自己管理とは?苦手な人の特徴とできる人との違い&自己管理能力の高め方
「自己管理」と言えば、アスリートのイチローです。 「朝食をカレーに決めていた」というエピソードは有名ですが、それだけ自分の生活をルーティン化して自己管理をしていたのです。 自己管理ができる人とできない人には、どのような違いがあるのでしょうか? また、自己管理能力を高める方法はあるのでしょうか? 家庭でも職場でも生かせる自己管理方法をご紹介します。
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「自己管理」とは?
意味
自己管理とは、自分の生活や行動を律して管理することです。
英語では「self-management(セルフマネジメント)」で、自己制御の「self-control(セルフコントロール)」とはニュアンスが異なります。
自己管理は、目的達成のために自分の行動やメンタル面を管理するのです。
自己管理の手段として、自己制御や自己促進をします。
種類
①:健康管理
自己管理の根幹は、体調管理・健康管理です。
毎日の睡眠時間の確保、バランスの良い食事、適度な運動はもちろん、定期的な健康診断の受診やメンタルの安定も大切です。
健康管理ができていないと、仕事も経済も人間関係も上手く回らなくなります。
若くて元気な人は「健康で当たりまえ」と考えてしまいがちですが、病気になったり入院生活になった場合を想像してみてください。
体調・健康の自己管理は、人生をしっかり生きる基本です。
②:時間管理
自己管理で二番目に重要なのは、時間を管理することです。
過ぎた時間は二度と戻ることがなく、お金で時間は買えません。
そんな大切な時間を、自己管理能力の高い人は上手に使っています。
時間を自己管理することは、無駄な時間を減らして仕事や趣味を詰め込むだけではありません。
息抜きをして心からくつろげるリラックスタイムを作ることも大切です。
③:金銭管理
自己管理で肝要なのは、金銭管理です。
同じ額の給料で生活をして、貯金している人もいれば、月末になると銀行口座の残高がなくなり、スマホなどの通信費が払えない人もいます。
浪費する人、ギャンブルがやめられない人、貯金が出来ない人は、お金を自己管理できていません。
収入額と支出額をチェックして、抑えられるものは抑えます。
金銭を自己管理することは、長期的に見て余裕のある生活につながります。
④:生活管理
自己管理ができている人は、自宅の部屋も職場のデスクも、バッグの中もきれいに整理整頓されています。
自分の持ち物を管理できている証拠です。
自己管理できていると、必要な時に必要なものがサッと取り出せるので、時間も無駄になりません。
また、余分な物を買わない生活は、必要な物を常に厳選しています。
物を自己管理できる領域を知っている人は、自分の持ち物に愛情を持っています。
⑤:感情管理
感情、中でも「怒り」を自己管理するのは難しいと言われます。
それだけ怒りはエネルギー値が高く、理性を失うことがあるからです。
怒りの感情を持つこと自体が悪いのではなく、怒りに任せて行動することが良くないのです。
感情を自己管理できる人は、怒りの感情を感じても「相手も大変な状況なんだな」「言い方は酷いけど、正論だ」と、理性的に捉えることができます。
自己管理できない人の特徴
自己管理できない人は、どのような人が多いのでしょうか?
- 面倒なことを後回しにする
- 転職を繰り返す
- ドタキャンが多い
- 部屋が汚い
- 肥満体型
自己管理できない人の特徴は、以下です。
特徴①:面倒なことを後回しにする
自己管理できない人は、面倒なことを後回しにする癖があります。
気が進まないこと、苦手なことに手をつけず「後で」「明日しよう」と自分に言い訳をして先延ばしにします。
後回しにすると、さらに面倒くさい結果になることが多いです。
例えば洗い物を後回しにすると、汚れ物が増えてますます洗うのが大変になってしまいます。
自己管理できない人は「自分の行動が、この先どのような結果を招くのか」を想像できず、ラクな道に逃げてしまうのです。
特徴②:転職を繰り返す
自己管理できない人は、転職を繰り返すパターンが多いです。
仕事で嫌なことがあると、すぐに辞めてしまうのが特徴です。
理由は「仕事が合わなかった」「給料が安い」が大半ですが、それは就職する際にある程度わかっていたはずです。
「その状況で自分ができること」を考えて実行することをせずに、簡単に逃げてしまいます。
職場のせいにせず、自分に原因があるかもしれないことを受け入れて、その環境で自分をどう生かすのかを模索するのが自己管理です。
特徴③:ドタキャンが多い
自己管理できない人は約束が守れず、ドタキャンすることがよくあります。
時間にルーズで、遅刻やすっぽかしも多いのが特徴です。
自己管理できないので、当然スケジュール管理もできません。
ブッキングや確認ミスで、当日になってようやく気づき、キャンセルするのです。
また、守れない約束を安請け合いしてしまうケースも、自己管理できていないことの表れです。
特徴④:部屋が汚い
自己管理できない人の部屋は、散らかっています。
掃除が出来ていない汚部屋状態まで達していない人でも、物が多く雑然としているのは共通しています。
ネットショッピングで、欲しい物を後先考えずに買ってしまうのも一因です。
自己管理ができていないので、買うときに本当に必要かどうかが見極められないのです。
片付けや整理整頓ができないのは、持ち物が自己管理の範囲をオーバーしているのが原因です。
特徴⑤:肥満体型
自己管理できない人は、肥満体型が多いです。
スリムなほうが見た目も美しく、いろんなファッションが楽しめるし、動きも軽やかです。
わかっていても、美味しいものや大好きなビールがやめられなくて、ついつい食べたり飲んだりしてしまいます。
「これ以上は食べすぎだからやめておこう」という気持ちが自己管理です。
ダラダラと食べ続ける習慣を手放すと、メンタルもフィジカルも改善されます。
自己管理できる人・できない人の違い
自己管理できる人とできない人には、どのような違いがあるのでしょうか?
