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「事なかれ主義」の意味とは?

事なかれ主義の女

事なかれ主義とは、争いごとや喧嘩を嫌い、平穏に過ごすことを望むことを言います。
消極的な態度が目立ち、決められた規則を守ることで、もめ事に巻き込まれないようにすることを最優先としているのです。

そもそも事なかれ主義という言葉は外国にはない言葉であり、日本人に多く見られる思想であると言えます。
外国人は自分の抱えるトラブルや主張すべき事柄をそのままにすることはありません。

意見すべき時にはしっかりと自己主張し、時には問題を起こしてでも意思を主張します。
事なかれ主義の問題を避けて平和を望むという部分は良いところでもあありますが、あまりにも問題から逃げ続けていると、自己主張のない人間だと思われてしまうでしょう。

事なかれ主義の考え方

事なかれ主義で窓の外を見る

では、事なかれ主義の考え方にはどんなものがあるでしょうか?

  1. 指示を受けて行動したい
  2. 長いものに巻かれろ
  3. 目立ちたくない
  4. もめ事が嫌い
  5. マイペース

次に、事なかれ主義の考え方を詳しく見ていきましょう。

考え方①:指示を受けて行動したい

自分から何かを考えて行動に移すことが苦手です。
仕事に取り組むときにも、意見を出しながら仕事を進めていくよりも誰かに一から支持をされたほうが楽だと考えているのです。

いきなり真っ白な状態から始めると、途端にどうすればいいのかわからず、何を言えばいいのかもわからなくなってしまうでしょう。
事なかれ主義の場合、目の前で問題が発生していたとしても、誰かに言われない限り率先して問題解決に取り組むことはありません。

考え方②:長いものに巻かれろ

立場や役職を考えると意見することで、どのようなデメリットが生まれてしまうのかを考えてしまいます。
今ここで意見をすることで、相手の気分を悪くさせてしまうのではないかと考えると、どれだけ間違った方向に進もうとしていても決して発言しないでしょう。

上司や権力のある人に従い、常にごますりをする姿が目立ちます。
事なかれ主義の人たちは、長いものには巻かれろと考えているために、自分の気持ちよりも立場を優先しているのです。

考え方③:目立ちたくない

今ここで発言すれば多くの人の注目を浴びてしまうと思うと怖くて意見することができなくなってしまいます。
事なかれ主義の人は、目立って人よりも優位に立ちたいと思ったり、尊敬されたいと考えることはありません。

できるだけひっそりと目立たずに仕事をこなしていきたいと思っている場合も多いんだとか。
そのため、意見が飛び交っている場面でもその場の空気に合わせてしまったり、波風を立てないように気を配っています。

考え方④:もめ事が嫌い

事なかれ主義の人はとにかくもめ事が嫌いで、波風を立てないように考えています
そのため、誰かがもめていた場合その場からできるだけ離れたいと思うはず。

自分がまきこまれることを極力避けたいと感じているので、意見を聞かれたとしても、当たり障りのない返事をしてその場を切り抜けようとするでしょう。
常に心を穏やかな状態に保っていたいと考えているので、リスクを冒してまで何かに挑戦したり、問題を解決したいという気持ちは持ち合わせていないのです。

考え方⑤:マイペース

事なかれ主義の人はマイペースな人が多いです。
近くでどれだけ熱い話し合いが行われていたとしても、自分のやりたいことや、集中したいことがあったとしたら、全く興味を示しません。

巻き込まれることで、自分の時間が無くなることは避けたいとも考えるでしょう。
そんな様子を見て、周りは自分勝手、わがまま、協調性がないと感じてしまうかも。

それでも、自分のペースを崩されることが何より苦痛に感じるのです。

事なかれ主義の人の特徴・心理

事なかれ主義の話し合い

では、事なかれ主義の人の特徴・心理にはどんなものがあるでしょうか?

