自己憐憫の意味とは?自己憐憫に陥りやすい人の特徴・心理&5つの克服法
何かと言うと自己卑下してみせたり、自分で自分を否定するような、ネガティヴな言動を繰り返す人がいます。 さらにそうした自己憐憫な行動で、さらに周囲から敬遠されたり、疎ましがられるという悪循環に陥るケースもしばしば。 そこで、自己憐憫に陥りやすい人はどんな人か、特徴や心理、対策などをご紹介します。
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自己憐憫の意味とは?
自己憐憫(じこれんびん)とは、自分自身のことを、哀れでかわいそうな人と考えたり定義付けたりすることを、指します。
具体的な例で挙げれば、長年の片思いの末に失恋してしまった時などに、「なんてかわいそうな私、あんなに一途に彼のことを愛していたのに、こんなに手ひどい振られ方をするなんて」と、自分のことを自分で弁護したり、気持ちを斟酌したりすることです。
つまり、自分の身の上に起きた不幸や不運を、自分で嘆き悲しむ様が、典型的な例なのです。
自己憐憫に陥りやすい人の特徴
では、自己憐憫になる人の特徴とはどんなものでしょうか?
以下は、自己憐憫になる人の特徴の代表例です。
- 自己を肯定する力が弱い
- 仲間はずれが怖い
- 要領が悪い
- 自己卑下ばかりする
- 自己に陶酔しやすい
- すぐに逆ギレする
- 人の忠告を聞き入れない
- 似た者ばかりで集う
特徴①:自己を肯定する力が弱い
自分を憐れむようになりやすい人の特徴としてまず挙げられるのは、自己を肯定する力が弱いことです。
特に、対人関係において、すぐに誰かと自分を比較して自分の方が劣っていると考えたり、得意なことを人に誉められても、素直に受け取れずに相手の言葉の裏読みをしてしまう、というような人に多い傾向があります。
特徴②:仲間はずれが怖い
自分を憐れむようになりやすい人には、学生時代や子供の頃の友達付き合いのトラウマから、極端に孤立や、仲間はずれを怖れるタイプの人もいます。
とにかくグループに属していたいがために、自分から自己卑下したり、卑屈になってみせることで嫌われないようにしようという、自己防衛本能が働くのです。
特徴③: 要領が悪い
自分を憐れむようになりやすい人には、要領が悪く、日々叱責されることに対して萎縮してしまっている人もいます。
本来はやる気もあり、責任感もある人格であるにもかかわらず、何をどうしたらうまくいくようになるのか、というきっかけがつかめないままに、ずるずると自信喪失してしまっているケースも、意外と多く見られます。
特徴④:自己卑下ばかりする
自分を貶める発言を繰り返すのも、大きな特徴の1つです。
これは人に責められる前に、自分から「ごめんなさい」「私が悪い」と言っておけば、それ以上追い込まれるリスクが減らせるため。
そのため、自分を憐れむようになりやすい人の中には、実はモラハラやパワハラの被害者も少なくありません。
特徴⑤:自己に陶酔しやすい
自分が悪い、と自分で自分を責めさいなむことは、ある種のナルシスト的思考にも、繫がります。
傍から見ると、一見自分に厳しいストイックな人のようにも受け取られますが、実際はそういう自分に酔っているだけということも、多いようです。
特徴⑥:すぐに逆ギレする
自分を憐れむようになりやすい人には、内心で「世界で一番哀れな私」と感じていることも多々あります。
そのため慰めるつもりで「辛いのは、あなただけじゃない」などと言われると、自分のことをないがしろにされたように感じて、逆ギレすることも少なくありません。
特徴⑦: 人の忠告を聞き入れない
自分を憐れむ癖のある人は、「なんて哀れな私」で自己完結してしまっているため、人の忠告を聞き入れません。
口では「変わりたい」「どうにかしたい」と言うことはあっても、最終的に悪いのは、こんなに私を悲しませている周囲と考えているので、自分から努力して変わる必要性を、余り感じていないのです。
特徴⑧:似た者ばかりで集う
自分を憐れむようになりやすい人は、似た者同士で集まりがちです。
似ているからこそ、相手の言って欲しいこと、して欲しいことが、手に取るようにわかるので、一緒にいると心地よいのです。
しかし、その反面、反省や進歩もなく、いつまでも同じことを繰り返してしまうといった、相互の悪影響も強くなってしまいます。
自己憐憫に陥る人の心理
では、自分を憐れむようになる人の心理はどんな心理状態なのでしょうか?
