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方言「ばり」の発祥や語源とは?

方言「ばり」の由来

「ばり」は地域ごとにたくさんの意味で使われています。
最も有名な意味は標準語で「とても」「すごい」という意味で使われています。

発祥

「ばり」の発祥は博多を中心に福岡や兵庫だといわれています。
そこから全国へ広がり様々な地域へ伝わり、広く使われるようになりました。

語源

元は1990年頃若者が中心に使い始めた言葉で、その歴史は浅いです。
一番有力な言葉の由来は英語の「very」といわれています。

一説によると「ベリー」が徐々に訛り「ばり」になったようです。
若者言葉なので、年配の方はあまり使わないイメージですよね。

方言「ばり」は地域によって意味が違う?

方言「ばり」を話す地域

方言「ばり」は博多を中心に徐々に広がっていった言葉です。

では、なぜ同じ意味でそのまま広がっていかなかったのでしょうか。
そもそも方言とはなぜ同じ日本の国内なのに存在するのでしょうか。

大昔の日本では徐々に人間が暮らしていく地を広げていきました。
その結果遠く離れてお互いに交流ができない地域が出てきました。

お互いに交流がない地域は独自の文化を築いていき、言葉も独自のものが作られていきました。
それが方言です。

このように方言が出来上がり、地域によって言葉が違うのです。

方言「ばり」の意味と使い方

方言「ばり」を話す福岡

では各地域で使われている方言「ばり」の意味と使い方を詳しく見ていきましょう。

福岡

意味:「とても」「すごく」

まずは発祥の地と言われている福岡で使われている「ばり」の方言です。
「とても」や「すごく」といったメジャーな意味として使われています。

「ばり暑いわ~」は「とても暑いです」という意味になります。
福岡の人はよく使う方言です。

博多ラーメンなどで麺の固さを「ばりかた」と表現したりしますよね。
福岡県で親しまれていますし、全国的にもメジャーな言い方ですので、知っている人も多いのではないのでしょうか。

長崎

意味:「とても」「すごく」

福岡と同じく九州の長崎での「ばり」の意味は、同じく「とても」「すごく」です。
「ばりお腹減った」は「とてもお腹がすきました」という意味になります。

長崎の方言には「いじ」「ぶり」「ぼっくい」という言葉があり、こちらも「とても」「すごく」という同じ意味です。
「ばり」よりも「いじ」のほうが使用頻度が高いようです。

福岡、長崎では「ばり」は同じ意味で使われていました。
では関西ではどのような意味で使われているのでしょうか。

大阪

意味:「とても」「めっちゃ」

大阪でも強調して何かを言いたい時に「ばり」を使います。
使用例は「ばり美味しい!」→「とても美味しいです!」と使われます。

比較的若い30代以下の人が中心に使う若者言葉のようです。

関西弁は語尾の切れがよく、関西以外の人が聞いたら「少しきついかな?」と感じてしまうかもしれません。
しかし「ばり」と自分も使っている方言が出ると少し親近感が湧きますよね。

では次は同じ関西にある兵庫での使い方を見てみましょう。

兵庫

意味:「とても」「めっちゃ」

大阪と同じような意味になります。
「ばりいい天気やな!」→「とてもいい天気ですね!」という意味になります。

こちらも若者言葉なので、高齢の方はあまり使用しません。

強調したい時関西の人は「めっちゃ」をよく使いますが、ついつい「ばり」が出てしまうときがあるようです。
兵庫の中でも南側の地域でよく使われています。

では関西以外の地域での「ばり」の意味を調べていきましょう。

愛媛

意味:非常にまれな状態を表す

九州や関西で使われているものとは意味が全く違いますね。
「誰ばり」は「この人以外はまれ」、「どこばり」は「ここ以外はまれ」という意味になります。

馴染みがないと少し難しく感じますね。

ちなみに「ばり」は愛媛県の中の伊予弁という方言になります。
愛媛にもたくさん面白い方言がありますので、調べてみるのも楽しいですね。

青森

意味:「~だけ」「~ばかり」

青森では「こればりもらう」で「これだけもらいます」のように限定の意味で使われています。
また「お菓子ばり食べてねでご飯も食べろ」で「お菓子ばかり食べていないでご飯も食べなさい」という意味でも使われます。

「~ばかり」が省略されたのが「ばり」になったという由来が一説にあります。

青森だけでなく秋田など東北で「~だけ」「~ばかり」という意味で「ばり」が使われているようです。

最後に日本の真ん中の地域ではどのような意味で使われているか見てみましょう。

愛知

意味:ひっかく

愛知では「ばりかいたらいかんだらー」で「ひっかいたらだめですよ」という意味で使われています。
一説によると「ばり」は激しいという意味があります。

このように全国各地の「ばり」の意味を見ていくと、地域によって様々な意味で使われていますね。
福岡、長崎、大阪、兵庫などの九州と関西では「とても」というメジャーな意味で使われています。

愛媛や青森、愛知ではそれぞれ独自の意味があります。
「ばり」は全国的に使われている言葉ですが、それぞれ意味が違うのがよくわかりますね。

「ばり=すごい」に代わる全国の方言

方言「ばり」を話す日本の風景

福岡や長崎では「とても」という意味で使われている「ばり」ですが、ほかの地域で「ばり」に代わる言葉はいったい何でしょうか。
「ばり=すごい」に代わる全国の方言をみていきましょう!

