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「回避依存症」とは?

回避依存症の男性を抱く女性

回避依存症とは、相手との関係に一定のボーダーラインを設けて、それ以上深い付き合いになることを極度に恐れて、回避してしまう症状です。
「対人恐怖症」や極度の恥ずかしがり屋とはまた違った特徴を持ち、女性よりも男性に多いといわれています。

たとえば、回避依存症の人は、初めの出会いはとてもスムーズです。
むしろ、まわりから人気があって、たくさんのガールフレンドがいるようなモテタイプです。

しかし、本命という女性がいません。
それは、そこまで深い関係になることを恐れてしまい、相手の女性が本命になりたいと積極的になればなるほど、回避するように音信不通になってしまうからです。

一方で、追いかければ逃げてしまう男性に対して、女性は恋愛依存症になってしまうことがあります。
いくらひどいことをされても「彼を守るのは私だ」「彼は私がいないと生きていけない」と考えてしまうのです。

これを共依存症と呼んでいます。
このようになると、お互いに健全な関係を構築することができず、泥沼化して不幸な交際期間を過ごさなくてはなりません。

回避依存症の特徴

回避依存症の彼から連絡を待つ女性

では、回避依存症にはどのような特徴があるのでしょう。

  1. 相手を支配しようとする
  2. 支配されることを恐れる
  3. 浮気癖がある
  4. 逃げ出すように音信不通になる
  5. 別れるときはバッサリ
  6. ナルシスト

続いて、それぞれの特徴を詳しくみていきます。

特徴①:相手を支配しようとする

回避性依存症の中には、恋愛関係のなかに、巧みに上下関係を持ちこんでくることがあります。
回避性依存症は、自分に自信がないために自分のすべてをさらけ出してしまうと、相手に嫌われるのではないかという恐怖といつも戦っています。

その恐怖を克服する手段が支配なのです。
相手の心をうまくコントロールしたり、支配したりできれば、自分は常に安泰ですし、相手から抵抗されることもありません。

このようにして相手を支配した結果がモラハラやDVとして表面化するケースも少なくありません。

特徴②:支配されることを恐れる

回避依存症は、相手を支配することで心の安心を担保しようとします。
そして逆に相手に支配されることを何よりも恐れるのです。

この傾向は、過去の人間関係、特に親子関係にルーツをもちます。
子供の頃から親に精神的、肉体的な虐待を受けていた人は、独裁的な支配による恐怖感を植え付けられています。

その恐怖心は、大人になってもある瞬間にフラッシュバックしてしまうものなのです。
そのため、恋人関係であっても「縛られている」「指図されている」と感じた瞬間「逃げたい」という衝動に駆られてしまいます。

特徴③:浮気癖がある

回避依存症の男性は、自分の弱い部分を相手に知られると、バカにされたり、嫌われたり、最終的には見捨てられるのではないかという恐怖を抱いて生きてきました。

もし、本命の女性に嫌われてしまうとどうしていいのかわからなくなってしまいます。
そのため、本命以外にスペアの女性がいることに安心感覚えて浮気がやめられないのです。

特徴④:逃げ出すように音信不通になる

男性と「心が通じたな」あるいは「本命の彼女になれたかな」と手ごたえを感じた瞬間に、わざとそっけない行動をとったり、嫌われるような態度をとったりします。
もっとひどくなると一切の連絡をシャットアウトして、女性の前から消えてしまおうとします。

このように回避依存症の男性は、一定のボーダーラインを超えた付き合いになると、不安が先になってしまって、関係をなかったことにしようと逃げ出します。

特徴⑤:別れるときはバッサリ

回避性依存症の男性は、もともとこれ以上の関係を深めることに対して積極的ではありません。
そのため、徐々に会う回数が減ったり、連絡が疎遠になったりして、自然消滅というパターンが多くなります。

自分から別れを切り出すことになった場合でも、なんの未練や相手への思いやりの気持ちも示そうとせず、バッサリと切ります。
むしろ、今までのことはなかったかのように態度を示すことすらあります。

特徴⑥:ナルシスト

他人から拒絶されるのを怖がっている回避依存症では、「もっと周りから好かれる人間になりたい」という願望が強い傾向が見られます。
いわゆる「いい人」を演じるわけです。

しかし、そこにも葛藤があり、実際の自分とのギャップに悩むことになります。
一般的なナルシストは、自分のことが大好きですが、回避性依存症は、自分のことが嫌いです。

回避依存症になる原因

回避依存症とハートブレイク

では、回避依存症になる原因をみていきましょう。

  1. 親からの一貫性のない愛情表現
  2. 過去の人間関係のトラウマ
  3. コミュニケーション能力の欠如

続いて、回避依存症になる原因を、それぞれ詳しくみていきます。

原因①:親からの一貫性のない愛情表現

幼い頃、親からの愛情を十分に受けられなかったことが原因だと考えられています。
それが身体的、精神的な虐待を意味することも少なくありませんが、親の子供に対する接し方が原因のこともあります。

