方言「わや」の由来!関西や九州など12の地域ごとの意味や使い方
誰かが「~わや」と話していて、どういう意味?と思ったことはありませんか? ここではこの方言「わや」の由来や、関西・九州など12の地域ごとの意味や使い方をご紹介します。 このように「わや」は特定の地域の方言ではなく、日本各地でいろいろな意味で使われています。 この記事で気になる「わや」という方言について知っていきましょう。
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方言「わや」は各地で使われる
方言わやはいくつもの道府県の人々が会話で話すのをご存知ですか?
具体的には上は北海道、青森から名古屋、大阪、広島など中部・関西地方、下は佐賀、福岡、大分などの九州までといくつもの道府県の人々が日常で用いているのです。
方言というと特定の地域の人が話すというイメージがありますが、こんなにも多く地域の人々が話す言葉なのです。
多くの人々の会話で登場するこの「わや」は江戸時代から使われ、昔の言葉「おうあく」という言葉が変化してできた方言で、古今物語集でも登場しました。
この「おうあく」が「わやく」から「わや」に変化しました。
「わやく」とは無理をした言動という意味で、「わや」は今ではめちゃくちゃな、だめ、すごい、とてもと色々なことを表現しています。
このように人々が色々な意味で用いるのは、昔から地域によって意味に違いがあったからだと推測できます。
方言はその地域の特色そのものですから、方言わやは広く使われていますが、それぞれの意味で地域の色を出せているとも言えますよね。
方言「わや」の意味や使い方【北海道】
意味
北海道では方言わやを会話の中でどんな意味として用いるのかお伝えします。
北海道ではわやを「めちゃくちゃな、収まりがつかない」ことを表す時に用いています。
自分の力ではどうにもできない事柄に使って「どうしたものか」といった気持ちを表現しているのです。
「わやく」がめちゃくちゃな発言や態度という意味ですから、由来の意味がそのまま反映されていますよね。
また北海道の人々はわやが繰り返された「わやわや」も使っていて、意味は北海道のわやと同じで「めちゃくちゃな、収まりがつかない」となっています。
使い方
それではこの方言わやを北海道の人たちは日常の会話の中でどのように用いるのかお伝えします。
例えば北海道は雪がたくさん降りますから、「昨夜の大雪で道路が積雪でわやだ」と使ったり、「いつもよりお客が多くて厨房はわやだ」と使ったりします。
さらに北海道でわやは「やばい」という状況や感情を表現する時にも用いられるようです。
若者が「やばい嬉しい」とか「やばい楽しみ」と肯定的な意味でやばいを使いますよね。
これと同じように「わや嬉しい」、「わや楽しみ」と否定的以外にも使いますから頭の片隅にでも入れておいてくださいね。
元々やばいは若い人が使う表現ですので、この場合のわやは若者が使うものと考えていればいいでしょう。
このように方言わやは、手にはおえない騒々しい事柄に使われると考えていただければ会話が理解しやすいです。
方言「わや」の意味や使い方【青森】
意味
青森では方言わやは、北海道と同じように「めちゃくちゃな」状況や状態を表現する時に用いられます。
他にも「ひどい」ことも表します。
北海道は「めちゃくちゃな、収まりがつかない」と遠くから見てどうしたものかという気持ちを表していますが、青森ではもっと感情を込めて「それはひどいなあ」と落胆を表現していますよ。
使い方
このように青森では、わやを使って何かに落胆した気持ちを表すので、がっかりすることがあった時にわやを用いているようです。
「暴風雨のせいでうちのりんごがわやだ」とか「そんなことを言うなんてわやだなあ」と感情豊かにわやを使って表現しています。
ちなみに青森の人たちはわやの「や」をとった「わ」という方言も会話で用います。
「わ」は「おれ」を表し、「わ、心配だなあ」、「わ買ってくるよ」というように使います。
わやが聞き取れずに「わ」とだけ聞いた場合にこのことを思い出してくださいね。
方言「わや」の意味や使い方【愛知】
意味
愛知では内容に応じて方言わやを使っていて、特に名古屋では他の都府県の人もわかるわやを話すこともありますし、その人たちが知らないわやを話すこともあり、愛知ではわやの利用の仕方が他と比べると少し複雑になっています。
