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大阪の方言(大阪弁)の特徴・種類

大阪城の城下町で使われる大阪の方言

大阪の方言(大阪弁)の特徴

大阪の方言のアクセントは独特です。
特に2文字の名詞は標準語とは全て反対です。

例えば、ハシ(橋)は標準語だと「シ」の音が高くなり、大阪の方言では「ハ」の音が高くなります。
しかし、ハシ(箸)は標準語では「ハ」が高くなり、大阪の方言では「シ」が高くなります。

犬(イヌ)だと標準語は「ヌ」のアクセントが高くなり、大阪の方言だと「イ」の方が高いアクセントです。
これが一文字の名詞だと語尾を伸ばします。

「手」「目」「歯」「血」などは通常「て」「め」「は」「ち」と発音しますが、大阪の方言では「てぇー」「めぇー」「はぁー」「ちぃー」という発音です。

これが会話になると「歯が痛い」だと「はぁーがいたい」となりますが、多くは「が」が抜けて「はぁーいたい」となるのが一般的です。

語尾については、省略されることが多く、「行こう」→「いこ」、「遊ぼう」→「あそぼ」、「寝よう」「ねよ」となります。

それらの動詞を否定形にすると「行かへん」「遊ばへん」「寝えへん」という表現になります。
そして、大阪の方言と言えば文末につく「~やん」「~てん」「~ねん」でしょう。

大阪の方言(大阪弁)の種類

大阪弁というと関西弁とひとまとめにされることがありますが、大阪の方言と京都の方言は全く違いますし、和歌山弁や奈良弁も表現が違います。

また、大阪の方言の中にもいくつのかの種類があり、河内弁、泉州弁、摂津弁などが知られています。
大阪は商人の町なので、大阪城の西は「船場(せんば)」と呼ばれていました。

そこで使われていた言葉は船場言葉と言われ、大阪市内の言葉はこの船場言葉です。
しかし、大阪府全体では大きな差異はなく、それよりも若年層と老年層の大阪の方言の差異の方が大きくなっています。

例えば「~ですよね」を「~でっしゃろ」、「ないです」「ありゃしません」などは高齢者の方でしか聞かれなくなっています。

大阪の方言(大阪弁)のよく使われる定番表現

大阪の方言が飛び交う法善寺横丁

①:~ねん

ドラマや映画、商品名にも使われている「好きやねん」という言葉は有名です。
「~ねん」は一般的によく使われるフレーズになります。
「ディズニーランドに行きます」→「ディズニーランドに行くねん」、「車を買う」→「車を買うねん」などです。

②:知らん

お笑い芸人さんが良く使う大阪の方言のフレーズです。「知らんがな」「知らんわ」「知らんけど」など耳慣れたフレーズでしょう。

最後が「ん」で終わる言葉は他にもあり「いらない」→「いらん」などがありますが、どちらかといえば「~へん」と解釈する方がわかりやすいでしょう。
「行かない」→「いかへん」、「買わない」→「買わへん」などです。

③:ええなぁ

「良いね」の意味です。
「ね」→「な」に代わっているだけの表現ですが、これだけで大阪の方言らしくなります。

「大きいね」→「大きいなぁ」、「暑いね」→「暑いなぁ」、「怖いね」→「怖いなぁ」などです。
大阪の方言は語尾を少し伸ばすのがポイントです。
これで柔らかい表現になるでしょう。

④:~といて

「~しないで」の意味です。
「行かないで」→「行かんといて」、「言わないで」→「言わんといて」となります。

単体だと「~せんといて」となり「そんなことしないで」→「そんなことせんといて」となり、動詞につけることで「といて」が残ります。

⑤:そやな

「そうだね」という意味で、正確には「そうやな」となります。
それが短く表現されて「そやな」「そや」「せや」ともなりますし、逆に長くなると「そうやねん」「そやねん」とも言います。

これは大阪の方言で会話していて相槌によく使いますが、話しを聞きながら「そやな」「そうやな」と言うと「うん」と言うより真剣に話を聞いてくれているような気がして良いでしょう。

⑥:ほんま

大阪の方言といえばこのフレーズを思い浮かべる人も多いでしょう。
「本当」という意味ですが、これの変形がたくさん使用されています。

「ほんまに」「ほんまやで」「ほんまもん」「ほんまかいな」など、よく聞く表現でしょう。
この中の「ほんまもん」とは「本物」という意味です。
「このブランドのバッグは本物?」→「このブランドのバッグはほんまもん?」となります。

⑦:~でっか

明石家さんまさんの「ほんまでっか」という番組タイトルがあるので一般的な表現でしょう。
しかし、実際に「~でっか」という人は少なくなっています。

高齢者や昔ながらの商店街のおじさんだけが使用しています。
元々「~ですか」と意味なので、「ほんま」という表現は若い人でも使用するので「ほんまですか」という表現の方がスタンダードです。

