アベックの意味とは?カップルの違いとアベック以外の若者が知らない死語10選
アベックという言葉自体、現在あまり目にする機会がなくなっています。 10代~30代くらいの方の中で、聞いたことがないという方も多いでしょう。 アベックの意味やカップルとの違いについて説明し、アベック以外の死語についても紹介します。
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「アベック」の意味とは?
今ではあまり使われていない言葉です。
アベックの意味を挙げます。
- ~と一緒に(前置詞)
- 一組の人や物
- 2人(2組)が同じ行動をすること
それぞれの3つの意味を詳しく説明します。
意味①:~と一緒に(前置詞)
アベックは「avec」と書きます。
フランス語の前置詞にあたり、「~と一緒に」という意味で使われます。
英語で表すと「with」の意味と同様です。
意味②:2人で1組となる場合
本来のフランス語の意味ではなく、本国で使っても通じません。
日本に入ってきて、意味が変化した和製のフランス語として使われます。
現在ではあまり見られませんが、かつては男女の恋人や夫婦などのペアを表す時に使われていました。
また、恋愛関係にない同性同士2人でも、「2人連れ」の意味で使われることもあります。
日本でアベックが「2人連れ」という意味が広がったのは、大正時代の末期に大学生に使われたのが元になっているといわれています。
昭和初期に流行しだし、戦後くらいに一般にも用いられるようになりました。
意味③:2人(2組)が同じ行動をすること
アベックには2人、もしくは2つ(2組)の物や団体が同じように行動をする場合を言います。
例を挙げると、「アベックホームラン」があります。
長嶋茂雄選手と王貞治選手は昭和30年代~40年代に、プロ野球の東京読売巨人軍で活躍しました。
2人は長距離打者で打順が3番と4番になります。
2人が活躍をすると巨人の勝利が決定的で、同じ試合で2人ともホームランを打つと「王と長嶋のアベックホームラン」と新聞の見出しに書かれました。
他に、系列校や系列のチームが同時期に2チーム優勝する「アベック優勝」、同じような状況で決勝などの重要な試合に出場を決める「アベック出場」などがあり、スポーツで用いられることが多いです。
「アベック」と「カップル」の違い
2つの言葉の違いは、分かりにくいです。
それぞれ細かく例を挙げます。
- フランス語と英語の違い
- 目の前に二人いるという意味ならアベック
- 恋人や夫婦の関係であるならカップル
- 同性同士で使えるか使えないかの違い
それぞれ4つの意味を詳しく説明します。
違い①:フランス語と英語の違い
アベックは前項で述べたようにフランス語の前置詞です。
カップルは英語で、フランス語の「couple」(クプル)が英語圏に入って変化した語句で、「2人で1対になった存在。特に夫婦や恋人」という意味です。
つまり、日本では同じような意味を持つ言葉になりますが、本来は全く別の意味を持つ言葉になります。
違い②:アベックは目の前の二人いるという状態で使う
もちろん夫婦や恋人同士でもアベックと言えます。
ただし、目の前にいるのが前提となっています。
「前にいるアベックがイチャイチャしていて目のやり場に困る。」などというように用いられるでしょう。
違い③:カップルは離れた場所にいても夫婦や恋人で使える
カップルの場合は、アベックと違って別々の場所にいる恋人同士や夫婦にも使えます。
「東京支社のAさんと本社のBさんは、お付き合いをしているカップルだよ。」という文章を例に挙げます。
確実にお付き合いをしているとか、夫婦であると分かる場合には、その場にいなくてもカップルという言葉でひとくくりにできるでしょう。
違い④:同性同士で使えるか使えないか
カップルは夫婦や恋人同士で男女一対の組み合わせで使うのが主です。
(日本の場合、物理学などの論文では一対の組み合わせにカップルと使うことがありますが、一般的な使用例ではないので省略します。)
一方、アベックは、前項で述べたように同性同士や、同じ所属先の団体同士という組み合わせでも使えます。