北海道

北海道は割と標準語と近い方言が多い印象です。
ですがやはり独特の方言があり、北海道では「なまら」という方言が使われています。

「なまらうまい魚~!」のように使いますが、一説によると若い女性はあまり使わない方言のようです。
外ではあまり使わず、家の中で家族同士では使うことも多いのかもしれませんね。

「なまら」の語源は「生半可」という言葉から来ていて、割と新しい方言です。

ただ文章の中で使うだけでなく、「なーんまら!」と感情をこめて「とーっても!」という意味で使う場合もあります。
感情がこもっているのがよくわかりますね。

東北

東北地方では県によってたくさんの「すごい」という意味の方言が存在します。
青森では「わや」「たげ」、秋田では「しったげ」、岩手では「らずもね」、宮城では「いぎなり」、福島では「ばげぇに」とそれぞれ方言があります。

ズーズー弁のような音の方言が多い印象です。
東北らしい雪国の方言が並んでいますね。

関東

関東地方も県によって方言が多くあります。
よく聞いたことがあるのは江戸弁の「べらぼう」という方言ではないでしょうか。

「べらぼう」の語源は「便乱坊」という江戸時代の見世物小屋で働いていた人が由来と言われています。

ちなみに神奈川では「すっげぇ」と標準語とほぼ同じ言葉が使われています。
関東は方言があまりないイメージですが、県によって独自の言葉がほかにもあります。

中部

日本の真ん中に位置する中部地方の「すごい」の方言を見ていきましょう。
愛知県では「でら」という方言が存在します。

名古屋市長がよく名古屋弁を使うので、テレビなどで聞いてことがある人が多いのではないでしょうか。
「でら暑いらー」のように使います。

静岡だと「がんこ」と標準語と違う意味になってしまう方言が存在します。
北陸の方だと「まんで」「なんちゅう」という方言があり、また印象が変わってきますね。

関西

大阪では「ばり」も使いますし、「えらい」という方言もあります。
「えらいこっちゃ!」と関西弁で使われているのを聞いたことがあるかと思います。

ちなみにこの「えらい」は、「すごい」という意味以外にも、「しんどい」という意味で使う場合もあります。

「えらいわー」で「しんどいわー」という意味になります。
標準語で「えらい」と聞くと「偉い」の方が思い浮かびますよね。

兵庫でも「ばり」以外にも「ごっつい」という方言が使われています。

四国

「ばり」という方言がある愛媛では、「すごい」を「ほぉとぉ」といいます。

愛媛は可愛い方言がたくさんあります。
柔らかい響きの音が多く、可愛らしい印象になるのでしょうね。

他には高知では「こじゃんと」が使われています。
「こじゃんと好き」と言われたら「大好き」という意味になります。

中国

広島では「~じゃけえ」という語尾が全国的に有名ですよね。
そんな広島では「すごい」を「ばり」「ぶち」と言います。

「ぶち強いわー」は「とても強いなー」という意味になります。

他にも中国地方では「まげに」「ぼっけぇ」「がいな」などの方言があります。
中国地方の方言は何となく男らしい印象を受けますね。

標準語と意味合いが異なる方言が多いので、初めて聞く人は少し驚いてしまうかもしれません。

九州

福岡、長崎では「ばり」と使っていましたね。
福岡には「ばり」のほかにも「すごい」「とても」を意味する方言があるます。

北九州寄りの地域では「でたん」、筑豊地方では「ぎゃん」という方言が使われています。
同じ福岡でも地域によって方言が異なりますので興味深いですね。

佐賀県では「がばい」「がば」という方言があります。
こちらも「すごい」という方言です、数年前「がばいばあちゃん」ですっかり有名になった方言ですね。

沖縄

では最後に沖縄の方言をみていきましょう。

沖縄では独自の方言があり、難しいという印象があります。
沖縄では「でーじ」という方言があり、「とても」「すごい」という意味があります。

「でーじ」は「大変」という意味でも使われています。
「でーじなってる」で「大変なことになっている」という意味になります。

ちなみに沖縄の方言のことを「うちなーぐち」と言います。
これもとても独特な言葉ですよね。

沖縄も本島、宮古島、石垣島で言葉が異なります。
本島の中でも地域によって方言が少しずつ異なるようですね。

「ばり」の意味・使い方&地域別の「すごい」を意味する方言まとめ

方言「ばり」を楽しく使う人たち

「ばり」は1990年代に生まれた若者言葉で、若者が中心となって使っている言葉です。
九州を中心と全国へと広がっていきました。

「とても」という意味で使われている地域もありますし、中には全く違う意味で使っている地域もあります。
また「すごい」「とても」という一つの意味でも全国でたくさんの種類の方言がありましたね。

同じ言葉でも意味が違っていたりするので、調べてみると面白いですね!
これを機会に調べてみてはいかがでしょうか?

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ライター
noel編集部

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