神父の平服「カソック」が話題!構造や色別にみる意味
カソックと聞いてもあまりピンと来ない人も、神父が身につけている衣装と言われればなんとなくイメージできるでしょう。 教会に行く機会がある人は馴染み深い衣装でも、一般的には余り馴染みがありません。 コスプレでは人気がある衣装です。 カソックについて、気になる情報をまとめます。
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「カソック」とは?
キリスト教の教会で聖職に就いている神父が着ている、立て襟の衣装がカソックです。
キャソックとも呼ばれますが、カソックの方が一般的です。
カソックは黒というイメージが強いものの、実はいくつかのカラーバリエーションがあり、位階によって色が変わります。
神父や牧師の制服と考えるとわかりやすいでしょう。
以前は常にカソックを着るのが一般的でしたが、現在は特別なイベントの時だけ着用して、それ以外は私服で過ごすことも増えています。
イメージでは常にカソックを着ているように思えますが、着る機会は限られているようですね。
カソックはどんなときに着るの?
神父は儀式の時に着用する祭服以外は、カソックを着用しているのが定番となっていました。
しかし現在は祭服以外でカソックを着ていることが少なくなってきており、カソックも着用する機会がある程度決まってきています。
現在は普及活動や信者を導く時というように、神父がカソックを着る機会も限られています。
神父が私用で教会の外へ出かける際、以前はカソックで出かけることも多かったようですが、今は私服に着替えて出かけるのが一般的となっています。
カソックの作り
ボタンの数
カソックのボタンは33個あって、33という数字はキリストの年齢に由来しているとされています。
ただし現代では、着脱しやすいようにボタンの数を減らしたタイプが多く使われています。
ボタンではなくスナップボタンのタイプもありボタンの数や形状も時代に合わせて様変わりしてきています。
スナップでもそう見せないよう工夫が施されているので、ぱっと見は気づきません。
襟
カソックの襟は、スタンドカラーや、チャイナ服のようなマオカラーにも似ていますね。
一般的なスタンドカラーよりは少し幅が広く、留めるのが首の後ろというのもカソックの特徴です。
カソックにおいては、スタンドカラーやマオカラーとは呼ばずに、ローマンカラーと呼びます。
ストラ
神父が礼拝の時などに、カソックにストールのような物を首から下げているのを見たことがありませんか?
あの首から下げているストールのようなものが、ストラです。
ストラを使うのは信者と神父を見分けやすくするとか、洗礼の時手を拭くためなど諸説あります。
帯のように長さがあって、祭色に合わせて色を使い分けています。
白は清さ、赤は血、緑はキリストの言葉、紫は悔い改めるというように、色にもそれぞれに意味があるのです。
カソックは色別に意味がある
カソックの色は位階によって違いがあり、ストラ同様に色にもそれぞれ別の意味が込められています。
4種類あるカソックの色と、位階による違いを見ていきましょう。
黒
着用するのは司祭です。
スタンダードなカソックで、平服とされています。
黒には悲しみや苦しみという意味があり、死者のための儀式などにも使用されています。
ただし死を悲しいとは捉えずに、永遠の命を預かるという捉え方もあるので、この場合は黒いカソックは着用しません。
赤紫
司教が着用する色です。
司祭のひとつ上の位階で、回心や償いという意味があります。
着用するのは、死者の贖罪を祈る時です。
赤
赤いカソックを着用するのは、枢機卿と呼ばれる位階です。
限られた人しか就けない位階で、2018年5月の段階では世界に213人の枢機卿がいることが確認されています。
213人というと多く思えるかもしれませんが、世界のキリスト教信者が12億人と言われることを考えると、ごく一部の限られた人しかなれない位階であることがわかりますね。
2018年7月の段階では、日本人の枢機卿は1人となっています。
赤のカソックには、火や愛、殉教という意味があります。
白
着用するのは、教皇だけです。
教皇とはローマ法王のことで、カトリックの最高指導者しか着用できない色です。
日本ではローマ法王という呼び方が一般的ですが、正式名はローマ教皇と言います。
2019年1月現在はフランシスコ・ローマ教皇で、2019年中には38年ぶりのローマ法王の訪日が実現するかもしれないと注目されています。
白いカソックの意味は、清さ・栄光・祝福・喜びなどです。
このようにカソックは、色によって意味が違い、着用できる位階も違いがあります。
キリスト教信者でない限りあまり教会に足を運ぶ機会はありませんが、何かの時に教会に行ったり、カソックを見たりする機会があったら色を見れば、その人の位階がわかるのでちょっと見方も変わるかもしれませんね。
神父や牧師の服はカソック以外にある?
