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岩手の方言(岩手弁)の特徴・種類 

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岩手の方言(岩手弁)の特徴

岩手弁というと、東北地方特有のズーズー弁が特徴です。
寒い地域のため、なるべく口を開かなくても会話ができるように「行こう」→「あべ」「それ、ちょうだい→「けんだ」など、短く略された言葉が多くなっています。

また、同じ東方地方の方言と比べも岩手弁はイントネーションが緩やか語尾が優しいなどの特徴もあります。例えば、「あのね」→「あのねはん」や、「〜ください」→「けろ」**など敬語表現の際、この独特の語尾がみられます。

岩手の方言(岩手弁)の種類

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岩手弁といっても実は、それぞれの地域によって微妙な違いがあると言われていて、大きくは①県北(中央)②県南③沿岸の3つに分類されます。

まず、県北(中央)は県庁所在地のある盛岡市近辺のことを指します。こちらは岩手弁だけでなく盛岡弁と呼ばれることもしばしば。

主な特徴としては敬語表現が発達していることが挙げられます。主に女性に使用される表現ではありますが、「あのね」→「あのねはん」、「そうだね」→「んだねはん」など語尾に「はん」が付く、「そうです」→「そうでがんす」など独特の敬語表現がみられます。

一方県南は、岩手県の南側の宮城県に隣接した地域を指します。こちらでは、宮城県訛りがみられることが特徴で、南部弁伊達弁とも言われています。

最後は太平洋に面した沿岸地域。NHKのドラマ「あまちゃん」で一躍有名になった岩手弁じぇじぇじぇも、沿岸地域の方言です。

岩手県は面積も15,280 km²と北海道に次いで、2番目に大きな県です。「岩手弁」といっても地域によって独自の言い回しやイントネーションがあります。

昨今では、標準語を使う人が増えていますが、昔は同じ岩手に住んでいても方言が通じないこともあったそうです。

岩手の方言(岩手弁)のよく使われる定番表現

岩手弁

①:だがらさ

標準語では「だから」は接続詞として使用しますよね。

ですが、岩手弁では「そうだね」「それだよ」など、同意の意味で使われています。

Aさん:「今日いつもより寒いよね〜」

Bさん:「だがらさ!」(そうだよね!)

「だがらさ」で会話が完結することも多いため、他県の人は「だから、なに?」「だから、どうしたの?」と続きがあるのかと困惑してしまいうことも多いとか。
岩手に旅行へ行った際には、是非注目して聞きたい方言ですね。

②:「おでんせ」(おいでください)

こちらは宮古市でよく使用されている方言で、「おいでください」という意味。近い方言では、「おでんせ」をより丁寧にした「おでってくなんせ」(おいでくださいませ)などもあります。

岩手にある観光客向けの看板などでは、「ようこそ、岩手へ!」の意味合いで、「おでんせ岩手」や「おでってくなんせ」というフレーズが使われていることもあります。地方では方言を用いたポスター広告や看板なども多いですが、地方それぞれの言葉は、あったかい印象を受けますよね。

③:「はっかはっかする」(ドキドキする)

ドキドキするときや緊張したときのことを岩手弁では、はっかはっかすると言います。

例えば、野球観戦中の勝つか負けるかの大一番のシーンを見守る時などは、「このまま勝てるか、はっかはっかするなあ」(このまま勝てるか、ドキドキするなあ)といった使い方をすることも。

④:「うんた」(いやだ)

「うんた」は、「いやだ」という否定の意味で使われています。岩手弁ではよく聞く方言で、老若男女問わず幅広く使われています。

「語尾が優しい」など柔らかい印象を持つ人も多い岩手弁ですが、標準語で「いやだ」断れるより「うんだ」と言われたほうがかわいい印象を持ちませんか?

⑤:「お静かに」(おしずがに)

「お静かに」というと、標準語では静かにして欲しいときなどに使用しますよね。岩手弁では、全く違う意味合いで使われているんです。

実は、岩手弁で「おしずがに」は、「気をつけて帰ってくださいね」や「さようなら」という意味。
「雨が降っでるがら、おしずがにな〜」(雨が降っているから、気をつけて帰ってね)といった風に使われています。

見送られる際に「お静かに」と言われても、他県の人は「今までうるさかったのかな?」「静かにしなくてはならないのか?!」と困惑してしまいそうですが、気をつけて帰って欲しいという労わりの気持ちが込められた岩手弁だったんですね。

⑥:「いだましねぁ」(惜しい)

続いては、標準語では「惜しい」という意味の「いだましねぁ」です。

同じ東北地方の秋田県や山形県などでも似たような方言「いだまし」は使用されていますが、岩手弁は「ねぁ」が語尾についているのが大きな特徴です。

⑦:「あべ」(行きましょう)