例えば、気分にムラのある親であれば、機嫌いいとかわいがってくれて、機嫌が悪いと無視をしたり、罵声を浴びせたりします。
こうして、一貫性のない親の態度を見て育っているので、常に親のご機嫌をうかがいながら自分の行動を決めてしまっているのです。

ありのままの自分を受け入れてもらえていないことが、安心して人との関係性を築くうえで高い壁を作ってしまっているからです。

原因②:過去の人間関係のトラウマ

過去に人間関係で深く傷ついた経験のある人は、もう二度とあんな思いはしたくないと考えてしまします。
人は生きている限り、裏切られたり傷つけられたりするものですが、その衝撃があまりにも大きいと、回避依存症になってしまいます。

好調な人間関係であっても、ある一線を踏み越えたとたん、過去のトラウマが呼び起こされてしまいます。

原因③:コミュニケーション能力の欠如

コミュニケーション能力に長けて人は、人間関係でもあまりトラブルに巻き込まれないものです。
コミュニケーション能力が欠如している人ほど、人間関係がこじれてしまいシコリが残ってしまうのでしょう。

うまく自分を表現できない、考えていることを相手に伝えられないという自信のなさから「面倒くさい」となって、相手から回避する方を選んでしまいます。

【診断チェック】あなたの彼氏は回避依存症?

回避依存症の恋人

では、回避依存症の診断チェックをしてみましょう。

診断①:付き合ってからの態度が違う

出会った頃は、もうアプローチをかけてきたくせに、こちらが付き合うのをOKしてデートを2、3度したあと、急に態度が冷たくなります。

相手との距離が一気に縮まったことに対する不安が増してきたという兆候です。

診断②:毎日連絡を取ることを面倒くさがる

恋人や好きな人といつも繋がっていたいと思うのが普通ですが、回避依存症の男性は、毎日連絡することや繋がっていることが面倒だと感じます。

相手との親密度が高まれば高まるほど、理由をつけて合う頻度が少なくなっていきます。

診断③:デートをドキャンすることがたびたびある

回避依存症の男性は、相手とあくまでもドライな関係にいようとするため、デートをするときにも、自分の気分が乗れなければ、相手のことなど考えずにキャンセルしてきます。

診断④:連絡をしても、しばらく音沙汰がない

lineでも、既読がついているにもかかわらず、何日も返事がなかったり、電話をしても、留守電になって、返事がなかったりすることがたびたびあります。

何かあったのかとやきもきしていると、ある日、何事もなかったように「元気?」などと連絡があります。

診断⑤:忘れたころに現れる

まだ、付き合って間もない恋人同士なら、1、2度デートして連絡がぷっつりと来なくなることがあります。
「あれ、振られちゃったのかな」と思いかけたころ、不意に連絡してくることがあります。

診断⑥:女友達が多い

回避依存症の男性の場合、本命彼女を作ることに対して、恐怖心を持っています。
そのため、複数の女友達を持つことで、もし本命の彼女にフラれても避難できるような避難場所を作っているのです。

診断⑦:自分の部屋に呼んでくれない

回避依存症の男性は、自分の素顔を見せるのを極端に嫌がります。
そのため、なかなか自分の部屋にも彼女を招いたりしません。

なぜなら、自分の部屋は自分が寛げるスペースですから、いろいろなものが置かれています
それを透かして、自分の素顔を見られるのが怖いのです。

彼氏が回避依存症の場合、本命の彼女になることはできる?

回避依存症の彼と手をつなぐ女性l

彼氏が会費依存症の場合、深くかかわろうとすればするほど彼が逃げていくという悪循環になってしまいます。
これでは、本命の彼女になることはできないと悩む女性も多いのではないでしょうか。

しかし、これも彼の弱さの表われであって、あなたのことが嫌いになったわけではないということが理解できれば、克服できるのではないでしょうか。

回避性症候群には、幼少期の両親との関係性など根深いものがありますが、二人信頼のおける関係性を積み重ねていくことで、彼の症状も徐々に治まってくるでしょう。
彼氏に自信を与えること、そのままのあなたが好きだということを伝えることが大切です。

突然連絡がこなくなる?回避依存症な彼氏との接し方

回避依存症の恋人への対応

では、回避依存症な彼氏との接し方をみていきましょう。

  1. 不安な気持ちへと追い詰めない
  2. 相手のペースに合わせ過ぎない
  3. 程よい距離感を置く

続いて、回避依存症な彼氏との接し方を、それぞれ詳しくみていきます。

接し方①:不安な気持ちへと追い詰めない

回避依存症の彼と上手に接するためには、あなたのことが嫌いで回避しているのではないということをしっかり理解することです。
すべては、あなたに嫌われたくない、嫌われて傷つきたくないという自衛本能から来るものです。