ただし、現在は、同性婚やLGBTなどが世間一般に認められる動きがでていますので、同性の夫婦や恋人同士にもカップルと使う場合があります。
カップルもアベックのようにだんだん使われる機会が少なくなっていますが、今後も言葉の意味が変わってくる可能性があるので注意が必要です。
アベックに当たる今どきの若者の言葉
2人1組で競技を行う時や、指輪を恋人同士で揃える場合には、二人で1組という意味の「ペア」と言う言葉を使います。
アベックと同じような意味では、どのような語句があるか2例紹介します。
今どきの言葉①:ツーショット
ツーショットとは、元々撮影用語の1つでした。
ドラマで女優と俳優の2人を、同じ画面に収めることを意味しています。
しかし、1980年代後半の男性が気に入った女性に告白する番組で、違う意味が広がりました。
ツーショットを男女2人の1組や、告白をした後恋人同士になるとか、2人でデートに行くという意味で、番組内で使われるようになりました。
今どきの言葉②:リア充
リア充はインターネットの掲示板から生まれたネットスラングです。
現実の(リアル)世界が満足できて、充実した生活を送っている人を言います。
毎日が幸せなのは、恋人や配偶者がいるからだろうと想像されることから、実際にお付き合いをしている恋人がいる人や、結婚をしている人を指すようになりました。
リア充という言葉ができてから、カップルも古い言葉になりつつあります。
アベックが死語になった時期
アベックという言葉は、70代以上の方が若い時に良く使っていたと言われています。
しかし、現在ではほとんど使わずにカップルの方を使い、スポーツ用語などでたまに見るくらいだという人もいます。
50代半ばから60代くらいの人は、アベックを用いずにカップルという言葉を使っています。
50代前半以上では既に死語に近いという感覚だということです。
30代~40代くらいの人は、新聞などの見出しでは見たことがあっても、使ったことがないという人がほとんどです。
アベックは、1970年代にはほとんど使われなくなったと考えられるでしょう。
若者が知らないアベック以外の死語
若者にとっては死語に当たる言葉を紹介します。
とは言っても、40代以上の人でもなかなか聞かないという言葉もあるかもしれません。
- とっくりのセーター
- 脱脂粉乳
- とっぽい
- ハイカラ
- ナウい(イマい)
- チョベリバ(チョベリグ)
- C調(しーちょう)
- マブ(い)
- ろは
- 肌色
それでは、10個のアベック以外の死語を詳しく紹介します。
死語①:とっくりのセーター
アベックと同じく、以前使われていた言葉で死語になった物の1つにとっくりのセーターがあります。
とっくりは日本酒を入れる物を想像するかもしれません。
とっくりの細くなった首の上の部分が、首の長いセーターに似ていたことからとっくりのセーターと言われることになりました。
現在では、首が長めになったトップスを「ハイネック」、2倍に折り返すくらい長めの場合は「タートルネック」と言います。
以前は首が長いデザインがセーターしか見当たらなかったので、そのように呼ばれていました。
死語②:脱脂粉乳
脱脂粉乳とは、牛乳から脂肪分と水分を抜いて粉状にした乳製品です。
現在は、スキムミルクと呼ばれています。
カロリーが低く、粉状で長期保存が可能な健康飲料として知られています。
しかし、戦後~昭和30年代に小学生だった60代後半から70代の世代の方には、小学校の給食に出るまずい飲み物として知られています。
脱脂粉乳と聞くと、顔をしかめて嫌がる方も多いです。
戦後70年以上を経過して、隔世の感があるという方もいます。
死語③:とっぽい
とっぽいという言葉は既にアベックと同じく死語になっています。
この語句の意味は、明治時代から使われ、ずるがしこいとか抜け目ない、下品で荒くれ者という意味でした。
昭和に入ると、派生して気障で不良のような性格という意味で使われるようになりました。
昭和50年代のロックグループの歌の歌詞にも、不良のと言う意味で「とっぽい」という語句が出てきます。
死語④:ハイカラ
ハイカラという語句は、目新しくおしゃれという意味で使われていました。