  1. 自信がない
  2. 他人ともめたくない
  3. コミュニケーション能力が低い
  4. 嫌われたくない
  5. 関係ないこと
  6. 面倒くさい
  7. 空気を読むのがうまい
  8. なかなか心を開かない
  9. 向上心がない
  10. 傷つきたくない

次に、事なかれ主義の人の特徴・心理を詳しく見ていきましょう。

①:自信がない

今までの経験が低く、問題解決における自信がないと思っている場合もあります。
仕事を始めてからの期間が短かったり、初めて行う仕事内容だったり、問題が予想以上に大きく、恐れを抱いてしまうこともあるでしょう。

自分の発言によって、問題がさらに悪化してしまうのではないかと感じ、目の前の問題から目を背けて、他人が解決してくれるように願っているのです。
しかし、場合によっては本人しか解決できる人がいないこともあり、逃げていては何も変わらないこともあるでしょう。

②:他人ともめたくない

事なかれ主義の人は、他人ともめることを極端に嫌い、恐れていることもあります。
人と意見を交わし、それを否定されたり、否定をすることに極度のストレスを感じ、心がどんどん疲弊してしまうのです。

もめ事にはできるだけ関りたくないと思っているため、できることなら自分以外の人で話し合いを進めていってくれないかとも思っているでしょう。
通常異なる意見を受け入れ、それをかみ砕いて新たな意見を作り出すことで人は成長していきます。

しかし、意見交換の場から逃げてばかりいれば、成長する機会をどんどん逃すことにもなるでしょう。

③:コミュニケーション能力が低い

事なかれ主義の人の中には、伝えたいことをうまく伝えることができず、意見することに苦手意識を持っています。
周りが順調にディスカッションをしているのに、自分が口を出すことで、しらけさせてしまうのではないか、せっかくまとまりかけていた話を台無しにしてしまうのではないかと思うと怖くて言い出すことができないのです。

そもそも人と会話をする経験が少ないため、意見を否定されることにも慣れておらず、どのように受け入れていけばいいのかもわからないのでしょう。
そのため、自己主張することは最初からあきらめているのです。

④:嫌われたくない

事なかれ主義の人の中には常に他人の目を気にしているからこそ、誰かに意見を伝えることが怖くなってしまっている人もいます。
常に憧れの存在でいたい、肯定的に見ていてほしいと思っているのでしょう。

そのため、実際に意見をして否定されることを考えると、すべてなかったことにしてしまいたくなるのです。
中には自分が起こした問題にもかかわらず、誰かに注意をされるのが嫌で、問題自体を隠ぺいすることもあります。

後日発覚して、さらに大ごとになってしまうこともあるんだとか。

⑤:関係ないこと

どれだけ周りの人が大変そうにしていたとしても、自分には関係ないことだと見て見ぬふりをする人もいます。
同じ職場の人が起こした問題だとしても、実際に自分が起こした問題でなければ全くやる気を出しません

本来、同じ会社に属する人間としては、一丸となって問題解決に取り組むべきです。
それを理解することができずに、余計な仕事には無責任な態度を取り続けてしまうのです。

⑥:面倒くさい

とにかく面倒なことが嫌いで、何かが起こっても面倒ごとを避けようとする場合があります。
誰かがやっているのであれば、どさくさに紛れて自分は逃げてしまおうとする怠け者の事なかれ主義の人もいるでしょう。

毎日が穏やかで平和であれば良いと思っており、トラブルが起こると途端に姿を消してしまうのです。

⑦:空気を読むのがうまい

その場の空気や人の顔を読むのが非常に得意で、今どのようなことを言えば周りが喜んでくれるのかを瞬時に察してしまいます。
すると、本当に言いたいことをなかなか言い出すことができず、空気を読んだ発言を繰り返してしまいます。

相手が傷つくことを想像してしまうと、なかなか否定的なことは言い出しづらくなってしまうのでしょう。
気配りのできる人と思われることもあるかもしれませんが、その場によって意見がコロコロ変わることもあり、自分のない人と思われることもあるかも。

⑧:なかなか心を開かない

人と打ち解けるまでに時間を必要とするタイプで、ディスカッションをしていても素直に気持ちを伝えることができません。
壁を作ってしまうので、意見を求められても本音を話すことができないのです。

結局事なかれ主義になり、この場をやり過ごすことに必死になって自分らしさを一つも出せないままに話し合いを終えてしまうでしょう。
出来れば誰かとかかわることなく一人きりで仕事をし、波風を立てずに過ごしていきたいと思っている人もいます。

⑨:向上心がない

事なかれ主義の人は、意見をしてより上の立場に立ちたいと思ったり、さらに自分を成長させたいと思うことはありません。
今のままで十分満足しているので、これ以上もめ事を増やして状況を悪化させないでほしいと思っているのです。

