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山口の方言(山口弁)の特徴・種類

方言の特徴と種類

山口の方言(山口弁)の特徴

山口の方言といえば「ちゃ」「ちょる」などのユニークな語尾が有名ですよね。
他にも「うち(うちら)」「ぶち」など、全国区に発展した言葉もあります。

山口の方言(山口弁)のイントネーションの多くは、標準語に近いものが多く、比較的聞き取りやすいものが多いので、他県の人も会話に加わりやすいのではないでしょうか。

また、東西に広い山口県は、東部と西部とでは、使用する言葉が少し異なる場合もあります。

山口の方言(山口弁)の種類

山口弁はざっくり分けて、東部(広島側)と西部(九州側)に二分されます。方言に大きな違いはありませんが、使用するワードが異なるものがいくつかあります。

例えば「とても」「たくさん」を意味する言葉。東部では「えっと」と言い、西部では「ぶち」を使います。

東部で「野菜がえっと採れた」と言い、西部では「魚がぶち漁れた」と言います。全域で使用する「ようけ」もあります。

「バレンタインデーに、ようけチョコレートをもろうた(もらった)」という」ふうに使います。より強調したいときには「ぶちようけチョコレートをもろうた」と、重ねて言う人もいます。

その他、北部などで限定的に使われている方言もあります。「しあわせます」などが該当します。

これは「ありがたい」という意味で、「彼と結婚出来て、しあわせます」と、感謝の意を表す言葉です。聞いているだけで、こちらも幸せになりますね。

地域差によるアクセントの違いはあまり見当たらないのですが、山口県の「やまぐち」と発音するときに「や」にアクセントをつけるのが、山口弁の特徴です。

標準語だと「ま」にアクセントがつきますよね。山口の方言では「や」につくのです。

山口の方言(山口弁)のよく使われる定番表現

方言の定番表現

実際に山口県に住んでいる人や、山口出身の芸能人などが使用している、ネイティブな定番の山口弁を紹介します。

①:有名な「ちゃ」「ちょる」

山口の方言といえば「~ちゃ」「~ちょる」が有名ですよね。昭和の漫画「うる星やつら」のヒロイン・ラムちゃんが「そうだっちゃ!」と言っていましたが、これは山口の方言ではありません。

山口弁では「そうっちゃ」と言います。「~ちょる」「知っちょる」「わかっちょる」というふうに使います。

山口のゆるキャラ「ちょるる」の名前は、この方言からつけられました。
他にも「住んじょる」「飲んじょる」といった「じょる」バージョンもあります。

「見てあげる」「してあげる」というのを「見ちゃる」「しちゃる」といいます。「ちゃる」バージョンですね。

②:日常よく使われる「ほ」「そ」「かん」

山口弁では「そうなの?」と言うところを「そうなん?」「そうなほ?」「そうなんかん?(そうなのかな?)」と表現します。
「ディズニーランドに行ったことがある?」「友達と行った」と言います。

九州に近い下関地区では、話し言葉の語尾に「やん」を付ける人もいます。「以前一緒に行ったやん。覚えとらん?」というふうに使います。

③:今や標準語。「うち」は山口発だった!

山口の方言では自分のことを「うち」と言います。複数形は「うちら」です。

90年代に渋谷の若者たちが自分のことを「うち」「うちら」と表現し始めて、今や全国区に広まっています。じつはこれは山口の方言だったのです。

何百年も前から、山口の人は「うち」「うちら」を使っていました。すごいですね。

④:「やけぇ」「じゃけぇ」

山口の方言で「だから」という意味で使用します。「うち、真面目やけぇ悪いことは出来ん」(私は真面目だから悪いことは出来ない)という言い方をします。

「お手伝いする。やけぇお小遣い欲しいっちゃ」と、接続詞としても使用します。「猫を2匹飼っとるんよ。うちは猫好きじゃけぇ」と、理由を示すときにも使います。

⑤:「はぶてる」

山口県民の多くが、この「はぶてる」を標準語だと思い込んでいて、県外に出たときに通じないことがよくあります。「拗ねる」という意味です。

子どもが拗ねることも、大人がいじけることも同じく「はぶてる」です。「あの子、すぐにはぶてる」「そんなにはぶてんなっちゃ」(そんなに拗ねるのはやめなさい)というふうに使用します。

