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地域別!東北弁の種類と特徴

東北弁特徴

東北地方は「青森」「岩手」「秋田」「宮城」「山形」「福島」の6県からなる地域です。
縦に長い地方で、最南の福島から最北の青森まで約600キロもあり、これは東京から和歌山県までの距離に匹敵します。

ここでは、地域別に東北弁の種類や特徴を紹介していきます。

青森の方言

青森の方言は、「津軽弁」「南部弁」「下北弁」の3種類と言われています。
東北地方の中でも最北の寒い地域で、あまり口を動かさなくても通じるような言葉が発達してきた場所と言われています。

東北弁の種類①:津軽弁

青森と言えば、津軽弁がとても有名ですね。
外国語にも聞こえることがある独特な方言で、青森の中でも北西部の狭い地域で使われている方言です。

ズーズー弁とも言われており、「ス」と「ツ」「ズ」と「ジ」の区別がはっきりとしていません。
「け(食べなさい)」「こ(来なさい)」など、男性的で短くするどさを感じる言葉なので、他の地域からは、ぶっきらぼうで乱暴に感じてしまうこともあるようです。

東北弁の種類②:南部弁

南部弁は青森の中でも南部で使われている方言です。
岩手でもこの方言が使われていて、津軽弁より聞き取りやすい方言であると言えます。

津軽弁に比べて、女性的でゆったりとした言葉が多く、「せば、わぁ帰るすけね(それじゃあ、私は帰るからね)」など、抑揚が感じられる方言であることが特徴です。

東北弁の種類③:下北弁

下北弁とは青森の中でも主に下北半島周辺で話されている方言です。
下北弁では、言葉を発する際に「か行」の後ろに「ン」が入ることが多いようです。

例えば、「かんじ(火事)」「かんみ(紙)」といった感じで、もったりとした発音になります。
「か行」「た行」がそれぞれ「ガギグゲゴ」「ダジジデド」と濁って発音されやすいとも言われていますよ。

岩手の方言

岩手の方言は「盛岡弁」「岩手弁」「宮古弁」の3種類と言われています。
北部では青森でも使われている南部弁も使われています。

東北弁の種類①:盛岡弁

岩手県の県庁所在地である盛岡市では、盛岡弁が使われています。
「ほんでね(それは違う)」「おしょし(恥ずかしい)」「ふたつける(ぶん殴る)」など、独特な表現が多いです。

東北弁の種類②:岩手弁

岩手弁は岩手県の広域で使われている方言です。
「んだなす(そうだよ)」「よろすく(よろしく)」「よがんす(いいよ)」など、語尾に「~す」が付くことが多いです。

東北弁の種類③:宮古弁

宮古弁は岩手県の宮古市という寒い地域で使われている方言です。
寒い地域なので、あまり口を開けなくとも話せるような短くて口ごもった言葉が多いです。

秋田の方言

秋田の方言も東北弁らしく濁点が多いと言われています。
「しったげ(とっても)」「へば(それじゃあ)」「はえがら(はやいから)」など言葉の端々に濁点があるのが特徴です。

また「ねねね(寝ないと)」「けけけ(食べるならこっちで食べなさい)」などおもしろい表現もあります。

宮城の方言

宮城の方言は仙台弁とも言われていて、一般的な東北弁のように濁音が多という特徴があります。
イントネーションが平たんで語尾に従って上がり調子になるという特徴もあります。

東北地方の中でも都会の仙台市があるため、転勤族や進学などで来た他県民も多く住んでおり、標準語を話す方々がとても多いです。
「だから~(そうだよね)」「おばんです~(こんばんは)」といった方言が有名です。

山形の方言

東北弁山形

山形の方言は「新庄弁」「村山弁」「置賜弁」「庄内弁」の4種類と言われています。

東北弁の種類①:新庄弁

山形県の新庄市で使われている新庄弁は、語尾に「じゅ」が使われることが多い方言です。
また「にゃー」という方言もあり、特に意味がない言葉なのですが相づちをうったり、同意したりするときに使われる言葉のようです。

東北弁の種類②:村山弁

山形県の村山地方で主に使われている村山弁ですが、「ズーズー弁」と呼ばれることもあり、語尾に「~ず」がつくことが多い方言と言われています。

東北弁の種類③:置賜弁

山形県南部の置賜地方で使われている置賜弁は、村山弁ととても似ている「ズーズー弁」の一種です。
村山弁に比べて柔らかい印象が持たれることが多い方言と言われています。