しかし、当然仕事をしていれば毎日が同じ繰り返しというわけにはいきません。
日々現状は変化していき、それに伴い様々な問題が発生するでしょう。

事なかれ主義の人は、そんな変化に対応することができず、自分だけその場に立ち尽くし、変化をやり過ごそうとしています。

⑩:傷つきたくない

事なかれ主義の人は、誰かに何かを否定されると、ひどく落ち込み、ふさぎ込んでしまう場合もあります。
常に争いごとを嫌い、平穏を望んでいるからこそ、小さな否定も深刻にとらえてしまうのです。

自分が否定されて傷つきたくないからこそ、相手を否定することもなく、もめ事はできるだけ避けて通りたいと思っています。
小さいころからこうしてもめ事をさけつづけてきたため、否定されることに耐性が少なく、ちょっとしたことでも深く傷ついてしまうのかもしれません。

事なかれ主義の人の長所と短所

事なかれ主義の良いところ

長所

①:柔軟性がある

事なかれ主義の人たちは、自分の主張が少ない分、相手の意見に同調し、柔軟な姿勢を見せることができます。
かたくなに意思を変えない人に対して、きちんと話を受け入れて対応することができるため、非常に話しやすく、人当たりの良い印象を受けます。

本当は、全く自分異なる考えを持っている相手に対してでも否定的になることがなく、きちんと最後まで話を聞く姿勢は、器の大きさも感じさせることでしょう。

②:平和主義で場が和む

事なかれ主義の人たちはとにかく争いごとを嫌い、平和主義です。
そのため、周りがもめていたとしても、にこやかに柔らかい雰囲気を持って平和的な解決方法を探していくことができます。

周りがギスギスしている中でも、事なかれ主義の人がいるだけで、その場の空気が一気に和み話しやすい空気を作り出すこともできるでしょう。

③:嫌われにくい

事なかれ主義の人は、誰かを否定することがなく、常に周りの空気や顔色を読んで話をしているために、誰かを怒らせたり嫌われたりすることがほとんどありません。
自分の気持ちを抑えながら、相手が喜ぶように話を進めていくことができるはず。

結果、優しくて話しやすい人という好印象を与えることもできるのです。

④:標的にされるリスクが下がる

みんなで集まって話し合いをするときに、あまりにも目立って意見をしてしまうと、妬まれてしまったり、目をつけられてしまうこともあるでしょう。
ママ友同士の集まりでは、自分だけでなく子どもにまで被害が及ぶことを恐れて事なかれ主義を貫いている人もいるんだとか。

できるだけ自己主張を控えて、その場の空気に身を任せることで、目立つことなく様々な厄介ごとから逃れることができるはず。

短所

①:すぐに逃げる

事なかれ主義の人は、もめ事を避けたいからという理由で、目の前の問題からすぐに逃げてしまう癖がついてしまいます。
「後でやればいいや」「誰かに任せよう」などと考え、自分で努力して問題を解決しようとする気持ちを失ってしまうのです。

しかし、そんな癖がついてしまえば、人として成長することはなく、周りからどんどん置いていかれてしまいます。
すぐに取り掛かることがないため、厄介ごとはさらに面倒になり、手に負えないものになってしまうこともあるかもしれません。

結果、多くの人に迷惑をかけてしまい、煙たがられてしまうことでしょう。

②:人に責任を押し付ける

事なかれ主義の人は、自分の失敗を素直に認めることができず、いつも誰かに責任を押し付けてしまいます
そうして、罪悪感や面倒ごとから逃げて、楽をしようとするのです。

しかし、本当は自分にも悪い部分があったとわかっているはず。
そして、いくら責任を押し付けたとしても、一向に問題は解決することはありません。

責任の擦り付け愛をしてばかりいるのは時間の無駄です。
無駄な時間を過ごすのではなく、きちんと向き合って何をするべきかを考えましょう。

③:チャレンジしなくなる

新しいことに挑戦することは、新しい出会いや経験を積むために欠かせないことです。
しかし、事なかれ主義の人たちは新しいことに挑戦するリスクを恐れて、なかなか挑戦することがありません

現状が変化することを極度に嫌い、なるべく今までと同じような毎日を過ごすことを望んでいるのです。
何かが変わることで生じるトラブルや、面倒を苦手とし、興味があることにもチャレンジできずにいます。

④:隠ぺいする

事なかれ主義の人は、人に迷惑をかけることよりも、叱られることに恐れを感じ、何かに失敗してもそのままごまかそうとすることがあります
後から見つかり、取り返しがつかないことになってしまう事だってあるでしょう。

しかし、問題が発覚して、誰かに嫌われることやもめ事に発展するくらいなら、このまま見て見ぬふりをして、時が過ぎるのを待とうと考えるのです。
時には会社を揺るがすような大問題に発展することもあり、世間をにぎわすこともあるかもしれません。

事なかれ主義の上司は頼りない?