愛知においてこの方言の基本的な意味は「めちゃくちゃな」で、会話の内容によって意味が微妙に変わりますので、会話などにおいては文脈から理解するといいですね。
使い方
愛知でわやを話に盛り込む時は、「さっきは急などしゃぶりの雨で服がわやだよ」、「あの人はわやなことばかり言うよね」のように表現します。
愛知でも基本的には収まりがきかない物事に対してわやを使うと覚えていれば、あとは会話の流れで意味を推測すればいいですよ。
方言「わや」の意味や使い方【三重】
意味
三重でもこの方言を使う人は存在し、他の地域と同じ「めちゃくちゃ」なことを表す時に会話によく出てきます。
どこの「わや」がどういう意味か分からなくなりそうですが、基本的には元の意味「無理な言動」と覚えていただければ理解できますよ。
使い方
三重の会話での例は、「めちゃくちゃ」つまり他と比べて程度がすごいという意味ですので、例えば「昨日の練習はわやきつかった」、「今日はわや暑い」のように使います。
三重での方言わやはこのようにシンプルなので、話も聞きやすしですし自分が話す時にも盛り込みやすいですよね。
方言「わや」の意味や使い方【大阪】
意味
大阪でのわやはやはり「めちゃくちゃ」な状況や状態を表現する時に頻繁に会話に登場します。
「わやくちゃ」という言葉もよく出てくるようで、意味はとてもめちゃくちゃなことを言いたい時に用います。
使い方
大阪では頻繁に会話の中でこの方言が登場します。
ですから日常会話でもよく使われ、「このスイーツわや美味しいわ」とか「わやかわいいなあ」などと使われますよ。
「わやかわいい」は柔らかい響きの表現ですので、大阪の友人などと会話する時にぜひ使ってみてほしい表現です。
わやくちゃは「この問題はわやくちゃ難しいわ」、「~がわやくちゃ好きやわ」など「とてもめちゃくちゃ」なことを表します。
方言「わや」の意味や使い方【京都】
意味
京都ではこの方言わやは高齢の人が使っています。
それ以外の世代の人の間では浸透していない言葉ですので、わやを使っても通じない可能性がありますね。
京都の人々は方言わやを、「めちゃくちゃ、ダメな、とても」というように否定的に用いています。
使い方
京都での方言わやはお年寄りの方が使う言葉ですから、京都におじいさん、おばあさんが住んでいる人なら聞いたことがあるかもしれませんね。
会話の例としては、「この暑さでわや体力を消耗した」、「詐欺が多くて私らが生活しにくいわやな社会になった」というように否定的に会話で用います。
方言「わや」の意味や使い方【山口】
意味
山口での方言わやの意味は色々な意味がありますが、多くは否定的に用いています。
他の地域と同じように「めちゃくちゃ、ひどい、ダメな」というような意味を持っています。
近くの香川でも方言わやはよく登場して、同じく「めちゃくちゃ」な状況や状態を表現していますよ。
香川の人はわやと同じくらい「こじゃ」という方言も会話で用います。
これらの意味は似ていますが、わやは「めちゃくちゃだ」と投げやりな感情があり、ごじゃはめちゃくちゃでもそれを何とかしたいという意志を含みます。
使い方
山口や他の地域での方言わやの使い方は否定的と知っていれば、誰かがわやを使って話したとしても「めちゃくちゃ、ダメな」という意味なんだなと理解できますよね。
会話では「台風で作物がわやになってしまった」、「もうわやだ」というように落胆しながら用います。
香川でもわやの用い方は似ていて、「せっかく完成させたのにわやになってしまった」のように投げやりな感情を表します。
少し長くなりますが、同じ中国四国地方の愛媛についてもお伝えしますね。
愛媛でも方言「わや」はよく聞かれ、「ひどく大変な」ということを表す際用いられます。
使い方は「こんなことになってわやだ」、「わやなことになる前に対策をとろう」といった具合に使いますよ。
方言「わや」の意味や使い方【広島】
意味
広島での方言わやの用い方は、明るい雰囲気でも「めちゃくちゃ、はちゃめちゃ」と相手や物事を表現します。
また物事の程度がめちゃくちゃなことを表します。
広島では「わやくそ」もよく聞かれ、わやと同じに用いられます。
さらに広島においてはわやは「わやわや」と繰り返して使われることもあり、意味はわやと同じになります。
