石川の方言(金沢弁)一覧!定番表現&女子のかわいい告白フレーズ集
豪華絢爛な北陸の都市、加賀百万石の金沢をゆうする石川県。 北陸新幹線のおかげで東京から金沢まで2時間半と、アクセスもよくなりました。 金沢城や兼六園など、魅力いっぱい小京都には、北国の城下町ならではの、独自の文化が息づいています。 今回は金沢弁を中心とした、石川県の方言についてご紹介しましょう。 女性が使うとキュンとする、かわいい告白も集めましたよ。
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石川の方言(金沢弁)の特徴・種類
石川の方言(金沢弁)の特徴
石川の方言は、軽い関西弁と標準語がまざった印象だとよくいわれます。
ですが会話がすすむに連れて、関西弁とも標準語とも異なることが分かります。
語尾に「○○じー」や「○○げん」、「○○が」といった濁音が多いので、やや荒っぽい印象を与えてしまうことがあるのです。
とくに雪国の城下町金沢の、加賀美人の上品な印象とは違う金沢弁に「ひどい、汚い」と驚く他県人は少なくありません。
ですが、こうした荒っぽい言葉を、女性が優しく使うことで、標準語よりもかえって、かわいらしさが倍増ししてしまうという法則があります。
広島弁「わし」博多弁「好いとお」に代表される、『荒かわいいの法則』ですが、これが金沢弁にも当てはまるのです。
金沢弁の特徴は、「えっと」を「えっとぉねぇ」、「有り難うね」を「あんやとぉねぇ~」など、語尾をびよびよと抑揚をつけて伸ばす、独特の言い回し。
これが金沢弁をなんとも愛らしく、暖かい印象にしていて、とても親しみのわく方言にしています。
石川の方言(金沢弁)の種類
- 金沢弁
- 能登弁
- 白峰弁
- 中加賀弁
石川県の方言は、なんといっても県庁所在地である金沢市の、金沢弁が代表的です。
金沢には加賀百万石の金沢城があり、北陸有数の大都市として発展したためです。
金沢弁は、加賀方言のひとつにかぞえられています。
金沢弁は、北陸新聞がよく掲載する方言でもあります。
そのため、石川県だけではなく、富山県や福井県など、北陸全体に強く影響をおよぼしています。
北陸各県で同じような表現、意味合いを持ちながら、イントネーションが微妙に違う、といったケースが多くみられます。
金沢弁は、「金沢ことば」と言い換えられることもありますが、金沢ことばとは、厳密には旧市街の花町で使われていたお座敷言葉をさします。
石川の方言には、金沢弁のほかに、能登半島を中心とする能登国を中心とする北部で使われている能登弁。
白山市旧白峰村を中心とする白峰弁、小松市で使われている中加賀弁などがあります。
石川の方言(金沢弁)のよく使われる定番表現
実際に現在石川に住んでいる人や、石川県出身の芸能人などが使用している定番の金沢弁などの石川の方言を見ていきましょう。
①: 「○○じー」○○ねー
共感の意味を表します。
「それ、いいじー」といわれても、『Easy』ではありません。「それ、いいねー」と肯定されているのです。
とくに若者層は、「かわいいじー」「おもろいじー」を連発します。
横浜でいう「じゃん」というような位置づけです。
金沢弁だと、「○○じゃないの?」→「がいの?」、「○○だろう?」→「げん?」、「○○だよね」→「○○げんろ?」と、ガ行で活用されます。
②: 「きのどくな」ありがとう
標準語で「きのどくな」は、「お気の毒な」とか、「可哀想な」という意味合いで使われていますが。
金沢弁では、「相手に気をつかわせてしまって、かえってこちらが気の毒に感じる」という意味合いを含んだ、「ありがとう」へと発展しています。
言葉の発展は、高度な言語文化に見られ、その面では、金沢弁は標準語よりも進化しているといえます。
他県人がご近所へ引越しの挨拶の品を持っていった際、金沢弁でご婦人に、「あら、まぁ、きのどくなー」といわれたとします。
「あれ?私、いったい何を不憫がられてるんだろう?」と思ってはいけません。
深謝の意を表する言葉なのです。
「ごきみっさま」になると、さらなる深謝を表します。「ご丁寧さま」からの派生です。金沢弁ではとくに金銭をもらったときなどに使われます。
③: 「いじっかしい」ウザい
石川の方言では、不快な、うざったいな、という気持ちを表したものです。
もともと、「いじくらしい」からきていで、そこから変化したものです。
「いじくらしい」は、ちょっと丁寧になり、「うっとうしい」といったニュアンスです。
標準語の「いじらしい」とか「いじましい」とは真逆の意味となります。良い意味にとらえないようにしましょう。
