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「責任転嫁」の意味とは?

責任転嫁の意味が載っている本
責任転嫁とは一般に、元々は自分の責任において行ったことに対しての、批判や悪評価を、全く関係のない第三者に押し付けることを指します。

さらに、最近では、自分のしでかしたことに対して、責任がとれないために、人にその後始末を押し付けるだけではなく、自分の能力を過大評価したり、安請け合いしてしまったことに対しての責任をとることで、自分に対する評判を落したくないあまりに、他人にその後始末を押し付ける行為も、責任転嫁とするケースも見られます。

「責任転嫁」と「責任転換」との違い

責任転嫁されて怒った人のシンボル
責任転嫁と、音もよく似た言葉に「責任転換」という言葉があります。
これは、全くの誤った用い方であり、本来は責任転換という言葉はありません

したがって、「責任転嫁」と「責任転換」の2つに違いがある、というよりは、前者が正しく、後者は間違った言葉遣いであるということを、覚えておきましょう。

責任転嫁する人の特徴・心理

しれっと責任転嫁する女性
では、責任転嫁する人の特徴とはどんなものでしょうか?
以下の責任転嫁する人の特徴や心理をご紹介します。

  1. 自分本位である
  2. 都合が悪いことからは逃げる
  3. 地道な努力が嫌い
  4. 甘やかされて育った
  5. 自己愛が強い
  6. エリート街道を歩んできた
  7. 負けず嫌い
  8. 謝罪することは負けだ
  9. 言い訳ばかりする
  10. 人の立場に立てない
  11. すぐ逆ギレする
  12. 挫折することが怖い

①:自分本位である

責任転嫁する人には、自分本位な振る舞いが目立つという特徴があります。
つまり、上手く事が運んだ時の成果は、自分のものとする代わりに、失敗した時には全て周囲に責任を押し付ける、といったようなことは日常茶飯事なのです。

これは、自分本位で、周囲の人の気持ちを斟酌したり、忖度したりといったことができない性格に起因していることが、大半を占めます。

②:都合が悪いことからは逃げる

苦言を呈されたり、小言を言われたりといった、自分への批判や意見に、耳を貸そうとしない、ということも、責任転嫁する人に共通する特徴です。
自分のしでかしたことであっても、自分で後始末がつけられず、他の人にその責任転嫁してしまうのは、都合の悪いことからは逃げればいい、不快な現実からは目を背ければいいという考えの持ち主である証拠。

不都合なことは何事も、なかったことにしてしまう、という傾向も強く、常日頃から無責任な人という評価をされていることもしばしばです。

③: 地道な努力が嫌い

他人に責任転嫁する人は、楽をして成果を得たがる、裏返せば地道な努力を嫌う傾向が強く見られます。
自分で、コツコツ積み上げた仕事や、努力であれば、例えそれがどんな結果になろうとも、自分で責任を全うするのが本筋です。

しかし、いわゆる、いいとこ取りしか考えていない人の場合は、不首尾に終わった結末を、それまでの自分の努力の結果として、受け止めることができないのです。

④:甘やかされて育った

責任感に欠け、安易に責任転嫁ばかりする人には、溺愛され、甘やかされて育ったという人も、少なくありません。
子供とはいえ、度を過ぎた悪戯や、悪いことをしてしまった時には、きちんと怒られる手当然です。

しかし、「可愛いから」「子供のしでかしたことだから」と、大目に見たり、甘やかしてばかりいると、図に乗ったり、大人を甘く見たりするのが常態化してしまいます。
さらに、成長しても、そうした傾向が改善されないと、何かと言うと責任転嫁ばかりする大人になってしまうのです。

⑤:自己愛が強い

責任転嫁をして、はばからないような人には異常に強い自己愛の主が、数多く含まれます。
人間は誰しも、多少なりとも自己愛が強いものですが、それが突出して強い、いわゆるナルシストとも言うべき自己愛強者の場合、自分へのマイナス評価を、一切受け入れられない、という心理状態になることが多々見られます。