そのため、「いくらですか」も「いくらでっか」は高齢層、若い人は「いくらなん」「なんぼなん」と言う表現の方が一般的な大阪の方言でしょう。

⑧:~ちゃう

「~違う」という意味です。
「あれ、○○さんと違う?」→「あれ、○○さんちゃう?」となります。

「違う人みたい」→「ちゃう人みたい」になりますが、お笑いのネタで「違う違う」→「ちゃうちゃう」と表現するので「ちゃうちゃう(犬種)ちゃう?」となることからネタになっています。

⑨:あかん

「ダメ」→「あかん」です。
「行ってはいけない」→「行ったらあかん」、「走ったらダメ」→「走ったらあかん」となります。

長いフレーズになると「そのようなことは言ったらいけません」→「そんなんゆうたらあかん」となり、一気に大阪の方言らしくなるでしょう。

⑩:いらん

「いらない」と言う意味ですが、これも全国的に知られているでしょう。
「これ、要る(必要)?」→「これ、いらん?」となります。

⑪:~ねや

「遊んでいます」→「遊んでんねや」、「ダイエットしています」→「ダイエットしてんねや」となります。
ヒットドラマ「男女七人夏物語」で「もう、遅いねや」は有名なセリフです。

⑫:ほんで

「それから」という意味合いになります。
「それからどうなったの?」→「ほんでどうなったん?」、「昨日海に行った。それから、泳いだ」→「昨日海に行ってん。ほんで、泳いでん」となります。

会話の途中で話の続きを聞くときに「それから?」と言いますが「ほんで?」と疑問形も同じです。

⑬:おもろい

「面白い」の表現ですが、このように間の「し」が抜けているだけで大阪の方言らしくなります。
「あの人は面白い人」→「あの人、おもろい」です。

大阪の方言の特徴として「が」や「は」が抜けることが多いです。
「手が痛い」→「てぇ、痛い」、「あの人はダメだね」→「あの人、あかんわ」と短縮します。

⑭:めっちゃ

「非常に」「とても」の意味です。
これは大阪の方言の中でも若者の中で定着した表現です。

「本当に面白い」→「めっちゃおもろい」になります。
「凄く足が速い」→「めっちゃ足早い」となり、表現を大阪の方言にして更に「が」を短縮するとますます大阪の方言らしくなるでしょう。

大阪の方言(大阪弁)の告白フレーズ・かわいい表現

大阪の方言を話す人

①:好きやねん

大阪弁の可愛い表現の上位に必ずくるのがこの「好きやねん」でしょう。
「あなたのことが好きやねん」「お前のことが好っきゃねん」と言葉尻が柔らかいので優しさも感じます。

また、曲のタイトルやドラマの題名にも使われることが多く、インスタントラーメンの商品名なのも有名です。

そして、歌手やしきたかじんさんの「やっぱ好きやねん」というヒット曲から更にメジャーになった大阪の方言とも言えるでしょう。

②:行かんといて

デートの帰り間際に「行かんといて」「帰えらんといて」と言われたら男性はたまらないでしょう。
「~といて」は女性がよく使うフレーズで、語尾がソフトな表現なので「~しないで」とお願いしている意味になりますが、キツく命令している雰囲気になりません。

「そんなこと言わないで」→「そんなこと言わんといて」となるので、思わず言うことを聞いてしまいませんか。

③:ほんまやねん

「本当だよ」と言う意味です。
これは何かの会話に組み合わせると更に可愛くなります。

例えば、「好きやねん」と言われた時に「ほんま?」と聞かれて「ほんまやねん」と続くと癒される表現になるでしょう。

④:あかんねん

「ダメ」と直訳してしまうとキツイ言い方になりかねますが「あかん」と言われるとどこか抜けた表現になってソフトになります。

例えば「今日、泊まったらダメ?」と彼氏に言うよりも「今日、泊まったらあかん?」と言われるとドキッとします。

また、彼氏がキスを迫ってきた時に「ダメ」と言ってしまうよりも「あかんねん」と言われた方が興奮度が高まるでしょう。

⑤:ええよ

「いいよ」と意味ですが、彼氏との会話で使うと可愛いでしょう。
彼氏が「キスしてもいい?」と聞いてきたら「ええよ」と答えるとほんわかした雰囲気もあり、可愛い女の子を演出できます。

