仮面夫婦の意味とは?子どもへの影響や関係を修復する方法
離婚手前の状態の夫婦の中には、家庭内別居や仮面夫婦状態を選択するカップルがいます。 すでに破綻した夫婦関係であれば、別れてそれぞれ出直すという選択肢もある中で、なぜあえて仮面夫婦という形を選ぶのか? 今回は仮面夫婦になるきっかけや理由、その解消法などをご紹介します。
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仮面夫婦の意味とは?
仮面夫婦とは一般的に心も身体もすっかり距離のあるカップルでありながら周囲には普通の夫婦として振舞い続けるカップルを指します。
よく似たカップルとして家庭内別居状態にある夫婦がありますが、こちらは仮面夫婦に比べて世間体をとりつくろう割合が比較的少なく、友人や身内などには実質上破綻した夫婦であるとバレている可能性が高い点が仮面夫婦との違いとなります。
特に仮面夫婦においては周囲に破綻状態であることを知られるどころかおしどり夫婦であると思われているようなカップルも多く、その病巣はより根深いとも言えます。
仮面夫婦の特徴
では、仮面夫婦にはどのような特徴があるのでしょう。
- 夫婦ともにハイスペック
- 子供が幼い
- 子供が思春期
- 同じ会社に勤めている
- マイホームを持っている
- 親同士が仲が良い
- 二世帯同居中である
続いて、それぞれの特徴を詳しくみていきます。
特徴①:夫婦ともにハイスペック
仮面夫婦の内、比較的大きな割合を占めるのが夫婦ともにいわゆるハイスペックで社会的にも認知度の高い仕事に従事しているカップルです。
例えば医師や弁護士、会計士など、クライアントからの信頼が仕事に大きな影響を持つ場合、離婚などのプライベートで騒がれたり、評価を下げることは非常にマイナスを意味します。
そのため社会的地位をキープするという意味合いからも、夫婦関係が破綻していたとしても仮面夫婦を選択するカップルが自然と多くなるようです。
特徴②:子供が幼い
カップルの子供が乳幼児である場合、事情が許す限り二親そろった家庭で育てたいと願うのは無理のないことです。
相手のことが同じ空気を吸うのも嫌だというほど嫌いではない、自分の子供の父として母としてなら意味なく排除する必要がないという場合には、とりあえずとしても仮面夫婦として子育てしていくという選択をする場合も多いようです。
特徴③:子供が思春期
また、夫婦間の子供が思春期に指しかかっている場合なども無意味なメンタル的なダメージを与えたくない、安定した家庭で受験や就活に専念させてあげたいという動機で仮面夫婦を選択するというカップルもいます。
こうしたカップルは、子供が手を離れたタイミングでの夫婦関係解消でないと親としての責任がとれないと思っていることも少なくありません。
特徴④:同じ会社に勤めている
一見不自然で無意味に見える仮面夫婦を選択するからには、強烈な動機付けが不可欠です。
職場結婚などで夫婦共に同じ会社に勤めているというカップルも仮面夫婦化しやすい特徴をもっています。
離婚という選択をして周囲の同僚達に迷惑をかけたくない、無意味で無責任な噂やスキャンダルの的になりたくない、居辛くなって辞職するハメになりたくないといった切実な理由もあり、こうした仮面夫婦は長期化しやすいという特徴もあります。
特徴⑤:マイホームを持っている
既にマイホームを取得しているカップルも、関係が破綻したといってもすぐ離婚とならずに仮面夫婦化しやすい特徴があります。
その理由はもちろんローンや共有財産の分割といった厄介な問題と直面したくないというもの。
特に共同名義物件であったり、共同でのローン返済プランになっている場合は、さらに解決が難しくなるといった傾向も見られます。
特徴⑥:親同士が仲が良い
