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妄想癖とは?

妄想癖のある女性

妄想癖とは実際に起こっていないことや、ありえないことを日常的に信じ込むことです。
多くの場合は、信じ込んでいる内容が妄想とは認識していません。

もともと「妄想」と言葉は精神医学の用語です。
しかし、通常会話の中で「妄想」や「妄想癖」という言葉が出てきたとしても、必ずしも精神的疾患である「妄想」を指すわけではありません。

たとえば、「現実のことではない」とはっきり自覚した上で空想を巡らすのが好きな人のことも「妄想癖がある」などと言うことがあるでしょう。
空想を巡らすこと自体は悪いことではないですが、その内容がネガティブなものだったり、現実逃避したものだったりすると、「妄想癖」ととらえられることが多いかもしれません。

妄想癖の症状で重度を診断!

妄想癖に悩む女性

では、妄想癖の症状を診断する6項目を紹介します。

症状①:被害に遭っていると思い込む

実際には何も被害を受けていないのに、人から何らかの被害を受けていると思い込んでいる状態です。
「誰かに追われている」「金庫からお金を盗まれた」などと根拠のない被害妄想にとりつかれます。

症状②:自分を過大評価する

「誇大妄想」とも呼ばれ、何の根拠もないのに自分を過大評価してしまう思い込みを指します。
「自分は特別な人間だ」「突出した才能を持っている」などと、自己評価が異様に高くなってしまっている状態です。

症状③:過度な嫉妬をする

無実のパートナーに不信感を抱いてしまい、嫉妬心が掻き立てられます
事実も根拠もなしに「夫が浮気している」などという考えにとりつかれ、激しい嫉妬を覚えている状態です。

症状④:重大な病気があると思い込む

自分の体に重大な病気があると思い込んでいる状態です。
「自分は重病を患っている」「体から異臭がして消えない」などと言い出すことがあります。

症状⑤:特定の人から愛されていると思い込む

「被愛妄想」とも呼ばれ、そのような事実がないにも関わらず、勝手にある特定の人から愛されていると思い込んでいる状態です。
相手はまったく関心がなかったり、時には接点すらなかったりする場合もありますが、根拠もなく「あの人は私のことを愛している」と信じ込んでしまいます。

「あの人と私は恋人同士」と一方的に信じてつきまとい、ストーカー化することもあります。

症状⑥:関係のないできごとに意味づけをしてしまう

ただの偶然のできごとを、自分に関連づけて考えてしまう症状です。
たとえば、知人たちがただの世間話をしているだけなのに「自分の悪口を言っているのではないか」と疑いを持ったり、たまたま自分に配られた資料に抜けがあっただけなのに「誰かが私に意地悪をしようとして抜いたのではないか」という考えにとりつかれてしまいます。

妄想癖がつく原因

妄想癖のある女性の住む世界

精神医学的に考えると、妄想には妄想性障害、妄想性人格障害、統合失調症など、さまざまな背景が考えられます。
そのため、妄想癖がつく原因も病気の種類によって異なるでしょう。

たとえば、妄想性障害の場合は脳内で神経伝達がうまくいかなくなる脳のエラーや、疑い深いなどの元からの気質が関係しているのではないかと言われています。
ただし、その仕組みのすべてが解明されているわけではなく、いまだに謎も多く残ります。

また、精神の疾患と言えるレベルでない空想癖のことを言う場合は、1人で過ごす時間が長く人との交流が極端に少ないという環境や、ストレス疑い深いなどの性格が原因の場合もあるようです。

妄想癖を改善するための方法

妄想癖のある人の幻想的な世界

では、妄想癖を改善する方法をみていきましょう。

  1. 身近な人に相談する
  2. 多くの知識に触れる
  3. 日頃から人と交流する
  4. 思い立ったらすぐ行動する
  5. 成功体験を積む
  6. 心療内科を受診する

続いて、妄想癖を改善する方法を、それぞれ詳しくみていきます。

方法①:身近な人に相談する

まず、妄想癖が単なる空想の域を出ないものなのか、精神的な疾患なのかを自分で判断するのは困難です。
重度の妄想にとりつかれている場合には、妄想の内容を事実と信じ込んでいるケースが多く、「どこからどこまでが現実か」ということを自分で把握できていないことが多いでしょう。

そのため、もし人から「それって妄想じゃないの?」などと指摘された場合には、一度身近な人に相談してみることが大切です。
身近な人であれば親身になって相談に乗ってくれますし、客観的な意見を聞くことができます。

妄想が重度なものか軽度なものかも判断してくれるだけでなく、その上でどう対処すべきかも一緒に考えてくれるでしょう。
身近な人に相談することが、妄想癖を改善する第一歩になるのです。