東北弁の種類④:庄内弁

山形県庄内地方で使われている庄内弁は、京ことばに由来した言葉が使われていることもあり山形県の中でも少し変わった方言と言われています。
例えば、「うるかす(水に浸す)」「こしょいも(じゃがいも)」「つっぱり(突っ張り棒)」「ねっから(元々)」「ほんに(本当に)」「つるつる(うどん・そうめん)」など、他にも多くの京ことばが庄内弁として使われているようです。

京都と山形は距離がとても離れているのに、どうして庄内地方にだけ京ことばが普及したのかとても不思議ですね。

福島の方言

福島の方言は「~弁」という表現はせず、住んでいるエリアの言葉の特徴として紹介されることが多いです。
ここではわかりやすくするために、中通りエリアの言葉を「福島弁」、会津エリアの言葉を「会津弁」と紹介します。

東北弁の種類①:浜通りの言葉

福島の中でも沿岸部の浜通りというエリアの言葉は、漁師町が多く「浜っ子」と呼ばれていて快活で少し荒っぽいような言葉を使うことが多いです。
浜通りの中でも北部の方は茨城訛りが入っていて、「~だっぺ」という語尾になります。

「~だべした」「~だけんちょも」など、「~だっぺ」の他にも語尾が多様にあり、南部か北部か海側か山側かによって言葉が大きく変わります。

東北弁の種類②:中通りの言葉「福島弁」

福島の中でも中央部の中通りというエリアでは福島弁が使われています。
福島弁はイントネーションの抑揚があまりないので、一定の音で話すことが多く感情がわかりにくいと言われています。

「雨」と「飴」のアクセントの違いがないため、文脈からどちらの意味が読み取る必要があります。

東北弁の種類③:会津地方の言葉「会津弁」

福島の中でも会津地方は会津弁が使われています。
会津弁も東北弁らしい「ズーズー弁」と言われており、「ジ」と「ズ」の区別があいまいなため「さんずのおやつ(3時のおやつ)」といった言葉になりやすいです。

「くいっちい(食べたい)」「あがらんしょ(召し上がれ)」など、会津地方だけの独特な方言も多々あります。

東北弁のイントネーションやアクセントの特徴

東北弁イントネーション

東北弁は意外と抑揚がはげしいと言われています。
1つのフレーズの中でも高低差が何度もあるので、本人が標準語を話しているつもりでもイントネーションがおかしくなり聞き取りづらくなってしまうようです。

東北弁はアクセントの位置が標準語と逆になっていることも多々あり、「雨」は「あ」ではなく「め」にアクセントが付いていたり、「靴」も「く」にアクセントが付いていたりなど、思わぬところにアクセントが付きます。
かと思えば、抑揚がなく一定のイントネーションで話す地域もあるので、東北弁は他の地域からすると特徴が掴みにくいとも言えますね。

東北弁の語尾や訛りの特徴

東北弁なまり

それでは、東北弁の語尾や訛りの特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、東北弁の語尾や訛りの特徴を5つ紹介していきます。

東北弁の特徴①:濁点がとても多い

東北弁は基本的に濁点が非常に多いと言われています。
東北地方は日本の中でも寒い地域なので、口をあまり動かさなくても通じるような言葉が発達してきました。

そのため口ごもった言い方になり、濁点が多い方言が生まれたと言われています。
また、津軽弁とフランス語の発音が似ているとして、数年前に車のCMに津軽弁が使われたことがあります。

日本人離れした音の使い方をしているため、濁点が多いと言われているのかもしれません。

東北弁の特徴②:「ツ」と「チ」、「ジ」と「ズ」の区別があいまい

口をあまり動かさないと「ツ」と「チ」、「ジ」と「ズ」といった発音の区別もあいまいになっていきます。
「父」と「土」、「地図」と「知事」は他の地域の方が聞くには、まったく同じ発音がされるため、文脈の中で読み取って意味を解釈する必要があります。

東北弁の特徴③:ちょっと荒っぽく感じることもある

東北弁はときに荒っぽく感じることもあるようです。
基本的にはフレーズが短い傾向にあるので、「こ!(来なさい)」「け!(食べなさい)」と言われると命令されているような気分になり、他県民からは怖いと感じられてしまうこともあるのだそう……。

