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方言「だんだん」の基本的な意味と由来

方言「だんだん」を使う日本の景色

「だんだん」という方言、あなたは聞いたことがありますか?
「だんだん」と言われても、一体どういう意味なんだろうと考える人も多いですよね。

「ゲゲゲの女房」というドラマでも「だんだん」が登場し「どんな意味なの?」と疑問に思う人がたくさんいました。
方言の詳しい意味や由来をじっくり探っていきましょう。

意味

方言「だんだん」の意味は「ありがとう」
ただ感謝を伝えたいときはもちろん、何かいろいろな世話を焼いてもらったり「たくさんのことに感謝を伝えたいとき」にも使用します。

感謝の気持ちをしっかり伝えたいというニュアンスが含まれていて、人に何かをしてもらったときに心からの感謝を伝えるため方言「だんだん」を使います。
例えば、「手伝ってくれてだんだん」だと「手伝ってくれてありがとう」という意味なので覚えておくといいでしょう。

由来

方言の「だんだん」は、漢字に直すと「段々」です。
段がいっぱい重なっているということは「重ねがさね」や「いろいろと」「たくさん」などという意味ですよね。

最初は「だんだんありがとう」と使っていたのですが、徐々に「だんだん」と短くなっていき今の形になりました
ニュアンスもかわいいですし、意味もステキなものなので覚えておくと結構使いやすい方言です。

また今から200年以上前の京都では「遊里」と呼ばれる遊郭が集まった地域があったのですが、そこでの挨拶として「だんだん」が使われていました。
その挨拶が全国へと広がっていき、いつしか方言として使われるようになったんですね。

方言「だんだん」を「ありがとう」の意味で使う地域と使い方

方言「だんだん」を書こうとしている様子

続いては方言「だんだん」を使っている地域を探っていきましょう。
各地域ごとに詳しい意味や方言の使い方について紹介します。

島根

島根県が舞台のNHK朝ドラのタイトルにもなったほど、島根県ではメジャーな方言。
「ありがとう」と感謝を伝えるときに使います。

「こんなごっつぉごしなはった、だんだん(こんなごちそうをくれて、ありがとう)」という使い方をします。

鳥取

人気アニメ「デジモン」映画では舞台の1つに鳥取県があったため「だんだん」を劇中のセリフに使用していました。
「ありがとう」と感謝を伝えるときに使います。
主に鳥取県と島根県の県境でよく聞く方言です。

使い方は、たとえば「だんだん、よぉきんさった(ありがとう、よく来たね)」です。
島根県の方言の使い方と、あまり変わりはありませんね。

愛媛

愛媛県でも他の県と同じように方言の「だんだん」の意味は「ありがとう」です。
「いろいろありがとう」と使われることもあり、先ほど紹介した由来の通り「だんだん」には「いろいろ」とか「たくさんの」という意味が含まれているためです。

「頑張るけん、応援してくれてだんだん(頑張るね、応援してくれていろいろとありがとう)」と言う使い方をします。
愛媛県の方言は「伊予弁」と呼ばれていますが、女の子が使うとかわいいと言われるほど少しポップな印象を受けると話題の方言です。

熊本

熊本県では他の県と違って「だんだん」だけで「ありがとう」と表現するのではなく「だんだんな〜」とか「だんだんどうも」と言って「ありがとう」という意味になります。

そして「だんだん」は熊本県の場合「さようなら」という意味で使われることもあるので、会話の内容をよく聞いておく必要がありますね。
熊本県の熊本弁で、都市部ではほとんど使われません。

方言「だんだん」を「ありがとう」以外の意味で使う地域と使い方

だんだんという方言を書こうとしている手紙

方言の「だんだん」は「ありがとう」という意味だと、主に西日本で使われることが多い印象ですね。
実は日本には「だんだん」をほかの意味で使う地域も存在しています

地方ごとに方言もたくさんあるので、同じ言葉でも違う意味になることだってありますよね。
他の意味で使う地域と、その使い方を紹介していきます。

山形

方言「だんだん」は山形県において「いろんな」という意味で使われています。
「だんだんあがてけらっしゃい(いろんな食事を召し上がってください)」という使い方をします。

