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北海道の方言(北海道弁)の特徴・種類

北海道テレビ塔

北海道の方言(北海道弁)と言われて「したっけ」や「なまら」がでてくることが多いですね。
「そだねー」のように標準語に近い言葉なのにイントネーションが独特のもの、「うまいっしょ」のように語尾に特徴があるものなど、他にも北海道弁らしい空気を出している要素があります。

これを知っていたら北海道弁っぽい雰囲気がつかめそう…そんな、北海道の方言(北海道弁)の特徴や種類についてみていきましょう。

北海道の方言(北海道弁)の特徴

北海道では、東北地方から移住してきた人が多いので、方言には東北弁の影響を受けています。
函館方面(道南)の海岸部には古くからの移住者が多いので、特になまりが強く特徴的です。

イントネーションやアクセント

年配の人の北海道弁では、東北地方のズーズー弁のように、シとス、チとツ、ジとズの区別がつかないことがあります。
「7時集合ネ」⇒「すつずからあつまるべ(7時から集まるべ)」と聞こえます。

また、「なにも、捨てることはないですよ。」⇒「なーんも、なげることないっしょ」のように、方言になると三連音符に乗ったリズムを感じます。

イントネーションでは、標準語で平板な「いちご」「いす」を、高低がついて「ちご」や「す」、標準語のと違うアクセントになることがあります。

語尾

「~っしょ」(うまいっしょ)、「~(だ)べさ」(やっぱ味噌味だべさ)、「~かい」(映画みるかい?)のように、北海道弁では「~ですよね」や「~しますか」のかわりに使われます。

北海道の方言(北海道弁)の種類

  • 浜言葉(函館など海岸部:訛りが強い)
  • 内陸系(道央部など:東北弁に似た印象)
  • 標準語より(都市部:ほぼ標準語)

ざっくり分けると3パターンになります。
共通の特徴として広まっている北海道の方言(北海道弁)は、全道的にどこでも聞かれます。

ただし、北海道は他県から移住してきた人が多い歴史があるので、どこから移住してきたかで方言のに違いがでてきます。
函館などの海岸部では、江戸時代には東北からの移住者がいた事で浜言葉と呼ばれる北海道弁が根付きました。

札幌など都市部では、かなり標準語に近く、若者はイントネーションやアクセントのみ北海道弁というケースも増えています。

標準語と比べてなまりのある方言なのに、札幌の若者は「うちら、標準語じゃないかい?」と、方言に気づかずに使っています。(~かい?は北海道弁的な話しかたです。)

北海道の方言(北海道弁)のよく使われる定番表現

北海道函館の夜景
北海道出身の芸能人のしゃべりに登場する北海道の方言(北海道弁)や、北海道でリアルによく使われる北海道弁の定番表現をみていきましょう。

①:なまら

【なまらあせったわ】
すごくあわてました。

「すごく」や「とても」という時に使います。
北海道の方言(北海道弁)の代表選手です。
なまらうまい、なまらあつい、なまらやばいなど、意味を強める方言です。

②:したっけ

【したっけ、また明日ね】
じゃあ、また明日ね。

「そうしたら」という意味の方言なので、会話の途中で「したっけ、しょっぱくなっちゃのさ」(そうしたら塩味が濃くなってしまったのよ)のように使うこともあります。

③:しばれる

【水道しばれたらどうもなんないわ】
⇒水道が凍ってしまったら、どうしようもなくなってしまうよ。

水道が凍るとトイレも流せないし、ひどい場合水道管にヒビが入って水漏れを起こします。
マイナス気温の夜は、水道の元栓を閉める「水おとし」をします。

「しゃっこい」は冷たい、「しばれる」はさらに冷え込みが厳しい表現の方言です。

④:わや

【部屋ん中、わやになってるんでないの?】
⇒部屋のなかが、ひどいことになっているんじゃない?

