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「チーマー」の意味や由来とは?

チーマーの意味を調べるチーマーを知らない女性

意味

「チーマー」とは、1980年代中頃から1990年代前半頃にかけて、東京都渋谷区の渋谷公園通りに集まった地元の中学生や高校生の不良グループのことを指します。
主に、チーム同士で抗争を起こしたり、街中で一般人に因縁を付けて恐喝したり、パーティー券を無理やり購入させるなどの反社会的行為を集団で行っていました。

なお、最初の頃は渋谷に住んでいる裕福な家庭で育った学生達で構成されていました。
しかし、徐々に暴走族に入るような渋谷が地元ではない若者もチーマーとして活動するようになったと言われています。

名前の由来

チーマーは、基本的に単独行動ではなく、チームの仲間と集団で恐喝や窃盗、暴力などの犯罪行為を行っていました。
そのため、「仲間」「集団」「組織」などの意味を持つ「チーム」という言葉に「er」を付けた和製英語が由来となっています。

チーマーの特徴

昔チーマーだった男性

では、チーマーの特徴をみていきましょう。

  1. チームで行動する
  2. チームジャンパーを着用する
  3. ストリートファッションを好む
  4. 渋谷のセンター街が主な活動場所
  5. 1980年代から1990年代が全盛期だった

続いて、チーマーの特徴を、それぞれ詳しくみていきます。

特徴① チームで行動する

基本的にはどこかのチームに属しており、チームの仲間と集団で行動することがほとんどです。
そのため、チームのメンバーであることの証拠として、お揃いの服を着用していたり、チームのトレードマークとなるようなアイテムを持っていることもあります。

また、こういった人達にとって自分のチームの仲間はかけがえのない存在です。
チームの仲間が他のチームのメンバーと衝突すれば、チーム全員が終結して相手のチームと抗争に発展することも多々ありました。

特徴② チームジャンパーを着用する

自分がどこのチームに所属しているのか一目で分かるチームジャンパーを着用していることが多いです。
主に、ヴィンデージ物の革ジャンを着用していることが多いですが、その他にもスカジャンやスタジャンをチームジャンパーとして着用している人もいました。

特徴③ ストリートファッションを好む

「リーバイス」などのジーンズや古着、エンジニアブーツなどのアメカジと呼ばれるストリートファッションを好むのが特徴です。
これらのファッションは都会的でおしゃれであるとされており、ジャージなどのファッションや、パンチパーマやリーゼントの髪型を好むヤンキーとは一線を画していました。

また、暴走族のようにバイクで暴走する行為をすることはありますが、暴走族のような特攻服を着ることはありません。

特徴④ 渋谷のセンター街が主な活動場所

深夜や早朝の澁谷のセンター街でたむろしていることが多く、時には別のチーム同士が集団でぶつかり合うようなことも日常茶飯事だったのです。
また、不良ではない一般人も、夜に渋谷のセンター街を歩く際には、チーマーに絡まれないかどうかビクビクしながら歩いている人も多かったようです。

また、渋谷のセンター街は深夜営業しているお店がたくさんありましたが、チーマー同士によるトラブルによって深夜営業を取りやめたお店が多かったようです。
絶滅危惧種となった現在ではそのような光景を見ることはありませんが、全盛期だった頃はそれが当たり前だったのです。

特徴⑤ 1980年代から1990年代が全盛期だった

1980年代から1990年代にかけて、チーマーの数が爆発的に増え、存在が広く知られることになりました。
当時は、雑誌やテレビなどのメディアでたびたび取り上げられて話題となっていました。

また、「池袋ウエストゲートパーク」などのチーマーを題材としたドラマや映画もありました。
しかし、2000年代に突入すると数は激減して、チーマーは「カラーギャング」に代わっていったため、「チーマー」という言葉自体も使われなくなっていきました。

そのため、今の10代や20代の若者は、このような不良グループが存在していたことすら知らないのではないでしょうか。

昔チーマーだった人を見抜く方法

彼氏がチーマーだったか会話の中で見抜こうとする女性

では、昔チーマーだった人を見抜く方法をみていきましょう。

  1. アメカジファッションに詳しい
  2. 同世代の人間が起こした事件に敏感に反応する
  3. 悪知恵が働きやすい

続いて、昔チーマーだった人を見抜く方法を、それぞれ詳しくみていきます。

方法① アメカジファッションに詳しい

アメカジスタイルの服を好んで着用するので、アメカジファッションにやたらと詳しいという特徴があります。
「リーバイス」などのアメカジブランドのお店に一緒に行くと、ジーンズにかなりのこだわりを持っていたり、昔着用していたジーンズや古着の話を始めることが多いです。

そのため、いかにも悪そうな雰囲気があって、アメカジファッションにやたら詳しい人は、昔は不良だった可能性が高いかもしれません。

方法② 同世代の人間が起こした事件に敏感に反応する

昔チーマーだった人は、同世代の人間が起こした事件に敏感に反応することが多いです。
それは、もしかすると同じチームだった仲間や、敵対関係にあったチームのメンバーが事件を起こしたのではないかと思ってしまうからです。

