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「言質を取る」の意味とは?

言質を取るためにメモ書きにして証拠を残す

意味

「言質を取る」は「げんちをとる」と読みます。
言葉の意味は、「証拠になる語句や文言を相手から確実に得る」ことをいいます。

どのような時に使うかというと、個人間での重要な約束をする時や、仕事に関する契約をする際に口約束だけでは不安な場合があります。
書面で確実に書き記したり、レコーダーなどに録音したりして証拠を残す必要があるでしょう。

プライベートでもビジネスでも使うことがあります。
どちらかと言えば、ビジネス上で使うことがほとんどでしょう。

語源

「言質」は会話の内容や書面などの言葉が相手への証拠となるということです。
「質」(しち)は、契約や約束、借入などをする時に相手への保証となる物を指す語句です。

例を挙げると、「人質」や「質草」の質と同様で確実に決まったことを守るために相手への保証として取る物をいいます。
「言質」は「相手との約束を守るための確証となる文言」を意味します。

「取る」はしっかりと預かる、確実に得るという意味合いにとらえると良いでしょう。

「言質を取る」の例文・使い方

公式発表の言質を取るために記録を取る

言葉を間違えて使うと恥をかいてしまいます。
語句の正しい使い方を説明します。

①:約束を守らせる

「○○号室の借家人に二度と迷惑をかけることはしないと言質を取るようにした。」
「相手先に納期は○月○日までと言質を取るようにしましょう。」

相手に約束を守らせる際に、確実に保証させる必要があります。
本人が「守る」と宣言したことについて、確実に約束させて証拠を残す時に「言質を取る」という語句を用います。

言質を取るために、書面などの後で残る形で相手と自分が保管するのが一般的でしょう。

②:発言や情報が正確なことを示す

「○○大臣の発言が確かなことなのか、ご本人に対して言質を取ることにした。」
「△△株式会社が倒産すると社員の人が内密に教えてくれたというが、言質を取るようにしたのだろうな!」

相手側に取材したり、聞き取り調査をしたりした時に、思わぬ発言や情報が得られることがあります。
確実なことを発表したり、報告をしたりしないと、言った言わないのトラブルに発展することもあるでしょう。

実際に発言をした本人や、本人に近い人に正確な情報で発言が正当な物か確認して証明させる必要があります。
実際に言ったと確認を取ることや、情報が正しく自身が発信者だと認めさせる意味で使えます。

③:念を押す

「課長に明日のスケジュールはこの通りで良いでしょうねと尋ねて、部署の人の前で言質を取った。」
「部下に明日までに報告書を仕上げられるかと聞いて、大丈夫だと部長の前で返答させて言質を取るようにした。」

「言質を取る」は念押しするの意味でも使えます。
コロコロと自分の気分次第でスケジュールを変える上司や、仕事の締め切りの期日や時間を守らないルーズな部下がいた場合に、しっかりと確認させる意味で念を押す時に使えるでしょう。

ただし、社内の人の前で書面で証拠を残そうとすると、相手から疑われていると思われ、気分を悪して人間関係にひびが入る恐れがあります。
社内の多くの人がいる前で言ったり、他の上司がいる場で念押しをしたりすれば、聞き取っている方が多いです。

他の誰かが念を押していたことを覚えていてくれるでしょう。

【場面別】「言質を取る」の使い方

共有のスケジュール管理アプリに保存して言質を取る

プライベート

プライベートであれば、お金を借りるなどのあまり人目に触れたくないことなら、内容を書き入れて納期を設定して、日時や署名をして書面で証拠を残すケースが多いのではないでしょうか。
簡単な頼み事の場合は、口約束では言質を取るのが難しいため、メモ書きで渡して細かく確認させて言質を取ることもあります。

直接SNSでメッセージを送信しても良いですし、人に隠さなくても構わない約束事の場合は、あえてグループ全員で確認できる状況にし、SNSでメッセージを残させて言質を取ることもあるでしょう。
彼氏が浮気症の場合、口約束では何度も破られることがあるため、二度と浮気をしないとメールやメッセージで残そうとする彼女もいます。