「めちゃくちゃ」や「ひどい」ことです。
計画がだめになるときにも、「わやになった」と言うことがあります。

ヤバイの意味に使われることもある方言で、「テストわやかった」、「今日の仕事わやだった」といいます。

⑤:あめる

【このすじこあめてるわ。いたましいけどなげるね】
⇒この筋子(ほぐしていない、いくら)腐っているよ。もったいないけれど捨てるね。

あまくなるような響きですが、腐ってダメになることを表す方言です。
遠足で筋子をおにぎりを持っていきたいときには、あめないように気をつけましょう。

⑥:まかなう

【はやくまかなわないと遅刻するよ】
⇒早く着替えないと遅刻するよ。

「あわててまかなったから、うしろまえあっぺ(逆)になっちゃった。」なんて言うこともあります。
子供の頃から使っていると、方言だと気づかないでいる人もいます。

⑦:ごんぼほる

【そんな、ごんぼほったってだめだよ】
⇒そんなダダこねてもだめだよ。

スーパーの駄菓子コーナーでダダをこねて動かない子どもは、「ごんぼほる子ども」です。
わがままでダダをこねる人は「ごんぼほり」です。

⑧:こちょばす

【罰ゲームだってこちょばしてくるんだわ】
⇒罰ゲームだと言って、くすぐってくるんです。

「こちょばす」を北海道の方言(北海道弁)だと思わずに使っている道民は多いです。
くすぐったいことを「もちょこい」という場合もあります。

青森の方でも、同じように「こちょばす」や「もちょこい」を使う場所があります。

⑨:おだつ

【出かけるとすぐにおだつんだから】
⇒出かけると、すぐにはしゃいで調子に乗るんだから。

子どもに向かって、親や先生が使うことが多い方言です。
北海道弁で、落ち着きがなくなる、調子に乗ることを表したい時に使います。

⑩:うるかす

【お米、何合うるかしとく?】
⇒お米、何合水につけておきましょうか?

お米を炊くときには、水につけて吸水させるとふっくら炊きあがります。
水に浸かってふやかすことを北海道弁で「うるかす」といいます。

長風呂で指先がふやけた場合にも、「指がすっかりうるけたわ」といいます。

⑪:いいふりこき

【おまえなら、ホントいいふりこきだもんな】
⇒きみは本当に見栄っ張りですよね。

自分をより良く見せようとする「見栄っ張り」の行動を北海道弁で「いいふりこき」といいます。

「あんまりいいふりこきだから別れたわ」…見栄っ張りな男性に疲れたことが原因で別れたら、北海道弁では、こんなふうに言われてしまうのです。

⑫:あずましい

【もうワンサイズ上の方があずましいんでないかい?】
⇒もうワンサイズ上のほうが落ち着いてしっくりくるのではないですか?

気持ちが落ち着いてくつろげる、広さや機能が十分にあるので、困ることがないという時に使われる方言です。
とうきび(とうもろこし)を茹でる時に、「そっちの鍋のほうがあずましいんでないかい?」といいます。

⑬:げっぱ・げれっぱ

【足遅くてげれっぱさ】
⇒足がおそいので最下位でしたよ。

一番ダメだった、最下位だったという時に使う方言で、「げっぱ」や「げれっぱ」を使います。
短縮して、「げれだわ」ということもあります。

⑭:こわい・こえ

【風邪かな。こわくてどもならんわ】
⇒風邪かな。からだがだるくてどうにもツライ。

こわいという音から、「怖い」を連想してしまいますが、北海道の方言(北海道弁)では、だるくて体調が悪い時に「こわい」、それがさらになまって「こえ」といいます。

重労働でギブアップというときには「ああー、こえー。もうやめるべ」です。

⑮:ゆるくない

【そりゃやっぱ、ゆるくないべさ】
⇒それはやっぱり、簡単にできることではないよね。

テストで1位をとる、コンクールで優勝する、レアアイテムを入手するなど、「難しいですね」と相槌を打つ時に「ゆるくない」を使います。

体力的にキツイ、大変なことだと表現するときにも「ゆるくない仕事」などのように言います。

北海道弁の中でも青森津軽弁の影響が強い函館弁は、なまりを強く感じる言葉が多いです。

北海道の方言(北海道弁)の告白フレーズ・かわいい表現

素朴でかわいい北海道の方言(北海道弁)を使って告白されたら、イケメン男子もグッときてしまうかもしれません。
方言女子のかわいさがアピールできる告白フレーズをみていきましょう。

①:なまら好きに決まってるしょや

意味「すごく好きに、決まってるってわかっているでしょ?」

「なまら」と、「~しょや」に北海道弁らしさが感じられるストレートな方言告白フレーズです。
ピシャリと言い放つような鋭さに、恥ずかしくてたまらないドキドキが込められて、いじらしさが伝わります。

②:あんたといるとあずましいって思うのさ

意味「あなたといると、居心地がよいって思えるの」

一緒にいて、やすらぎや居心地の良さを感じられる彼氏が理想だという女子も多いのではないでしょうか。
癒し系の魅力を持った彼に告白するなら、こんな方言フレーズがぴったりです。

③:照れくさくてもちょこくなっちゃった

意味「照れくさくて、くすぐったい気分になっちゃった」

告白するのはドキドキするし、きちんと言葉で「好き」と伝えるのは、照れくさいものです。
耳元で「大好き」と告白して、真っ赤になって「照れくさくてもちょこくなっっちゃった」なんて方言で言ったら、「俺もだー」と彼氏が抱きしめてくれるでしょう。

④:しばれるね。もっと寄っていいかい?