以下が、主な自己憐憫になる人の心理です。
- 自分が一番哀れ
- 周囲は皆自分を嫌っている
- 相手の気を引きたい
- 否定してもらいたい
- 同情して欲しい
心理①:自分が一番哀れ
自己憐憫になる人は、何かというと、自分が一番哀れだと考える癖がついてしまっています。
冷静に周囲を見回してみれば、不運に見舞われているのも、不幸が訪れているのも自分だけということは、まずありません。
しかし、そうした客観性を無視し、あくまでも自分が、一番憐れまれるべき存在と信じて疑わずにいることが、ほとんどです。
心理②:周囲は皆自分を嫌っている
本当の原因は、他にあるのに、周囲から孤立していたり、敬遠されていることを盾にとって、自分を憐れむようになる人も、大勢います。
なぜなら、敬遠される原因を直視することは、自分の欠点を直視することになるからです。
そうした試練から逃れ、最もお手軽に自分を正当化するために、自己憐憫に逃げ込もうという、心理が働くのです。
心理③:相手の気を引きたい
好きな異性の気を引きたいがために、自己憐憫になってみせるタイプの人もいます。
特に、好きな相手が面倒見が良く、リーダーシップのある人などの場合には、自己憐憫に浸るけなげな自分をアピールすれば、きっと構ってくれるに違いない、と思う気持ちが、働くためです。
心理④:否定してもらいたい
自分を憐れむ癖のある人には、口では自己卑下してみせても、内心では「そんなことないよ」と言ってくれるのを期待している人が、多くいます。
これは相手が一生懸命に励まそうとしたり、なだめようとしてくれるのが、快感だから。
そのため、相手が素直に「そうだね、だめだね」と肯定しようものなら、逆ギレする人も、少なくありません。
心理⑤:同情して欲しい
自分を憐れんでばかりいる人には、とにかく皆に同情して欲しい、かわいそうだと思われたい、という悲劇のヒロイン症候群とでも言うべき人も、います。
こうしたタイプの人は、常に誰かにちやほやしてもらいたい、注目の的でいたいという願望も強く抱えています。
そのため、自己憐憫になる時も、独りで部屋にこもって、ということはなくわざわざ周囲にアピールする場合も、よくあります。
自己憐憫に陥る原因
では、自己憐憫になる原因とは何なのでしょうか?
以下の自己憐憫になる原因をご紹介します。
- 自分に自信がない
- あまり褒められたことがない
- 慰めてもらいたい
原因①:自分に自信がない
自分を哀れんでばかりいる原因の筆頭には、自分に自信がないことが、まず挙げられます。
その原因から抜け出せない理由には、幼少期からずっと優秀な誰かと比較されてきたことによるトラウマを指摘される人も、多いようです。
特に、年齢も近くできの良い子として評判だった、兄弟姉妹や従姉妹が身近にいた場合、周囲の大人たちの「○○と比べると、この子はだめなのよ」といった言葉の1つ1つが刃となって心の奥深いところを傷つけている、といったこともあります。
その際かばってくれる人が身近にいる、あるいはスポーツ、芸術、気立てなど、他の点で優れたところを認めてくれていれば、問題ありません。
しかし、ただただ比較され続けるだけだった場合、大人になってもなかなか自分の価値を、自分自身で認めることができない、というジレンマから、自分を哀れんでばかりいる人もいるのです。
原因②:あまり褒められたことがない
子供の頃から、何でも良く出来るのが当たり前、の優等生として育った人にも、自己憐憫癖の強い人がいます。
その理由は、努力して努力して、成果を掴んだにも関わらず、周囲が「何の苦労もなく、簡単に出来たんでしょ」としか受け止めてくれず、誉めて欲しいタイミングの時に誉めてもらえなかったせい。
どんなに頑張っても、辛い思いに耐えても、どうせ自分の努力なんてちゃんと誉めてもらえないと思う気持ちが、自己憐憫に繋がってしまうのです。
原因③: 慰めてもらいたい
何かと言うと、すぐ自分を哀れんでばかりいる人の中には、自己憐憫になっている様を他人に見せることで、慰めたり同情してもらいたいという人も、少なくありません。
こうした心理から自分を哀れんでばかりいる人は、ひっそりと振舞うということは、まずありません。
ある意味、これ見よがしに落ち込んで見せたり涙を見せたりして、周囲の注目を少しでも浴びようとする行為が、こうした自己憐憫の人のとりがちな行動の1つです。
LINEやツイッター、インスタなどのSNS上で、「いかにも」な、心象風景の写真と共に、ポエムを投稿したり、訳ありげな文章を連投したりというケースも、この自己憐憫アピール型に、該当します。
自己憐憫に陥るデメリット
では、自己憐憫になった時のデメリットとはどんなものでしょうか?