方法②:多くの知識に触れる

自分の頭の中にある知識や経験のみに頼っていると、どうしても視野が狭まってしまいがちです。
だんだんと自分の思い込みにとらわれてしまい、妄想癖が悪化することも考えられます。

そんな時は本や新聞を読んだり、インターネットを使って情報を調べたりするなど、新しい知識を得ましょう
正しい知識や新しい情報を取り入れることで、自分の思い込みが誤っていたことに気がついたり、視野が広がりひとつの心配ごとにとらわれなくなったりします。

妄想癖を改善したり予防したりするために、多くの知識に積極的に触れるようにしましょう。

方法③:日頃から人と交流する

自分1人でいる時間が長いと、どうしても嫌なことや心配ごとばかり思いついてしまうものです。
1人で延々と同じことを考えているうちに、マイナスイメージだけが増幅し、疑念や嫉妬などの負の感情が浮かんでくることもあるかもしれません。

人と交流すると、自分1人で延々と考える時間が減るので、妄想する時間も少なくなります。
また、相手の意見や考えを聞くことで、元気づけられたり新しい発想を得たりすることもあるでしょう。

そうすると視野が広くなり、自分の思い込みにとらわれにくくなります。
妄想癖を改善したいと思ったら、なるべく日頃から人と交流を持つようにすると良いでしょう。

方法④:思い立ったらすぐ行動する

1人で悩みごとを抱えていると、どんどん悪い方向へ考えが向いてしまうこともあるでしょう。
「こうしたら解決できるかも?」と思うアイディアが浮かんでも、しばらく経つと「そんな方法でうまくいくはずがない」「失敗したらもっと事態を悪化させるだろう」と自分で自分の考えを否定してしまいます。

どのようなアイディアにも何かしら欠点はあるのです。
そして時間をかけてすべての可能性を考慮しようとすれば、必ずその欠点を見つけてしまいます。

そうなると実際はうまくいく可能性の方が高くても、細かい懸念事項にとらわれ、行動に移せなくなってしまうのです。
そのため、何か良いアイディアが思い浮かんだら、すぐに行動することが大切です。

行動してみると意外と簡単に問題解決ができたり、新たな発見ができて幸せな気持ちになったりすることもあるでしょう。
思い立ったらすぐ行動することで、問題を深刻化させることを防ぐことができ、妄想から抜け出すきっかけをつかめるかもしれません。

方法⑤:成功体験を積む

人間関係や仕事などで失敗すると、自信を失くし、つい自分の内側に引きこもってしまいます。
そうするとネガティブな考えばかりが浮かび、妄想にとらわれる人も出てくるでしょう。

妄想にとらわれると臆病になったり不信感に苛まれたりして、ますます問題解決が難しくなります。
そうならないためには、自信をつけ、負の連鎖を断ち切ることが必要です。

自信をつけるには、「うまくいった!」と思える成功体験を重ねることが大切です。
まずは確実に成功できそうな小さなことから取り組み、成功する満足感や喜びを味わってみましょう。

小さな成功体験でも少しずつ積み重ねていくことで自信につながり、ネガティブな妄想から距離が置けるようになってきます。

方法⑥:心療内科を受診する

自分の心がけや習慣だけで改善することができるのは、精神的な疾患などがない軽度な妄想癖の場合です。
生活に大きな支障をきたしていたり、周りからたびたび「深刻な妄想癖があるのでは?」と指摘があったりする場合は、心療内科を受診するなど、専門家の助けが必要になるでしょう。

精神的な疾患がある場合は、妄想を事実として信じ込んでいることも多々あります。
そういったケースでは、自分自身で疾患に気づくことは難しいでしょう。

もし身近に妄想を引き起こす精神疾患が疑われる人がいたら、心療内科に連れて行くなどの手段も検討してみてください。

「妄想癖があるかも?」と思ったら

妄想癖と決別した女性

深刻な妄想癖を抱えている人は、「これって妄想では?」という考えすら浮かんでこないケースがほとんどです。
もし「私って妄想癖があるのでは?」と思ったとしたら、仮に妄想癖があったとしても軽度な場合が多いでしょう。

しかし、長い間1人で悩んでいると、悪化して酷い妄想に苛まれるようになる可能性もあります。
もし「妄想癖があるかも?」と思ったら、身近な人に相談するなどして1人で悩みを抱え込まないようにしましょう。

また、定期的に人と交流したりいろいろな知識や情報に触れたりする機会も大切にしてください。
そういった対策をとることで、悩みから解放され妄想癖から遠ざかることができるでしょう。

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ライター
noel編集部

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