金沢の方言(金沢弁)一覧!定番表現&女子のかわいい告白フレーズ集
北陸新幹線の開通以降「金沢」がにわかに注目を浴びています。 「金沢」という地名を耳にする機会が増えた方も、多いのではないでしょうか。 でも「金沢弁」と聞いても、ピンとくる人は少ないかもしれません。 小京都と呼ばれる和のイメージから、上品な印象が強い金沢ですが、実は特徴的な方言が数多くあります。 中には可愛くて、男受け抜群の方言もあるんです。 そんな魅力満載の金沢方言をご紹介していきます。
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金沢の方言(金沢弁)の特徴・種類
金沢の方言(金沢弁)の特徴
では、金沢弁がもつ具体的な特徴とはどういったものでしょうか。
代表的な4つの特徴を見てみましょう。
- 濁音の入る言葉が多い
- 語尾を伸ばす表現が多い
- 敬語表現や柔らかな表現がよく発達している
- ゆすりイントネーションがみられる
- 語尾のアクセントが共通語とは逆になる
特徴①濁音が多い
これは語尾に「じー」とつく金沢方言が代表的です。
また、金沢の方言に頻繁に登場する濁音には「が」や「げ」があります。
たとえば、語尾に付ける言葉に「~がいね」「~げん」というような濁音がみられます。
特徴②語尾が伸びる言葉が多い
会話の区切りごとに、「だから~、わたしはぁあ、あれがいいじー」というように、語尾を伸ばす話し方が強く印象に残る、金沢弁の特徴です。
金沢出身や在住以外の人からは、間延びしているように聞こえるようです。
古くから城下町として栄え、穏やかな生活を送れる環境であったことや、北陸の寒さ厳しい気候が理由だとする考え方もあるようです。
特徴③敬語表現や柔らかな表現がよく発達している
具体的な表現としては、「おいでる」=「行く」の尊敬語「いらっしゃる」といったものがあります。
このように、金沢独特の敬語が数多く存在します。
「おあがりあそばせ」=「入ってください」、「召し上がってください」
「おいだすばせ」→「おいであそばせ」=「いらっしゃいませ」
「道中お静かに」=「道中お気をつけて」
というような、人に何かを促す時の柔らかな表現も特徴的です。
特徴④ゆすりイントネーションがみられる
会話中で「あのね→あのぉんねぇ」や「ほんで→ほんでぇえ(=それで)」というような、抑揚にうねりがある話し方がよくみられます。
単に母音を重ねての音を伸ばすのではなく、伸ばす音にも主張があるので文字で書くときは、「あー」ではなく、「あぁ」という表現の方が適当です。
特徴⑤ 語尾のアクセントが共通語とは逆になる
語尾が下がった時に、疑問系になる事が多く、共通語のアクセントとは逆になっているのが、他の方言にはあまり見られないので特徴的です。
金沢の方言(金沢弁)の種類
石川県内には金沢弁以外にも、朝ドラで有名になった能登弁や、白峰弁といった方言があります。
かほく市から南に位置する、加賀地方で主に話されている方言を大きくくくって加賀弁と呼んでいます。
金沢弁は、この加賀弁に含まれている北陸方言の一つです。
加賀弁には、金沢市内で一般的に話されている「北加賀弁」、小松市を中心とした地域で話されている「なか加賀方言」、加賀市を中心にとした地域で話されている「南加賀方言」という3つがあります。
それぞれの違いは大きくはありませんが、少しづつ独自の変化の歴史を持っています。
能登弁は、平安時代のむかし、旧能登国といわれていた能登半島のある石川県北部を中心とした地域で話されている方言です。
能登半島は長く伸びた、その土地の形の特徴から、地域の差が大きいと言われています。
能登弁の中でも、口能登、中能登、奥能登といった地域の違いで語彙が異なり、全く違う言い方をしたりします。
アクセントとイントネーションは同じでも、違った語彙があるため、別の方言と判断する見方が根強くあります。
白峰弁は、日本3大名山の白山のふもとにある、白峰村があった地域とを中心とする方言です。