新潟

方言「だんだん」は新潟県でも山形県と同様に「いろんな」という意味で使われています。

新潟県は方言の発音が独特で、単語の一番最初にアクセントをおきます。
だから「だんだん」も最初の「だ」にアクセントおいて発音しましょう。

「最近だんだんなじ?(そちらは最近いろいろとどうですか?)」という使い方をします。

福島

福島県では方言「だんだん」を「そろそろ」という意味で使います。

「だんだんあばんしょう(そろそろいきましょう)」という使い方をします。
福島県の方言はイントネーションの違いはもちろん言い回しも結構独特なため、なかなか聞き取れないことも多いのが特徴です。

【番外編】「だんだん」以外のありがとうを意味する方言

だんだんという方言の「ありがとう」を表すロゴ

ここからは、各地方ごとにありがとうという意味の方言を見てみましょう。

自分の住んでいる地方でも「こんな言い方あったんだ?」と思うような方言がきっとあるはず。
覚えておいて、ぜひ方言に対する知識を深めてみてくださいね。

北海道・東北地方

北海道・東北地方の「ありがとう」を表す方言をご紹介します。
北海道では「いや助かった」というのがかなり特徴的ですよね。

  • 北海道:いや助かった
  • 青森県:ありがとうごす
  • 岩手県:ありがとうがんす
  • 宮城県:まんずどうもね
  • 秋田県:おぎに
  • 山形県:おしょうしな
  • 福島県:たいへん

中部地方

中部地方の「ありがとう」を表す方言を紹介します。

中部地方では「ごちそうさま」を使った方言を新潟県と富山県で使っています。
食事をいただいたあと感謝するときのような、心からの「ありがとう」が伝わってきますね。

  • 新潟県:ごちそうさまです
  • 富山県:ごちそうさま
  • 石川県:あんやと
  • 福井県:きのどくな
  • 岐阜県:うたてー
  • 長野県:ありがとうござんす
  • 山梨県:ありがとうごいす
  • 静岡県:おおきに
  • 愛知県:ありがとうさん

近畿地方

近畿地方の「ありがとう」を表す方言を紹介します。

近畿地方では「大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県」が「おおきに」という方言を使います。
他の2県も「おおきに」と似た言い回しなのが特徴です。

  • 三重県:おおきんな
  • 和歌山県:おおきによ〜

中国・四国地方

中国・四国地方の「ありがとう」を表す方言を紹介します。
山口県の「たえがとうございます」は「この上ない喜び」を感じますね。

  • 岡山県:ありがとうござんす
  • 広島県:ありがとの
  • 山口県:たえがとうございます
  • 徳島県:たまるか
  • 香川県:ありがとで
  • 高知県:たまるか

九州・沖縄地方

九州・沖縄地方の「ありがとう」を表す方言を紹介します。
やはり沖縄県の方言は他の県と比べても独特ですね。

  • 佐賀県:あいがとう
  • 長崎県:ありがとうござす
  • 熊本県:ちょうじょう
  • 大分県:おおきに
  • 宮崎県:かたしげない
  • 鹿児島県:ありがとうござす
  • 沖縄県:にへーでーびる

「だんだん」の意味をぜひ覚えておこう!

だんだんという方言の意味を感じるハート

「だんだん」という方言、初めて聞く方も多かったのではないでしょうか?
島根県では今でも多く使われておりかなり知名度も高い方言ですし、NHKの朝の連続テレビ小説を見ていた方なら知っている方言でもあるので多くの方言の中でもかなりメジャーな言葉です。

他の意味で使われる「だんだん」もあり、地域によって同じ言葉でも意味が変わるのは面白いですよね。
あなたの地域では「ありがとう」をどのような方言で伝えますか?

ぜひ「だんだん」の意味を覚えておいてくださいね。

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ライター
noel編集部

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