こちらも使用される頻度が高い岩手弁の「あべ」。「行きましょう」という意味で幅広く使われています。

「私と一緒にあべ。」(私と一緒に行こう)などという使い方が一般的で、「あべ、あべ!」と連呼することも。

⑧:「うるでぁる 」(あわてる)

慌てるといった意味の「うるでぁる 」。外国語のような響きではありますが、こちらもよく使われている岩手弁のひとつです。

例文としては、「うるででこまらねぁように用意しとげよ」(あわてて困らないように用意しておきなさいね)などが挙げられます。

⑨:「~ささる・~さらない」

動詞の後の「~ささる」は「~できる」という意味に、「~さらない」は「~できない」という意味で使用されています。

ちなみに、「〜さらない」は、(人や物などに邪魔されて)できない、といった意味合いで使われることが多いそうです。

⑩:「しみっぱれ」(しもやけ)

寒さのため手足の先などが腫れて痛痒くなるしもやけ。寒い岩手では、特に気をつけなくてはいけませんよね。

そんなしもやけを岩手弁では、「しみっぱれ」と言います。冬の東北に訪れた際には、手袋を身につけるなどして「しみっぱれ」対策に注意が必要ですね。

⑪:「せっこぎ」(怠けること)

「せっこぎ」とは、怠け者という意味。「せね」や「すんな」等の否定の言葉と合わせて、「せっこぎせねで、しっかり働け!」(怠けないで、しっかり働け!)などの意味で使われている岩手弁です。

⑫:「がんばっぺし」(頑張ろう)

がんばっぺしは頑張ろうという意味。「ぺし」という響きが柔らかく、かわいい印象を与えています。

「がんばっぺ」という使い方がされる場合もあります。部活動の試合前や勝負事の前にもよく使用されるとか。

⑬:「かっちゃぐ」(ひっかく)

岩手弁で「かっちゃぐ」は「ひっかく」という意味で使用されています。
特に爪などでひっかかれた時に使用されることが多く、「飼いはじめたばかりの猫にかっちゃがれだ」(飼いはじめたばかりの猫にひっかかれた)等で使用されています。

⑭:「まかす」(こぼす)

こちらは、液体をこぼすという意味の岩手弁。こちらも使用頻度は高く、日常会話でよく登場します。

Aさん:「コップの水まかしちゃった!」(コップの水こぼしちゃった!)

Bさん:「おめは注意力が足りないからまかすんだ」(お前は注意力が足りないからこぼすんだ)

「まかす」を標準語だと思っている岩手県民も多く、つい他県民の前では使ってしまう人も多いそう。

⑮:「ゆるぐねぇ」(つらい、しんどい)

「ゆるぐねぇ」とは、「つらい」もしくは「しんどい」ときに使用されています。「ゆるくない(緩くない=辛い)」が訛ったとも言われています。

使用例としては、「ゆるぐね仕事だなあ」(つらい仕事だなあ)など。

岩手の方言(岩手弁)の告白フレーズ・かわいい表現

岩手弁

①:「おらのこと、彼女にさしてけねぇか?」

意味:わたしのこと、彼女にしてくれませんか?

「おら」とは「自分(わたし)」のことを指し、男女ともに使うことができます。地域によっては「自分(わたし)」を「わ」や「おらほ」と呼びこともあります。

また、「さしてけねぇか?」だと、標準語よりも柔らかく穏やかな印象で、よりかわいく想いを伝えることができるのではないでしょうか。

②:「好きだっけ、付き合ってけろ」

意味:好きだから、付き合ってください。

「〜だっけ」は「だから」、「けろ」は「ください」という意味の方言です。直球な告白フレーズですが、岩手弁だとよりかわいいので、キュンキュンする男性は多いかもしれませんね。

③:「ねえねえ、おらのこと、嫁っこにして?」

意味:ねえねえ、わたしのこと、お嫁さんにして?。

女性からの逆プロポーズの際に使用できる告白フレーズです。「嫁っこ」は「お嫁さん」のこと。岩手弁では名詞に「〜っこ」とつける表現も多いです。

とってもかわいい表現ですよね。「嫁っこにして?」だと、威圧感もなく、さらりと伝えることができそうです。

④:「おらと一緒に、映画観にあべ!」

意味:わたしと一緒に、映画観に行こう!。

「あべ」は、「行こう」の意味ですが、デートのお誘いにも使うことができるんですね。明るく「デートへあべ!」と誘われたら、それだけで楽しくなっちゃうような方言ですね。