白峰村は、石川県の南にあり、かつては白山の登山口として村でした。
村の東側半分が、白山国立公園で、民家がないことに加えて、日本でも有数の豪雪地帯です。
その為、こういった地理的条件で他の加賀地域とは隔絶されてきたので、白峰弁、通称ジゲ弁という特殊な方言が発達しました。
金沢の方言(金沢弁)のよく使われる定番表現
①:「○○じー」「○○じ」
金沢弁での会話を聞いていると、語尾によく「じー」「じ」が付いていることに気づきます。
これは、同意や共感、更には感嘆を表す方言で色々な場面で使われます。
基本的には「~だよね」や「~ね」の使い方と同じです。
「その服可愛いじ」=「その服可愛いね」「このマンガ面白いじ」=「このマンガ面白いよね」といった使い方をします。
ところが「合格やるじー」=「合格なんてやるじゃないか」「英語話せてすごいじー」=「英語が話せるなんてすごい」というように感嘆のニュアンスが含まれる「じー」もあるのです。
更に、「そんなん知らんじー」に使われる「じー」には「どうして教えてくれなかったのか」という相手を非難するような意味合いを含みます。
「じ」は、場面や言い方でいろいろな意味を持つ、金沢弁の代表格です。
②:「~しまっし」
もう一つ、金沢弁の代表的な方言と言えば「~しまっし」が挙げられます。
金沢市内では、交通標識やお店の看板にも使われていたりするほど、よく使われる方言です。
「~しなさい」という意味をもつ命令形の言葉です。
金沢の観光誘致のキャッチコピーに使われている「金沢ぁ、いっぺん来まっし」は「金沢に一度は来てみなさい」という意味です。
また金沢弁で「そこへ立つまっしね」は「そこへ立ちなさいよ」と言う意味で、語尾が「ね」になる事で命令の度合いが強くなるのが特徴です。
③:あんやと
「あんやと」は人気のある方言の一つです。
沢山ある金沢弁の中でも、一二を争う有名な方言です。
意味は「ありがとう」というお礼の言葉です。
「あんやと」は親しい間柄でしか使えません。
目上の人や親しくない人に対しては、「あんやと存じみす」という言葉がありますが最近ではあまり使われることはないです。
④:やっきねー
「あの案件を仕上げるのに躍起ねー」という時の「やっきねー」という意味ではありません。
全く反対の意味で、「やる気がない」という意味です。
自分の気分を表すのも、人の態度を指すのも同じ「やっきねー」です。
⑤:だらんねーけ
大阪弁では、あいさつ代わりの「あほちゃうか」が全国的にも有名です。
金沢弁にも、同じような使い方をする「だらんねーけ」があります。
「だら」が「あほ」や「ばか」という意味です。
真剣な悪口というよりは、仲間同士の親しみを込めたおふざけというニュアンスが強い言葉で若い世代では、日常的に使われる言葉です。
「だら」の語源は諸説ありますが「足らず」→「ダラズ」→「だら」と変化して、現在の「だら」になったという説が有力です。
「だらんねーけ」は仲間内で使う、親しみを込めた愛あるおふざけ、というのに対し、「だらぶち」という方言もあります。
これは「だら」の強調した形で、罵倒するニュアンスが強くなります。
くれぐれも使い方には注意しましょう。
⑥:おもしー
語尾を伸ばす金沢弁の代表的な方言です。
「面白い」という意味で「このマンガ、がんこおもしー」「おもしーこっちゃねぇ」という使い方をします。
⑦おいね
金沢の方言で、特徴的なのはあいづちです。
「おいね」は会話の中で、相手のいう事に対して相づちを打つ時に使います。
「そうなんですよ」「そうなんですね」という意味で使われます。
「おいね」は女性が使うあいづちで、男性は「おいや」という人が多いです。
また、単純なあいづちというよりも、「そうそう、そうなんだよー」と気持ちを込めて、肯定する様な時にも使います。
「あのドラマ、おもしろいがん?」「おーいね。一回みまっし」というような使い方をします。
感情が込もると、言葉が間延びするのも金沢弁あるあるです。
⑧なーん
初めてこの言葉を聞いた方は「なぁに?」と質問されているように聞こえる方が多いかもしれません。
