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山形の方言(山形弁)の特徴・種類

山形の方言(山形弁)を話す人に威嚇するサル

山形の方言(山形弁)にはどのような特徴がみられるのでしょうか。

山形の方言(山形弁)の特徴

山形の方言(山形弁)の特徴は、地域によって「早口」と「おっとり」に二分されることです。
内陸地方は早口、日本海側(庄内地域)はどちらかといえば「おっとり」に分かれます。

濁点がついた訛りがあり、若干活舌が悪い部分もあり聞き取りにくいということもありますが、東北地方特有の訛りなので東北地方の人同士は話が通じます。

在来新幹線が通っており東京へのアクセスがしやすいということで、このところ山形の人が話す言葉も標準語に近い言葉になってきましたが、時折「女の子でもこんな言葉を話すの?」とびっくりするような方言や山形弁が口を飛び出すこともあるようです。

山形の方言(山形弁)の種類

山形県を4つのブロックに分けると「村山・最上・庄内・置賜」の地域に分けることができます。
内陸に当たる村山や最上地域の山形弁は早口ですが、庄内や置賜地域ではゆったりとした口調の方言が特徴的です。

山形の方言は一般的に山形弁と庄内弁に二分されます。
方言一つとっても、イントネーションや言葉遣いも変わるので、びっくりする人もいるほどです。
厳密にいえば、最上や置賜でも若干言葉尻が異なりますが、大きな違いはありません。

にぎやかな山形弁と穏やかな庄内弁、山形の方言は奥が深いのです。

山形の方言(山形弁)のよく使われる定番表現

山形の方言(山形弁)を話し人はあまり食べない海鮮丼

ここでは、山形の方言(山形弁)の定番表現を紹介します。

①:どさいぐ?

山形の方言(山形弁)レベル1の言葉です。「どこに行くの?」という意味。
簡略化させて「どさ」ということもあります。

そのアンサーは、「公衆浴場(おんせん)さいぐ」「ザワセンさ乗って山形まで行ってくっから」などという展開が一般的です。
ちなみに「ザワセン」とは「左沢(あてらざわ)線」という山形市にある北山形駅から西村山郡大江町にある大江駅を結ぶローカル線です。
「仙山線や奥羽本線が悪天候で運転見合わせになっても、ザワセンだけは運行している」ことが多いため「最強伝説」がまことしやかにささやかれています。

②:さすけね

山形弁で「さしつかえない」という意味合いがあります。
意訳すれば、「大丈夫」とか「問題ない」ということにつながります。

年配の方はどんな状況に置かれても山形弁で「さすけね」ばかりを連呼する傾向にあります。
雪が深く積もっていても「さすけね」、自分が遅れてきたのにも関わらず「さすけね」というように、もはや呪文に近い意味合いの言葉になっているのかもしれません。

でも、「さすけね」と言ってもらえると、なぜか気持ちが落ち着くことがあるんです。

③:「○○でした~」

これは、山形ではポピュラーな一言です。
カナ文字で表記するとなんてことはない「○○でした~」ですが、方言では、○○には自分の名字や名前が入ります。

例えば「こんにちは、大野でした~」とか「相葉さんですか~?二宮でした~」というような感じで使います。

山形弁では、電話口で名乗るときはたいてい「でした~」と過去形になります。
なぜなのかわからない、というところが不思議なのですが「ただいま電話をいたしましたのは桜井でした」というようなニュアンスといえるでしょう。

④:どだなだず!