当人同士の関係が破綻したといっても、双方の親同士が仲が良かったり、元々がどちらかり兄弟姉妹の友人だったのが出会いのきっかけだったような夫婦の場合、自分たちが破綻したことでそうした周囲の人間関係まで無意味なものにしてしまうことを回避する為に仮面夫婦化することがあります。
気立てが優しく、気配りのできる夫婦ほど隠そうとするあまりさらにこじれたりしてしまう悪循環やジレンマに陥りやすくなってしまいます。
特徴⑦:二世帯同居中である
夫婦どちらかの実家をリノベしたり、リフォームすることなどにより二世帯住居住まいであったり、どちらかの親を引き取っての二世帯同居中のカップルなども仮面夫婦化しやすい特徴があります。
自分たちだけの問題で、周囲を巻き込む波紋が大きすぎるのが原因であり、自分たちさえガマンすればうまくいくという消極的理由から仮面夫婦としての人生を選択してしまいがちです。
仮面夫婦になる原因ときっかけ
では、仮面夫婦になる原因ときっかけをみていきましょう。
- 浮気が発覚した
- 借金が発覚した
- リストラになった
- 気持ちが醒めた
- 育児で対立した
続いて、仮面夫婦になる原因ときっかけを、それぞれ詳しくみていきます。
原因ときっかけ①:浮気が発覚した
せっかく夫婦となったのに心通わせることもない、意味のない仮面夫婦となってしまったという原因しきっかけにまず挙げられるのが浮気や不倫といった異性関係のトラブルです。
特により事態が深刻化しやすいのが、結婚前からの浮気や、元カノとの元サヤ不倫といった結婚自体が意味のないものだったと絶望感に打ちのめされるような裏切りとセットの異性トラブル。
プライドや結婚の夢、信頼といったものを粉砕してしまうこうした不倫や浮気は、仮面夫婦へと舵を切る強烈な原因となってしまいます。
原因ときっかけ②: 借金が発覚した
夫婦仲の破綻のきっかけや原因には金銭問題も少なくありません。
結婚前からの借金が発覚した、というケースや、結婚後もパートナーに隠れてこそこそと遊興費やギャンブルによる借金を作っていたというケースなど、それをやってはおしまいよ的な金銭問題を引き起こすに至った場合は、気持ちが相手からすっかり離れてしまうことも。
原因ときっかけ③:リストラになった
結婚後に夫婦どちらかがリストラになったり、会社の業績不振で給料が大幅ダウンになるなど結婚前に想定していなかった問題が夫婦間に起きたことが意味のない仮面夫婦生活になるきっかけとなったというカップルもいます。
こういったトラブルによる仮面夫婦化には、そのトラブルそのものよりもトラブルが起きた際の相手のリアクションに幻滅したというケースが多く、「相手の本性が見えてうんざりした」という声もちらほらあるようです。
原因ときっかけ④: 気持ちが醒めた
遠距離恋愛の末に結婚したカップルや、出会ってすぐ盛り上がって結婚へとなだれ込んだような激情型結婚をしたカップルなどの場合、新婚時代が過ぎてしばらくした時の現実と理想のギャップの大きさに気持ちが醒めたとして仮面夫婦となったということも少なくありません。
おままごとではない夫婦ともなれば、甘くない現実と向き合っていかなくてはいけないものですが、結婚前にふくらませていた理想という風船が大きければ大きいほど、パチンと割れた時の幻滅や失望が大きいようです。
原因ときっかけ⑤:育児で対立した
夫婦2人の時はそれほどでもなかったのに、いざ子供が生まれたことによって育児や将来のライフプランの違いが鮮明になったとして半ばケンカ別れのような意味のない仮面夫婦となってしまうカップルもいます。
本来はお互い育った環境も考えも違って当たり前という前提で、2人とも少しずつ理想に歩み寄っていかなくてはいけません。
しかし子供にかこつけて意味なく意固地になったり、双方の実家が介入してきたりしてどんどん悪い方に進んでしまうことも少なくありません。
仮面夫婦の行く末
