン人というカップルの離婚率は約4.2パーセントとなっています。
この原因には結婚総数の差もありますが、それ以外に日本とは大きく異なるフィリピンの離婚観も関係しています。

国民の多くがカトリック教徒であるフィリピンでは、日本のような厳密な離婚・結婚という観念があまりないのが実情です。
そのため、仮に結婚生活が破綻したとしてもただちに離婚という形になることは少なく、別居という形をとったまま年月が経過してしまうといったケースも多く見られます。

国際結婚の離婚危機への対処法

高い離婚率に抵抗しようとする国際結婚のカップル
では、国際結婚の離婚危機への対処法とはどんなものでしょうか?
以下の国際結婚の離婚危機への対処法をご紹介します。

  1. 言葉をマスターする
  2. 経済力をつける
  3. 周囲に味方を増やす
  4. 相手の親族と仲良くなる
  5. 習慣や宗教について学ぶ
  6. 料理を習う
  7. ボランティアに参加する
  8. 学歴をつける

対処法①:言葉をマスターする

国際結婚における言葉の壁は、生活全てに関わる大きな問題です。
いきなりぺらぺらになるのは無理にしても、コツコツと地道な努力を続けることは離婚危機の回避法としては不可欠となります。

子供がいる場合は子供と一緒に学ぶなど、自分なりの工夫をしてマスターするようにしましょう。

対処法②:経済力をつける

離婚ではなくても結婚相手が病気になったり、あるいはリストラに遭うといった不測の事態も起こりえます。
そういったことに備える意味でも仕事に就くといった自分独自の経済力をつけることは重要なポイント。

また国際結婚ならではの帰省に伴う高い航空機代などの捻出にも、経済的な自立は役立ちます。

対処法③:周囲に味方を増やす

日本で暮らすにしても、相手の出身国で暮らすにしても、国際結婚カップルには自分たちだけでは乗り越えられない問題が数多く出現します。
子供の学校での問題や、地域でのトラブルといったことへの対処法を誤って、夫婦関係にまで亀裂が入るのを防ぐためにも、1人でも多くの自分たちカップルへの理解者や味方を増やすことは大切です。

対処法④:相手の親族と仲良くなる

日本人同士であっても、パートナーの実家との距離間の問題はつきものです。
まして家族観や道徳といったものも異なる国際結婚では、そうしたギャップは多かれ少なかれ生じて当たり前。

理解できないと安易に匙を投げるのではなく、わからないことは教わるといった姿勢で相手の親族や義両親と仲良くなることは離婚回避のために欠かせません。

対処法⑤:習慣や宗教について学ぶ

生活全てに宗教が影響してくるような国の出身であるパートナーとの国際結婚では、相手の宗教への理解は絶対に必要です。
特に子供への影響を考えた時には、宗教に根ざした行動規範や習慣といったことへの対応もきちんと押さえておくと、無理解からの喧嘩の回避にも役立ちます。

対処法⑥:料理を習う

日本食が好きというパートナーであっても、たまには母国の料理が恋しくなるという人も少なくありません。
今はネットを利用すれば、様々なお国料理を簡単に学べる時代です。

相手の胃袋を満たしてあげることは、日頃の小さな不満やストレスを解消し夫婦仲を円満にするのに有効な方法です。

対処法⑦:ボランティアに参加する

言葉の問題から、せっかく外国に住んでも現地滞在の日本人とばかり交際してしまうと言った人も多いようです。
しかし、パートナーに精神的に過度に依存してしまって離婚危機となるのを防ぐといった意味でも、自分独自の交友関係を築くことは重要です。

その方法として地域のボランティア団体に所属するのは、友達や知人を増やしたり、地域に溶け込むためにも有意義な対処法です。

対処法⑧:学歴をつける

日本で暮らす場合はともかく、相手の国で暮らす場合、仕事に就こうとしても日本での学歴や職歴が役に立たないこともあります。
アメリカやカナダ、イギリスなどのように学費が比較的安価なコミュニティカレッジがある場合などは、積極的に活用して相手国での学歴を得ることに結びつけたり、資格を習得するのに役立てるようにしましょう。