以下の自己憐憫になるデメリットをご紹介します。
- うっとうしがられる
- 責任ある仕事を任されない
- 面倒くさい人と思われる
デメリット①:うっとうしがられる
自分を哀れんでばかりいる人は、どうしても被害者意識が強くなる傾向にあります。
そのため、何かと言うと涙ぐんだり、激高したりしてトラブルメーカーになってしまうことも。
また、場のムードを気まずくしたり沈うつなものにしてしまうことも多いので、友達グループなどの集まりなどに招かれなくなるなど、孤立化してしまうこともあります。
デメリット②:責任ある仕事を任されない
自分を哀れんでばかりいる人は、自分に自信がなく常に周囲のサポートを当てにしてしまう場合が、多く見られます。
そのため、リーダーシップを発揮することを要求される仕事や、役職、さらに顧客相手の密な付き合いが必要とされる職種では、「力不足」と見なされることもしばしばです。
デメリット③:面倒くさい人と思われる
自分を哀れんでばかりいる人には、自分に自信がないタイプが多いのは自明の理ですが、そのために周囲からは、扱いが面倒くさい人認定されることも、多くあります。
本人に悪気はなくても、自分の自信のなさを払拭したいがために、周りの人間にしつこいほど「大丈夫」と言ってもらいたがるのです。
異性間であれば、初めのうちは「可愛い人だ」と思ってもらえるかもしれませんが、あまりにしょっちゅうだと、「おだてたりなだめたり、いいかげん面倒くさい」と、呆れられる可能性が高くなります。
うざいと思われてるかも?自己憐憫に溺れやすいかチェック
では、自己憐憫に溺れやすいかどうかをチェックするにはどうしたらいいのでしょうか?
以下のチェック項目をご紹介します。
チェック①:「自分なんか」が口癖
何かと言うとすぐに「自分なんか」や「自分なんて」と口にするのが癖、という人は自己憐憫になりやすいタイプと、言えます。
なぜかといえば、自分では自己憐憫になりたいと思ってはおらず、それが単なる口癖だとしても、しょっちゅう耳にさせられる周囲の人にしてみれば、ネガティヴな人としか思われない可能性が、高くなるからです。
それが常態化すると、「自己卑下じみたことを言う」から「ネガティヴな人と思われる」に繫がり、「鬱陶しがられて孤立する」ことになり、今度はそれが自分を憐れむ心を産むという、悪循環に繋がります。
チェック②:損な役回りが多いと思う
普通にしているつもりなのに、何故か自分は損な役回りが多いと感じていたり、ついてないことが多いと思っている場合は、不平不満が積もり積もって、自己憐憫になることが多いパターンです。
不公平感を我慢ばかりしていると、そんな自分がいじらしかったり、けなげだと感じたりすることが、増えてしまいます。
チェック③:夜更かしばかりしている
夜更かし傾向が強い人は、自分を哀れむ行動にでる傾向が強いという説があります。
なぜかと言えば、夜遅くまで起きている人には飲酒を好む人が多いため。
ちょっと酩酊した状態だと、普通では何とも思わないことが、より大きく感じられることが多くなり感情のふり幅も必然的に、大きくなります。
そのため、泣き上戸になったり、自分を憐れんで泣くようなことがしばしばです。
自分に酔いすぎ!自己憐憫を克服する方法
では、自己憐憫に打ち勝つにはどうしたらいいのでしょうか?