ケンカや言い争いの果てに仮面夫婦関係に突入してしまったというカップルは少なくありません。
問題はそうした仮面夫婦状態が意味なくだらだらと長くなってしまった場合です。
もちろん中には仮面夫婦となった原因やきっかけを解決することによって、本来意味のない仮面夫婦状態から脱却できるカップルもいます。
しかしその一方で、問題解決にも至らず、かといって意味がないとはいえ仮面夫婦状態を解消することも出来ずにそのままの状態が長期化、固定化してしまうといったケースもあります。
仮面夫婦が離婚しない理由
では、仮面夫婦が離婚しない理由をみていきましょう。
- マイホームのローンがある
- 子供を不安にさせたくない
- 仕事に差支えが出る
- 愛はないが情はある
- 頼る先がない
続いて、仮面夫婦が離婚しない理由を、それぞれ詳しくみていきます。
理由①:マイホームのローンがある
気持ちの上では全く別々の方向を向いて立っているような仮面夫婦がそれでも離婚を選択しない理由の1つに、ローンの問題があります。
特に大きな理由となりやすいのが金額も大きいマイホームの名義とローン。
共同名義で購入したマイホームの場合、ローン完済前に離婚すると財産分与の際に非常にモメる原因となります。
特に中途売却ともなると、物件を手放してなお借金が残るというそれまでの支払いの意味がなくなることにもなりかねないため、仮面夫婦を選択するということも多いようです。
理由②:子供を不安にさせたくない
仮面夫婦を選択する理由には子供を巡る問題がある場合も少なくありません。
具体的に言えば跡取りとして子供を絶対手放したくないという夫側親族がいる場合などは、子供が一人前になって自分の意思が主張できるまで仮面夫婦としてでも子供の側を離れないという妻もいます。
また、夫婦としては破綻しているとしてもそれぞれ子供の父母としては申し分のない相手だとお互いを認め合っている場合なども「父母として子供を見守る」という意味から離婚しないという選択をするカップルが多いようです。
理由③:仕事に差支えが出る
気持ちはすっかり冷め切ってしまい、夫婦でいる意味は特にないものの仕事に差支えが出るという理由から仮面夫婦でいることを選択せざるを得ないというカップルもいます。
具体的には、夫婦共同で立ち上げた事業などに従事しているカップルなどの場合、夫婦仲が冷え切ったという理由だけで、仕事もスッパリ半分に割って別れるというワケにはいかないことも。
特にある程度の事業展開していて夫婦それぞれが雇用主としても従業員に責任がある場合や、夫婦単位で赴任することが要求される仕事に就いている場合なども離婚回避の理由となるようです。
理由④:愛はないが情はある
ラブラブで愛情あふれた関係というわけではないけれども相手に対して愛はなくとも情はあるという理由からあえて離婚せず仮面夫婦でいることを選択するカップルもいます。
特に結婚まで長く付き合った幼なじみや学生時代からのカップルの場合、結婚歴自体は浅くても、お互いが既に自分の人生においては切っても切り離せない身近な存在になっているということも少なくありません。
こうした愛はなくとも情はあるという夫婦の場合は、お互いが納得ずくであれば周囲には仲良し夫婦と見せかけ続けることもカンタンであり、お互いに再婚したい相手が出現しない限り、むりやり離婚する意味がないとして仮面夫婦であり続けるケースもあるようです。
理由⑤:頼る先がない
夫婦として仲は冷え切っているけれども離婚したところで帰るところがない、頼る先もないという意味から離婚しないという仮面夫婦もいるようです。
特に実家が親の離婚による家族離散であったり、継父継母の問題を抱えているといった場合などは、「頼る先がなくて独りで生きていくのであれば、たとえ意味のない仮面夫婦であっても、法的な繫がりのある相手がいる方がいい」と考える人も。
仮面夫婦の子供への影響は?
