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フェミニストとは?

フェミニストの意味

意味

フェミニストとは女性の権利男女平等を主張する人のことです。
女性の社会的、政治的、法律的、性的な自己決定権を主張し、実現するために様々な活動を行っています。

世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ指数2017」で日本は144ヵ国中114位でした。
男女平等は当たり前のように思える今の時代ですが、私たちが住んでいる日本でも男女の性差はまだまだ大きいのです。

それらに向き合い、社会を変えていくために活動している人がフェミニストと呼ばれています。

由来

フェミニストとはそもそもフェミニズムという言葉が基になっています。
フェミニズムとは女性らしいという意味のフェミニン(Feminine)と~主義ということを表すイズム(ism)が合わさっている言葉です。

このフェミニズムを主張する人という意味でフェミニストという言葉が出来ました。

フェミニズムは18世紀のフランス人権宣言の時代に誕生しました。
フランスの人権宣言は一般市民の人権を主張したものでしたが、男性を対象としたものでした。

これに反発して女性の権利を主張するために行った活動がフェミニズム運動の始まりです。
18世紀にヨーロッパで始まったフェミニズム運動は現在に至るまで徐々に広がりを見せています。

フェミニストになる理由

解放を求めるフェミニスト

では、フェミニストになる人の理由をみていきましょう。

  1. 「女」であることより先に「自分」として見られたい
  2. ステレオタイプの女性像への疑問
  3. セクハラや痴漢などへの反発
  4. ポルノや女性蔑視の広告などへの反発

続いて、フェミニストになる人の理由を、それぞれ詳しくみていきます。

理由①:「女」であることより先に「自分」として見られたい

ずっと日本で生活していると気が付きにくいことですが、日本では特に1人の人間として見られる前に女性として見られているという現実があります。
関係が深まるにつれて「性」よりも「個」としての自分を見てもらえるようになりますが、初対面の相手の場合は特に「個」より「性」を意識されてしまいがちです。

日本では相手と関わる時に性以外にも肩書が大きく影響します。
例えば、会社の先輩と飲み会で会話している時も「1人の人間と話している」というよりも「男性の先輩と話している」という意識で会話をする人が多いのではないでしょうか?

これは会社の外でも上下関係が重んじられる日本の文化にも由来していますが、このような事柄を繊細に感じ取ってしまい、生きにくさを感じてしまう人がフェミニストになることも多いです。

理由②:ステレオタイプの女性像への疑問

近年は改められてきていますが、男性は外で働き、女性は家庭を守るという考え方があたり前だと思われていました。
そんな考え方に当てはまらない女性が女性の社会進出や賃金格差の改善を求めて活動をしています。

他にも女性は字が綺麗、料理が上手など小さいことですが、男女の違いには関係ない女性像に疑問を抱いたことがきっかけでフェミニストになる方もいます。

理由③:セクハラや痴漢などへの反発

セクハラ被害や痴漢被害にあったことがきっかけで個人に対する女性蔑視への反発が生まれることも珍しくありません。
セクハラや痴漢は女性だけが対象とされるものではありませんが、その被害者は女性が圧倒的多数です。

理由④:ポルノや女性蔑視の広告などへの反発

電車の吊り広告や雑誌の表紙など日常生活を送るうえで目に入る場所に女性を性の対象とするような言葉や写真がたくさんありますよね。
これらを社会の女性蔑視として問題視している方もフェミニストになります。

フェミニストが行っている活動

フェミニストの活動

では、フェミニストが行っている活動にはどのようなものがあるのでしょう。

  1. 男女の法的権利の平等
  2. 賃金格差の是正
  3. 出産の自己決定権
  4. 選択的婚姻男女別姓
  5. 女性参政権獲得
  6. 文化における性差別の克服

続いて、それぞれの活動を詳しくみていきます。

活動①:男女の法的権利の平等

日本には男女雇用機会均等法というものがありますが、この法律では募集や採用、昇進などで男女間の差別を禁止しています。
1985年にこの法律が制定された時は努力目標とされていましたが、1997年禁止に改正されました。

また、1999年には男女が対等に社会生活を送れることを目的とした男女共同参画社会基本法が制定されています。
このような法律の制定などを求めることで男女の平等を働きかけています。

活動②:賃金格差の是正

男女雇用機会均等法により雇用の男女平等が制定されています。
ですが男女間の賃金格差は現在も大きく、女性の賃金は男性の約70%です。

1990年代は男性の60%ほどでしたので格差が縮まってはいますが、欧州などと比較すると日本はまだまだ遅れています。
このような現実を広めること、改めることがフェミニストの活動の1つです。

