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「性癖」の正しい意味とは?

性癖の意味を辞書で調べる

誤解されがちな言葉「性癖」。
その人の生まれつきの考え方性格上みられる偏り傾向や際立った特質を表します。

その人の考え方や性格で目立つ特徴のことと考えると分かりやすいでしょう。
性癖の「性」の字は性格や性質、「癖」の字は目立った特質・著しい傾向という意味を持ちます。

テレビや雑誌、世間で一般的に言われるような「性癖」の意味、
性的な好みや性的に興奮する癖は誤りなのです。

「性癖」がいやらしい意味だと勘違いされている理由

性癖の意味というと想像しがちなイメージ

なぜ語句の意味が誤解されて広まったのか、考えられる理由を挙げます。

  1. 雑誌やテレビなどで間違った意味で使われている
  2. 「性」の字のイメージが悪い理由
  3. 「癖」という字の悪いイメージ

「性癖」の熟語とそれぞれの語句から、詳しく説明します。

理由①:雑誌やテレビなどで間違った意味で使われている

男性の成人向けの雑誌やテレビのトーク番組などで、性的な関係を結ぶ時の習慣や趣味、その時のクセについて、「性癖」という語句を使うようになりました。
あからさまに記さないように、オブラートに包む意味で使われたのか、「性癖」の漢字から意味を考えて誤用したのかはっきりとはわかりません。

雑誌やテレビは多くの人が目にする物なので、本来の「性癖」の意味で使われなくなり、「性的なこと」に限定して誤用される例が目立つようになったのではないかと言われています。
現在では、ブログなどの記事やSNSの書き込みでも、「性癖」の使用例が本来の意味とはかけ離れた物になっていることがほとんどでしょう。

理由②:「性」の字のイメージが悪い理由

「性癖」の「性」は、性的なことを表すイメージが強いことからセックスに関わる漢字として連想されやすくなっています。
人の全体の性質と言うよりも、「性的なこと」に限定した人の性質を表すようになってしまったと考えられます。

性的に興奮することや、そのような状態になった時に表れる趣味や嗜好、好みについてのみ使われるようになり、いやらしい意味にとらえられるようになりました。

理由③:癖という字の悪いイメージ

「性癖」の「癖」は元々の目立つ特徴を指す言葉でした。
「収集癖」などのように「物を拾って集める習慣を持っている人」の意味のように使われていました。

しかし、「爪を噛む癖」や「貧乏揺すりの癖」などのように、直さなくてはいけない目立つ悪い特徴について「癖」と使う例が目立つようになりました。
そのため、「癖」は悪い習慣などの意味を持つようになり、あまり良いイメージを持たれなくなったと思われます。

「性癖」以外の誤用されがちな言葉

性癖以外で意味が誤用される言葉を探りに行くイメージ

他に使い方を間違えられやすい言葉には、どのような語句があるか7つ例を挙げます。

  1. にやける
  2. 失笑
  3. 課金
  4. 役不足
  5. 元旦
  6. セレブ
  7. 天地無用

詳しく項目ごとに説明します。

誤用されがちな言葉①:にやける

「にやける」というと、口元に笑みを浮かべているとか、良いことがあってつい笑ってしまうとか、異性を前にして鼻を伸ばしているという意味だと考えている方もいるかもしれません。
「性癖」と同様に間違った使い方をされることが多いです。

「にやける」は「若気る」と書き、男性が女性のような仕草をするということを表しています。
今で言う「おネエ」に近いかもしれません。

にやけるという読み方が、にやにやすると誤用されたのではないかと言われています。

誤用されがちな言葉②:失笑

「失笑」を使う時は、あきれて馬鹿にする時につい漏らす乾いた笑いと考えて使う方も多いと思われます。
しかし、本当は「こらえきれずに思わず笑ってしまう」ことを言います。

「笑いが失われ、あきれてしまう様子」ということではなく、「失」という言葉は「失礼」のことです。
笑うと礼儀に反してしまう厳粛な場で、ついこらえきれずに大笑いしてしまうことを表します。

「性癖」と同様に、元をたどると全然違う意味合いになります。

誤用されがちな言葉③:課金

「課金」も「性癖」のように誤解されやすい言葉と言えます。
「課金」は料金を課すること、つまり払う義務があると利用者に請求してお金を納めさせることです。

しかし、今では逆の意味で使われています。
例えばスマートフォンでゲームする時に、キャラクターにアイテムなどが足りないと「課金して装備する」というように使っています。

上記の場合は、単に利用者が(追加で)支払いをしていることを指すので、自主的に精算しています。

誤用されがちな言葉④:役不足

PTAなどで会長などの大役を任されそうな時「私には役不足で難しいです」と断る場合があります。
私のような人間には、このような大役を引き受けるのは難しいと謙遜する意味で使っているのでしょう。

しかし、この言葉の使い方は、「性癖」の誤用と同じように間違いです。
「役不足」は、役職に地位や名誉が不足していることになり、「自分の素晴らしい能力に見合わないくらい小さい役である」と、職務を見下した言い方になります。

謙遜する場合は、「私には力不足で~」というように、自分の能力が不足しているという意味の「力不足」を使うべきでしょう。

誤用されがちな言葉⑤:元旦

改まった年賀状を書く場合、「○○年 元旦」と書き入れることがあります。
元旦とは「1月1日の朝」を指します。

「旦」は朝や夜明けを意味する漢字です。
つまり、1月1日でも朝を過ぎてしまった場合は使えません。

1月1日を表すのは「元日」となります。
使う際には注意しましょう。

誤用されがちな言葉⑥:セレブ

「セレブ」というと、お金持ちを指すことが多いです。
また、叶姉妹やデヴィ夫人のように豪華な衣装を身にまとった女性を指すこともあります。

元々の「セレブ」の言葉は、セレブリティの略語です。
多くの人に知られている有名人や話題になっている人、注目を浴びる人という意味であり、お金持ちや女性のみを表す言葉ではありません。

元々外来語ですので、日本由来の言葉ではないために誤用して広がったとみられています。
「性癖」と同じくイメージが強すぎて、元の意味から離れてしまったとみられています。

誤用されがちな言葉⑦:天地無用

「性癖」は誤用しても大きな過ちにはなりません。
しかし、間違えてしまうと失礼に当たってしまう誤用されがちな言葉があります。

例えば、「天地無用」という四字熟語は字面だけ見ると「天地は関係なく自由に用いることができる」というように読めることから、上下を逆さまにしてもよいと考えてしまう人も増えていると言われています。
この言葉は、荷物を運送する時に使われ、荷物の上にシールが貼られていることもあるでしょう。

「天地無用」とは、「この荷物は上下を逆さまにして運んではいけない」という意味になり、全く逆の意味になってしまいます。
この言葉は、貴重品を運ぶ際や、ひっくり返すと壊れる商品などを輸送する際に使われます。

「性癖」の意味をしっかりと覚えよう

性癖の意味を聞かれて教えてあげる女性

「性癖」とは、人の生まれ持った際立った特質や、著しく見られる考え方などの傾向を表しています。
性癖は全体的な人の性格や気質、思考を表します。

元来は決していやらしい言葉ではないので、性癖と聞くだけで眉をひそめるのは間違っているのかも。
とはいえ、使うのははばかられるかもしれないので、本来の意味だけは覚えておきましょう。

言葉は時代が変わるにつれて変化していくものなので、性癖と同じように意味が変わっている言葉も多いでしょう。

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ライター
noel編集部

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