ビジネスシーン

ビジネスシーンで社外の人に対して言質を取る場合は、契約書を交わすのが最も確実な方法です。
しかし、内定段階の約束であれば契約を交わす以前の問題なので、相手方にメールのメッセージを通じて言質を取る手段も使えます。

社内の人で言質を取る場合は、ビジネスチャットなどの方法で日時や時間が分かるように証拠として残す方法も有効です。
社内でのネットワークが整っていない場合は、文書を発行して相手に確認させ、理解した証拠として認印を押させて言質を取る場合もあります。

「言質を取る」の類語

言質を取るのために誓約書にサインを書かせる

日本語では同じ語句を使うとしつこく単調な感じがするといわれて嫌われることがあります。
同じ言葉を避けるため、「言質を取る」に似た言葉を紹介します。

類語①:確約する

言質を取るの類語に「確約する」があります。
「確約」ではっきりとした約束という意味です。

「確約する」といった場合は、明白なはっきりした約束をするという意味合いで使えるでしょう。
例としては、「個人の感想であり、効果を確約するものではございません。」という使い方があります。

コマーシャルや広告などで、通販等で購入した商品の感想を利用者が述べた時に記載されることの多い注意書きの文章です。
企業側としては、効能や効果を感じ方には個人差があるため、はっきりと明白に約束できないということを言いたいのでしょう。

類語②:誓約を取る

「誓約」とは、ある取り決めをした際にそのことを変えないと誓う約束のことを言います。
「誓約を取る」ということで、固くしっかりと約束したのが確かであるという証拠を取ったという意味合いで使うと良いでしょう。

誓うという語句が入っていることから、単に約束をしたというよりも、もっと固い、相手に強い確証を与えられることがあるように感じられます。
「誓約書」という場合は、固く誓ったことを書類にすることです。

「誓約書を取る」となると、書面として証拠に残したものを自分の側でも把握して保管するという意味合いになるでしょう。

「言質を取る」の英語表現

言質を取るようにして相手が約束を守った

英語で「言質を取る」と言う場合は、"pledge"(意味:誓約)を使います。
"take a person's pledge~"で、誓約する、言質を取るという意味です。

"promise"(意味:約束)という単語を使って表現することも可能です。
"make one promise to do sameshing"で、~と契約をする、約束をするという意味になり、言質を取るという意味でも使えるでしょう。

言質を取る人の特徴

いつも言質を取るように仕向ける真面目な性格の上司

何度も言ったことについてしっかりと確認を取ろうとする人もいます。
後々面倒なことにならないように、言質を取る人の特徴をみてみましょう。

  1. 疑い深い
  2. 過去に裏切られたことがある
  3. 慎重な性格
  4. 嘘が嫌い
  5. 真面目で誠実な人

人の特徴について詳しい説明を加えます。

特徴①:疑い深い

非常に疑り深い人は、相手からしっかりと言質を取ろうとする特徴があります。
相手が約束を守ってくれるかどうか疑心暗鬼になって、確実に守ることを保証させるように相手に求めるでしょう。

相手からすると信頼されていないようで気分が悪くなる場合があります。
しかし、疑り深い性格で言質を取る人は、後で損害を受けたり、期待していたことが守られなかったりするのが嫌なのでしょう。

特徴②:過去に裏切られたことがある

過去に手ひどい裏切りを受けたことのある人も言質を取る行動をしがちです。
口約束で仕事を受けた時に、取引先の担当者から納期を守ってもらえなかったり、購入する約束をキャンセルされたりして、上司からキツくおしかりを受けたこともあるかもしれません。

文書やメールなどで証拠を取っておかなかったことで、相手がうやむやにして自分の責任として押しつけらたという経験もあるのではないでしょうか。
恋愛面で度重なる浮気や金銭トラブルなど、もうしないと誓ったくせに何度もやるようなひどい裏切りを受ける場合、次にお付き合いをする時に彼氏に言質を取るようになってしまうこともあるでしょう。

彼からは自分はひどいことをしているわけではないのに、なぜ確認を取るようなことばかりするのかと幻滅されてしまうかもしれません。
信用されていないと感じて、上手く行かなくなることもあります。

