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「婚約破棄」とは?

プロポーズして婚約した二人

婚約の成立

婚約とは、交際相手を将来の伴侶として結婚の約束をすることです。
また、その報告を第三者にお知らせしたり、婚約パーティーを行ったりすることもあるでしょう。

しかし、法律上の手続きというものは存在しません。
その代わり、婚約したという証にする人の多くは、結納という形にするでしょう。

結納は、日本独特の習慣で、日本の地域や家によっては、その風習も異なります。日本での結婚は家と家の結びつきという考えがあるので、家同士が集まって祝宴を設けたり、縁起物や現金を贈ったりします。
また、婚約指輪を相手に渡すこともあるでしょう。

婚約破棄の条件

婚約を破棄するということは、婚約をしていたという事実がはっきりしていないと成立しないでしょう。

しかし、婚約には正式な手続きが存在しないので、婚約を破棄する場合、お互いの言い分に差が出てしまう事が多いのです。

つまり、一方は婚約していたと考えていたけれど、一方は、そういう意思はなかったという場合です。

そのため、はっきりと婚約破棄と言われてしまうケースは、結納を交わした、婚約指輪を贈った、婚約パーティーを行った、キリスト教の儀式で婚約式を行ったなどになります。
こういった明確な意思があった場合は、婚約破棄が成立するでしょう。

婚約破棄を経験したことがある割合

男性が結婚を女性に申し込んで婚約する

婚約破棄をした、された人というのは、統計上記録はありませんが、婚活サービスやアンケートなどで、おおよその割合は見ることが出来るでしょう。

20~39歳のいわゆる結婚適齢期と言われる人の中で、交際している相手から、突然別れを切り出された経験があると答えた人は半数以上に上ります。

しかし、これらは、交際しているだけで、婚約していたかどうかは微妙になってしまいます。
なぜなら、口約束で「いつか結婚しよう」と話したりすることもあるからです。

しかし、はっきりと婚約したという証がある人、つまり、結婚が明確に決まった後に別れを切り出された人は、100人に1~2人いるとされています。

男女別!婚約破棄に多い理由

婚約破棄されて落ち込む女性

男性の場合

男性が婚約を破棄してしまう理由は、精神的な理由が一番多いでしょう。
結婚するつもりで同棲している時に、性格が見えてしまい嫌になった、生活していく上で金銭感覚が違い過ぎる、彼女の両親とそりが合わないなどです。

すなわち、このまま結婚生活に移行したとしても、やっていける自信を無くしてしまうのでしょう。

そこで、まだ結婚していないのだから、ここで踏みとどまろうと考えるのです。
また、式の打ち合わせなどの結婚準備をしているうちに、彼女のわがままの一面が見えてしまったり、気が強く意見を通す姿を見たりして、婚約破棄を決める男性も多いでしょう。

女性の場合

女性の婚約を破棄する理由として一番多いのは男性の浮気です。
男性からすると、結婚していないうちにという考えがあったり、結婚前の遊びとして浮気をしてしまったりするのでしょう。

しかし、法的には婚約が成立していると、他の異性と関係を持つのはいけないとされています。
男性は一度きりの遊びのつもりでも、女性側からすると、結婚しても同じ繰り返しをするのではないかと不安になるものです。

婚約破棄したいときの方法と注意点

婚約破棄したいと考える男性

婚約破棄できる期間

婚約には、法的な手続きがありませんので、婚約が成立してからいつまでに破棄しなければならないという期限も設けられていません

しかし、婚約が成立してから、実際に結婚が成立するまでの間は、結婚が近ければ近いほど、慰謝料や賠償額は高くなってしまいます。

そのため、婚約を破棄したいと思ったら、ギリギリまで考えるのではなく、すぐに婚約を破棄する方が、お互いにダメージは少なくなるでしょう。

婚約破棄したい気持ちの伝え方

婚約破棄する時には、きちんと相手に理由を伝えて納得してもらうしかありません。
破棄に関して正当な理由があれば、相手も話しあう事で納得してくれるでしょう。

しかし、慰謝料が発生したりするケースでは、感情的になることで話が平行線だったり、衝突したりするので、弁護士を立てて話しあう事も視野に入れた方が良いでしょう。

また、気持ちを伝える時には、メールやラインで済ませることはしないで、直接会って誠意を示すのが大切です。

婚約破棄に必要なもの

婚約する理由によっては、その証明が必要になるでしょう。
例えば、浮気を相手が認めなかったら、その証拠を提出して離婚を破棄するしかありません。

そもそも、弁護士に離婚の破棄を頼んだ時には、必ずそれなりの証拠を集めるように言われるでしょう。

そうでないと、相手は言い逃れしようとするからです。
また、暴力を振るわれたりしたときには、診断書を取っておくなどして、離婚の破棄をするための材料にします。

婚約破棄するときの注意点

何か相手に嫌な面を見つけて、それだけで感情的なって婚約破棄はやめましょう。
結婚を意識しだした途端、相手の事を厳しい目で見てしまうのは、相手も同じこと。

その度に婚約破棄していては、誰と婚約しても同じことになってしまいます。
どうしても婚約を破棄する場合は、相手とよく話し合う事が大切です。
相手が破棄することを望んでいないならば、解決策が見つかる可能性もあるからです。