金沢弁で「ついてこんで、いじっかしい」といわれたら「ついてこないで、ウザい」という意味です。
④: 「ガンコ」すごい
すごい武勇伝を聞いたときや、豪華な食事をみたなどに、石川の方言は「ガンコな~!」といいます。
関西弁でいう「えらい○○やな~!」といった意味合いです。
いわゆる標準語の「頑固者」を指すのとは似ていますが、金沢弁ではまったく違う言葉です。
「ガンコねぇ~!」といわれたら、それは「スゴイねぇ~!」といわれているということなので、腹を立てないようにしましょう。
石川の方言で「がんこムカつく」といったら「頑固者でムカつく」のではなく、「とってもムカつく」という意味です。
⑤: 「おいね」そうね
相づちが独特というのが、石川の方言の特徴です。
「おいね」は肯定の「そうね」になり、おもに女性が使います。
男性は「おいや」になって、こちらは「そうだ」という意味合いです。
似たような肯定の言葉に、「ほうや」があります。
標準語の「そうそう」は、金沢弁では「ほやほや」です。
女の子の会話によく登場する、かわいいフレーズです。
⑥: 「なん」いいえ
「おいね」の逆、石川の方言では否定の意味を表す言葉なのですが、標準語の「いいえ」よりも、やんわりとしたニュアンスをもちます。
標準語でいうと「うーん」というような、「なーん」という感じで、伸ばして使います。
相手の意見に対して真っ向から否定するのではなく、やわらかく否定したり、受け流したいときに使います。
⑦: 「○○しまっし」○○しなさい
「金沢へおいでまっし」、「食べまっし」と、いう形で使いますが、標準語の命令形というよりは、すすめる意味合いで使われることが多い方言です。
石川の方言を使う旅館などで使われる「なごなんまっし」は「長くなりなさい」→「横になりなさい」という意味です。
「身体を伸ばして横になって、寛いでください」といった意味合いになります。
⑧: 「こっとり」暖かい
ぽかぽかと暖かい様子。「こっとこと」になると、「ぽっかぽか」。
さらに「こっとーりと」と進むと、今度は温まって納まっている状態をさす言葉になります。
「猫が縁側でこっとーりとしとる。」猫が縁側で温まって、丸まっている。
もともと「こっとり」は豊かで満ちたりた様を表す言葉で、ひと息ついて落ち着いたようなときも「こっとりした」と使います。
石川の方言では来客などによく「こっとりしてんくまっし」とよくいいます。
これは「ゆっくりしていってよ」というような意味です。
⑨: 「ものい」体調が悪く、つらい。だるい
「物憂い」から派生したもの。「お腹がものい」→痛い。「朝からものい」→体調が悪い。
身体が不調なときだけではなく、作業などをして疲れたときにも使います。
石川の方言ではたとえば「畑仕事しとったら、ものーうなったわ」などと使います。
⑩: 「だら」ばか
子供たちがケンカのときによく節をつけて「アホばか間抜け」という言葉がありますね。
これを石川の方言にすると、「アホだら間抜け」となります。
全国的には「だら」といえば、「あほんだら」の「だら」で、これは仏教の陀羅尼経(だらにきょう)からきています。
このときの「だら」は、「あほ」を強調している言葉です。
対して石川の方言の「だら」は、「足らず」から「ダラズ」、さらに「だら」に派生したとする説があります。
まったく違うところから来ているんですね。
石川の方言では、「あほんだら」にあたる言葉は、「だらぶち」。こちらは少し優しいニュアンスです。
強調した表現に「だらま」や、「だらけ」があります。
⑪: 「おんぼらぁと」ゆったりと
物が満ちたりていて、ゆったりとしている様子。物質的に満ちたりていて、余裕がある感じを表しています。
穏やかに、という意味を持つ「おんぼりと」が語源ですが、金沢弁なのに、どことなくポルトガル語のような響きがありますね。
語感がおしゃれで西欧風、意味も「ゆったりと寛いでほしい」というコンセプトに合うのか、石川県ではお店のネーミングなどによく使われています。
⑫: 「いんぎらぁと」ゆっくりと
上の「おんぼらぁと」とは、似た意味を持つ言葉ですが、こちらは空間的に余裕があって、ゆっくりして、リラックスできている状態です。
金沢弁では「身体を横にして寛いでくださいね」という意味の言葉は、「いんぎらぁと、なごうなっていきまっし」となります。
⑬: 「かたがる」傾く
「あの額縁、かたがっとるんやないがけ?」→傾いてるんじゃないか?という意味です。
標準語だと石川県人が思い込んでしまっている金沢弁は、じつに多いのですが。