ところが、これは金沢の方言では「別にー…」というような、やんわりとした否定の意味合いで使われています。
「はい」「いいえ」をはっきりさせない時や、答えをはぐらかしたいときに「いやー…」と返事を濁すようなときに頻繁に使われます。
そして、謙遜の意味合いも持っています。
「とんでもないです」「いえいえー」「恐れ入ります」と共通語でいうような場面で、金沢弁では「なーん」という人が多いです。
褒められたら謙遜で「なーん」。
返事に困ることを質問されたら「なーん」。
と頻繁に使われる便利な言葉です。
また、「なーん」が「なん」と短くなって使われることもあります。
⑩いじっかしい
方言には、一語で沢山の共通語に言い換えることができる便利な表現があります。
そのうちの一つに、「いじっかしい」があります。
「いじっかしい」は「うっとおしい」「わずらわしい」「面倒くさい」「うるさい」といった沢山の意味を持つ方言です。
要は、何かに対してイライラしている心持ちを表す方言なのです。
「うちのじゃーまいじっかしいげんて~!」=「我が家の奥さんがうるさいんだよねー」というように使いますが、いい意味の言葉ではないので注意しましょう。
⑪がんこ
がんこと聞いて「頑固」を真っ先に想像する人は、金沢にはいません。
金沢の方言で「がんこ」とは「すごい」「めちゃくちゃ」「とんでもない」という意味なのです。
ちなみに頑固よりも少し軽めの表現に「まんで」という方言もあります。
「まんで」<「がんこ」の図式で覚えてくださいね。
実際の使い方は「今日まんであっついじー」「なぁーん。今日はがんこ暑いわぁ」=「今日とてもあついね。」「いやいや、めっちゃくちゃsついよ」という感じです。
⑫だちゃかん
音だけ聞くと、なんとも語感の響きが良い言葉です。
これは、主に「ダメ」「いけない」という、禁止や限界を示す意味で使われている方言です。
「こんながしたら、だちゃかんがいね」=「こんなことしたら、いけません」。
「この服大事に着とったけど、もうだちゃかんわ」=「この服を大切に着ていたけど、もう駄目になってしまいました」というような使い方をします。
金沢の方言(金沢弁)の告白フレーズ・かわいい表現
様々な独特の表現を持つ、金沢の方言。
その中でも、言われてみたい告白フレーズや、言われたら嬉しい、可愛い方言を集めてみました。
①:すきねんけど
告白はシンプルな言葉が一番グッときますよね。
「好きなんだけど…」という意味の金沢弁です
「~ねん」は関西の方言によく見られる表現ですが、金沢の方言にも同じような言葉が沢山あります。
ただし微妙に、使い方やニュアンスが変化しているのが、方言の面白いところですね。
②:えーんな
「いいんですか?」と許可を取っているような言葉ですが、全くその使用場面は違います。
これは、怒っているときに使う金沢弁です。
共通語では「もー!」と表現される言葉にあたります。
ただし、状況によって微妙にニュアンスが変わります。
とても焦っているのに、思うように事が運ばない時や、何度も同じ事を繰り返してイライラしたときの「もー!」が「えーんな」の使い時です。
非常に怒っている時に使う方言なのですが、金沢弁の響きがかわいらしいので、可愛い金沢弁でご紹介しました。
くれぐれも告白には使わない様にしてくださいね。
③:一緒におりたいげんけど
これもストレートに言われて嬉しい告白フレーズですね。
共通語で「一緒に居たいんだけど」と言われるよりも、グッと心がこもったようなニュアンスになります。
方言は、基本的に気心が知れた間柄に使用されることが多いです。
オフィシャルな場面や、それほど仲良くない人に対しては、共通語を使うように意識する方が多いのではないでしょうか。
そんな理由から、方言で話す=打ち解けている、と言えます。
告白が方言だった場合は、心許している感じが伝わりやすいですね。
④:ほーねんてぇ
共通語には決してない表現が、方言が可愛いと感じる所以でしょう。
「ほーねんて」は相手の言っていることに、共感するときの相槌です。