以下が、自己憐憫から脱却するのに役立つ方法です。
- 日記をつける
- 他人と比較しない
- 達成感を演出する
- 謙遜と自己卑下を混同しない
- 責任転嫁しない
方法①:日記をつける
自分で自分を憐れむ癖を解消したい、という時に有効な方法の1つが、日記をつけることです。
なぜなら、すぐ自分を憐れむ行動に走る原因は自分のことを客観視できないことにあることが多くある為です。
自分を憐れむ行動に走りたくなったら、まず日記帳に自分の思いのたけを思う存分、書いてみましょう。
そして、翌朝明るい日の光の下で自分の日記を読み返してみることが、ポイント。
自分の自己憐憫ぶりや、ナルシストぶりに赤面できるようであれば、克服への第一歩です。
方法②: 他人と比較しない
自分を憐れむ行動に走る人は、すぐ誰かと自分とを比較して、わざわざ自分で劣等感の演出をするようなところが、あります。
そんな人は、自分は自分、他人は他人と割り切り、自分には自分の良いところがあるはず、と信じることが大切。
それでも劣等感にさいなまれそうになったら、自分の良い点を少しでも伸ばすように努力すればいいだけです。
方法③: 達成感を演出する
自己卑下の泥沼状態で苦しんでいる場合は、小さなことでも良いので、達成感を味わえるようにしてみる、のもおすすめの克服方法です。
例えば、英語に苦手意識を持っているのなら、英語学習アプリで毎日少しずつでも勉強するようにする。
体型にコンプレックスがあるのなら、1駅分歩くように心がける、といった小さな努力をまずは続けてみることから始めてみるのが、おすすめ。
1ヶ月ごとの節目には、自分で自分にごほうびをあげてもいいですね。
方法④: 謙遜と自己卑下を混同しない
自分を憐れむ行動に走る人に、多いのが謙遜と自己卑下を混同することです。
常に謙虚に振舞うのは素晴らしいことですが、行き過ぎた謙遜や自己卑下は、周囲を居心地悪くしてしまうもの。
誉められた時は素直に受け取り、よりいっそう周囲に認めてもらえるように努力する方向へと、切り替えていきましょう。
方法⑤:責任転嫁しない
自分を憐れむ癖を打ち勝ちたいなら、自分を憐れむ行動に走るきっかけとなった、失敗や失態を責任転嫁しないことが、大切です。
自分を憐れんでばかりいる人は、表面上は「自分が悪い」と思っています。
しかし、心の奥底では、「自分は悪くない」「自分にあんな大変な仕事を押し付けた、周囲が悪い」「理不尽な目に遭わされて、私ってなんてかわいそう」の三段論法しかありません。
まずは自分の至らなかった点をきちんと把握し、同じ失敗を2度と繰り返さないように努力することこそが、克服への近道です。
自己憐憫になっている人への上手な接し方
では、自分を憐れむのが癖になってしまっている人にはどう接したらいいのでしょうか?
以下が、代表的な上手な接し方の具体例です。
- 深く関わらない
- 相手のペースに乗せられない
- 安易に同情しない
方法①:深く関わらない
自分を憐れむのが癖の人は、すぐ被害者ぶってしまうことが、よくあります。
自己憐憫したくてうずうずしている状態なので、うかつに構うと延々と関係をもたされてしまうので、注意が必要。
最善の方法としては、一線を引いて、それ以上は踏み込まないし踏み込ませないのが一番です。
それでも、職場などでどうしても一定の付き合いをしなくてはいけない、という時は、ビジネスライクに徹して、プライベートでの関わりをシャットアウトするようにしましょう。
方法②:相手のペースに乗せられない
自分を憐れむのが癖という人は、いつのまにか自分のペースに相手を巻き込むことに長けています。
初めはそんな気がなかったのに、いつの間にか相手の話や涙にのせられて励ましたり、慰めたりさせられるだけで済めば、まだ良いのですが、場合によっては相手の自己憐憫の原因となった、失敗などの後始末を押し付けられてしまうことも。
「どうもこの人は、自己憐憫癖がありそうだな」と思ったら、一対一での付き合いは極力避け、うかうか相手のペースに巻き込まれないようにするのが、おすすめです。
方法③:安易に同情しない
自分を憐れむのが癖になってしまっている人には、同情を引きたくてうずうずしている、いわゆる「構ってちゃん」の人も数多く含まれます。
いかにも哀れな話をされると、ついほだされそうになってしまうかも知れませんが、こうした人に安易に同情すると、ターゲットとされてしまう可能性が高くなるだけです。
SNS上などでも軽い気持ちから、同情するようなことを書き込んでしまうと、ずっと粘着されてしまうリスクがあるので、よく知らない人の自分を憐れんだような投稿にリアクションする時は、充分注意しましょう。
自己憐憫を克服して、自分を好きになろう
経験していないという人の方が、少数派といえるほど、ついつい自己憐憫の感情にどっぷりと溺れてしまうということは、よくあります。
しかし、だからといってそうした自分を憐れむ行動に慣れきってしまい、何の努力も改善策もはかろうとしないのは、まさに負のループ。
自分を憐れみそうになったら、まずは、どうしてそうなったのか、その原因と、きちんと向き合うことから始めましょう。
1つ1つ時間がかかっても、解決していくことで、自分のことをもっと好きになれる毎日が、待っているはずです。
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