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嗚咽の意味とは?

悲しみで嗚咽がこみ上げている女性

嗚咽」は、「おえつ」と読みます。
」とは「音が出る」「うなり声を出す」という意味です。

」はのどを表す漢字ですが、この場合は「悲しみに胸がふさがるような感じがして声が詰まる」、「むせぶ(しゃくり上げるように、声を出さずに泣く)」という意味です。
「嗚咽」と熟語にすると、「声が詰まって出ないが、感情をこらえきれずに泣いてしまうこと」という意味合いになります。

我慢しようと思っても自然と涙がでて、声を上げずに激しく呼吸をして泣いてしまう状態になっています。
息を吸うような時に、小さく泣き声が漏れてしまうこともあります。

2ch用語としての嗚咽の意味

嗚咽の意味が分からずにネットで調べる人

正しい嗚咽の意味とは似ても似つかないネットスラングもあります。
2chでは、恋人に浮気されたことや、配偶者に不倫されたことを表します。

一見、嗚咽の意味と結び付きませんが、嗚咽の"おえ"の部分をアルファベット「oa」に、"つ"を英語の"ツー"つまり数字の"2"に変換します。
oa2」という形になって、"o"が頭、"a"が胴体、"2"の部分が足に見立て、体をうつぶせにして悲しんでいる状態を表せます。

この状態が、相手に浮気(不倫)され、悔しがっている状態を表し、ネットスラングとして使われるようになりました。
一種の文字を使って図を表すアスキーアートの一種で、"orz"が落ち込んでいるのを表すのと同様の意味合いになるでしょう。

「嗚咽」のワードを使った例文

悔しくて嗚咽が止まらない女性

嗚咽を正しく使うために、例文を紹介します。

例文①:悲しみで嗚咽をこらえられなかった

突然彼氏に別れを告げられた時、人が大勢いるような場所では、大声を上げて泣くことはできないでしょう。
人前で泣いてはいけないと思い、泣くのを我慢しようとしても、声を出さずに涙は出てしまうと思われます。

声を出さないようにしても涙が抑えきれない場合に、「嗚咽」を使います。
嗚咽をこらえるということで、泣くのを我慢しようという、理性を働かせて自制しようとしている様子がうかがえます。

例文②:お葬式で故人を思うと嗚咽がこみ上げる

お葬式に出た時に、親しかった故人のこと、故人との思い出などをあれこれと思い出してしまって、息をしながらしゃくり上げながら、のどを詰まらせて泣いている様子を表しています。
こみ上げるという動詞を使うことで、悲しみで胸が塞ぐような思いがしながら、声を上げぬように静かに涙を流しているように思われます。

泣く時に息を吸う音だけが小さく聞こえ、必死でこらえようとしてはいても、深い悲しみがとめどなく押し寄せている様子が見られます。

例文③:仕事中にこらえきれずに嗚咽する

悲しいことだけでなく、悔しいことがあって人知れず涙をする時にも嗚咽という言葉が使えます。
声を出して泣いてはいけないと、こらえようとしているけれども気持ちが抑えられずに泣いてしまう状況です。

声をださないように注意をしているけれども、息を吸い上げてこらえようとしゃくり上げている音は漏れてしまう様子を表せます。

例文④:映画を見てつい涙が出て嗚咽した

悲しいとか悔しいという状況とは違いますが、感極まって涙が出る時にも嗚咽が使えます。
友人や彼氏と映画を見ている時に、周囲の人が静かに見入っている中で声を上げて泣いては邪魔になってしまいます。

また、大勢の人の前、もしくは近くにいる友人や彼氏の手前、声を出して泣くと恥ずかしいという気持ちもあるでしょう。

こらえようとしてもつい涙が出てしまい、泣いているのを隠しながら声を上げないように気をつけている様子が感じられます。

例文⑤:卒業式で嗚咽をもらしてしまう

親が子供が卒業する喜びで涙が出てしまうとか、卒業式で仲が良かった友人と離ればなれになってしまう寂しさで、静かに泣いている状況を表します。
「嗚咽をもらす」という語句は、小さい声や吐息で、ふと泣いている声や息づかいがでてしまうことを言います。