新しい彼氏が自分に対して誠実であろうと努力している場合は、疑ってかかるような過剰なまでに言質を取るような行動を避けるべきでしょう。

特徴③:慎重な性格

些細なことでも言質を取る人は、とても慎重な人だとも言えるでしょう。
何事をするにも細かく決めて間違いがないように安全に行いたいという気持ちが強いのではないでしょうか。

しっかりとメモを取り、相手に細かい部分まで確認をしてから1つずつ段階を踏んで進めようとしています。
間違いをして相手にも迷惑をかけないようにして、自分自身もトラブルを起こさないように注意している所が見受けられます。

特徴④:嘘が嫌い

しっかりと記録したり、メールなどで日時まではっきりさせようと言質を取る人は、嘘やごまかしが嫌いな性格なのかもしれません。
大ざっぱな人は適当にその場で行き当たりばったりなことを言って、後で修正すれば良いと考えるかもしれません。

しかし、嘘やごまかしを嫌う人は正義感が強く、最初に決めたことを守らない人間に対して軽蔑の気持ちを持つこともあるでしょう。
一度信頼を裏切るようなことをしたら、二度と信用してもらえませんし、お付き合い自体をやめてしまうこともあります。

自分も嘘をつかないようにしようと思うため、はっきりとした覚え書きを残すために言質を取るのだと考えられます。

特徴⑤:真面目で誠実な人

相手に対し誠実な気持ちで付き合いたいと考える真面目な性格の人が、言質を取ってくることがあります。
自分も誠実に対応するため、相手にも同じ対応の仕方を求めるあまり、決めたことを守らせようとするのです。

融通が利かないように思われがちですが、相手のことを考えて真面目に対応しようという気持ちの表れです。
相手のことを尊重しようと考えるので、お互いに明確にしておきたいという思いが強いのではないでしょうか。

言質を取るメリット

言質を取るためにイラスト入りのメモ書きをして記録する

相手から言質を取ると約束をした証拠が残るために、相手が断りにくく決めたことを守ってもらえるメリットがあります。
ただ、言質を取られた方は、しっかりと守る必要があるので、いったん決めた約束はやり遂げなくてはいけないという、ある意味厳しい義務が発生することになるでしょう。

ただ、約束を守るということで、言質を取った相手からの信頼は上がります。
長く付き合いたい相手にとっては、プラスになる可能性が高いです。

相手から言質を取られるリスク

言質を取られているため言われていたことをやっていないと責められる

取引をする相手や親しい付き合いをする友人や恋人に言質を取られることがあります。
リスクとしては、証拠が残っているため約束を守らなくてはいけないことが上げられます。

もし、重大な理由があって守れなかったり白紙にしたりする場合、相手との信頼関係がもろくなることもあるでしょう。
お付き合いが続けられなくなったり、信頼できなくなり距離を置かれたりして、表面上だけの付き合いになってしまうこともあります。

どうしても事情がある場合は、早めに相手に相談して約束を反故にせざるを得ない事情を説明し、相手に謝罪するなどの対処をするべきです。
相手との関係が悪くなることもあります。

ただ、早めに対処した誠意を買われ、代替案が出されて良好な関係をそのまま続けられることもあります。
いずれにせよ、その場のノリで難しい約束をしないように注意が必要でしょう。

「言質を取る」のは口にした言葉を証拠に取られる重大なこと!

言質を取るにしてもしっかり守るため周囲から信頼される人

言質を取るとは非常に重みを持った語句で、約束などを守るために言葉を質草に証拠として相手に取られていることになります。
言葉を質草にするということは、言葉に出して誓ったり、書面やメールなどに残したりすることを表します。

証拠が約束を守らなくてはいけないとか、公的な発言としてとらえられることにもなりかねません。
口約束だけだから構わないと考えていた場合、周囲に人がいて聞いていた時には確かに言ったと証言されるかもしれませんし、レコーダーに録音されているかもしれません。

「確かに言ったよね!」と言質を取られるようなことをした場合、約束通り責任を持って対処をするべきでしょう。

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ライター
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