そうした回避依存症の特選をふまえて、「なぜ会ってくれないの」「どうして避けるの」と彼のことを非難したり、追い詰めたりしないことです。
逃げ場を失うと、ある日突然、連絡をシャットダウンしてしまうなど極端な行動に出る可能性もあります。

接し方②:相手のペースに合わせ過ぎない

回避依存症の場合、相手を自分の支配下に置きたがる傾向があります。
相手の女性も恋愛依存になっている可能性もあり、徐々に相手の言いなりになってしまうのです。

回避依存症の男性を追い込むのも危険ですが、すべて相手のペースに合わせてしまうと、都合のいい女として利用されかねません。
あくまでも、対等の立場を貫いたうえで、彼のことを頭から全否定するような言葉や態度は慎むようにしましょう。

接し方③:程よい距離感を置く

回避依存症の場合、対人恐怖症とは違って、全く拒絶しているわけではありません。
ある程度の距離感までは許している、あるいは求めているのです。

彼の様子をじっくり観察していると、ここまでは気を許しているけれど、この先になると及び腰になったり、不愉快なそぶりを見せたりするようになります。
一気に距離を縮めようとするのではなく、徐々に縮めていき、彼が安心できる距離感をつかむことが大切です。

回避依存症の克服法

回避依存症の彼と恋人

では、回避依存症の克服法をみていきましょう。

  1. 責任から逃れようとしない
  2. 健全な信頼関係を築く
  3. 相手に過度に期待しない

続いて、回避依存症の克服法を、それぞれ詳しくみていきます。

克服法①:責任から逃れようとしない

回避依存症の原因の多くが、親からの過干渉によるものです。
そして自分自身の行動についても、親からの干渉によって、今まで決めることができずに成長してきました。

そのため、自分が決めたことに対する自信がなく、さらにそれに対する責任の取り方や覚悟が欠如しているのです。
まず、自分の行動を自分で決める勇気を持つことです。
そして、それを積み重ねていき、失敗や成功体験をすることで徐々に自分に自信が持てるようになります。

克服法②:健全な信頼関係を築く

親や愛する人から無償の愛を受けずに育った回避依存の人は、常に「自分は愛されるために、いい子でいなければならない」という強迫観念と、「いつ裏切られるかわからない」という不信感でいっぱいです。

そういった強迫観念や不信感をとりのぞいて、健全な信頼関係を築くことが回避依存を克服する第一歩になります。
そのためには、支配や服従関係は愛情ではなく、共依存関係性であることを理解し、お互いが幸せになれる関係を作り上げることです。

克服法③:相手に過度に期待しない

回避性依存症になってしまう人は、とてもナイーブで、相手の気持ちに自分を合わせようと努力する人です。
何よりも、純粋で人のことを疑うということを知らなかったのでしょう。

回避性依存症のひとは、相手に過度の期待を抱いてしまうため、通常よりも傷つく度合いが大きくなってしまうのです。
もともとそれほど期待していなければ、もし関係性が崩れたとしてもそれほどダメージはありません。

回避依存症の彼氏との上手な別れ方

回避依存の彼との別れ

「もうこれ以上、彼に振り回されたくない」と別れを決意するならば、まず自分の心理状況を把握することです。
もし、彼がいなくなっても本当に大丈夫なのかをじっくり考えてください。

なぜなら、回避性依存症の男性と恋愛依存の女性は、まるで磁石のようにくっついて離れない性質を持っているからです。
恋愛依存症の女性は「振り回されていること」自体に快感を覚え、その快感を忘れられずに、再びよりを戻したりする傾向が強いのです。

まずは、回避依存症の彼氏との距離を開けることです。
そのためには、新しい趣味に没頭したり、新しいコミュニケーションに参加したりするなど、意識を彼から別のところへ持っていくことです。

回避性依存症の彼の陰に、恋愛依存症のあなたがいるかも

回避依存症の彼と将来

相手のことはよく見えるけれど、自分のこととなると、なかなか見えにくいものです。
彼が回避性依存症であることはわかるけれど、あなたはどうでしょう。

友達から「もうあんな彼氏とは別れてしまいなさい」とアドバイスされても、なかなか別れられなくて、別れたり、くっついたりを何度も繰り返してしまうというカップルは多いものです。
これは、女性が男性に対して共依存状態にあるからです。

回避性依存症の彼との関係を何とかしたいと考えるのなら、まず自分が彼から自立しなくてはなりません。

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ライター
noel編集部

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