「おめぇ(あなた)」「~じゃねぇ!(~じゃないよ)」など、響きが怖いと感じる方言もあり、怒られているような気分になってしまう方もいるようです。

東北弁の特徴④:~けろ、~がんすなど語尾が独特

東北弁の語尾は独特なものがとても多いです。
東北弁とひとくくりに言っても、「~けろ」「~がんす」「~なし」「~だべした」「~だっぺ」「~だっちゃ」など、様々な語尾があります。

なので「東北弁ってどんな語尾なの?」と聞かれても、答えることができないので、「あなたの住む地域ではどんな語尾なの?」と限定して質問してあげるととても答えやすいです。

東北弁の特徴⑤:推測が難しい方言がとても多い

「ぶんず(青あざ)」「ふたつける(ぶん殴る)」「いきなり(たくさん・とても)」「いずい(かゆい)」など、聞いただけでは推測が難しい言葉も多いです。
東北弁に限らず他の地域にも方言として独特の表現はあるかと思いますが、文脈からでも推測できないくらい難しい言葉がたくさんあるということは言えますね。

東北弁でよく使う方言の意味と使い方

東北弁よくつかう
東北弁の特徴についておさえましたが、よく使われる方言にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、東北弁でよく使われる方言を「日常編」「かわいい編」「おもしろ編」3つにわけて詳しく紹介していきます。

これらを押さえておけば、東北弁を話しているような雰囲気がぐっとますはずですよ!

よく使う方言「日常編」

東北弁の中でも日常的に使われる方言を5つ紹介していきます。

東北弁の方言①:こわい

こわいとは、疲れた・しんどいという意味で使われる東北弁です。
主に青森や岩手などの東北北部で使われている方言です。

使い方としては、「腰がこわいから休ましてけろ」「あーこわいこわい」など、疲れているときや部分疲労を表現するときに使用します。
全体的な疲労感を表す際には「あーくたびっちゃ」という言い方もします。

基本的には「こわい=疲れた・しんどい」という意味なのですが、福島や新潟(甲信越地方)にくると「こわい=硬い」という意味に変化をします。
その場合は、「このご飯こわいから食うな(このご飯かたくなったから食べないで)」というように使用されるようです。

東北弁の方言②:おばんです

おばんですとは、こんばんはの意味で使われる東北弁です。
夜分に人のお宅にお邪魔するときに使われることが多いです。

「おばんです、ごめんください(こんばんは、ごめんください)」というように使用され、柔らかく丁寧な印象を与えてくれる東北弁です。
栃木や茨城でも使用されることがあるようです。
「おばんです~」と語尾を少し伸ばすのがポイントです。

東北弁の方言③:しばれる

しばれるとは、寒いという意味で使われる東北弁で、他県民でも聞いたことがある方が多いと思います。
北海道地方でも使われる言葉で、寒い日に「今日はしばれる」などと使います。

最近ではしばれるよりも「さみ(寒い)」と言う若者も増えてきていますが、寒さの度合いが高まると「しばれる」を使用するというニュアンスの違いがあるようです。

東北を訪れて、ものすごく寒さを感じたさいにはぜひ「しばれる」を使ってみてくださいね。

東北弁の方言④:しゃっこえ、ひゃっこい

しゃっこえ、ひゃっこいは、「冷たい」という意味で使われる東北弁です。
使用する場面が冷たいものに触れているときなので、意味がわからなくても通じることが多いわかりやすい表現と言えます。

使い方としては「この水ひゃっこいど(この水冷たいよ)」「しゃっこ!(冷た!)」といった感じで使用します。
「ひゃっこ」「しゃっこ」は、地域や年齢などによって発音が変わる傾向があるようです。

東北弁の方言⑤:けっぱる・けっぱれ

けっぱる・けっぱれは、頑張る・頑張れという意味の東北弁です。
運動会などで「けっぱれけっぱれー!」と応援するときや、「ほれ、けっぱれ」と転んだ我が子を奮い立たせるさときなどに使用することが多いです。

よく使う方言「かわいい編」

東北弁よく使う可愛い

東北弁の中でもかわいいと感じられる方言を5つ紹介していきます。

東北弁の方言①:めんこい

めんこいとは、可愛いという意味で使われている東北弁です。
全国的にも有名な東北弁なので知っている方も多いと思います。

「〇〇ちゃんめんこぐなったね(○○ちゃん可愛くなったよね)」「めんこいわらすこだな(可愛い子どもだな)」など、可愛いと感じるものに対して使われる方言です。
地域によっては、「めんけ」「めげえ」「めんごい」と言われることもありますが、基本的には「めんこい」でほぼ通じます。

東北弁の方言②:なして?