これは、山形の方言(山形弁)では最強の言葉です。
山形で暮らすのであれば、この方言をまず真っ先に覚えてほしいというほど最強の言葉となります。

方言的に意味はほぼありませんが、ツッこみの時に必ず飛び出る言葉です。
しいていえば「なんでやねん!」とか「ちょ、待てよ!」とかいったニュアンスで使われます。

地域では、「どだなだず」とプリントされた方言Tシャツを愛用している子供も多く、東北地方でも最強の「ツッこみの合いの手」ということができます。

⑤:もっけだ

こちらは、山形の方言(山形弁)でも庄内地方の言葉となります。
「もっけだ」は、サンキューとか、ごめんねというように軽い謝辞を意味します。

ただ、庄内弁では語尾に「の~」が付きます。
より丁寧さを表すために「もっけだの~」ということが一般的です。

「もっけだの~」を発音するときは、おっとりとした口調で話してみましょう。
気軽な「ありがとね」という意味合いの言葉でもより丁寧に聞こえます。

山形弁でも温かみのある言葉ですよね。

⑥:おしょうしな

こちらは、山形の方言の中でも置賜地方の言葉です。
「おしょうしな」は、ありがとうを意味します。

頂き物をしたら「おしょうしな~」
飲み屋のおかみが、お客に「おしょうしな~」

このように、枕詞のように「おしょうしな」といいます。
「サンキューね」「どもども~」と私たちが気軽に謝意を伝えるというよりは、少しだけかしこまって「ありがとうございます」くらいのレベルで伝える言葉となるようです。

フォーマル度合いは高いのですが、山形弁では誰もが気軽に使っている言葉です。

⑦:「だず~」「だは~」「んだにゃ~」

これは、山形の方言(山形弁)でよく使われる「語尾」「共感の相槌」です。

「さっさとしろず~」「おら、やんだは(ha)」「あそこさあんのにゃ~」
というように、強めの語尾として使う方法がまず一つ。

「んだず」「んだは~」「んだにゃ~」というように、相手の言葉に共感するために使う相槌としても使われる方言です。
それぞれ「そうです(言い切り)」「そうなんだってねぇ(同意)」「そうだねぇ~(思考)」というように微妙に使い分けがなされます。

「にゃ~」と猫の鳴き声のような表現がなされていますが、どちらかといえば、名古屋弁の「だぎゃ」「だがね」「~みゃあ」というようなニュアンスに似ています。
「かわいい」と表現されていますが、実はそこまででもないというのが実情です。

女の子も平気で山形弁で「んだず」はいいますよ。

⑧:そめる

他県から山形にやってきた人が方言でカルチャーショックを覚える一言です。
「染める」というと、染色や美容院で行うカラーリングのことを思い浮かべますが、山形弁でいうところの「染める」は、「色を塗る」ことを指します。

「髪を染める」ことも「染める」、色を塗ることも「染める」です。
ぬりえを始めるときは、子供にクレヨンや色鉛筆を渡して「きれいに色そめでけろな~(きれいに色を塗ってね)」といいます。

山形の方言では「染める(塗る)」はもはや標準語でも同様の使用法をすると思っている人が多いです。

⑨:わるいがら

山形の方言(山形弁)では「~するとわるいがら」という表現がよく出てきます。
「かぜっこひぐとわるいがら(風邪ひくと面倒だから)」とか「くいすぎっとわるいがら(食べ過ぎるとよくないから)」というように使います。

標準語の表現とさほど変わりありませんが、山形弁の語彙はすべて「わるいがら」となってしまいます。
「わるいがら」というと、たいていは「いけないこと」というように受け取りますので。とても方言的にも便利な表現といえるでしょう。

⑩:めんごちゃん

めんごちゃん、この言葉からお気づきになる人もいるかもしれませんね。
山形弁で「かわいこちゃん」という意味です。

東北地方ではかわいいということを「めんこい」ということが多いようです。
山形の方言(山形弁)では「めんご」といいます。

この言葉の活用形として「めげーごど」という言葉があります。
これは「かわいいこと」という意味で、「あんだがいの孫、めげーごど」とほめちぎるときなどに使います。

子供に対しては「あら~、めんごちゃんだごど」と頭をなでながらほめちぎります。

⑪:あじまん

方言ではなく、閑話休題。
いってしまえば単なる大判焼きですが、山形では「あじまん」が大人気です。
「あじまん」は、スーパーの入り口近くなどに設けられる特設店舗で製造されています。

いつでも焼き立てが食べられるお店として知られています。
「いつでも」といっても、あじまんは冬限定の店舗運営です。

夏場は40度近くの気温になる山形ですし、農作業中心の人が多いため、農閑期で極寒の冬場のみ営業をするというスタイルのフランチャイズ店です。

多分、今川焼や大判焼きを見せても山形の人は「あじまん」ということでしょう。
ところ変われば品変わる。

「あじまん」も方言とか山形弁の一つかもしれませんね。

⑫:いちまる・にまる

山形の方言(山形弁)を語るには、欠かせないのがこれ。
こちらも他県から山形に来た人にとってはカルチャーショックを受ける方言です。

「いちまる」「にまる」何の事を指しているかわかりますか?
ちなみに、このセクションは山形弁に置き換えると「じゅうにまる」といいます。

答えは、丸囲み数字の読み方です。
一般的には「①を、まるいち」「②は、まるに」と読みますが、山形弁では「いちまる」「にまる」と読むのです。
これは、山形県ならではの方言ローカルルールなので、その土地で暮らすならば(学生は特に)覚えておくべき事案です。