使い方
明るい雰囲気で使われるわやの会話の例としては、「わやなことするよな」、「相変わらずわやな奴だ」と相手をいじります。
また「頭の中がわやだ」、「書類がバラバラになってもうわやだ」と手のつけられない状態の時にも広島の人はわやを使います。
方言「わや」の意味や使い方【岡山】
意味
岡山においては方言わやは否定的に「めちゃくちゃ、ひどい」と用いたり、広島同様肯定的に「すごい、とても」とも用いたりしますよ。
また広島と同じく「わやくそ」も会話に登場するので参考にしてください。
岡山では、広島と同じ言葉を同じ意味で用います。
広島と岡山が隣同士だからというのもあるのかもしれませんね。
使い方
岡山でわやが否定的に使われる場合は、例えば「わやなことになった」、「今年は寒暖差がわやだ」と会話で用います。
また肯定的には「あなたは頑張ってわやだね」、「やはりあの人はわやな人だ」と会話で聞かれることもあります。
方言「わや」の意味や使い方【福岡】
意味
福岡では方言わやはあまり聞かれない言葉ですが、九州では「とても」を表現しています。
わやを用いることで、話の中で強く言いたいことを目立たせる意図がありますよ。
福岡では会話で聞かれない方言わやですが、九州では日常で用いられ、使う人が出てくることもありますから、覚えていて損はないでしょう。
使い方
会話では「わや大変だったわ」と大変だったことを強めたり、「わや嬉しい」ととても嬉しいと用いたりします。
方言「わや」の意味や使い方【佐賀】
意味
佐賀でも方言わやはあまり用いられておらず、特定の地域の人々の会話では多く聞かれます。
その地域では方言わやは何かが手がかかって「大変」な状況やさまを表していますよ。
福岡や佐賀ではあまり用いられていない方言わやですから、自分からわやで話しても伝わらないこともあることを頭に入れておくといいかもしれませんね。
そして特定の地域や九州では方言わやは用いられていますので、ここでお伝えしていることを学んで損はしないでしょう。
使い方
会話で用いる時は佐賀での方言わやの表すことは「大変」ですから、「こないだは混雑してわやだったわ」、「わやなことになってしまった」などと困難な事柄や手のかかる状況に用います。
方言「わや」の意味や使い方【大分】
意味
方言わやは大分の人たちの会話でも多く聞かれます。
大分での方言わやは「めちゃくちゃ、大変、とても」を表し、程度がひどいさまや何かを強めたい時にわやを用いますよ。
使い方
大分では方言わやは他の地域と同じく「めちゃくちゃ、大変、とても」を表しますから、「わや~」とか「~でわやだ」と用います。
例えば「急なトラブルでわやだ」、「わや寒い」と会話で用います。
ここまで日本で聞かれるの「わや」についてお伝えしてきましたが、利用する地域が多すぎて、どこの「わや」がどういうことを表すのかわからなくなってしまいそうですよね。
そこで分かっている地域のみではありますが、わやの区別の仕方をお伝えします。
それは発音でどこのわやかを区別する方法です。
中部・関西の地域では「わ」を強く発音してわやを用います。
これに対して北海道では「や」を強く発音してわやを用いますよ。
このように地域によって発音が違いますから、どこのわやだろう?という場面があればこれを思い出してみてくださいね。
また、ここまでわやは否定的にも肯定的にも用いられるとお伝えしてきました。
わやを会話で聞いて、このわやはどういう意味だろうと思った時には会話の流れ、内容から意味を理解するといいですよ。
わやは基本的には否定、肯定どちらを表すにも何かを強調している方言ですから難しく考えず、わやという方言に慣れ親しんでみてくださいね。
方言わやに親しみ豊かなコミュニケーションを図ろう!
日本を縦断するように多地域で用いられている方言わやは、意味や用い方がそれほど難しくはなく、そして「わや」という柔らかな響きも魅力的な方言です。
方言わやはこれほど多くの地域で話されているので、会話の中で聞いたり、それを使う人と話したりすることもあるかもしれませんよね。
ここでお伝えした知識をぜひ活かしていただいて、方言わやで日本中の人とコミュニケーションをとってみましょう。
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