婚約破棄された、もしくはした場合の慰謝料の相場

婚約した時に指輪を贈られた女性

婚約を破棄する理由によって、その慰謝料の金額は異なります。
一般的なケースであれば、下は30万くらいから高くても300万円程度です。

婚約破棄にまつわる慰謝料は、精神的ダメージに換算されるものが多いので、高額にはならないのでしょう。

例えば、婚姻関係にあるならば、精神的ダメージの他に、夫婦として築いた財産を分割したりするので、金額的に大きくなってしまいます。
しかし、婚約はお互いの財産は関係ないので、金額としては低くなります。

婚約破棄で慰謝料請求の対象となる正当な理由

婚約を破棄したことで裁判に発展

慰謝料が発生する婚約破棄の事例を見ていきましょう。

  1. 浮気
  2. 失踪
  3. 性的異常、性的不能
  4. 暴力
  5. 常識を逸脱した行動や言動

具体的に見ていきます。

理由①:浮気

婚約破棄の正当な理由のひとつは、第三者との肉体関係です。
婚約が成立した時点で、婚約者以外と肉体関係を持つことは許されないとされているので、正当な理由として慰謝料を請求できます。

また、慰謝料が上乗せされるケースとしては、浮気によって第三者を妊娠させた、浮気が継続的にされていた、つまり、長きにわたり二股していたことが発覚した場合です。

理由②:失踪

婚約が成立していたにも関わらず、行方をくらましたり、連絡が取れなくなったりするケースです。

特に、結婚式前日や当日ならば、結婚式の費用が式をあげなくても発生するので、それらを慰謝料として請求できます。

また、当日ならば、親、親戚や友人など、全ての関係者にその事実を知られてしまうので、精神的苦痛は大きくなるでしょう。

そもそも、失踪してしまった時点で、結婚生活は不可能なので、結婚は自動的に成立しなくなります。

理由③:性的異常、性的不能

身体的な問題で性的に不能になったり、性的趣向が異常であったりすれば、婚約破棄の正当な理由となるでしょう。

性生活は結婚生活に置いて重要視するものなので、婚姻生活は難しいと考えられます。
また、相手の意思を無視して、強引に性的関係を持つなどしたことから、婚約破棄に至るケースもあります。
いくら婚約したからといって、性的関係は強引に結ぶことはできません。

理由④:暴力

婚約者が暴力を振るなどすると、婚約破棄の理由になるでしょう。
暴力を振るう相手とは、婚姻生活は成り立たないからです。

特に、結婚生活の為に準備が進んでいて、新居を購入したり、家具を購入したりしてしまうと、それらを一方的に破棄することで、慰謝料が発生するケースもあるでしょう。

また、暴力を振るわれたことで、精神的なダメージを受けて、心身の病気になったりすると、慰謝料を請求できます。

理由⑤:常識を逸脱した行動や言動

社会生活を営む上で、問題が起きた時には婚約破棄の正当な理由となるでしょう。
例えば、仕事を辞めて無収入になった、借金が発覚して結婚生活が営むことが困難、身体的な問題が発生して、無収入になるなどです。
また、相手を侮辱した言動や行動も婚約破棄の理由となります。

婚約破棄で慰謝料請求の対象とならない不正当な理由

婚約時に渡された指輪

慰謝料を請求するのが難しい事例を見ていきましょう。

  1. 性格の不一致
  2. 両親の反対
  3. 方位や年まわりが悪い
  4. 相手の親の前科が発覚
  5. 宗教の信仰の違い

具体的に見ていきます。

理由①:性格の不一致

離婚の理由として良くあげられる性格の不一致ですが、これを理由に婚約破棄に対する慰謝料は請求できません。

しかし、婚約している状態で喧嘩になって別れたり、結婚の準備を進めている段階で、この人と性格が合わないと別れを決めてしまったりする人も多いでしょう。

かといって、それが慰謝料の請求には結びつきません。
やはり性格の不一致は、お互いが話しあう事で解決できる事案だからでしょう。

理由②:両親の反対

両親に反対されて婚約を破棄しても、それは正当な理由として認められないことが多いでしょう。

本人同士は両親の承諾がなくても未成年でなければ結婚は出来るので、そのために婚約を破棄したといっても、正当な理由にならないからです。

また、婚約者が外国籍であったことが発覚したりしても、正当な理由と認められるのは難しいでしょう。

理由③:方位や年まわりが悪い

年回りとは、特定の年齢に関して吉凶があることで、いわゆる、運勢のようなものです。
結婚する時に、この年まわりが悪いから婚約を破棄したいといっても、正当な理由とならないでしょう。

