偽装離婚のメリットと危険性!偽装離婚を選ぶ理由&バレた後の末路
偽装離婚という言葉を最近ワイドショーやニュース番組などで耳にする機会が増えています。 しかし、実際にはどういうことを意味しているのかいまいちピンとこないという人も多いはず。 あまりよくないことであるということはわかっていても、どんな目的でどういうことを行っているのかを詳しく知る機会はなかなかありません。 今回はそんな偽装離婚の詳しい意味や、そのメリットと危険性、そして偽装離婚を行った人たちの末路について詳しく説明していきます。
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「偽装離婚」とは?

偽装離婚とは、結婚生活をそのままに、書面上だけは離婚届を出して離婚を成立させることを言います。
実際には離婚しても一緒に暮らし、離婚前と何にも変わらない生活を送り続けているにも関わらず、配偶者という立場から赤の他人となってしまうのです。
そうすることで、財産を隠すことができたり、生活保護を受けやすくなったりと多くのメリットを受けられることができるんだとか。
日本では欧米と比べて書面上だけで簡単に結婚も離婚もすることができます。
そのため、多くの手続きを踏むことなく、不純な気持ちで結婚・離婚を繰り返す人は年々増えてきているようです。
偽装離婚に至る理由

では、偽装離婚に至る理由にはどんなものがあるでしょうか?
- 生活保護を受けやすくする
- 財産隠し
- 保育園に入りやすくする
次に、偽装離婚に至る理由を詳しく見ていきましょう。
理由①:生活保護を受けやすくする
夫婦が揃った状態でいると、必然的に世帯収入は大きくなり、生活保護はなかなか受けることができません。
そのため、それぞれに世帯を分け、収入を低く申請すれば生活保護を受けやすくなるのです。
また、同じように子どもがいる場合は母子家庭となるので、母子手当も受けられるでしょう。
本当は今まで通り家族みんな揃って暮らしているにも関わらず、国からもらえる収入が増えて、楽をしようと考えているのです。
理由②:財産隠し
もし、今借金に追われて破産をしてしまうと、今持っている財産はすべて没収されてしまいます。
しかし、その場合「配偶者への適正な財産分与」「配偶者への慰謝料」は認められているのです。
そのため、このタイミングで行い、配偶者にいったん財産を預けて破産を行えば、一部の財産を手元に残しておくことができるんだとか。
その後は、何食わぬ顔をして再び元のように夫婦そろって暮らしていくので、借金だけをリセットすることができます。
理由③:保育園に入りやすくする
最近は保育園不足で、会社に残りたいと思っていても思うように子どもを保育園に預けることができず、泣く泣く会社を辞めなくてはいけないママも増えています。
しかし、保育園は母子家庭や世帯収入の低い家庭を優先的に入れるように配慮しているのです。
そこに目をつけ、母子家庭、世帯収入を低くして保育園に入りやすい条件を揃えることが目的。
実際に離婚を行う前はなかなか入ることができなかったところも、自分が働かなくては子どもを食べさせることができないと訴えれば、無理やり入園することができるでしょう。
偽装離婚するメリット・デメリット

メリット
偽装離婚を行えば、生活保護を受けやすくなったり、母子手当を受けられたりと、今まで受けられなかった様々な公的保護を受けやすくなります。
本当は夫と二人で子供を育てていたとしても、申請時には自分一人の世帯収入を書くので、そこから様々な恩恵を得られるんだとか。
さらに、実際には夫の稼ぎもあるため、2重で収入を得ることができるのです。
保育園でも優先的に入れることができれば、安心して仕事を続けることもできるでしょう。
このように、稼ぐことができないと思っていた額の金額を簡単に手に入れることができてしまうのです。
デメリット
偽装離婚では金銭的なメリットが大きいですが、それ以上にデメリットがたくさんあります。
もし、ばれてしまった時、社会的な信用性は一気に下がってしまうのです。
会社も辞めなくてはいけない状況になり、同じ地域に住み続けることも難しいかもしれません。
親や兄弟にも迷惑をかけ、長く後ろ指をさされる生活が続いてしまうでしょう。
また、偽装であっても離婚の申請をすれば、今まで一緒に払ってきた国民年金や健康保険、住民税などの税金も別々に払わなくてはいけなくなり、その分がマイナスになることも頭に入れておきましょう。
偽装離婚の危険性