山形の方言(山形弁)の告白フレーズ・かわいい表現

山形の方言(山形弁)で好きだといいたい

山形の方言(山形弁)で告白をするときどんな表現をするのでしょうか?

①:すきだず!

直球ドストライクのひとこと「すきだず!」
動画の女の子も恥じらいながら山形弁で「すきだず!」と言っているのはとてもかわいいですね。

まっすぐに「すきです」と訳すことができます。
女の子が一途に「すきだず!」というと、男の子も萌えを感じるかもしれませんね。

告白をするときはもちろん、彼氏とのデートでも「そーいうとこ、すきだず」などと山形弁でどんどん伝えていきましょう。

方言一つだけで、ラブラブ度が高まっていきますよ。

②:つぎあっでけろ

こちらも「付き合ってください」の一言になります。
言葉の意味合いによっては「LOVER」としての付き合うではなく「コンビニに一緒に行ってくれませんか?」というような言葉にとられることもあるので、言い方には注意しましょう。

たいていは「つぎあってけろ」で恋愛関係が成立するようです。
学生は通学電車の本数が少ないため、無人駅などで時間つぶしをしながら二人でいる時間を作ることもあるようですよ。

③:いっしょにいでけんねが

これを方言で女の子に言われたら、男の子は萌え死に間違いなしのフレーズです。
「いっしょにいてけんねが」は山形弁で「一緒にいてくれる?」という意味です。

今、不安だから一緒にいてくれますか?
これからもずっと一緒にいてくれますか?

シチュエーションによっては、「一生守ってあげたい!」と思わせるフレーズにつながります。
もちろん、男性からの告白のアンサーとしても使えるので、覚えておくとよいでしょう。

とてもかわいい山形弁のフレーズですね。

④:てっこばつないでもいいが?

こちらも、山形の方言(山形弁)最強のかわいいフレーズです。
「てっこばつないでもいいが?」は「手をつないでもいい?」という意味。

付き合い始めの二人で、どこかぎこちない距離間のときにこのフレーズを用いると、男の人もしっかりと手をつないでくれるはず。

霞城公園のお花見デートや七日町周辺での買い物デートなどで使ってみてくださいね。
ただし、高校の登下校時の「手つなぎ」は、近所の人からだけではなく、ローカル線の車掌さんなどに結構見られているので気を付けたほうがいいかもしれません。

⑤:UFOさいがねが?

「UFO」は、知る人ぞ知る場所です。
山形市周辺に住んでいる人であれば、たぶん多くの人が知っている場所とも言えます。

これは山形市内にあるレジャーホテルの名前。
その名の通り、UFOの形をしている建物なので誰もがよく知っている名前なのです。

「UFOさいがねが?」もう、それ相応の覚悟をして二人の仲のステップアップを望む一言と察することができます。
これを言われたら、男性だって覚悟を決めなければいけませんね。

ただし、昼間に再放送されるような2時間サスペンスドラマにも「児童および青少年の視聴に配慮が必要です」という字幕が流れるほど、青少年条例がかなり厳しい県民性ですので、未成年のうちはまだまだ我慢の場所ですよ!