こういった人は、10代や20代前半の頃から、強盗や窃盗、暴行などの犯罪行為を行ってきたので、どうしても普通の人よりは悪いことをして警察に捕まる可能性が高くなります。
そのため、その人の話を聞いているうちに「知り合いが逮捕された」「先輩が一緒に飲んだ頃があるらしい」と言っていたら、その人は昔は不良だった可能性が高いかもしれません。

方法③ 悪知恵が働きやすい

若いころから犯罪行為を行ってきたため、普通の人よりも悪知恵が働きやすい傾向にあります。
そのため、裏風俗や水商売、薬物売買などのリスクの高い裏家業のようなビジネスに走る人が多いです。

正攻法で行くのではなく、目的を達成するためなら手段は選ばないという人は、もしかすると昔は不良だっただったのかもしれません。

チーマーに多いファッション

チーマーだったおしゃれな男性

では、チーマーに多いファッションをみていきましょう。

ファッション① アメカジ

チーマーのファッションは、アメカジスタイルが主流となっていました。
1980年代は、ファッションデザイナーの感性やデザイン力を前面に打ち出した「DCブランド」が社会的なブームとなりました。

そして、DCブランドに飽きた渋谷の学生達が、仲間内でお揃いのチームジャンパーを着てチームを組んだのが、チーマーの始まりとなっているのです。

ファッション② 革ジャン

アメカジファッションとして革ジャンは、多くのチーマーが愛用していました。
黒くて光沢のある革ジャンは、悪そうな印象とおしゃれで大人っぽい印象を出すのにピッタリのアイテムです。

特に、一着数十万もするような「VANSON」というブランドの革ジャンがこういった人達に好まれていました。
10代や20代の若者がそのような革ジャンを手にすることはできないので、若い頃から「VANSON」の革ジャンを着ていた人は元チーマーだった可能性が高いと言えるでしょう。

ファッション③ リーバイスのジーンズ

チーマーといえばジーンズですが、特に「リーバイス」というデニムブランドのジーンズを好んで履く傾向にあります。
「リーバイス」は現在に至るまで多くの人から支持されている人気ブランドであり、ジーンズ好きの芸能人や海外セレブからの支持も非常に厚いです。

その中でも「リーバイス501」というジーンズが非常に人気で、現在でも多くの人に愛されているシリーズとなっています。

ファッション④ エンジニアブーツ

革ジャンをバッチリと着こなすためには、やはりエンジニアブーツが欠かせないアイテムとなっています。
エンジニアブーツは、アメリカで生まれた作業用のブーツであり、厳しい労働環境でも耐えられるほどに頑丈に作られていました。

中でも、「レッドウイング」というブランドのエンジニアブーツは定番アイテムとなっており、1980年代~1990年代は一足何万円もするようなものが飛ぶように売れていました。

ファッション⑤ バンダナ

チームのトレードマークとして、バンダナを頭に巻いていたり、口元をバンダナで覆い隠しているチーマーがたくさんいました。
バンダナの色はチームで統一されており、バンダナの色を見ただけでその人がどこにチームに所属しているのか一目で分かるようになっています。

また、外見的な特徴でもあるロン毛をまとめるために、ヘアバンドの代わりとしてバンダナを使用することもあります。

ファッション⑥ ロン毛

サラサラとした長い髪も、主なファッションの特徴でもあります。
そして、チームのメンバーとお揃いのヘアバンドやバンダナで長い髪をまとめて、連帯感をアピールしていました。

ちなみに、ゴムではなく、ヘアバンドやバンダナだったのは、ゴムでまとめられるくらい髪が長かったわけではないので、ヘアバンドやバンダナの方が髪をまとめるのに丁度良かったからかもしれません。

元チーマーの芸能人

若いころはチーマーとして悪いことをしてきた男性

では、元チーマーの芸能人をみていきましょう。

芸能人① 東幹久

東幹久さんは、多数のドラマやバラエティ番組に出演されて大活躍されている俳優の一人です。
東幹久さんは、渋谷区出身ということもあり、10代のころは東洋高校を中退した後に渋谷の不良グループに属して悪さをしていたこともあったようです。

現在では、ドラマの中で真面目な役を多数こなしていることもあって、しっかりとしたイメージがあり、昔はチーマーだったことに驚きを隠せない人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、183cmの長身とダンディで男前な容姿を持っていることもあり、その頃に渋谷でスカウトされたことで芸能界に入ったようです。

芸能人② 坂口憲二

坂口憲二さんは、彫りの深い端正な顔立ちと抜群のスタイルで人気を集めた俳優で、2018年に難病の治療に専念することを理由に芸能活動を無期限で休止されています。
坂口憲二さんも昔はチーマーとして色々と悪いこともやっていたようです。