こちらが話している話を一生懸命に聞きながら、「ほーねんてぇ」とうなずかれたらキュンとしてしまいますね。
⑤:やわやわぁっと
これは言葉のままだと「柔らかい」という意味に捉えてしまいますよね。
ところが「やわやわぁっと」は「ゆっくりと」「落ち着いて」という意味の金沢弁です。
焦っているときに、この方言を言われたら一気に力が抜けて楽になりそうですね。
「やわやわぁっとやんまっしね。」→「ゆっくりとすればいいよ。」
という使い方です。
同じ言葉でも、方言で聞くと可愛さ倍増ですね。
金沢の方言(金沢弁)の面白い表現
①:しましまにしまっしまー
早口言葉の様なこの表現。
金沢弁でおもしろいと言えば、コレと挙げられる代表格です。
漢字で書くと「縞々に、しまっしまー」です。
定番表現でご紹介したように、「しまっし」は「~しなさい」という命令形の方言です。
最後の「ま」は強調の「ま」で「しなさいよ」というニュアンスに変化します。
②:じゃみじゃみ
なんだか毛虫のことを指しているような言葉ですが、違います。
この「じゃみじゃみ」は、テレビの放送終了後の砂嵐のことをさす金沢の方言なのです。
今となっては、テレビでその画面を見かけることはなくなってしましましたので、若い世代は知らない方言になりつつあります。
「さっきテレビ、急にじゃみじゃみになってんけどぉ~、壊れたかもしれん」=「さっきテレビが急に砂嵐の画面になってしまったんですが、壊れてしまったのかもしれません」というような使い方を、かつてはしていました。
③:こけ
これは「苔」のことではありません。
金沢で「こけ鍋食べましょう」といわれても、躊躇しなくて大丈夫です。
「こけ」とは金沢弁で「キノコ」のことなのです。
「キノコ狩り」のことを金沢では「こけ狩り」と言います。
ちなみに、「苔」のことも「こけ」というので金沢の方とお話しするときは、前後の会話から、真相をくみ取ってくださいね。
④:つるつるいっぱい
一体何のことを話しているのか、全くわからない方言ですね。
実は、この「つるつるいっぱい」はコップに満タンに水が入っている状態を指す金沢の方言です。
コップのふちぎりぎりまで、表面張力が働いている位の様子伝えたいとき、金沢では「つるつるいっぱい」と言います。
「コップにつるつるいっぱいやわ」=「コップになみなみと水が入っています」というように使われています。
⑤:やわら
有名なオリンピック選手のあだ名ではありません。
金沢では、当たり前に聞く言葉なので方言だと思っている人が少ないです。
「やわら」は「もうすぐ」や「そろそろ」という時間の幅を表す方言です。
「やわら学校の時間やぞいね」=「もうすぐ学校の時間ですよ」「やわら終わりやよ」=「そろそろ終わりですよ」というような使い方をします。
金沢の方言(金沢弁)を話す芸能人やドラマ・映画
金沢出身の有名人として世界的に有名なのが、元野球選手の松井秀喜さんでしょう。
他にもお笑い芸人のダンディ坂野さんや、俳優の鹿賀丈史さん。
きゃりーぱみゅぱみゅさんのプロデューサーとして有名になったナカタヤスタカさん等々…。
錚々たる有名人が名を連ねます。
ところが彼らは、ほとんど金沢弁を話している場面がないのです。
残念ながら、金沢弁を日常的に話す有名人として、浮かぶ人がいないというのが、金沢人の共通認識です。
ですが、2010年に東海テレビで放送されたお昼のドラマ。
「花嫁のれん」では、金沢がたびたび登場する、舞台のひとつだったので、登場人物が金沢の方言を話すシーンが度々ありました。
金沢弁の魅力を再確認
定番表現や、キュンとする方言を見てきましたが、金沢弁に対して親近感を持っていただけたでしょうか?
旅先としても人気の金沢。
金沢の方言を少しでも知っていると、地元の方たちのコミュニケーションもより深く楽しいものになるでしょう。
ぜひ、金沢弁の魅力を感じてくださいね。
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