自分の中で、「理想の自分」が大部分を占めてしまい、その理想の自分に、そぐわないことに対する責任から、全速力で逃げ出してしまうのです。

⑥:エリート街道を歩んできた

無責任な責任転嫁をしてしまう人には、これまでの人生において、常にエリート街道をまい進してきた、という人も多くいます。
こうした人の多くは、常に周囲からの期待を寄せられ、それに対しての成果を出してきたために、誉めそやされ、賛美されることが当たり前、といったアイデンティティの持ち主です。

そのため、自分に責任転嫁されてしまう相手の気持ちや、立場といったことを、一切慮ることができず、傍から見れば、全く厚顔無恥そのものといった行為を、平気でやってのけることができるのです。

⑦:負けず嫌い

負けず嫌いで、自分でも内心、自分の責任だと承知しているにも関わらず、人にその責任を転嫁しようとする人も、数多く見受けられます。

⑧:謝罪することは負けだ

自らの過ちを認め、素直に謝ることをしたくない一心で、他人に責任転嫁するタイプの人も少なくありません。
こうした心理が働く背景には、謝罪イコール敗北と考える思考パターンがあるようです。

すなわち、自分の過ちを認めることが、自分の存在価値を全否定されているかのように、感じてしまうため、何が何でも他人のせいにしてしまう、という行動に走るのです。
こういった心理パターンに陥りやすい人には、幼少期からずっと、人に対してきちんと向き合ってこなかった、という人も多く、様々な性格上の問題を内包しているケースも見受けられます。

⑨:言い訳ばかりする

責任転嫁する人の根本は、物事を俯瞰的に見ることが出来ない、という心理である場合が多くあります。
つまり、人間関係においても、仕事においても、自分という人間を客観視できないのです。

そのため、その場しのぎの言い訳を繰り返したり、責任転嫁したりといった悪あがきをすることにも、全くの躊躇が見られません。
とにかく、目の前の事態から逃れたいという、逃げの一手で、責任転嫁はおろか、そもそも自分という人間の、果たすべき役割も放棄していることも多いのです。

⑩:人の立場に立てない

臆面もなく、責任転嫁するような人はそもそも、人の気持ちに寄り添ったり、立場に立って物を見たりすることができない人です。
想像力の欠如、と言ってしまえば、それまでですが、単なる利己主義としか言えない側面も多く見られます。

そのため、自分が逆に責任転嫁される側に立たされても、泣き喚いたり、被害者然として振舞うなど、あくまで自分中心にしか動かない人であることが、大半を占めます。

⑪:すぐ逆ギレする

責任転嫁して恥じないタイプの人には、何かと言うとすぐに、逆ギレするような、激高しやすい人が多く含まれます。
しかし、説明や弁明を求められると、すぐに声を荒らげたり、喧嘩腰の態度に出るような場合、実は、自分の小心さを隠すためのこけおどしに過ぎないこともしばしば。

そのため、自分より社会的地位が高い人などに、逆に説教されたり、叱責したりすると、たちまちしょげ返ったりするパターンも、よくあります。

⑫:挫折することが怖い

安易に責任転嫁する人は、失敗に終わったことの責任をとることで、自分の経歴に汚点が付くことを、避けたいという人も多くいます。
こうした責任回避からくる、責任転嫁に走りがちな人は、挫折することに対しての恐怖心が強いのです。

成長過程で、それなりの紆余曲折を経てくれば、「失敗しても、また一からやり直せばいい」と良い意味で、開き直ることもできます。
しかし、1度も大きな挫折を味わってきていないと、逆に、転ぶことに対する怖れが強くなりすぎてしまうようです。

また、それと逆に、数多くの挫折を味わいすぎたために、それ以上の失敗を何が何でも回避したいあまり、なりふり構わず人に責任を押し付ける人がいるのも、事実です。

責任転嫁する人への対処法&上手な接し方

責任転嫁するターゲットを探す女性
では、責任転嫁する人への対処法や上手な接し方とはどういったものでしょうか?
以下の責任転嫁する人への対処法&上手な接し方をご紹介します。