- 責任能力
- 小さな努力
- 目標設定
- 自己受容
- 自分の失敗をどう受け止めるか
- 生活ルーティン
- 「NO」と言えるかどうか
自己管理できる人・できない人の違いを詳しく見ていきましょう。
違い①:責任能力
自己管理できる人は、自分の言動すべてに責任を持ちます。
何か問題が起きても、自分で責任をとる人は「この状況で自分ができること」を一生懸命考えます。
自己管理できない人は「あの人が○○してくれないからこうなった」「職場環境のせいで上手くいかない」と他人や環境に責任転嫁をします。
他人に責任を求めると、他人は自分の思い通りに動いてくれないのでイライラします。
自己管理能力がない人が他人のせいにするときの定番フレーズが「どうして私ばっかり」です。
違い②:小さな努力
自己管理できる人は小さな努力を毎日コツコツ継続します。
例えば筋トレでも、自己管理できる人は、自分が出来る範囲で無理なく続行します。
自己管理できない人は、その時その場でラクなほうに流れてしまう傾向にあります。
「たったそれだけのトレーニング量で効果があるとは思えない」「今度ジムに通って効果的に始めよう」と保留にして、実行に移すことはありません。
違い③:目標設定
自己管理できる人は「こうなりたい」という目標を設定します。
目標を設定すると「今何をすれば良いのか」がわかるようになり、行動力が上がり、自己管理能力もアップします。
自己管理できない人は、現状に満足していなくても「まぁこんなものかな」と妥協します。
わざわざ努力しなければならないことを自分で作り出すのは、面倒くさいからです。
自己管理能力の有無は、今後より良く生きて行こうとする姿勢と一致しているのです。
違い④:自己受容
自己管理できている人は、自分のこと、とりわけ自分の弱さをよくわかっています。
自分の弱さ、苦手なこと、怒りのポイントを知って、そんな自分と上手につき合うことが大切です。
自己管理できていない人は自己否定しているケースが多いです。
どんなに立派な人でも弱点や怒りポイントがありますから「弱い自分はダメ」「すぐに怒る私はクズ」と思わなくて良いのです。
「こんなときは気をつけよう」と備えておくことが、自己管理の第一歩です。
違い⑤:自分の失敗をどう受け止めるか
自己管理できる人は自分の失敗を「学び」と捉えて成長します。
失敗して落ち込んでも、いつまでもダメージに囚われずに「次は違う方法を試してみよう」と、チャンスに変えることもできます。
自己管理できない人は自分の失敗を「なかったことにする」もしくは「もう駄目だ」と自己嫌悪に陥るばかりで先に進めません。
誰でも失敗をすることがあります。
自分の失敗を認めて、次の行動に生かすことで自己管理能力を磨きましょう。
違い⑥:生活ルーティン
自己管理できる人は起床時刻と就寝時刻、食事の時間を決めています。
生活をルーティン化すると、自己管理しやすくなります。
お風呂で体を洗う順番が決まっているようなものです。
日々の煩雑なことを、呼吸をするように自然に行うことができると、結果的にラクです。
自己管理できない人はスマホでYouTubeを見ながら夜ふかしをして朝寝坊をします。
「今日は何時にお風呂に入ろうか」「まだ何か食べるかもしれないから歯磨きができない」など考える時間も浪費して、ますます自己管理が大変になります。
違い⑦:「NO」と言えるかどうか
自己管理ができる人は、仕事やプライベートでの頼み事や誘いに対して、必要に応じて「NO」と言います。
能力や時間、すでに抱えている仕事の状況から、明らかに無理な場合「すぐに取りかかれませんが、納期はいつまででしょうか?」と断ります。
自己管理できない人は、その場で角が立つのを恐れて、とりあえず引き受けてしまいます。
引き受けたもののキャパオーバーで収拾がつかなくなり、評判を落としてしまうこともあります。
自己管理ができることのメリット
自己管理ができると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
- 成功する
- 対人関係が良くなる
- 余裕ができる
- 自分に自信がつく
具体的に見ていきましょう。
メリット①:成功する
自己管理ができると、目標達成をしやすくなります。