「かたがる」は、そのナンバー1ではないでしょうか。
意味は「傾く」とほぼ同じなのですが、さらに言えば単に傾いているだけではなく「ガタっと傾いている」印象です。
大抵の石川県人は、都会に出た際に、さらっと標準語の最中に「あの写真、なんだかちょっと、かたがっているわね」などと使ってしまいます。
周りから「かたがるって、どういう意味?」と質問されて悲劇が発覚するのです。
そこで石川の方言であることに、はじめて気づくという大失態。
「かたがるって、標準語ではないの? それじゃなんていうんけ?」と、慌ててググる石川県人は少なくないのです。
⑭: 「はつめーな」利口な
「発明な」という字をあてます。石川の方言では名詞を形容詞化したもが多くみられますが、そのひとつです。
利口な、利発な、という意味です。
金沢弁で「はつめーな娘さんやねぇ」といわれたとしても、けして「エジソンぽいね」とか「ドクター中松っぽいね、ちょっと変わってる」といわれたわけではありません。
発明家っぽくて偏屈そうだね、みたいな意味ではありません。
「利発そうな娘さんだね」と褒められているんです。
⑮: 「りくつな」巧みな
「理屈」からきています。
巧みで巧妙な様を表しています。
こちらも「りはつな」と同様、名詞を形容詞化したものです。
ほめ言葉であって、「理屈っぽい」と皮肉られているわけではありません。
人だけではなく物に対しても使います。
金沢弁で「りくつなスマホやね」というと、良くできた、高性能なスマホだね、といっていることになります。
石川の方言(金沢弁)の告白フレーズ・かわいい表現
①: 「あんやと」ありがとう
感謝の言葉として、「きのどくな」よりも若い層に使われています。
金沢弁は濁音が多いのが特徴と先ほどご紹介しましたが、それだけに「あんやとうねぇ~」がことさら柔らかく、好印象として残ります。
丁寧な表現になると、年配の方が多く使うのが、「あんやとーう、 ぞんじみす」となります。この「みす」がたまらなくかわいいですよね。
標準語の「ぞんじます」と同様に、石川の方言でも「ぞんじみす」はいろんな言葉を丁寧にするのに使われます。
ちなみに「おはようございます」ですが。
金沢弁では「おひんなりさんでございみす」となります。
こちらも石川ではおもに年配の方が使いますが、なんともいえずかわいい表現ですよね。
②: 「えんとぉんねぇ」えっとね
若い女性が控えめに話を切り出すとき、よく使うフレーズです。金沢弁は、抑揚を大きくつけて、ゆったりと発音することが、かわいくみせるコツ。
女子生徒に、「えんとぉんねぇ」なんて話しかけられて。
「うち、○○くんに話があるんやけど」なんて恥ずかしそうに校舎の裏庭に呼び出されたら、「告られる!?」と、たかまってしまう男子生徒は多いはず。
③: あんた、がっぱんなるとこあるね、まんで好いとう
意味:あなた、一所懸命になるとこがあるね、とても好きよ
「がっぱんなるとこ」は、一所懸命になるとこという意味です。金沢弁で「まんで」は、とっても。
自分が頑張っているところを見ていてくれたんだなと、男性は嬉しくなってしまうことでしょう。
④: あのぉんねぇ、うち、あんたのこと考えとると、頭ん中むちゃむちゃになって、ばっかいならんくなるんよ
あのね、私、あなたのこと考えてると、頭の中がめちゃくちゃになって、どうしようもなくなるのよ
標準語ではなんということもない言葉が、金沢弁だとここまで可愛らしく響くのかと驚く言葉は多くあります。
そのお手本的な存在が、「あのぉんねぇ」です。
「えんとぉんねぇ」のように抑揚をつけることで、「あのね」よりも、かわいらしさが倍増しになります。
「むちゃむちゃ」は、散らかっているという意味です。
頭の中が混乱している様子をキュートに表現するのにぴったりですね。
「ばっかいならん」は、どうしようもない、自分でどうしたらいいのか分からない、という石川の方言ならではの告白表現です。
⑤: うち、あんたのこと、気ぃついたら、たっだ好きやったさけ、もう頭の中がやちやちんなってしもう
意味:あなたのこと、気がついたら、すごく好きだったから、もう頭の中が混乱してしまう
「たっだ好き」の「たっだ」を強調して言ってみてください。「すごく」よりも激しい感情を表現できます。
金沢弁で「やちやちんなる」は、どうしたらいいか分からなくなって、混乱していまう、というような意味です。
「自分でも気がついたら好きになったてた、どうしたらいんだろう」と戸惑う様が伝わってきます。
石川の方言(金沢弁)の面白い表現
①: きんかんなまなま
凍ってつるつるになっている様