ただし、見かけ倒しのような少し馬鹿にしたような意味合いも含まれていることがあります。
明治時代に男性の盛装を、和服から西洋のハイカラー(ワイシャツに付けた丈のある付け襟)にしたのが由来だと言われています。
お洒落な格好をした(もしくは、精一杯背伸びをしてしゃれている)人物だけでなく、新しい西洋風の建物や様式など人物以外にも使われていたということです。
大正生まれや昭和初期くらいに生まれた人は使っていました。
おじいさん、おばあさんよりももっと上の世代の方が中心に使っていたかもしれません。
死語⑤:ナウい(イマい)
ナウいは1980年代に流行した言葉で、今風のとか今風で格好いい、現在流行中のという意味合いで使われていました。
テレビ番組で、新しい物事を「ナウ」(英語の「now」今という意味)と呼んだのがきっかけで流行りました。
ナウいが下火になった後にはイマい(「今」とかけている)という語句も出ましたが、すぐに誰も使わなくなりました。
ちなみに、ナウいの反対語「ださい」(流行遅れで格好悪い)は未だに使われています。
死語⑥:チョベリバ(チョベリグ)
1990年代に当時の若い世代向けのドラマの台詞で使われた言葉です。
チョベリバは超ベリー・バッドで、ものすごく最悪という、最悪をもっとひどくしたという意味合いになります。
チョベリグは反対語で、超ベリー・グッドで、最高というのを強めた意味で使われます。
中学生や高校生が、気分が最高に良いもしくはものすごく悪いと言いたい時に使っていたと見られています。
死語⑦:C調(しーちょう)
C調(しーちょう)とは、調子が良いを逆さまにしてひっくり返してできた言葉です。
調子が良い軽い人、軽薄な人を言います。
元々C調は音楽用語で、ハ長調の意味です。
ハ長調は曲の調子が明るいので、バンドを組んでいる人の間で調子が良い人のことを言うようになりました。
歌手や俳優が歌やドラマの中で使用して、一般にも広がりを見せます。
しかし、昭和50年代を過ぎるとアベックのように使われなくなりました。
死語⑧:マブ(い)
マブもしくはマブいという言葉の原型は、江戸時代から使われています。
1970年代になって一般的にも知られるようになりましたが、不良が使う言葉として、1990年代以降は廃れるようになりました。
意味は顔が美しいとか美人の意味で使う場合は「マブい」と、形容詞のように使いましたが、本当のという意味では「マブダチ」(本当の友達・親友)というように、省略した形になっています。
死語⑨:ろは
「ろは」とは、漢字を分解した言葉で、ただ・無料・お金がかからないという意味です。
「只」(ただ)という字を上下に分けると、カタカナの「ロ」と「ハ」と読めることから、いつの間にか使われるようになりました。
よく「飲み代はおごりでろはだ」と、社員同士の関係で中心に使われていたということですが、現在はあまり出てくることはありません。
死語⑩:肌色
肌色が死語になったのはアベックと比べものにならない程新しく、2000年に入ってからです。
10代、20代の人には、肌色という言葉には馴染みがありません。
実際には1990年代から、徐々に業界が自主規制し始めて消えかけていました。
肌色は日本人をはじめとして、黄色人種特有の黄みがかったオレンジ色のことです。
世界に人種は様々で肌の色も様々なこと、人種差別に繋がる恐れがあるということから、世界的な申し合わせで2000年頃には完全に撤廃されるようになりました。
現在では、色鉛筆や絵の具、クレヨンでは、薄橙色やペールオレンジなどの色名が使われています。
使われなくなったアベックとそれ以外の死語の動向
アベックは夫婦や恋人、2人(2つ)で1組、所属先が同じ人や物が同時に同じことをするという意味で使われていました。
しかし、スポーツ用語で同時に同じことをするという意味以外はほとんど見られなくなり、目にする機会が減っています。
アベックと同様に、テレビなどの媒体で急速に広がった語句も同じように使われなくなっていることがあります。
生活様式の変化などで、新しい言葉に取って代わられる語句も多いです。
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