しかし、厳しい父親にひどく叱られて痛い目にあったとも語っています。

芸能人③ ZEEBRA

ZEEBRAさんは、日本のヒップホップ界に大きな影響を与えた「キングギドラ」のメンバーの一人でもあるラッパーです。
ZEEBRAさんは、東京都港区六本木生まれで裕福な家庭で育ち、若いころは不良グループに属していましたが、高校一年生くらいの早い段階で卒業したと語っています。

チーマーと他のワルの違い

チーマーではない不良の男性

では、チーマーと他のワルの違いをみていきましょう。

① ヤンキー

チーマーとは、渋谷の裕福な家庭で育った中学生や高校生の不良少年で構成されたグループのことを指す言葉で、ヤンキーとは一線を画した不良グループであるとされています。
チーマーは、革ジャンやジーンズ、古着、エンジニアブーツなどのアメカジと呼ばれるストリートファッションを好むのが特徴です。

また、髪型は基本的にロン毛でバンダナをするのがトレンドとなっていました。
一方、「ヤンキー」とはもともと不良少年や不良少女全般を表す言葉で、単独行動をする不良に対してもヤンキーという言葉が使われます。

ヤンキーは、男性の場合だと「ドカン」や「ボンタン」といった幅の広いズボン、刺繍を入れたジャンパー、ビーチサンダルや雪駄などの履物、パンチパーマやリーゼントの髪型をするのが特徴的でした。
女性の場合だと、丈の短いセーラー服と脚が隠れてしまうほどのロングスカートなどが特徴的でした。

そして、2000年代に突入すると、ヒップホップ系のファッションをした「ヒップホップヤンキー」、黒を基調としたジャージやタンクトップを好む「オラオラ系ヤンキー」などの様々な種類のヤンキーが誕生しました。

② 暴走族

チーマーと暴走族は、どちらもチームを組んで行動するという点は同じですが、ファッションや髪型、主な活動内容に違いが見られます。
暴走族は、主に改造したバイクや自動車で公道を暴走する行為をメインとして活動を行っている不良グループのことを指します。

主に早朝や深夜などの人通りが少ない時間帯で、猛スピードでバイクや自動車を走らせたり、クラクションやエンジン音を鳴らすなどの迷惑行為を行います。
また、街中にいる一般人に恐喝や暴行をするなどの犯罪行為を行うこともあります。

暴走族の外見的な特徴は、刺繍などの派手な装飾を施した特攻服を着用し、パンチパーマに剃りこみを入れた髪型が特徴的です。

③ チンピラ

チンピラとは、暴力団の構成員や準構成員で、まだ一人前とは認められていない人のことを指します。
また、暴力団に所属していなくても、暴力団の構成員であるかのように気取って悪いことをする不良を少年や不良少女のことを指す言葉として使われることもあります。

チンピラは、スカジャンやアロハシャツ、金のネックレス、セカンドバッグを好むのが特徴的です。

④ ツッパリ

ツッパリとは、主に中学生や高校生の不良少年や不良少女のことを指し、1960年代から1980年代に使われていた言葉です。
ツッパリはヤンキーと同じような意味を持つ言葉で、関西では不良少年や不良少女のことをヤンキーと読んでいました。

一方、関東ではヤンキーという言葉が全国的に使われるようになるまで、不良少年や不良少女のことをツッパリと呼んでいました。

⑤ ギャング

ギャングとは、アメリカのストリートギャングを真似した不良グループのことを指します。
ギャングはそれぞれのチームカラーを持ち、チームカラーの服やバンダナ、お揃いのTシャツを着用するのが特徴的です。

また、チーマーとは違って、ギャングはヒップホップの音楽とB系と呼ばれるダボダボとした服装を好みます。
ギャングは、ヤンキーや暴走族などの他のワルと比べると犯罪行為も悪質な傾向にあります。

無関係な一般人を犯罪に巻き込んだり、覚せい剤や大麻などの違法薬物の売買、振り込め詐欺、時には殺人などの重大犯罪を起こすこともあります。

チーマーは今も存在する?

チーマーを見たことがない若い女性

1990年代後半から2000年代前半にかけて、チーマーはカラーギャングに代わっていきました。
そして、2000年後半になるとカラーギャングも激減していきました。

2009年には約100人のチーマーが東京都内で確認されています。
しかし、現在では主な活動拠点だった渋谷でもチーマーを見かけることはほとんどありません。

やはり、昔と比べて監視カメラの数も急増したことや、警察の取り締まりが強化されたことが影響しているのかもしれません。

チーマーの意味とは?特徴&ファッションと元チーマーの見抜き方のまとめ

立派な大人に更生した元チーマーの男性

チーマーは、現在ではほとんど見掛けることがなく、「チーマー」という存在がいたことすら知らない人が多いかもしれません。
しかし、1980年代~1990年代は渋谷の街で大勢のチーマーがたむろしていて、暴力や窃盗などの反社会的行為が行われていました。

そして、時代の流れと共にチーマーはカラーギャングへと変わっていき、2000代後半になるとカラーギャングも激減していったのです。

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ライター
noel編集部

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