事なかれ主義の上司

事なかれ主義の上司は、とにかく自分の責任で問題が起こることを嫌い、トラブルが発生しても見て見ぬふりをすることが多いです。
そのため、部下から相談を受けたり、仕事で何かトラブルが発生しても十分な対応をすることがなく、そのまま後回しにすることもあるでしょう。

周りからも頼りにならないとがっかりされ、嫌われる上司の条件として挙げられることも多いです。
事なかれ主義の上司のもとで働いていると、向上心ややる気まで奪われてしまうこともあるんだとか。

事なかれ主義を改善する方法

事なかれ主義の治し方

では、事なかれ主義を改善する方法にはどんなものがあるでしょうか?

  1. 自信をつける
  2. 全力で取り組む
  3. 失敗を否定的にとらえない
  4. 自己主張しやすい方法を学ぶ
  5. 当事者である自覚を持つ

次に、事なかれ主義を改善する方法を詳しく見ていきましょう。

方法①:自信をつける

まず事なかれ主義の人に必要なことは問題解決するための自信です。
それは経験不足や、知識不足など様々なことに原因があるかもしれません。

すぐに自信をつけることは難しいかもしれませんが、少しずつチャレンジを続けて経験を重ね、自信をつけていきましょう。
自信がつけば、問題に直面したときにも恐れることなく意見をはっきりと伝える勇気も湧いてくるはずです。

方法②:全力で取り組む

いつも面倒がって、適当に仕事を行っていては、トラブルが起きたときにもますますめんどくさいと感じてしまうでしょう。
常に全力で物事に取り組んでいれば、周りの人と協力する素晴らしさや、達成感を味わうことができるでしょう。

また、せっかく時間を費やして行うのであれば、今の現状に満足するのではなくさらに上を目指してください
向上心を持つことで、自然とより良い結果を求めるようになり、考える力を養うことができるはず。

方法③:失敗を否定的にとらえない

ミスをしてしまったり、トラブルを起こしてしまうと、ネガティブな考えに引きずられてしまう人が多いです。
しかし、失敗こそ成長するチャンスでもあります。

欧米人は、失敗をネガティブにとらえることはなく、常に前向きにとらえているからこそ事なかれ主義にならずに、積極的に自己主張を繰り返すんだとか。
まずは、失敗に対するネガティブな考え方を改めて、「失敗は誰にでもあるもの」と肯定的に考えましょう。

方法④:自己主張しやすい方法を学ぶ

今まで自己主張をしてこなかった人にとって、意見を求められてもどうしたらいいのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、どうすればスムーズに言いたいことを話せるか、話しやすい手段を考えておきましょう

まずは、相手の意見を受け入れたのち、自分の意見を話すという流れが最もスムーズです。
口調やトーンなど、自宅で練習をしておけば、自然と自分のものとして使いこなすことができます。

方法⑤:当事者である自覚を持つ

事なかれ主義の人は、人が起こした失敗は関係ないことと思いがちです。
しかし、それではいつまでたっても思想を変えていくことができません。

会社に属している以上、あなたも会社の一員として問題解決に尽力する義務があることを知りましょう。
そして、その義務を果たすことで得られる達成感味わうこともできるはず。

事なかれ主義の特徴や心理を理解して、問題に向き合おう

事なかれ主義を改善した人

事なかれ主義の人は、争いごとを嫌い、平穏な日々を維持することを最優先しています。
そのため、責任を人に擦り付けたり、問題解決を後回しにして、周りの人に迷惑をかけることもあるでしょう。

職場では頼りにならない人として嫌われてしまったり、全員の士気を下げてしまうかもしれません。
逃げてばかりいると、大事な時にどうすればいいのかわからなくなってしまうこともあります。

そうならないためにも、まずは経験を積んで自信をつけることが大切です。
さらに、失敗は誰にでもあることだと考えを改め、恐れず受け入れましょう

全力で物事に取り組む姿勢は、きっと周りに好印象を与え、今以上の充実感と達成感も得られるはずです。

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ライター
noel編集部

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