なして?は「どうして?」という意味の東北弁です。
語尾にアクセントが付くように発音され、「どうして?なんで?」と素直に疑問に思ったときに使われることが多いです。

可愛い女の子が使うと、より可愛く聞こえるようで、純朴な東北人の良さが引き立つ方言と言われています。

東北弁の方言③:まめっこ

まめっことは、シャイな子・恥ずかしがりやという意味のある東北弁です。
東北の中でも福島県で通じる言葉と言われています。

「あめんちのまめっこは~(あなたの家のはずかしがりやさんは~)」というように使用しますが、まめっこという響きが可愛らしいので単語として使用するのもおすすめです!

東北弁の方言④:こちょます

こちょますとは、くすぐるという意味の東北弁です。
似ている方言に、こちょばい・こしょばいという言葉がありますが、こちらはくすぐったいという意味になります。

「おめさんのことこちょましてやる(あなたのことくすぐっちゃうから)」というように使用し、親子のスキンシップや恋人同士がイチャイチャするときなどに使われることが多いです。
こちょますという響きも可愛らしいですが、意味がわかるとより可愛さが増しますね!

東北弁の方言⑤:やがねる

やがねるとは、やきもちを焼く・嫉妬するという意味の東北弁です。
恋人がやきもちを焼いているときなどに使われることが多いです。

例えば恋人が束縛をしてくることを友人に相談したときなどに「そういう事すっから、やがねるんだよ(そういうことをするから、やかれるんだよ)」と使用することがあります。
また、「やがねっからな!(やいちゃうからね!)」と使うこともあり、好きな人から言われるとうれしい言葉とも言えます。

よく使う方言「おもしろ編」

東北弁の中でも響きがおもしろい方言を5つ紹介していきます。

東北弁の方言①:ねねね

「ねねね」は秋田の言葉で、「寝なさいね」という意味の方言です。
「ね=寝る、ね=~しないと」という意味があり、最後の「ね」には「~しないさいね、~だよ」とう意味が込められています。

初めて聞いた人にはまったく意味が通じない不思議な東北弁と言えます。
また、さきほど紹介した「けけけ(食べるならこっちで食べなさい)」は「け=食べるなら、け=こっちに来て、け=食べなさい」という意味が込められています。

東北弁の方言②:ぶずぐず

ぶずぐずとは、主に山形で使われる言葉で壊すという意味の東北弁です。
「おめさんがぶずぐずしたんだ(あなたが壊したんだ)」という使い方をします。

言葉だけだとどんな意味を持っているのかわかりにくく、響きが濁音だらけで東北弁らしいところがおもしろいポイントです。

東北弁の方言③:わらわら

某居酒屋を想像してしまいそうな響きですが、わらわらとは急いでという意味の東北弁です。
「わらわら水持ってきてけろ(急いで水をもってきて)」という使われ方をします。

わらわらと聞いただけでは意味がわからないですし、文脈からも推測しにくい難解な東北弁と言えますね。

東北弁の方言④:がが

ががとは宮城の言葉で母、母親を意味する東北弁です。
レディー・ガガのようでちょっとかっこいい響きであるのがおもしろいポイントです。

「うちのがががさ、(うちのお母さんがさ、)」なんて言われたら、家にいる何なのだろう?と色々想像してしまいそうですね。

東北弁の方言⑤:まつぽい

まつぽい、まつっぽいとは、主に山形県や岩手県で使われるまぶしいを意味する東北弁です。
愛しいという意味でも使われる方言で、山形のビジュアル系演歌歌手が「まつぽいよ」というタイトルの曲をリリースしています。

ぽいという響きが可愛らしく、女子高生が使っていたら流行りの言葉なのかな?と勘違いしてしまいそうな雰囲気がありますね。

東北弁は種類が豊富で奥が深い!

東北弁まとめ

東北弁とひとくくりに言っても、東北人同士でも言葉が通じないほど様々な種類の方言があります。
関西弁のようにベースが同じような言葉ではなく、語尾や抑揚も変わるので、他県民からすると難解に感じる言葉なのではないでしょうか?

しかし地域に言葉が変わるというのは、その土地の郷土や文化をより深く体感できると言えます。
東北人が培ってきた身近な文化として、様々な地域の人たちに体感していってほしいと思います。

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ライター
noel編集部

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