神父
神父が普段着用しているのは黒のカソックですが、儀式を執り行う時は祭服を着用します。
特別な意味を持つ儀式にカソックはふさわしくないからです。
神父の服装は、シーンによってそれぞれにふさわしい物が用意されています。
祭服はアルバと呼ばれていてローブのようにも見えます。
かなりゆったりとしたシルエットが特徴的で、丈はくるぶしくらいまであります。
アルバ(祭服)を着る場合は、ストラもセットです。
アルバに合わせるストラも位階によりつけ方が変わるのが特徴的。
司祭はストラを、首からストールのようにかけて使います。
助祭や執事は、一旦首からかけたストラを、左肩にかけ右腰まで斜めになるようにかけます。
司教や主教の場合は、首からかけるのは司祭と同じでも、アルバが異なるので見た目の印象もかなり違いがはっきりするのが特徴です。
牧師
牧師は神父と服装が少し違います。
牧師服装は、白い詰襟のシャツにスーツが定番です。
儀式の時は、スーツの上に黒のガウンを羽織ります。
聖餐式には、袖が広めのサープラスとい上着というように、シーンによって使い分けるのが一般的。
ただし牧師の場合は、宗派によってもルールが変わるので、必ずしもこの限りではありません。
カソックを着用するのは神父で、牧師は着用しません。
神父と牧師の違い
神父と牧師は似ているようでも実は違います。
神父と牧師の違いをみていきましょう。
- 宗派
- 立場
- 性別
違い①:宗派
キリスト教のことをあまりよく知らないと、神父も牧師も同じように思えてしまうでしょう。
神父と牧師は宗派が違います。
神父はカトリック、牧師はプロテスタントと呼ばれる宗派になります。
教会もカトリック教会、プロテスタント教会に分かれていて、カトリックは1エリアに1教会、プロテスタントは教派が複雑に分かれているので、教派ごとに1教会というように、教会のあり方にも違いがはっきりと出るのが特徴です。
教派の数の違いから教会数も異なるので、カトリックの神父よりも、ロテスタントの牧師の方が圧倒的に数が多くなっています。
違い②:立場
カトリック教の神父は司祭とも呼ばれていて、神の使徒として認められた人だけがなれます。
いくつかの位階があり、司祭・司教・助祭と位階により立場も変わっていき、カトリック教の最高指導者がローマ法王となります。
カトリック教では聖職に就くと結婚できませんので、生涯独身を貫きます。
組織の中で立場がはっきりしており上下関係もはっきりしていて、何事にも厳しいルールが設けられているのもカトリック教の特徴です。
プロテスタント教は教派が多い一方で、カトリック教ほど厳しいルールは設けられていません。
もちろん教派ごとにルールは変わりますが、先生やリーダという位置づけです。
教会によっては、教会員に認められればすぐに牧師になれるところもあるとか。
牧師は結婚できるので、既婚者も大勢います。
違い③:性別
神父と牧師は性別でも違いがはっきりしています。
カトリック教の神父は男性のみで、女性は神父になれません。
プロテスタント教は基本的に性別に関係なく、男性も女性も牧師になれます。
ただし教派によっては、女性が牧師になることを認めていない場合も。
カソックを着たキャラクター
キャラ①:マトリックス
1999年に公開された映画・マトリックスで、キアヌ・リーブスが演じた主人公のネオがカソックを着用していました。
カソックを着ているから神父というわけではないものの、コンピュータから人類を守るという救世主というような意味合いで、カソックを着ていたものと思われます。
カソックをよく知らない人も、キアヌ・リーブスが着ていたことからかっこいいと注目されるようになり、一時期コスプレでも人気を博していました。
キャラ②:トリニティ・ブラッド
ローマ教皇庁を舞台とした凡人類機関が、吸血鬼に抵抗するというストーリーのアニメです。
元々はライトノベルでしたが、登場人物で吸血鬼となり戦うアベル・ナイトロードが、カソックのような衣装を身にまとっています。
厳密にはカソックとは少し違うものの、肩やグローブには十字架のマークが入っていて、アルバのような物を羽織っているので、カソックと捉えていいでしょう。
キャラ③:刀剣乱舞-ONLINE-
シミュレーションゲームの刀剣乱舞に出てくる、へし切長谷部というキャラクターが、着ている衣装もカソックに似ています。
聖職者をモチーフにしているので、カソックと見ていいのではないでしょうか。
紫色のカソックに黄土色のストラを首から下げています。
ただし忠実にカソックを再現しているわけではなく、白いシャツのような物を着ているので神父と牧師のミックスという印象も否めません。
へし切長谷部を取り巻く環境が、キリスト教に関係していることから、カソックをモチーフにしたことには違いないようです。
カソックのコスプレ衣装
①:MW ムウ 賀来裕太郎風神父服
手塚治虫さん原作の漫画で、2009年には映画化された作品。
梨園出身の主人公が、MWという毒ガスを吸ってしまったことから、犯罪者になってしまい、それを懺悔するために足を運んだ教会にいたのが、賀来裕太郎風神父です。
映画では主人公を玉木宏さん、賀来裕太郎風神父を山田孝之さんが演じていました。
その賀来裕太郎風神父服がコスプレで楽しめます。
オーダーメイドのため時間がかかりますが、体に合わせて作るのでジャストフィットします。
賀来裕太郎風神父になりきってみたい人は試してみてください。
②:BLESSUME 牧師 神父ローブ
ポリエステル製のため若干高級感にはかけるものの、コスプレを楽しむには十分なクオリティと言っていいでしょう。
ボタンがスナップ式になっているので、着やすさはばっちりです。
ちゃんとローマンカラーになっていますし、サイズも選べます。
色も黒・赤・白の3色あるので、神父気分を味わいたい人にもおすすめです。
③:ノーブランド品
ハロウィンの仮装に使えそうな、本格的なカソックコスチュームですね。
クリスマスパーティーで仮装する時にもおすすめ!
ストラもついていて、十字架マークが刺繍されているなど、細かいところにもこだわっています。
ストラは首から下げたり、ウエストに巻いたりと使い分けられるのがポイント。
お手頃価格で試しやすいのもいいですね。
神父の平服「カソック」が話題!構造や色別にみる意味まとめ
一般にはあまりカソックは知られていませんが、神父が着ている衣装とわかればイメージしやすいでしょう。
黒の印象が強いものの、カソックにもいくつか種類があって、色によっても意味合いは変わってきます。
キリスト教信者ではなくても、テレビなどで教会の儀式を見ることがあったら、カソックの色やストラの色で位階や意味が分かるようになるでしょう。
映画などにも出てくるので、見る機会があったらカソックの意味をチェックしてみてくださいね。
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