類義語で、わがままのことを「じら」と言います。「じら」は「くう」という動詞につなります。

「子供がじらをくって大変っちゃ」という言い方をします。

⑥:「わや」

山口県の方言で「無茶苦茶」という意味です。「部屋を片付けていたら却ってわやになった」「人間関係が、わや」と、実質的にもメンタル的にも使います。

収拾がつかなくなったときには「はぁ、わやじゃあ!(もう無茶苦茶だ!)」と言います。老若男女を問わない表現なので、幼稚園でもオフィスでもよく聞くフレーズです。

「そんなにわやを言うな」とたしなめることもあります。

⑦:「はぁ」

上記でも出てきましたが、この「はぁ」が、山口弁でいちばん理解されるのが難しい言葉ではないでしょうか。

「いろいろと経緯があった末、もう」という意味で使用されます。ため息の音とは無関係です。

「朝練して、学校終わってバイトに行って、はぁ疲れた」「ごめんねって何度も謝ったのに、ぜんぜん許してくれん。はぁどうでもいいっちゃ」というふうに使います。

「はぁ」がナチュラルに使用できると、山口弁上級者です。

⑧:「すかん」

漢字にすると「好かん」になるのでしょうか。「きらい」「嫌だ」をやわらかく表現した方言です。

本気で嫌いなわけでも、嫌なわけでもない。でも、受け入れられない。

そんな微妙なニュアンスを含んでいます。恋人同士のイチャイチャしたケンカでも「もう、すっかーん」と、嫌い嫌いも好きのうち的な心が垣間見えます。

山口の人たちは「嫌い」と言うときははっきりとした拒絶。「すかん」はそんなに嫌いなわけではないときに使う、と区別しています。

「宿題がぶち多い。すかーん」と、状況を明るく嘆くときにも使います。

⑨:「~してーや」「みーや」

山口弁で頼みごとをするときの方言です。「一緒にテニスしてーや」「ええよー」というやり取りが友人同士で行われます。

「食べてみーや」「この本読んでみーや」は「試してみて」という意味合いが含まれます。印象としては「~してみたら?」と、遠慮がちな誘いという感じです。

⑩:「かるう」

山口では、小学生はランドセルを「かるう」のです。バックパッカーはバックパックを「かるう」のです。

ランドセルを手に提げている子は「かるっていない」のです。「かるう」(=背負う)は、山口県民が標準語だと信じている方言のひとつです。

⑪:「やし」

山口の方言で「ズルい」「インチキ」という意味です。子ども同士の遊びの中で「やしじゃあ」「やしはいけんよ(ズルいことは駄目だよ)」などと使われます。

大人になっても「やしせんで、ちゃんとするけぇ」(ズルいことをしないで、ちゃんとするから)と言ったりします。ズルいことをする人は「あの人やしばっかりしちょる」と言われます。

⑫:「ちゃんこ」「ほんこほんこ」

山口弁の幼児語バージョンです。「ちゃんこ」は「お座り」、「ほんこほんこ」は「いい子いい子」「よしよし」という意味です。

幼い子供に「そこに座ってね」と伝えるのに、山口の方言で「そこにちゃんこしてね」と言います。子供も「ちゃんこしたい」と言います。

「ほんこほんこ」は、子供やペットの頭を撫でながら言う言葉です。子供に「かわいいワンちゃんやね。ほんこほんこしてあげようね」と言ったりします。

⑬:「なんちゃーない」

山口の方言で「なんてことない」「気にしない」という意味で使います。「叱られたって、なんちゃーない」と使います。

また、何か頼まれてお礼を言われたときに「なんちゃーないよ」と返します。ドンマイ、という感じでしょうか。

山口の方言(山口弁)の告白フレーズ・かわいい表現

方言のかわいい表現

①:だって、うち、恋しちょーもん!

意味:だって、私、恋してるんだもん!

女子高生のグループの中の一人が、頬を染めて叫んでいました。可愛いですね。

方言を使うと、こんなにも生き生きと気持ちをストレートに表現できるのですね。聞いていると、同性でもキュンとしちゃいます。

恋する女子高生の素直なつぶやき。こんな素直な心を、いつまでも持ち続けたいですね。

②:ぶち好きやけぇ。うちのこと、好きかん?

意味:(あなたのこと)とても好きだから。私のこと、好きなのかな?

山口弁でカワイイを詰め込んだ告白フレーズです。自分の気持ちを伝えて、さらに相手の気持ちを確認する。

これで完璧です。かなり脈ありな彼に告白するときにおすすめです。

「好きかん?」は「好きなのかな?どうなのかな?」と可愛く逡巡している様子が表現されていて、彼も感激するのではないでしょうか。

③:うち、あの人のことしか考えられんほ。

意味:私、あの人のことしか考えられないの。

女友達と恋バナをしているときに、ポロリとこぼれた本音でしょうか。「考えられんほ」と思わず山口ネイティブでつぶやいてしまう。

心からの言葉であることがうかがえます。こんなに真剣に彼のことを想う女の子って素敵ですよね。

男女を問わず、応援したくなるフレーズです。

④:うちが幸せにするけぇ、つき合ってくれん?