意味「凍りつくほど寒いね。もっと寄ってもいいかな?」

とっても寒い日、女子から積極的にスキンシップを求められたら、断る男性はいないのでは?
さり気なく腕を組む、手を繋いだままコートのポケットにイン、肩を寄せ合って息がかかるような距離に接近…どれも、彼の心をとりこ(虜)にしてしまうシチュエーションですね。

⑤:一人だとわやになっちゃう。ずっとそばにいていいっしょ

意味「一人になったらメチャメチャになっちゃう。ずっとそばにいていいでしょ」

彼がいないとメチャメチャになってしまうかもしれない、普通ではいられなくなってしまうかもしれない激しく燃え上がる恋をしているのなら、こんな告白になるかもしれませんね。
「ずっと一緒にいていいっしょ」と方言で言われたら、一途さにグッと来る彼氏は多いのではないでしょうか。

北海道の方言(北海道弁)の面白い表現

北海道弁と富良野
標準語とは違う、北海道の方言(北海道弁)ならではの表現をみていきましょう。

①:押ささる

【ごめん。スイッチ押ささっちゃた】
⇒ごめん。スイッチ(押すつもりがなかったんだけど)押してしまったようなの。

「押ささる」は、自分の意思と関係なく「押す」という結果になってしまったニュアンスが含まれています。
トイレに入っている人がいたのに、スイッチの前を通りかかって腕がぶつかって電気を消してしまったら、北海道の人は方言と気づかずに「押ささっちゃった」と言うでしょう。

ちょっと責任をぼんやりさせるような曖昧な言い方です。
「干ささる」、「炊かさる」、「言わさる」、「置かさる」など、「~さる」にすると、そんな状況になってしまったというニュアンスがでて便利です。

②:ゴミなげ

【ちょっとゴミ投げてきて】
⇒ちょっと、ゴミを捨ててきください。

北海道の方言とは気づかずに使って、ゴミをどこかに放り投げられたという笑い話は定番です。
ゴミを捨てる場所に置くことを「ゴミなげ」と表現します。

書き損じの書類を捨ててほしい時にも、北海道では「それ投げといて」と方言を使います。
北海道弁と気づかずに撒き散らしたら大変ですね。

③:手袋をはく

【しばれてるから手袋はいていきなよ】
⇒凍りつくほど寒いから、手袋をはめていきなさい。

標準語では、下半身に身につけるものに「履く(はく)」を使います。
「手袋をはく」と言われたら、手袋に足先を差し入れてしまいそうですね。

④:ばくりっこ

【ばくりっこしよう】
⇒お互いに交換しあいましょう。

交換のことを北海道弁で「ばくる」と言います。
お互いに交換し合う時には、「ばくりっこ」になります。

一緒に御飯を食べていて、人参嫌いのひとと、しいたけ嫌いの人が、お互いに人参としいたけを交換するというとき…
「人参としいたけばくってよ」「じゃあ、ばくりあっこね」という具合です。

言葉の見た目が、「ぱくる」のようでなんだろうと思ってしまいそうですが、お互いに手元にあるものを入れ替える時に使える方言です。

⑤:汽車

【汽車で行ったほうがあずましいっしょ】
⇒汽車で行ったほうがゆったりして楽(あるいはでしょう。

東京などの都市部では、電車ということが多いのですが、広大な北海道では、都市間を結ぶ鉄道はJR北海道が運行するディーゼル車が主流です。
このため、北海道の人は鉄道に乗ることを「汽車に乗る」と言います。

最近は、「JRにのる」という言い方を使う人も多いです。

【おささる】はなんとも便利な言い方ですね。

北海道の方言(北海道弁)を話す芸能人やドラマ・映画

【大泉洋・水曜どうでしょう/探偵はBARにいる】
NHKの大河ドラマや朝ドラでも活躍した大泉洋は、誰もが認める北海道弁俳優です。
特に、出世作となった伝説のローカル深夜バラエティ「水曜どうでしょう」では、チームナックス、オフィスQのメンバーと北海道弁でのやり取りが評判でした。

また、北海道を舞台にした映画「探偵はBARにいる」でも、松田龍平をパートナーにナチュラルな北海道弁を披露しています。

【田中邦衛・北の国から】
今でもものまねネタの鉄板となっている、「富良野の五郎さん」。
ドラマに登場した役者さんは、北海道出身者が少なかったはずですが、臨場感のある北海道弁が飛び交っていました。

北海道弁のかわいさで告白成功

「なまら」や「したっけ」に注目が集まってしまう北海道弁ですが、「さむいかい」や「だいじょぶかい」のように相手を気遣う響きがあったかく聞こえます。

告白に使うと、一途でかわいいと思えるフレーズも多いものです。
「なまら好きにきまってるしょや」、「そんな事言われたら好きっていわさるっしょ」なんて北海道弁を使う方言女子のインパクトが、告白成功につながると良いですね。

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ライター
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