「オウム返し」の意味とは?会話をつなぐコツとオウム返しにする人の心理
話した言葉をそのまま使って会話をする「オウム返し」をする人は周りにもいるのではないでしょうか。 話していてオウム返しで返事をされると、嬉しく感じるときもありますよね。 その一方で、オウム返しが嫌味に感じられてしまうこともあります。 これらはどういった心理からくるのか、またオウム返しのコツなどをご説明していきます。
人気のおすすめ記事
「オウム返し」の意味・効果とは?
コミュニケーションをとるということは、相手と会話をすることが不可欠です。
話すことによってお互いの考えや情報を共有して仲を深めることができるからです。
会話というのは、どちらかが一方的に話すのではなく、相手の話に合わせてあいづちをうったり頷いたり、何らかのリアクションがないと「ちゃんと話聞いてる?」と思われてしまいます。
このリアクションのひとつが「オウム返し」で、良好なコミュニケーションをとるために有効な方法なのです。
意味
オウム返しとは「相手が言ったことをそのまま言い返すこと」です。
オウムやインコなどの鳥は、人間が言ったことを覚え、何も意図せずにそのまま同じように話したり、言ったことを繰り返すことがあります。
その現象と同じような会話方法なので「オウム返し」というようになりました。
効果
オウム返しを会話に採りいれると、コミュニケーションをとる上でさまざまな効果が期待できます。
- 好感度を上げ、信頼感を生み出す
- 認識のズレや聞き間違いがなくなる
- 会話のテンポが良くなる
オウム返しはこのような効果があるのに、意外と簡単に使える会話テクニックなのです。
オウム返し基本のやり方と会話を弾ませるコツ
本当にオウムのように同じことを繰り返すわけではありませんが、オウム返しは簡単にできます。
それでは、オウム返しの基本的なやり方とコツを具体的に見ていきましょう。
基本のやり方
オウム返しの基本のやり方は簡単で、相手が言ったことを繰り返すだけでいいのです。
相手の発言が短い場合は、言ったことの半分くらいを繰り返す感じです。
「昨日初めて〇〇に行ったんだけど、楽しかったよ」
→「初めて○○行ったんだ」「楽しかったんだね」
発言が長い場合は、言ったことの3割くらいを繰り返します。
「昨日初めて〇〇行ったんだけど、そこの△△が美味しかったからさ、また来週行こうと思ってるんだよ」
→「初めて〇〇行ったんだ」「美味しかったんだ」「また来週も行くなんていいね!」
または少しアレンジします。
→「○○いいよね!△△が美味しいのは私もわかるわ!」
会話を弾ませるコツ
感情面をオウム返しすると、より相手の共感を得られやすくなります。
先ほどの例文で言うと、「○○行った」ことより「美味しかった」のほうが、個人の主観である感情を共感してもらえたことになるので、より嬉しく感じるのです。
また、「うんうん」「そうそう」などの相手の発言に同意するような頷きを入れてからオウム返しすると、より会話が弾みます。
例えば「そうそう、△△は美味しいよね!」という感じで返答してみましょう。
すると、「でしょう?やっぱりそう思ったんだ」「それなら今度一緒に行こうよ」とテンポよく会話が続き、より親密な関係になることができるのです。
オウム返しをする人の心理
では、オウム返しをする人の心理をみていきましょう。
オウム返しをする人には、以下の心理が考えられるでしょう。
- 良い関係を築きたい
- 親身になっている
- 同意見であることを伝えたい
- 好意をもっている
- とりあえずあいづちをうっておく
- クセになっている
- 話が分からない、時間稼ぎ
- 自己主張が苦手
続いて、それぞれの心理について詳しくみていきます。
心理①:良い関係を築きたい
会話テクニックとして意識的にオウム返しを使う人もいます。
「この料理美味しいよね」「ね!ほんとに美味しい!」「やっぱりそう思った!?」というように会話も盛り上がり、「この人と気が合うかも」と思ってもらえて、良い関係を築くことができるのです。