仮面夫婦として暮らす意味の1つとして子供の存在を挙げるカップルは多くいます。
子供に安定した家庭を与え続けたい、親のツケを子供に払わせるようなことはしたくないという動機からこうした仮面夫婦であること、を選択するということです。
中には夫婦仲が冷え切っていることを悟らせたくないと子供の前でまで仮面をかぶりつづける夫婦もいますが、親が思うより子供は周囲の大人のことをよく観察し、よく理解しているもの。
親がどんなに演技をしようとあまり意味はありません。
むしろ「自分の存在のせいで意味のない仮面夫婦を続けているのか」と気に病んだり「家族全員が本心を偽って暮らすなんて意味はない」と思春期にアイデンティティに悩む子供もいるようです。
誰もが相手を思いやっているのに、そのことでかえって傷つけ合っては意味がないどころか逆効果。
どのような事情で仮面夫婦という有り様を選択したにしても「あなたに対する愛情に偽りはないのよ」と正直に子供に伝え続けることが大切です。
仮面夫婦を修復する方法
では、仮面夫婦を修復する方法をみていきましょう。
- お互いに対して感謝の念を持つ
- 美点は美点として認める
- 問題は共同で解決する
- 子供をかすがいにしない
続いて、仮面夫婦を修復する方法を、それぞれ詳しくみていきます。
方法①:お互いに対しての感謝の念を持つ
仮面夫婦という選択をした意味合いは夫婦それぞれ違うとしても顔も見たくないほど嫌いあっているというケースは少ない場合がほとんどです。
ある意味では夫婦としては破綻してもお互いに他の人では代わり得ない価値を見出しているからこそ仮面夫婦という生き方を選んでいるこうしたカップルが関係を修復するには、今の状態からさらに一歩踏み出せばいいだけ。
つまり今感じているお互いの他の人ではなかなか代わり得ない価値からさらに踏み込んで、そうした価値を自分と共有してくれていることへの感謝や尊敬といった相手へのリスペクトの気持ちを高めるのです。
自分にとって尊敬すべき相手、感謝すべき相手と再認識できれば、これまでよりも相手に対しての態度を軟化させることも容易なはずです。
方法②:美点は美点として認める
現在は仮面夫婦となっているにしても、結婚を決めたからには相手に人生を共に生きたいと思う良いところがあったはず。
例え愛情という意味では隙間風が吹く状態になっているとしても、そうした相手の美点が今も変わっていないというのであれば、そうした美点は美点として正しく評価し認めることが大切です。
夫婦関係だけでなく、人との交わりの中では「○○もしてくれない」「△△もしてくれない」と欠点ばかりあげつらうより「○○というところはスゴい」「△△というところは真似できない」と美点を数えた方が相手を容認したり受け入れることがよりたやすくなります。
方法③:問題は共同で解決する
仮面夫婦関係からいわゆる普通の夫婦へと関係性を修復にする場合には、仮面夫婦に至ったきっかけや原因を克服することが先決です。
その場合大切なのは、どちらか一方に解決策を押し付けず、共同で解決すること。
解決に至るまでのプロセスを共にすることで、今まで見ないふりをしてきたその他の潜在的な原因も解決できる効果も期待できます。
方法④:子供をかすがいにしない
仮面夫婦になるきっかけの1つである事との多い子供の問題ですが、解消する際には逆説的ですが子供をかすがいにはしないことが大切です。
子供ありきで、解決しようとするとお互いが父と母の立場になってしまい、夫婦としての立ち位置を見失ってしまうことにつながりかねません。
また子供をすべての言い訳にすることは、いわばダシにされた形の子供にとってもメンタル的に負担になるリスクもあることを忘れてはいけません。
仮面夫婦もある意味では1つの夫婦のカタチ
せっかく1度は縁があって夫婦となったからには、安易に離婚という選択をするのは考えものです。
特に子供がいる場合は、問題は夫婦という大人だけの問題では留まりません。
なかなか結論が出ないままに仮面夫婦となってしまった、というカップルも少なくない昨今ですが、もしもやり直せるきっかけと、やり直したいという気持ちがお互いにあれば、だまされたと思ってもう1度だけがんばってみるのも悪いことではありません。
お互いが最終的に人生においてベストな選択ができるように仮面夫婦というあり方をきちんと見直してみてくださいね。
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