国際結婚での離婚が避けられない時にやるべきこと

国際結婚の離婚率を調べる女性
では、国際結婚での離婚が避けられない時にやるべきこととは何なのでしょうか?
以下の国際結婚での離婚が避けられない時にやるべきことをご紹介します。

相手の国の婚姻法を知る

努力の結果空しく、国際結婚での離婚といった問題に直面しそうになった時には、少しでも早くパートナーの母国の婚姻に関する法律についての知識を得ることが大切です。
宗教や習慣といった違いだけでなく、離婚に関する法律も国によって様々であるのが実情なので、特に子供がいる場合には、親権を得るにはどうしたら良いのかをあらかじめ知っておくことは非常に重要なポイントとなります。

また、年金や国際結婚期間に夫婦で築きあげた共有財産についても調べておけば、離婚後の生活基盤の安定にも役立ちます。

信頼できる弁護士を探す

日本国内ではもちろん、相手の出身国での離婚の際にも信頼できる弁護士を探すのは最優先事項の1つです。
日本のような協議離婚制度がない国も多く、離婚の際に財産分与や子供の親権や養育費といった問題を解決するためには、自分の立場に立ってくれる法律家の味方が不可欠です。

総じて国内離婚率の高い国では、離婚専門の弁護士も数多くいるため、口コミで探したり周囲に評判の良い弁護士を紹介してもらうなどするのがお勧めです。

言葉の壁を乗り越える

離婚にまつわる様々な問題を話し合ったり解決したりするには、相手の母語での書類のやりとりや、ネットでの情報収集は欠かせません。
離婚処理が相手の国で行われる場合などは、現地滞在歴の長い日本人コミュニティなどで助けを求めるなどして、少しでも相手の言葉での話し合いに備えるようにすべきです。

日本国内での離婚処理

日本国内で国際結婚の離婚手続きを進める場合に重要なことの1つとして、事前に子供の親権をどうするかを決めておくということが挙げられます。
特に協議離婚の場合日本では諸外国にあるような共同親権として届け出ても不受理となってしまいます。

離婚後の親権変更の手続きは容易ではないことを考え合わせると、離婚を成立させるために手続きを急ぐのではなく、協議離婚にしても1度は弁護士に相談するなどの慎重さが必要です。

相手国での離婚処理

協議離婚ではなく離婚のプロセスに裁判が必要という国も多くあります。
そういった際の手続きは、相手国の法律に疎い外国人には高いハードルとなってしまいます。

さらに国によっては、財産分与の対象が婚姻後に形成された財産だけではなく、夫婦それぞれの婚姻前に形成した財産に及ぶこともあるので特に注意が必要です。
そういった離婚裁判の長期化といった事態に備えて、弁護士を雇う費用や、裁判にかかる経費をどう捻出するかということも計算しなくてはいけません。

子供の養育問題の解決

日本もハーグ条約を締結したことから、国際結婚が破綻したことによる一方的な子供の連れ去りといったことは、法的にも道義的にもできません。
そのため、離婚の際にキチンと子供の親権や先々の養育費についての取り決めをすることは、子供の権利を守るためにも絶対に避けて通れないことです。

特に、離婚後別々の国で暮らすことになるカップルの場合、法的な手続きを疎かにすると後日何か問題が起きた場合に、相手と連絡をとることが非常に困難になることも少なくありません。
一刻も早く離婚問題に片を付けたいという考えで、子供にまつわる問題をなおざりにせず、場合によっては長期化覚悟でその間の生活費などの目処もきちんと立てておくようにしましょう。

国際結婚の高離婚率に対抗するには2人の努力が必要

国際結婚の高い離婚率の壁を乗り越えたカップル
相手の出身国を問わず往々にして高い国際結婚の離婚率には、言葉の壁や習慣の違いといった色々な問題から、最終的に離婚という選択を得なくなってしまうという側面が大きく作用しています。
しかし、様々な障害を乗り越えてめでたく国際結婚へと漕ぎつけた2人だからこそ、離婚を回避するには世間一般の風評や高い離婚率に惑わされることなく、お互いを信じて問題を1つ1つ解決していく姿勢が大切です。

自分にできる努力を惜しまず、さらに相手の立場にも立つ気持ちを持ち続けて、長く続く幸せの形へと変えていって下さいね。

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ライター
noel編集部

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