自分が言っていることを繰り返されると親近感がわき、特に初対面の人と話すときはオウム返しをすると好印象を受けてもらうことができます。
心理②:親身になっている
相手が言ったことをもう一度繰り返すことは、「あなたの話をちゃんと聞いているよ」ということを表すためでもあります。
相手に寄り添い、親身になっているという思いやりの気持ちからくるものです。
特に相談をされた時は、オウム返しであいづちをすると「親身になってもらっている」と思ってもらえます。
悩んでいるときには、否定されるよりも相談相手が自分に共感して理解を示してもらえるとても安心できますよね。
心理③:同意見であることを伝えたい
オウム返しをする人の心理でももっとも重要なキーワードでもあるのが「共感」です。
相手の言ったことをそのまま繰り返すオウム返しは、「あなたと同じ意見です」ということを伝えるのにはもっともわかりやすい方法です。
共感し、同じ考えだということがわかれば、人は自然と警戒を解いていきます。
警戒されることなく自然と相手の懐に入っていけるような人は、会話の中でオウム返しを効果的に使っています。
心理④:好意的に思っている
特に女性は、理論的に話すことや結論ありきの会話ではなく、気分や雰囲気や感情を楽しんで会話をします。
ですので、相手の感情を受け止める「オウム返し」をすることは、会話が女性相手だとすれば、その女性を好意的に思っているからなのです。
女性どうしであれば親友のような関係だったり、男性が女性の言葉をオウム返しするのであればそれは恋愛感情のこともあります。
心理⑤:あいづちの変わり
会話が苦手な人は、相手が話すことに対してどうリアクションをとっていいかわからなかったり、気の利いた返事をできないことがあります。
「うんうん」とあいづちを打つだけでは物足りなかったり、言葉を慎重に選ばなければいけない相手や内容のときもあります。
そういう人は、とりあえず相手が言ったことをオウム返しして、会話をつなげようとするのです。
否定はせず、でもちゃんと話を聞いているということをわかってもらうことができるオウム返しは、会話が苦手な人には便利なのです。
心理⑥:クセになっている
最初は会話テクニックとして意識的にオウム返しをしていたのが、いつの間にかそういう反応をするのが普通になってしまい、オウム返しがクセになっているということも考えられます。
そのほかには、「強迫観念を植え付けられてしまっている」ということもあります。
どういうことかと言うと、過去の経験で失敗やミスが多く、または相手の言ったことを否定すると怒られたりしてきたので、そのたびに同じことをしないようにという戒めから、相手の言ったことを自分で再確認するためや相手を否定しないように、オウム返しがクセになっていることがあるのです。
心理⑦:話が分からない、時間稼ぎ
相手の話が難しくて理解できなかったり、パっと聞いただけではわからなかったりするときに、相手が言うことをオウム返しして時間を稼いでいることがあります。
「わからない」「ちょっと待って」と言えない相手であれば、オウム返しをすることで相手に合わせて会話をしているような雰囲気にもなりますし、興味がない話でもとりあえず反応しているから大丈夫という気持ちにもなります。
この場合は、親身になったり好意をもっているときのオウム返しの心理異なりますが、その違いは相手の表情を見たりすると明白です。
気持ちが入っていないので、目を合わせることがなく、言葉が軽く感じられるでしょう。
心理⑧:自己主張が苦手
自分の意見に自信がなく、自分の意見を強く言うことができない自己主張が苦手な人は、よくオウム返しをします。
相手の機嫌をうかがったり、怒らせないようにしたいという心理が働き、相手の意見を肯定するためにはもとても効果的な返答だからです。
つまり、反論することもできないため、どうしても相手のほうが立場が上になってしまいます。
その上下関係から、相手が言ったことをオウム返しして復唱することで、相手の思ったことに反する間違ったことをしないように確認している行動とも言えます。
オウム返しはうざい?