漢字にすると、「金柑生生」。
石川の方言のもっとも突飛で面白いところを表した言葉です。
金柑は、新しいほど表面がつるつるしています。
道路も雪が降り、凍ったあとにまた雨が降って濡れた翌朝などは、表現がつるつるとします。
金沢弁では、この金柑から転じて、道などが冬に凍ってつるつるになっている状態を指します。
この金沢弁の発想力に驚愕する他県人は多いのではないでしょか。
「今朝はさぶいげん、道路きんかんなまなまになっとるさけ、気いつけまっし」今朝は寒いから、道路が凍ってつるつるしているから、気をつけなさいよ。
②: つるつるいっぱい
コップに液体が表面いっぱいになっている様
器いっぱいに、こぼれそうなくらい、なみなみと液体が注がれている様。
この場合の「つるつる」は、表面がつるつるとした、というような標準語とは違う意味です。
表面張力が効いた、今にもこぼれそうな状態でないと、石川の方言では「つるつるいっぱい」とは言いません。
たとえば、金沢の居酒屋でよくある風景。
コップ酒を8分ほど注いで去ろうとする店員に、「ちごちご、つるつるいっぱい注いでんけ」などと使います。
「違う違う、並々と注いでよ」という意味です。
③: コケ
【きのこ】
「秋はコケが美味しい」といわれて、一瞬「金沢の人は苔を食べる習慣があるんだ」と内心驚愕する他県人は少なくありません。
石川県では、きのこ類全般をコケと呼びます。
金沢弁で「これ、コケけ?」は、「これ、きのこなの?」という意味なのですが。
音だけを聞くと、まるでニワトリの鳴きまねのようだといわれます。
石川県は海の幸はもちろん、山の幸も豊富で、きのこ狩りがさかんです。
とくに低い山が多く入りやすい能登のきのこ狩りは人気です。
きのこ狩りは、「コケ狩り」とか「コケ採り」といいます。
ちなみに金沢弁では、植物の苔のことも、「コケ」と普通に読み、違いは前後の文脈で判断します。
④: 校下
【学区、校区】
金沢弁では、小学校や中学校といった学校の通学区域のことを、校下といいます。
ごみの回収日も、「校下別ゴミ収集日」という一覧表で市役所から配布されています。
廃品回収とか、防災マップなども、すべてこの校下ごとに決められています。
あまりに公用の場で使われているため、石川の方言だと気づいていない県人は、かなりの数にのぼります。
⑤: ありがたぁなる
【眠くなる】
標準語だと「有難くなる」までの意味しかありませんが。
金沢弁はそこからさらに発展するところが驚くべき点です。
有難くなり、気持ちがよくなって、その気持ちよさのあまり、さらには眠たくなってしまう。
ここまで昇華している言葉はそうありません。
ある意味標準語の先をいっています。
金沢弁はじつに面白いですね。
石川の方言で「家に帰ってぬくいストーブにあたったら、こっとり、ありがたぁなった」というのは、標準語では、家に帰って暖かいストーブにあたったら、暖かくなって、眠たくなったという意味です。
石川の方言(金沢弁)を話す芸能人やドラマ・映画
石川の方言を話すドラマといえば、何といっても輪島市が舞台のNHKの朝ドラ"まれ"です。
主役の土屋太鳳さん自身は東京生まれという設定でしたが。
相手役を演じた山崎賢人さんが石川県は輪島市の、輪島塗の漆器職人の役でした。
山崎さんは頑張って石川県の能登地方の方言を話していました。
石川県出身の芸能人といえば、田中美里さんや、鹿賀丈史さんなど、久しく代表的な方は輩出されていませんでした。
しかし、ここ数年注目を浴びているのが、大型新人女優と呼ばれている浜辺美波さん。
石川県河北郡津幡町の出身です。
『東宝シンデレラオーディション』のニュージェネレーション賞を受賞した正統派です。
浜辺さんは、石川の方言を話す自分を誇りに思っているとつねづね語っています。
テレビなどで「今日のご飯はなんなんけ?」「なんぞいや?」と、かわいらしい石川の方言を披露してくれる様には、石川県人ならずとも好感がもてるのではないでしょうか。
石川の方言、一度使ってみてくださいね
抑揚があって、語尾をびよびよ伸ばすと最高にかわいい石川の方言。
一度使うときっとクセになりますよ。
とくに「えんとぉんねぇ、○○して」なんて金沢弁で少し控えめに女性からお願いされてしまうと、少し無理めな願いでも、男性は叶えてあげたくなることでしょう。
それで「あんやとぉ」なんて語尾にハートマークをつけて言われた日には、もう男性の心は「むちゃむちゃんなる」こと、請け合います。
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