ハンカチなどで熱くなった目頭を押さえたり、鼻をすすったりして大きな声を上げないようにしていますが、我慢できなくなって少しだけ音がして、泣いている様子を表しています。

嗚咽の間違った使い方

赤ちゃんが嗚咽するとはあまり使わない

嗚咽を誤用した例を紹介します。

使い方①:声を上げて嗚咽する

大きな声を上げて泣くのは、「嗚咽」ではありません。
嗚咽は声を上げることなく、のどの所で詰まるような感じで息をすするような音のみが聞こえる感じにとらえるといいでしょう。

大きな声を上げている時点で、のどの所で声を詰まらせるようなことはありません。
この場合は「号泣」という言葉がふさわしいでしょう。

使い方②:周囲にはばかりもなく嗚咽する

周囲のことを気にせず、感情のままに泣く場合は「嗚咽」は使えません。
嗚咽には、泣くのをこらえようと我慢したり、自制しようとしたり、泣いているのを隠そうとしたりして、しゃくるような息継ぎがわずかに聞こえてしまう様子を言います。

この場合は、「泣いてしまう」とか「大泣きする」という言い方の方が合うでしょう。

使い方③:はげしくわめいてののしりながら嗚咽した

はげしく声を上げたり、かなり涙を流したりする場合は、「嗚咽」という言葉は適当ではありません。
激しくわめいたり、ののしったりするのは、声が詰まったようになる「嗚咽」にはあたらないでしょう。

感情的になって、あまり奥ゆかしい感じを与えない行動で見苦しい感じもします。
「嗚咽」はしゃくり上げるのが止まらない時もありますが、静かに声を殺して泣き続けて、鼻をすするように泣きます。

大声を出すを止めようともせずに、うるさく泣き続けているのであれば、「嗚咽」を使う必要はありません。
この場合は、非常に大きな声を上げて泣きわめく「慟哭」という語句で表す方がしっくりとくるでしょう。

「嗚咽」と「嘔吐」の違い

嗚咽と嘔吐の違いなんて分からないとヤケになっている女性

よく、嗚咽と嘔吐と間違う人がいると言われています。
「嘔吐」は「おうと」と読み、食べた物を戻すとか、気持ち悪くなって吐いてしまうことを言います。

もちろん、「嘔吐」に泣く意味は全く含まれていません。
嘔吐の代わりに嗚咽を用いる「腐った物の臭いで気持ち悪くなり、嗚咽した」という使い方は誤りです。

「嗚咽」は泣くことを言い、吐くや吐き気がするという意味はありません。
では、何故間違えてしまうかと言うと、「嗚咽」の読みの「おえつ」が物を戻してしまうことを表す「おえっ」という声と似ているからと言われています。

「嗚咽」は泣き声が漏れる時はあっても、基本的に我慢をして声を出さないようにしているので、小さくしゃくり上げるような音が漏れるだけです。
「嘔吐」で吐くときの音を表している訳ではないので、間違えないように注意してください。

「嗚咽」は声を上げないように我慢して静かに泣くこと

イベントが成功して感極まって嗚咽が止まらない女性もいる

「嗚咽」とは、感情が高ぶっている状態だけれども、なるべく声を立てないようにのどでつまらせたように、息をすするような泣き方を言います。
悲しみや悔しさで胸が一杯になって、ふさがってしまうような泣き方や、取り乱さないように我慢をして声を立てないようにしているけれども、息が漏れてしまう泣き方などを表します。

映画を見て感極まって泣いてしまう時もありますし、うれしさや寂しさがこみ上げて、人知れず涙を流してしまう泣き方もあります。
一方で大声を上げて激しく泣いたり、取り乱して騒いだりするような泣き方はしませんし、吐く意味もないので正しい意味を覚えて使いましょう。

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ライター
noel編集部

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