  1. 1つ1つ記録を残す
  2. 感情的にならない
  3. 第三者に立ち会ってもらう
  4. 過剰に期待しない
  5. ほどほどに付き合う
  6. 約束は当てにしない
  7. 理論武装する
  8. 縁を切る

①:1つ1つ記録を残す

責任転嫁してくる人に対応するには、相手の理不尽さに対抗できるツールを、準備しておくことが大切です。
特に、無理やり責任を押し付けようとしてくるような人が、上司や同僚だったりした場合には、第三者から見て、どちらに一理があるか、一目瞭然になるように、事の成り行きをLINEやメールなどで記録しておくことがおすすめです。

②: 感情的にならない

責任転嫁してくる人には、とにもかくにも後始末を押し付けようとして、感情的な行動や言動に出てくるケースも多くあります。
金切り声を上げられたり、一方的に怒鳴られまくったりされれば、こちらも穏やかではいられないのが、普通です。

しかし、そこで相手の挑発に乗る形で、こちらまで、感情的に言い返したりしていたのでは、まさに相手の思う壺
売り言葉に買い言葉にならないように、相手がヒステリックになればなるほど、自分は極力冷静さを保つように、心がけましょう。

③:第三者に立ち会ってもらう

責任転嫁してくる人と、対決してしまった時には、当事者同士で話し合うのは、なるべく避けておいた方が、無難です。
なぜなら、責任転嫁してくる人の中には、とにかく責任を回避するためになりふり構わない、汚い手に出てくる人も少なくないからです。

後々、「言った、言わない」の水掛け論にならないためにも、ボイスレコーダーや動画で証拠を残すだけでなく、善意の第三者的な立場の人に、話し合いの場に立ち会ってもらうのがおすすめ。

とくに、賠償金も伴うような、責任転嫁をされそうな時などは、弁護士などの専門家の助けを仰ぐのも1つの手です。

④:過剰に期待しない

責任転嫁する人は、普段から何かと言うと人のせいにしたり、根拠もない噂話を、面白半分に広めて回るような、いいかげんな態度が目に付くことが多くあります。
また、表面上だけは非常に愛想がよく、何でもはいはいと、安請け合いするような人も、珍しくありません。

少しでも、こうした軽い性根がうかがえるような言動が、目に付くようであれば何か頼みごとをしたり、当てにしたりするようなことは、控えておく方が賢明です。

⑤:ほどほどに付き合う

責任転嫁してくる人が、自分の同僚や直属の上司であったり、親族の一員であるといったような、どうしてもある程度の付き合いを、続けなくてはいけない関係性にある人の場合は、できる限りかかわりを持たないのが一番です。
ただし、こちらが避けているのが、あからさますぎると、逆に相手の言い分に一定の信ぴょう性や、正当性を与える結果に、なりかねません。

3度に1度は、誘いを断ったり、自分のプライベートの話を、相手の前では絶対にしないなど、つけ込まれるような余地を極力作らない工夫が、大切です。

⑥:約束は当てにしない

深刻な被害を直接受けたことはなくても、無責任ぶりが目立つ、あるいは他の人に責任転嫁しているのを目撃した時点で、次の被害者は自分かもしれないと、思っておくのが無難です。
そのためには、責任転嫁するような人のことを、仕事でも、プライベートでも当てにしないのが一番。

あくまで、通り一遍の付き合いに留めておき、シリアスな話や案件になりそうな気配がしたら、さっさとスルーしておきましょう。

⑦:理論武装する

他人に臆面もなく責任転嫁することが、常態化しているような人の中には、とにかく話が上手く、雄弁なタイプの人が数多くいます。
その勢いそのままに、責任を押し付ける論理を展開されたのでは、なかなか太刀打ちできない事態に、なってしまいます。