また、方角が悪い、方位が悪いから結婚できないなども同じ理由です。
このような運勢や占いのようなものは、科学的根拠がないので、正当事由になりにくいと言えます。

理由④:相手の親の前科が発覚

婚約中に、相手の親に犯罪歴が発覚した場合も、正当な理由としては難しいでしょう。
結婚は本人同士のものなので、相手の親に問題があったからといって、正当な理由としては認められないことが多いのです。

まして、前科があったというだけで、現在は更生して社会生活を真面目に営んでいるならば、ますます離婚事由としては厳しいでしょう。

理由⑤:宗教の信仰の違い

お互いの信仰している宗教が違うからと言って、婚約を破棄する正当な理由にはなりにくいでしょう。

その宗教によって婚姻生活が妨げられる、営んでいくことが難しいならば、正当な理由になりうるケースがありますが、信仰が違ってもお互いの婚姻生活が成立するならば、婚約破棄は難しくなります。

そのため、それらを理由にするならば、婚姻生活が成り立たない証拠などが必要になるでしょう。

婚約破棄をしない・されないためのチェック項目

婚約を破棄するのに指輪を返される女性

婚約破棄とならないために事前にチェックしておきたい事を見ていきましょう。

チェック項目①:婚約は他の第三者に伝えているかどうか

婚約は本人同士だけでは、成立したと承認するには難しいので、第三者に伝えたかどうかがポイントになります。

第三者とは、親や兄弟、友人、勤務先の人達です。
恋人同士の間の話しならば、それは婚約したとは証明しにくくなります。

特に、ピロートークでの「結婚しよう」という言葉は、信頼できるものとは言い難いでしょう。
そのため、男女間で婚約したかどうかの認識違いが生まれるのです。
それを無くすために第三者に伝えているかどうかがカギとなるのです。

チェック項目②:お互いが結婚に向けての生活を始めたかどうか

婚約が成立したとすれば、それに向けての準備をしたということにもなります。
例えば、新生活の為に家を見に行ったり、借りたりした、結婚生活をおくる準備の為に、どちらかの家に同棲していたなどです。

それが具体的なものであれば、婚約が成立していたと認識されるでしょう。
特に、新居を準備していたのなら、婚約していないという言い逃れは出来ません。

チェック項目③:性関係は継続的だったかどうか

結婚するつもりだったから肉体関係を結んだと言う人もいるでしょう。
しかし、それは一回きりのものではなかったでしょうか。

それならば、結婚をチラつかせて肉体関係を結んだと言う事にもなるでしょう。
しかし、継続的に性的関係を続けていたならば、交際していたと言う事実になります。

つまり、肉体関係があったから自分が本命だと思っていたけど、浮気だったということにならないようにチェックしておくことがポイントです。

チェック項目④:婚約時に意味合いを判断していたかどうか

婚約は契約するものではないので、手続きなどが発生しません。
そのため、婚約したと思っていても、相手はそのようなつもりがなかったという問題が出てきます。

そこで、婚約なのかどうかと迷う時には、はっきりと相手に意思を確認するのが良いでしょう。

そういうつもりではなかったと後からならないように、その場で確認しておけば、お互いに誤解を生むことはありません。

チェック項目⑤:両親の反対で交際をやめたかどうか

婚約を破棄する理由として、両親の反対は不当な理由となります。
そのため、交際相手から別れを告げられた時には、その理由をちゃんと確認するようにしましょう。

その理由が親による反対であれば、それは不当な理由であることを伝えるようにします。
また、こちらが婚約を破棄したい場合も、親が反対したからという理由は認められないと覚えておきましょう。

婚約破棄された場合の対処法

結婚を誓ったのに婚約破棄になったカップル

婚約破棄したくない場合

まずは、相手とじっくり話し合う事です。
婚約破棄をするには理由があります

その理由を把握することで、解決策も見つかります。
婚約を破棄されたと感情的に怒ったり、泣いたりすると、ますます相手は結婚したくなくなるでしょう。

どうして破棄したいのかを理解することで、お互いに歩み寄れることもありますし、反省すべき点が見えたりすることもあるでしょう。

婚約破棄を受け入れて慰謝料がほしい場合

慰謝料を払ってほしいとなると、素人同士の話し合いでは難しいケースが多いでしょう。
そのため、弁護士に相談するなどするのがおすすめです。

特に、相手からの一方的な破棄であれば、理由を明確にして慰謝料が発生するかどうかを聞いてみます。

弁護士ならば、婚約破棄にする様々な事例を理解しているので、おおよその金額やそれに対する話し合いの仕方も熟知しています。

婚約を破棄する時は正当な理由が必要

婚約破棄を回避して結婚したカップル

婚約してから結婚するまでに嫌な事があれば、婚約を破棄すればいいやと簡単に考えていませんか。

そのような考えならばトラブルの元になってしまいますし、相手の事を傷つけてしまいます。
そのため、婚約を破棄したいと考えるならば、それなりの正当な理由がある場合に留めておきます。

そうすれば、婚約を破棄したとしても、トラブルなりませんし、お互い納得して別れることが出来るでしょう。

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ライター
noel編集部

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