- 再婚の予定を反故にされる
- 相手と死別してしまう
- 犯罪歴がつく
危険性①:再婚の予定を反故にされる
本当は、再び再婚をしようと口約束をしていたとしてもそれが果たされないこともあります。
嘘でも一度離婚届を提出してしまえば、二人はただの他人。
そのあとは、誰と恋愛をして結婚をしても何の罪に問われることもありません。
そのため、いくら口で堅い約束をしていたとしても、それが破られて相手を訴えることはできません。
知らない間に相手が他の女性と結婚してしまっていたということもあるかもしれません。
危険性②:相手と死別してしまう
後に一度預けていた財産を受け取るつもりで偽装離婚をしたものの、相手が急に亡くなってしまうこともあります。
すると、そのまま相手に渡った財産があなたに返ってくることはありません。
たとえそのお金のすべてがあなたのものであったとしても、その財産は相手の親族で分けられてしまうのです。
それを裁判所に申し出たとしても、決してあなたに味方してくれることはないでしょう。
危険性③:犯罪歴がつく
偽装離婚をしてばれてしまうと、犯罪に当たることがあります。
今は目先の楽しさや儲け話に目がくらんでいるかもしれません。
しかし、ばれて犯罪歴がついてしまうと、一生を無駄にしてしまうかもしれないので、一度冷静に考えてください。
犯罪歴がある人は、それだけで就職先を断られてしまったり、住む場所を探すのも大変です。
人付き合いでも避けられるようになり、家族にも迷惑が掛かるでしょう。
偽装離婚は犯罪にあたる?

生活保護を不正受給していた場合や財産隠し、保育園に優先的に入れようとした場合には、刑法第157条に規定されている公正証書原本不実記載等罪が当たります。
公正証書原本不実記載等罪は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課される立派な犯罪です。
偽装離婚がバレるパターン

では、偽装離婚がバレるパターンを詳しく見ていきましょう。
パターン①:ケースワーカーの訪問
生活保護を受けるようになると、ケースワーカーや一部の福祉施設が監視をするようになります。
不正受給をして、生活保護費を悪用する人が増えており、それらを防ぐためにも欠かせない人たちです。
そして、日々の生活や、お金の使い方などを見ておかしいところがあれば、さらに監視の目を強め、訪れる頻度を増やしていくのです。
生活保護Gメンという専門の役職に就く人たちもおり、ますます嘘をつきにくい環境になっているみたい。
また、うっかり人に実情を話してしまい、そこから密告されてしまうケースもあるようです。
パターン②:破産管財人の監視
破産を行うと、自分の財産についてきちんと裁判所に報告する義務があります。
さらに、財産管理人という人が付き、厳しく財産を監視されるようになり、そこから発覚することも。
また、最初に配偶者に渡す慰謝料の額があまりにも大きかったり、不当に財産が渡っていると判断された場合にも詳しく調査されてしまうことがあります。
パターン③:保育園の先生やママ友から
保育園に入りやすくするために偽装離婚をした場合は、その後も一緒に暮らし続けている家庭がほとんどです。
すると、いくら周りの目を欺こうとしていても、どうしてもぼろが出てしまうもの。
子どもから一緒に暮らしていないはずのパパの話題が頻繁に出てしまったり、父親が迎えに着たりと不自然な点が目立ちます。
そして、不思議に思った保育園の先生やママ友が通報をして発覚するケースが多いようです。
偽装離婚がバレるとどうなる?