山形の方言(山形弁)の面白い表現

山形の方言(山形弁)が面白いと思う女性
山形の方言(山形弁)での面白い表現を集めてみました。
ぜひ、使ってみてくださいね。

①:あがすけ

このところ、テレビでも露出が増えてきたお笑いコンビの「あがすけ」。
山形県出身をウリに、方言を使いながらお笑いをしていくスタイルですよね。

さてこのコンビ名にもある「あがすけ」。
山形弁では「生意気」を意味する方言となります。

「あがすけつかす」は「いきがって」という意味合いになります。
ジジさまが、自我が芽生えた小さな子供に「あがすけ」ということがあるのも山形の方言ならではです。
逆に、思春期特有の「あがすけ」にはニュアンス的にあまり使われないこともあるようです。

②:んだがした

さて、いざ発声するとあまりきれいなひびきにならない言葉「んだがした~」
ゆっくり、のんびりとした口調で再度言ってみましょう。

山形弁では「そうなのね~」とか「そうなんだ~」という相槌になります。
これは、方言でも最上級の丁寧言葉となります。

あなたの話すことに興味がありますよ、というサイン。

省略形の「んだが」とか、早口で冷たく「んだがした」となると、『早くその話終わらせろ』の空気に代わります。
山形弁に限らず、東北地方の方言は語彙が少ない分、言葉の雰囲気で忖度が必要になるので気を付けなければいけません。

③:ねまる

九州地方の方言では「腐る」という意味合いがあるようですが、山形弁での「ねまる」は座ることを意味します。

単純に座る、というよりもどっしり腰を下ろす、居座りの体制を作るというような意味合いも含まれる場合があります。

「ほれ、たってねで、こっつぁねまらいん」と言われたら、遠慮せずに炬燵などに呼ばれましょう。
山形人には遠慮は禁物。なんといっても豊かな生活をしている人が多いので、ゆったりと過ごすことが一番のステータスなのです。

④:「ではってったじゃー」

なんとなく、戦隊もののネーミングみたいな表現ですが…。
これは山形の方言でもよくつかわれる表現です。

「ではってったじゃー」は「今出かけたばかりだよ」とか「今、出かけている」という山形弁です。

「みおちゃん、いねの~?」「今、田んぼの水みっさではってったじゃー」

という会話は「みおちゃん、いますか?」「今、田んぼの水路の状態をみに出かけたよ」という内容になります。

ちなみに、「軽トラねぇがら、いないのわかるすぺ?(軽トラックがないから、出かけたっていうのわかるでしょ?)」と軽くイヤミをプラスされることもあるので気を付けましょう。

⑤:出前のラーメン

「出前のラーメンは伸びるのが苦手」という人もいることでしょう。
だから、ラーメン屋に直接出かけて出来立てのものを食べるのがステータスとする人もいるはずです。

山形では、ラーメンの出前が最高のおもてなしとなります。
たとえ伸びようと、外食せずに家にいて食べること自体がステータスとなります。

また、農作業で田んぼやビニルハウスで仕事をするときもお弁当を持たずに、ラーメンの出前を農作業の現場に持ってきてもらうよう頼むことがあります。

ちなみに、「ラーメン屋」ではなく、「お蕎麦屋さんで作るラーメン」という点がポイント。
「吉亭で肉中華たのむすぺ」というように、蕎麦屋でラーメンを頼むことが普通なのです。

山形の方言(山形弁)を話す芸能人やドラマ・映画

山形の方言(山形弁)とチェロ弾きの関係

山形の方言(山形弁)を話すドラマとしては上野樹里さん主演の映画「スゥイングガールズ」が有名です。
また舞台としては、本木雅弘さん主演の映画「おくりびと」が話題となりました。

高畑勲監督のアニメ映画「おもひでぽろぽろ」は仙山線の高瀬駅周辺のべにばなの産地が舞台となり、都会の女の子と地元の青年のラブストーリーがあることことでも知られています。

山形県出身の女優・渡辺えりさんや、先にも記したお笑いコンビのあがすけ、演歌歌手の大泉逸郎さんなどは、山形弁も交えて話をしてくれる芸能人の代表格ですね。
また、かつて「なまドル(訛りのあるアイドル)」としてテレビ露出が多かった佐藤唯さんも山形弁丸出しのアイドルでした。

山形の方言、ぜひ使ってみてくださいね

山形の方言(山形弁)とさくらんぼ

ちょっぴりクセがあるけれど、聞いてみるとなかなか面白くて暖かい山形の方言(山形弁)。

他県から引っ越してきた人は何かとカルチャーショックを受けることもある方言文化ですが、慣れるとなかなか楽しいですよ。

まずは「いちまる」と「そめる」から使ってみてくださいね。
すぐに山形の暮らしに染まることができますよ。

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ライター
noel編集部

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