また、変形した表現として「~してええよ」とも使えるので「今日、泊まって言ってもええよ」「手をつないでもええよ」と何かを促す言葉として表現できます。

⑥:ぬくい

「温かい」の意味です。
「春が来て温かいね」→「春が来てぬくいね」、「まだご飯があたたかい」→「まだご飯がぬくい」とも言います。
この言葉を標準語と思い込んでいる人が多い大阪の方言です。

大阪の方言(大阪弁)の面白い表現

大阪の方言が聞こえてくる道頓堀

①:ほかす

「捨てる」という意味です。
これは、大阪の人でも大阪の方言と認識していないことが多く、大阪以外の人に「これ、ほかしといて」と言って「は?」と言われることもよくあります。

「ゴミ捨てる」→「ゴミほかす」となります。
そのため、大阪の方言を知らない彼氏が出来て「これ、ほかさんといてな」と言っておいても通じずに大切なものを捨てられる可能性もあるので注意しましょう。

②:めばちこ

目にできる「ものもらい」のことです。
めいぼとも言うでしょう。

これは大阪以外の関西地区でも使われている表現です。
しかし、関西を出た途端、通じないと言うことが起こります。
「めばちこができた」と言っても東京では通じない可能性大です。

③:こそばい

「くすぐったい」と意味です。
さらに「こしょばい」という言い方も一般的です。

わき腹をコチョコチョとされた時に「こしょばいやんか」と言います。
また、大げさに褒められたりすると身体の感覚でなくても「そんなこと言われたらくすぐったいわ」と表現しますが、それも同じで「そんなこと言われたらこしょばいやんか」という言い方をします。

④:知らんけど

これは有名な表現ですね。
とても便利な大阪の方言で、標準語の人がわざとこれを言葉を発した後につける場合があります。

「あそこにデパートができるらしいで。知らんけど」と「知らんけど」をつけるだけで自分が言ったことの責任を軽くできます。

「私は聞いただけで本当かわからないけど一応、言っておくわ」的な表現でしょう。
また、変形した言葉として「知らんがな」という言葉もあります。

これは「あそこにデパートが出来るって知ってる?」と聞かれて「知らんがな」と答えます。
それはただ知らないだけではなく、そんなこと私に聞いてどうする、知っているはずがないでしょという意味にもつかわれます。

⑤:いわす

「痛める」という意味です。
肩を痛めた時に「肩をいわす」と使います。

例えば、足を引きずっている人がいると「足、いわしたの?」となります。
また、悪い表現として喧嘩になった時に「いわしたろか」とも表現しますが、それは「痛みつけてやろうか」「どついたろか」「しめてやろうか」という意味です。

映画などで「ガタガタ言ってたらいわすぞ」というようなセリフを聞いたことあると思いますが、「痛めつけてやろうか」という意味です。

⑥:飴ちゃん

これも有名ですね。
どうして飴に「ちゃん」をつけるのでしょうか。

でも、どこか可愛らしい表現ですので、女性なら使ってみると良いかもしれません。
実際「飴、食べる?」と言われより大阪の方言で「飴ちゃん、食べる?」と言われた方がほっこりするでしょう。

⑦:さら

新品という意味です。
新しい洋服を友達が来ていたら「それ、さら?」と聞いたりします。

「それ、新品?」と言う意味です。
また、同じ意味でさらっぴんとも言います。

「これ、あげる。さらっぴんやで」と言い「これ、あげる。新品だから」となります。
この言葉は大阪の方言でないと思っている人が多い単語のひとつです。

大阪の方言(大阪弁)を話す芸能人やドラマ・映画

大阪の方言が響く夜景

大阪の方言を世に広く広めたと言われているのが、明石家さんまさんと大竹しのぶさんが共演した「男女七人夏物語」「男女七人秋物語」でしょう。

大阪が舞台のドラマや映画はよくありますが、標準語の中に大阪の方言を話す人がいても、それは一キャラクターであって、主役ではありませんでした。

しかし、このドラマでは主役が大阪の方言を話すと言う設定で珍しいとも言えます。
また、関西出身のお笑い芸人さんは東京に進出したからといって、標準語になおさないので、他の地方の方言よりも大阪の方言は耳慣れた言葉といってよいでしょう。

また、映画では「極道の妻シリーズ」が有名ですが、やはり大阪の方言としてイントネーションに違和感があるので、完璧とはいえないかもしれません。

大阪の方言をうまく使いこなそう

大阪の方言を使う都会

東京で活躍する芸能人も、わざと大阪の方言を使ってその場を和ませる時があります。
例えば「知らんがな」「あほちゃうか」「あかん」など、とても一般的な言葉になっていってます。

大阪の方言の語尾は女性だと柔らかくなります。
「~ねん」「~なん」など耳から聞く音もソフトなので、うまく標準語に混ぜて使うと可愛らしくなるでしょう。

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ライター
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