ダイエットでも、副業を軌道に乗せることでも、自分が望むことを対象に毎日コツコツ努力をします。
この「毎日の努力」が難しいのです。
しかし自己管理ができる人は「今日は帰りが遅くなるから、早起きしてトレーニングしよう」「昨日できなかった分を今日中にしよう」と、努力の継続を絶やしません。
計画が遂行しづらくなったら方法を変えてみるのも、自己管理の賜物です。
メリット②:対人関係が良くなる
自己管理ができると、人間関係が円滑になります。
感情管理ができる人は、怒りにまかせた言動をしないのが特徴です。
カッとなって酷いことを言う人や、怒りのあまり途中退席するような人とは、誰も一緒に仕事をしたくありません。
怒ったりイライラした気持ちを表さないという、それだけでもコミュニケーションをスムーズにします。
メリット③:余裕ができる
自己管理ができると時間に余裕ができるので、焦ることがなくなります。
焦らなければミスをすることも少なくなり、失敗も防ぐことができます。
熟考して丁寧な仕事ができるようになり、周囲からの評価も上がります。
余裕ができていちばん影響を受けるのは、メンタル面です。
メンタルに余裕が生まれると、ますます自己管理しやすくなり、良いことだらけです。
メリット④:自分に自信がつく
自己管理ができると、自分に自信がつきます。
「自分のことは自分で決めることができる」ことに気づくと、他人に振り回されることがなくなります。
他人の評価が気になったり、他人の言動に一喜一憂していると疲れます。
他者評価を手放すと、余計なノイズがなくなり、行動力がアップします。
行動力が上がると小さな達成がたくさんあります。
達成を繰り返すうちに、自分に自信がつきます。
自己管理能力を高める方法
どのようにすれば自己管理能力を高めることができるのでしょうか?
自己管理能力を高める方法をご紹介します。
- 早寝早起き
- バランスの良い食事
- 断捨離
- 自分の心と対話する
- ゴールを設定する
- 計画を立てる
- 日記を書く
- 習慣化する
方法①:早寝早起き
自己管理能力を高めるには、まずは早寝早起きから始めます。
早起きを続けて睡眠不足だと感じたら、夜早めに就寝しなければならないことがわかります。
夜早めに寝るには、夕食の時間も早く設定しなければなりません。
飲み会に参加する回数も減らすと、アルコールの摂取量も減り、支出も抑えられます。
早寝早起きの習慣は生活全般の見直しにつながり、自己管理能力を培います。
方法②:バランスの良い食事
自己管理能力を高める第二の方法は、バランスの良い食事を摂ることです。
身体は、口から取り入れたもので出来ています。
バランスの良い食事は、体とメンタルの調子を整え、健康を維持します。
「アルコールを控えよう」「もっと野菜を摂ろう」と自己管理することは、体に良い変化をもたらします。
方法③:断捨離
自己管理能力を高める最大のワークは、断捨離です。
ごちゃごちゃになった部屋は、自己管理能力を磨く訓練場です。
必要か不必要かを見極める作業、それらを捨てる行為。
燃やせないゴミや粗大ごみは、捨てるだけでお金も手間もかかります。
断捨離を終了させて部屋がスッキリする頃には、自己管理能力が間違いなくアップしています。
方法④:自分の心と対話する
自己管理能力を高めるために大切なのは、自分の心の声を聞くことです。
ついつい買い物をしてしまう人は「あれが欲しい」と思ったときに「なぜ?」と自分に問いかけます。
「友達に自慢したかった」「彼の目を惹きたかった」など、意外な答えが出てくるかもしれません。
自分の真意が理解出来たら、買い物は必要なくなる場合があります。
自分と対話して欲望をコントロールできるようになると、自己管理能力が高まります。
方法⑤:ゴールを設定する
自己管理能力を高めるために、着地点(ゴール)を設定しましょう。
「CEFRでレベルCを取得する」「副業で月収20万円をめざす」などの具体的なものがおすすめです。
最終ゴールの目標が高すぎると感じたら、中間ゴールを設定します。
「まずはレベルB」「趣味の刺繍作品をネット販売して月収2万円を得る」という感じです。
努力次第で手が届くくらいが理想的です。
方法⑥:計画を立てる