オウム返しは好印象を与えるだけでなく、逆に「うざい」と思われてしまう恐れもあります。
会話のすべてをオウム返しで返されたり、とりあえず同じことを言っておけばいいやという明らかに興味なさそうな態度だったりすると、バカにされたり見下されたような気持ちになってしまいます。
オウム返しをする言葉にも気を付けなければいけません。
例えば、「仕事で取引先との約束に遅刻したんだけど、なんとか契約はうまくいったんだよ」という話をされたときに、「遅刻したの?」とオウム返しをしたとします。
すると、「契約できた」ではなく「遅刻した」というネガティブな部分を突っこまれたことになり、うざいなと思われてしまうのです。
または自分の意見がないつまらない人と思われたり、あまりにも受け身すぎてイラッと感じることもあります。
オウム返しする人への対処法
では、オウム返しする人への対処法をみていきましょう。
オウム返しする人への対処法には、以下の対処法があります。
- 「どう思う?」と直接聞く
- 違う話をする、一度話すのをやめる
- もう一度丁寧に説明する
- 無理に会話をしない
続いて、オウム返しする人への対処法を、それぞれ詳しくみていきます。
対処法①:「どう思う?」と直接聞く
自分の意見と同じことばかりを繰り返すのであれば、直接「あなたはどう思う?」と聞いてみましょう。
さすがに直接こう聞かれれば違う発言をするかもしれませんし、または「私も同じように思ったんだよ」と本当に共感しているのかもわかります。
もしかしたらあなたが高圧的な態度で、相手が自分の意見を言えなかったり、否定できる空気ではなくてオウム返しをしているということはありませんか?
この場合は、あなたも態度を改める必要がありますので、きちんと相手の真意を聞くようにしましょう。
対処法②:違う話をする、一度話すのをやめる
せっかく話しているのに全部適当に返されてると思ってしまうようなオウム返しをされるなら、相手が興味のない話をしていたり、相手が忙くて上の空で聞いているということはありませんか?
そこで「ちゃんと聞いてる?」と文句を言ってしまうと、気まずくなったりケンカになってしまうでしょう。
それなら話題を変えたり、忙しそうならその場は話しかけるのをやめたほうが無難です。
対処法③:もう一度丁寧に説明する
もしかしたら、話している内容を理解できずに、とりあえずオウム返しでその場を乗り切ろうとしているのかもしれません。
相手は「わからない」と言うのは失礼だと思ったり、プライドが許さなかったりするのです。
そうであれば、もう一度丁寧に説明するか、「どこかわかりにくいところはありませんでしたか?」と失礼のないように聞いてみましょう。
対処法④:無理に会話をしない
毎回話すたびに相手のオウム返しが気になり、「うざいな」と思うのであれば、無理に会話をしないこともひとつの方法です。
相手は会話テクニックとしてわざと多用していたり、それがクセになって無意識にオウム返しをしていることも考えられます。
「うざいな」と思うほどなのであれば、あなたはその相手を好意的に思っているわけではないので、会話をしなくても、その結果として疎遠になってしまったとしてもそれはそれでいいのではないでしょうか。
会話を弾ませるオウム返しのコツとオウム返しにする人の心理のまとめ
オウム返しは誰でも簡単にできるコミュニケーション方法です。
カウンセラーなども、まずは相談相手の警戒をとくためにこの方法を使うこともあります。
話すのに緊張したり人見知りをしてしまう人は、初対面の人と話すときに特に使えそうですよね。
人間関係をより良いものにするためにも効果的な方法として、オウム返しをぜひ試してみてください。
取り入れたくなる素敵が見つかる、大人女性のためのwebマガジン「noel(ノエル)」。
メイク・コスメ、美容、ライフスタイル、ヘアスタイル、ファッション、ネイル、恋愛のテーマで、編集部が独自調査、または各分野のスペシャリストが監修した記事を毎日更新しています。いまの気持ちに1番フィットする情報で、明日を今日よりすばらしい日に。