意味:私が(あなたを)幸せにするから、つき合ってもらえる?

幸せにしてもらうのではなく、相手を幸せにするという決意。自分の気持ちを強く持っているよ、というメッセージがこめられています。

「つき合ってくれん?」は山口の方言で「つき合ってもらえるかな?」と一歩引いて、返事を相手に委ねています。彼の意見を尊重する気持ちが伝わってきますね。

仲良しの男友達から恋人になって欲しいときに、この告白を使ってみてください。

⑤:ずっと好きやった。伝えられたけぇ、はぁええ。返事はいらん。

意味:ずっと好きでした。伝えることができたから(それだけで)幸せです。返事はいらないよ。

片思いを昇華させる最強フレーズです。想いを伝えることが大切な、甘酸っぱい恋愛ですね。

この場合「はぁええ」は「もうそれだけで満足」という気持ちを表しています。「返事はいらん」と、彼の負担にならないような気づかいもたっぷりです。

彼の目を真っ直ぐに見つめて告白すれば、彼も山口弁で「返事いるやろ」(返事、いるよね)となるでしょう。ぜひ片思いから両想いに成就させてくださいね。

山口の方言(山口弁)の面白い表現

方言の面白い表現

①:車がやぶれる

意味:車が故障した

山口弁では「冷蔵庫がやぶれた」となります。故障すること、壊れることはほとんど"やぶれる”で表現されます。

人間関係が壊れることも同様です。「あの二人、仲良く見えるけど、友情やぶれとったって知っちょった?」と使用します。

②:やけなんなん?

意味:だから何?

軽くケンカしたときなどに使います。呪文のようなフレーズで、ケンカなんて忘れて笑っちゃいそうですね。

「やけなんなん?」と言われたら「何でもええっちゃ」と笑顔で返しましょう。山口の方言は、のんびりした雰囲気が特徴です。

③:びったれ

意味:身なりにかまわない人。だらしない人や様子。

身だしなみを怠っている人のことを山口弁でびったれと言います。「あの人はびったれやけぇ髪がいつもボサボサ」などと使用します。

あまり良い意味では使われません。びったれのレッテルを貼られないように、いつもおしゃれに気を配りたいですね。

④:かぶる

意味:噛む。噛みつく。

噛みつく(齧る)ことを、山口の方言で「かぶる」と言います。「かぶりつく」から来ているのかもしれません。

犬が噛みついたら「犬にかぶられた」「あの犬がかぶった」。子供同士のケンカも「かぶったらいけんよ」と注意します。

面白いのは、蚊に刺されたとき「蚊にかぶられた」と表現することです。なんだかとても痛そうなイメージですね。

⑤:いけんのんじゃー

意味:ダメなんだー。いけないんだー。

「子供がビールを飲んじゃーいけんのんじゃー」という駄ジャレがあるくらい、山口ではポピュラーな言葉です。

「いけん」は「いけません」「ダメ」という意味です。禁止を表すときに「いけん!」とだけ言う場合もあります。

「いけん!」→「いけんのじゃー」→「いけんのんじゃー」と、禁止が緩やかに変化します。のんびりと「ダメだよ~」というニュアンスを含んでいます。

山口の方言(山口弁)を話す芸能人やドラマ・映画

方言を使ったドラマ

山口を舞台にしたドラマといえば「花燃ゆ」(2015年NHK大河ドラマ)が有名ですね。ヒロインの文(井上真央)の母・滝の口癖が「せわぁない」でした。

これは「たいしたことないよ」「大丈夫、大丈夫」という意味で使われる山口の方言です。のんびりとした中に、ポジティブな要素が含まれる、素敵なフレーズです。

アニメ「マイマイ新子と千年の魔法」、コミック「瞬きもせず」も、山口が舞台に描かれています。登場人物もほとんどがネイティブで、山口弁で話しています。

「瞬きもせず」では、ヒロインのかよ子と親友の美っちゃんの「ねーねー彼氏とかおるん?」「おらんおらんそんなのー」といった、山口の方言の日常会話が楽しめます。

山口の方言(山口弁)で、素直な気持ちを言葉にして

素直な気持ちを言葉にして

のんびり癒し系の表現が多い、山口の方言。日常で思っていることを素直に言葉にするだけで、きっと相手は幸せな気持ちになります。

「ぶち好きっちゃ」「うちのことどう思っとる?」など、感情をストレートに表現してみましょう。飾らないそのままのあなたでないといけん、と言ってくれる男性が、きっと現れますよ。

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ライター
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