自己管理能力を高めるには、ゴールに向かって計画を立てましょう。
計画を立てると、非常に効率が良くなります。
計画の主要は、時間配分と労力配分です。
目標達成の期限を決めて、毎日どれだけの時間と労力を費やすのかを決めます。
計画を立てること自体が自己管理の一環ですが、計画を遂行することでさらに自己管理能力が磨かれます。
方法⑦:日記を書く
自己管理能力を高めるために、毎日の記録や日記を書きましょう。
目標達成計画の進捗状況を、毎日記録します。
記録すると現状の把握ができるだけでなく、「もっと頑張ろう」と励みにもなります。
自分を客観的に見られるので改善点もわかり、達成率が上がります。
ブログでもカレンダーにメモでも良いので、振り返りができるようにしておけば、目標達成と自己管理能力育成が期待できます。
方法⑧:習慣化する
自己管理能力を高めるために、先述の事柄すべてを習慣化します。
つまり、早寝早起き・バランスの良い食事・断捨離・自分と対話・日記を毎日続けるのです。
習慣とは「習わし、癖」ですから、無意識に行うレベルです。
食事の後に歯を磨くように、当たり前のこととして取り入れます。
習慣化するまでには多少の無理と努力が必要ですが、21日続けると習慣化が身につくと言われています。
自己管理能力が21日で高められるのなら、ぜひ試してみましょう。
自己管理能力の向上におすすめの本
「自分を変えたい!」と願う人に、ぜひ読んで欲しい本が3冊あります。
自己管理能力の向上におすすめの本をご紹介します。
①:勝間式超コントロール思考
経済のスペシャリスト・勝間和代さんの著書。
仕事・家事・投資・人間関係すべてに対して、常に「超コントロール思考」をフル回転させて生活するノウハウが、現実的に書かれています。
人生を楽しくストレスフリーに生きるための具体的な工夫、最新テクノロジー情報も満載です。
②:人生の質を高める12の習慣~ライフクオリティ向上プログラム~
2006年から始めたブログで、フォロワーが74000人を超える、カリスマ人気ブロガーのワタナベ薫さんの著書です。
「人生を変えるには習慣を変えること」を軸に、自己管理がとてもわかりやすく書かれています。
各章にワークが付いているので、質問に答えるだけで自分の内面を見直すことができます。
③:本気で変わりたい人の行動イノベーション
目標実現のメンタルコーチ・大平信孝さんによるバイブル的な著書です。
アドラー心理学に基づいたコーチングで「自分がどうしたいのか」「実現するための行動」の方法が書かれています。
「自分を変えたい」「でも何をすればいいのか分からない」人のきっかけになる一冊です。
自己管理を継続するには?
早起きをすると決めても三日坊主で終わってしまったら、それは自己管理ができているとは言えません。
そもそも自己管理は「どうして早起きをしようと思ったのか」という原動力が必要です。
「5キロ減量したい」「毎月の貯蓄額を1万円増やしたい」など、理由や動機を明確にします。
そのための手段として「出社前のジョギング」「お弁当を作る」などの早起きを、毎日の習慣にします。
早起きが辛くなったら当初の理由を思い出して、モチベーションを上げましょう。
これを継続しているうちに、自己管理能力が身につきます。
自己管理能力が高い人は、自分で自分に責任を持っている
自己管理とは、行き着くところ「自分で自分に責任を持つこと」です。
他人に責任転嫁していると、問題は解決しないどころか大きくなる一方です。
すべては自分の責任だと腹をくくると、失敗をしても「どうやってリカバリしようかな」と、前向きに行動できます。
これを習慣づけると、何かを決定するときに「失敗しても自分の責任だから、自己管理できる範囲にしよう」と慎重になります。
「自己管理能力が高い」と評価される人は、日々の小さな決定も他人に委ねず、自己責任で行動しているのです。
取り入れたくなる素敵が見つかる、大人女性のためのwebマガジン「noel(ノエル)」。
メイク・コスメ、美容、ライフスタイル、ヘアスタイル、ファッション、ネイル、恋愛のテーマで、編集部が独自調査、または各分野のスペシャリストが監修した記事を毎日更新しています。いまの気持ちに1番フィットする情報で、明日を今日よりすばらしい日に。