では、偽装離婚がバレるとどうなるのでしょうか?
- 公正証書原本不実記載罪が適用される
- 生活保護の打ち切りと返済
- 免責不許可事由にあたる
- 詐欺破産罪を課せられる
- 保育園は退園へ
次に、偽装離婚がバレるとどうなるかを詳しく見ていきましょう。
①:公正証書原本不実記載罪が適用される
刑事罰である公正証書原本不実記載罪が適用される場合があります。
実際には一緒に暮らしているのに、離婚しているように見せかけ、役所に虚偽の報告をして、不正に戸籍の内容を変えさせる時に成立。
刑罰は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金刑で立派な犯罪です。
社会的地位を失い、今まで築いてきた信頼性は全くなくしてしまうでしょう。
会社にも勤めにくくなり、引っ越しを余儀なくされることもあります。
②:生活保護の打ち切りと返済
今まで不正に受け取ってきた生活保護は、ばれた時点で当然打ち切りになります。
さらに、不正に受け取ってしまった分の返還を要求される場合もあるでしょう。
さらに、嘘をついて受給していたために、役所のブラックリストに載ってしまい、その後生活に困ってしまったとしても簡単に生活保護を受け取ることはできなくなってしまいます。
③:免責不許可事由にあたる
本来破産をすると、自分ではどうにも返済できなくなってしまった借金を免責してもらうことができます。
しかし、財産を隠そうとしたことが判明すると、面積不許可事由にあたるんだとか。
偽って財産を残そうとした結果、面積できるはずの借金がそのまま残ることになり、せっかく破産までしたのに、再び借金を返していかなくてはいけなくなるのです。
④:詐欺破産罪を課せられる
もし、破産時の財産を隠そうとした場合、それがあまりにも悪質だったなら詐欺破産罪という罪になる可能性もあります。
これは非常に重い罪で1か月以上10年以下の懲役または1000万円以下の罰金刑が課せられてしまいます。
ちょっとした出来心で行った結果、多くの罰金を払うことになったり、長く警察で事情聴取を受けたりと大ごとになってしまうかもしれません。
⑤:保育園は退園へ
無理やり入れた保育園も、それがばれたのであれば容赦なく退園させられてしまいます。
せっかく友達ができた子どもは、とても辛い思いをするでしょう。
また、ママ友や近所の人たちには事情をすべて知られてしまい、同じ場所に住み続けることも難しくなってしまいます。
こちらの都合を聞いてくれることはまずないので、職場にも大きな迷惑をかけ、続けることも難しい状況になるかも。
本当に子どものためを思って、自分も仕事を続けたいと願うなら、正しい手続きを踏んで保育園を探しましょう。
偽装離婚を選ぶ前に考えるべきこと

では、偽装離婚を選ぶ前に考えるべきことにはどんなものがあるでしょう?
- リスクを冒してまでやることか
- 子どもの気持ち
- 今抱えている問題の整理
- 専門家に相談する
次に、偽装離婚を選ぶ前に考えるべきことを詳しく見ていきましょう。
①:リスクを冒してまでやることか
偽装離婚は収入を増やしながら、今の生活を維持できる素晴らしいことに思えるかもしれません。
しかし、ばれたときのリスクは非常に大きいものであることを理解しましょう。
刑事罰に当たるものであり、社会的に信用を失い、今までのような暮らしは出来なくなってしまうはず。
さらに、罰金を払ったり、うけとった不正受給分を返金しなくてはいけなくなり、かえってマイナスになることもあります。
そんなリスクを抱えてまでやる価値があるのかと、一度考えてみて下さい。
②:子どもの気持ち
親の都合で振り回される子どもの気持ちを考えてみましょう。
もし離婚届を出せば、苗字は変わり、周りにも両親は離婚をしたと伝えなくてはいけません。
実際には仲良く暮らしていたとしても、子どもは常に嘘をつき続けなくてはいけなくなり、後ろめたい思いをするではず。
そんな毎日が子どもにどんな影響を及ぼすかを考えて下さい。
③:今抱えている問題の整理
偽装離婚をしたいと考えている人は、今の生活に何らかの不満を抱えているからこそです。
では、一度何が問題で、どうすればいいのかを冷静に見つめなおしてみましょう。
解決策は偽装離婚だけではないはずです。
自分の親を頼って子どもを預けてみたり、役所に相談に行って生活保護の申請をしてみるのもいいかも。
④:専門家に相談する
自分たちだけで考えても思うような解決策が思い浮かばないのであれば、専門家に相談してみるのも一つの方法です。
弁護士を訪ねて債務整理をしてもらったり、破産時の財産の残し方を相談してみるのもおすすめ。
また、役所に行けば、今まで見過ごしていた公的手当を受給できるかもしれません。
偽装結婚をする前に冷静に考え直そう

最近話題になっている偽装結婚は、生活をそのままに、離婚届だけを出して戸籍を分けて様々な資金を得ようとすることです。
戸籍を分けて、収入を低く申請すれば、不正に生活保護を受給したり、保育園に入りやすくすることができるんだとか。
日本では紙一枚で簡単に離婚をすることができるため、偽装離婚もばれにくく、こっそりと法の目をかいくぐっている人も増えてきています。
しかし、それがばれてしまうと刑事罰に問われたり、今までの受給分や罰金を払うなどリスクも大きいみたい。
簡単に収入を増やせるからと甘く見るのではなく、ばれてしまうとどうなるのかを冷静に考え、法に触れる行為は絶対にやめましょう。
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