また、「おらのお家にあべ」だと、お家デートのお誘いになります。「あべ」は、男女ともに使える岩手弁なので是非覚えておきたいですね。

⑤:「おめえ、本当にめんこいなあ」

意味:お前、本当にかわいいな

男性から女性に向けての告白フレーズですね。「めんこい」は、「かわいい」の意味で、幅広い世代に使用されている岩手を代表する方言でもあります。

岩手の方言(岩手弁)の面白い表現

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①:「ちょすな!」

「ちょすな」とは岩手弁で「触るな」という意味。「ちょす」は、「触る」、「触れる」という意味で使われています。

例えば、何か触れられたくないものがあった際には「それ、ちょすな!」(それ、触るな!)と言う風に使用されます。

②:「あいつは、たんぱらだなあ」

続いては「たんぱら」という単語ですが、これは「短気」、「怒る」という意味です。東北地方や北海道でも似たような意味で使用されているそう。

「勝負に負げだがらって、たんぱら起こすな」(勝負に負けたからって、怒るな)などの使用例があります。「たんぱら」と言われないよう、余裕を持って生きたいものですね。

③:「〜がんす」

こちらは、「〜です」、「〜ございます」といった意味があります。例えば、「おはようございます」は「おはよがんす」、「こんばんは」は「おばんでがんす」など幅広い用法があります。

ちなみに、「ありがとがんす」は「ありがとうございます」という意味。なんだかかわいい印象になりますね。

④:「あらがだ終わっだな!」

「ほとんど」という意味で使われている「あらがだ」も、岩手弁ではよく聞く方言のひとつ。全てが終わっている訳ではなく、少し残っている状態に使用されます。

「あらがだ終わっだな!」(ほとんど終わったな!)や、「あらがだ片付いだが?」(だいたい終わった?)等の使用例があります。

⑤:「ちょっと、外さではってくるな」

「ではる」とは、「出る」、「出かける」という意味。買い物へ行く際などは「ちょっと外さではってくるな」(ちょっと外へ出かけてくる)となります。

逆に、外出するかどうかを尋ねるときには「今ではるのか?」(今出かけるの?)と使うこともできます。

岩手の方言(岩手弁)を話す芸能人やドラマ・映画

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岩手県三陸地方で、驚いたときに使用される「じぇじぇじぇ」といえば聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。2013年NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で使用されて、話題になりましたよね。

実はこの岩手弁は、「じぇ」だけで使用することもあり、驚きの度合いに応じて「じぇじぇ」、「じぇじぇじぇ」など重ねて使うそう。

また、「じゃ」と使うこともあるそうで、岩手県のIBC岩手放送では「じゃじゃじゃTV」というテレビ番組も存在しています。

作中でも頻繁に使用された「じぇじぇじぇ」は、「今でしょ」や「おもてなし」などと共に2013年ユーキャン新語・流行語大賞を受賞しました。方言のひとつである岩手弁が流行語大賞に選ばれるなんて、なかなか珍しいですよね。

また、「TOKIOカケル」という番組の男子が女子にやってもらいたい憧れの胸キュンシーンを方言女子と演じる「方言女子」というコーナーにも岩手弁が登場しているんです。TOKIOの長瀬さんと共に、岩手弁女子いずみちゃんが、胸キュンシチュエーションを岩手弁で演じています。

ちなみにコーナー内で長瀬さんが胸キュンした岩手弁フレーズは、「おら酔っぱらってしまったじゃあ。泊まんべえがな。よがべ?」(「私、すごく酔っぱらったみたい、泊まってってもいい?」)というもの。
岩手弁のおあまりの可愛さに、長瀬さんは倒れてしまったそうです。

京都弁や博多弁に比べてまだまだ印象が薄い岩手弁ですが、テレビで特集されていたり、ユーキャン新語・流行語大賞に選ばれていたりしていたんですね。それだけ岩手弁には魅力が詰まっていると言えるのではないでしょうか。

岩手弁は個性的でかわいい表現がいっぱい!

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「〜がんす」「〜けろ」や「〜はん」など、岩手弁は柔らかく、親しみやすい言葉が多くありましたね。

寒い東北地方ならではの「あべ」→「行きましょう」や「それ、ちょうだい→「けんだ」等の略し言葉も印象的です。

聞きなれない単語も多く戸惑ってしまいこともあるかもしれませんが、岩手弁はとっても親しみやすくあたたかい方言です。
また、岩手県にはわんこそばをはじめ盛岡冷麺、世界遺産にも登録されいる中尊寺金色堂など様々なグルメや観光スポットがありますので、本場の岩手弁を聞きに、岩手へ旅行に訪れてみるのもいいかもしれませんね。

その際はぜひ、比較的使いやすい「あべ」や「〜がんす」、「〜けろ」を使用してみてくださいね。

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ライター
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