そうした責任転嫁してくる人と、直接対決せざるを得ないようなことが、起きてしまった場合は、こちらも相手に対抗できるように、きちんとした理論武装をしておくことが肝心。
「ああ言えば、こう言う」といった屁理屈に負けて、理不尽な責任転嫁をされるような、羽目に陥ることを回避するようにしましょう。

⑧:縁を切る

いくら言っても、すぐに責任転嫁してくるような性格の人とは、思い切って縁を切るのも、1つの方法です。
特に、身内などに、責任転嫁してくる人がいる場合は、甘い顔ばかりしていると、「どうせ怒っているのも今だけで、ほとぼりが冷めれば、また許してくれるに違いない」と見くびられるのが、落ちということも。

きっぱり、縁を切っても構わないといったリアクションをとった時、相手が反省してくれれば、まだ改善の余地もあります。
しかし、それでも何も変わらないようであれば、そのまま疎遠になるのも、致し方ない事かもしれません。

責任転嫁する性格を改善する方法

責任転嫁されないようにミーティングする人たち
では、責任転嫁する性格を改善するにはどうしたらいいのでしょうか?
以下の責任転嫁する性格を改善する方法をご紹介します。

  1. 身近にロールモデルを持つ
  2. 経緯を都度記録に残す
  3. 責任者が自分であると明確にする
  4. 論理をすり替えない

方法①:身近にロールモデルを持つ

自分が、責任転嫁する傾向のある人間である、という自覚がある場合は、自分の身近に、真逆のロールモデルとなる人間を見つけることが大切です。
特に、職場などにおいては、いったん責任転嫁するような人間、という人物評価を受けてしまうと、なかなか汚名返上とはいかないもの。

そういう時には、身近なロールモデルの、一挙一動を観察し、「ああいう場合は、こう振舞うのが正解なのだ」と体感することが、すぐ責任転嫁してしまう性格を改善する近道です。

方法②:経緯を都度記録に残す

何かと言うとすぐに、責任転嫁してしまう性格を改善するには、自分自身に言い訳の余地を残さないのが重要です。
例えば、何かの仕事のプロジェクトリーダーを任されたような場合は、案件が進行する都度、その経緯を事細かに記録に残すことがおすすめ。

岐路になるような大事な決定を、自分が下したということが一目瞭然であれば、人に責任転嫁するような無責任な態度をとり続けることは、困難です。

方法③:責任者が自分であると明確にする

安易に責任転嫁する人には、自分が責任者であることを、成り行きを見極めた後まで、明らかにしない、日和見な人が多く含まれます。
つまり、上手くいった時には、「自分こそが功労者である」とアピールするのに対して、不首尾に終わった時には、「自分は関係ない」と逃げの一手に出るのです。

どうも自分には、そうした日和見なところがあるという自覚がある場合は、最初に、自分が責任者であるということを、周囲に明確に示すことが大切です。
退路を自ら断つことで、自分自身に責任を自覚させるのです。

方法④:論理をすり替えない

責任転嫁する人には、論理をすぐにすり替えてしまう傾向が強くあります。
まともに理論を戦わせると、自分が不利になるのが明白なために、論点をずらすことで、自分に矛先を向けないようにしているのです。

こうした論理のすり替えを逆手にとって、もしも、誰かと意見の対立が生まれた時には、決して論理をすり替えたり、論点をずらすようなことはせず、正々堂々議論を戦わせると心がけることで、無責任な態度をとることを、抑制できるケースもあります。

責任転嫁する人には近付かないのが賢明

責任転嫁する人と2人きりにならないよう努力する女性
責任転嫁を繰り返すような人には、その他の点においても問題行動があるという人が、ほとんどです。
関わりを持ち続けると、責任を押し付けられて、とばっちりを受けるだけでなく、そうした無責任な人と同類の人間であると誤解されるなど、被る迷惑も多大なものとなってしまいます。

責任転嫁してくるような人が、身近にいる場合は、極力関わり合いになることを避けるのが鉄則
また、万が一にも「あの人は、すぐ他人に責任転嫁するような人だ」という謗りを受けないような、行動を心がけましょう。

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ライター
noel編集部

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