活動③:出産の自己決定権

出産の自己決定権とは子供を産むか産まないかいつ産むか何人産むかなどを決定する権利を女性自身が持つということです。
昔は女性は子供を産むことが義務のように考えられていました。

ですが、女性も男性も一個人として子供を持つか持たないか決めることが出来る社会になってきました。

また、子供をいつ、何人産むかという自己決定には産前産後休業や育児休業の取得のしやすさも関わってきますよね。
それらの制度についてもフェミニストは働きかけています。

活動④: 選択的婚姻男女別姓

現在の日本では婚姻の際には夫婦どちらかは姓を改めなければいけません。
そして約90%以上は女性が性を改めているのが現状です。

選択的夫婦別氏制度という結婚後もそれぞれの姓を称することを認める制度が進められていますが、民法に反するため現在も検討が続けられています。

活動⑤:女性参政権獲得

参政権とは直接的、間接的に国や地方自治体の政治に参加するための権利のことです。
日本では男性も女性も年齢制限を満たしていれば投票できる普通選挙が行われていますが、このような平等な選挙権が与えられたのは昭和に入ってからです。

今ではほとんどの国で女性の参政権が認められていますが、サウジアラビアやバチカン市国では現在も女性に参政権はありません。

活動⑥:文化における性差別の克服

文化における性差別とは、文化が生み出してしまった無自覚な性差別のことを指しています。
例えば「看護婦」という言葉ですが、職業の姓の平等性に反するため現在では「看護師」という言葉が使われるようになりました。

また先ほども婚姻において姓を改めるのは女性が約90%と書きましたが、強制されてそうなっているわけではなくそれが当たり前だという日本の文化によるところが大きいです。
このような無意識で行われている性差別に対する認識を広めて、改善する活動もフェミニストは行っています。

フェミニストに対する反対意見

過激派のフェミニスト

では、フェミニストにはどのような反対意見があるのでしょう。

  1. 保守主義による反対意見
  2. 女性優先・男性蔑視になっている
  3. 過激派への批判

続いて、それぞれの反対意見を詳しくみていきます。

反対意見①:保守主義による反対意見

日本では結婚と同時に女性が家庭に入るのが当たり前とされてきました。
この状態で社会を築いてきたために、過度な女性の社会進出は家庭や社会の崩壊を招くと考える人もいます。

働く女性が増えたことで、保育所不足が社会的問題になるなど変化には課題が伴うことがあります。
その他にも、子供と接する時間が減ってしまうことで家庭崩壊が増えるのではないかなどの様々な疑念から変化を求めるフェミニズムに反対しているのです。

反対意見②:女性優先・男性蔑視になっている

フェミニズムは男女平等ではなく女性優先であり男性蔑視ではないかという意見もあります。
日本には「レディースデー」や「女性専用車両」がありますが、それらは女性優先ではないかと言われています。

職業選択における平等性という観点も、そもそも平等とは同等の物に与えられるもので体力的に劣り、また出産をする女性と男性が対等に扱われるべきなのか疑問視する意見もあります。

反対意見③:過激派への批判

フェミニストの中には人気や注目を集めることが目的となってしまい、本来の趣旨ではない過激な言動をとる人もいます。
過激さゆえに注目され、それを見て反フェミニストとなってしまう人も少なくありません。

例えばメイクや整形は男性を喜ばすための行為だと批判したり、レースクイーンは女性蔑視の現れだと廃止を求めるなどです。
SNSなどで自分の意見を広めやすい時代だからこそこれらの発言が注目をあつめて反フェミニストが増えてしまっているのかもしれません。

男性のフェミニストも多い?

フェミニストは女性だけだと思われがちですが、男性のフェミニストも少なくありません。
オバマ元大統領やハリーポッターで有名なダニエル・ラドクリフなども自分はフェミニストと公言しています。

フェミニストの主張は女性優先ではなく男女平等です。
女性と男性が協力しないと実現する物ではありません。

ですが、残念なことに日本にはフェミニストには女性に甘い男性という意味もあります。
本来のフェミニストの意味とは異なる意味が広がってしまい、日本では男性のフェミニストが増えずらい状況があります。

フェミニストについてのまとめ

幸せを求めるフェミニスト

今回はフェミニストについて紹介してきました。
フェミニストやフェミニズムは間違った認識を持たれている言葉ですが、本来の意味や目的は過激なものではなく男女平等を求めるものです。

日本でフェミニストに批判的な意見を持っている方も、差別をしたいと思っているわけではないはずです。
正しい意味を理解した上で自分の立ち位置を決められるといいですよね。

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ライター
noel編集部

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