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宮城の方言(仙台弁)の特徴・種類

宮城の方言(仙台弁)の特徴

宮城方言の特徴

宮城県の方言の基本は、タ行とカ行に濁点が付きやすいことにあります。
「あなた」を「あんだ」、「そうですか?」を「んだが?」というように音が濁ります。

語尾に関しては、一般的に「~ちゃ」がつくといわれていますが、実際にはそこまで「~ちゃ」はつきません。
「知らないよ」を「しゃんめっちゃ」や「わがんねっちゃ」というようにつけることはありますが、多用はしないのが基本です。

また、「~だべ?(~でしょう?)」「~だすぺ?(~でいらっしゃいますか?)」「~だべした?(そうでしょうよ?)」というように方言でも活用形や丁寧語も存在しています。

宮城の方言(仙台弁)の種類

宮城の方言(仙台弁)は種類に分けられることはほぼありません。
宮城の方言は早口で分かりにくい、口を大きく開けずに話をするので活舌が悪いといわれることがありますが、宮城はとりわけはっきりと話をする地域性があります。
また、早口というわけでもありません。

ただし、仙台弁には言葉が汚いというデメリットが。
直接的に他人を揶揄することがコミュニケーションのひとつであると認識している地域性があり、時折挑戦的な発言をすることがあります。
それは、相手に取り入るための話術として成り立っているので、気にしないようにしましょう。

ケンカを挑んでいるのではなく、イヤミを言っているのでもありません。
けれど、他地域の人から見たら嫌な言葉が続くので、スルー出来ないときは応戦してかまいません。
ここで論破を挑んできますが、筋道はありませんので容易にねじ伏せることは可能です。

ただし!いざこざが起こってしまったら、水と油の関係であると認識してください。
その相手とは一生話ができないと思ってください。

宮城の方言(仙台弁)のよく使われる定番表現

宮城の方言で話す女の子

①:あるってる

「歩いている」という意味です。
宮城の人は「歩いている」ではなく、仙台弁で「あるってる」といいます。
用例としては「あの子、お母さんと手をつないであるってる」というような感じです。

女の子や小さな子供が「あるってる」というと、なかなかかわいらしい響きですよ。
気持ちもうきうきしてくるように思えます。

②:はしってあるぐ(走って歩く)

「走る」と「歩く」がひとつになった方言で、初めて聞く人には違和感しか残らない宮城の方言のひとつです。
用例としては、「あのババちゃん、はしってあるいでっがら」と表します。

ここでは仙台弁で紹介される「あるってる」とは言わず、言葉のリズムをよくするために「走ってあるぐ」と発音することが一般的です。

この場合の「歩く」は、仙台弁ではwalkの意味にはなりません。
どちらかといえば、「移動する(move)」の意味合いを優先させましょう。
「走って移動する」ととらえるのがスムーズです。

また、「走る」を優先させることも可能です。
仙台弁では「走る」を「急ぐ」と置き換えることもできます。
「急いで歩く」ととらえることもできます。

前者は、焦っているニュアンスが伝わります。
後者の場合は、歩くのがやっとのおばあちゃんが家に帰るために急いで歩いている(けれど本人は走っているかのような勢い)様を思い浮かべましょう。

③:なげる

宮城県では「標準語」だと思っている方言の一つです。
「ボールを投げる」などの意味としてそのまま使えますが、宮城県の方言ではごみを捨てることを「ごみを投げる」と表します。

捨てるのではなく、投げる。
仙台弁での用例としては「ごみなげてくっがら!(ごみを捨ててくるね)」というような使い方をします。

ゴミ捨て場にごみ袋は置くものではなく、勢いつけて放り投げることがあります
。こういったところから仙台弁では「ごみをなげる」という定着したのかもしれません。

④:こしぇる

ひらがなにするとおしゃれな方言に見えますが、「こしらえる」という意味です。
標準語でも「こさえる」ということがありますが、宮城県民は「サ行」の発音が苦手な人が多い特徴があります。

サ行が「しゃ・しぃ・しゅ・しぇ・しょ」というようになまってしまうため、仙台弁になると「こしぇる」という発音になってしまうのです。

⑤:たごまる

標準語で説明しにくい宮城の方言です。
「群れる」という言葉が近いのですが、人が集まることを「たごまる」とは仙台弁で表現しない地域もあります。

シャツとセーターの重ね着をしたときに、先に着たシャツの袖が収まり悪くずり上がってしまうことがあります。
この「ずり上がった袖の状態」をたごまるといいます。

タコ糸や毛糸が絡まって団子のように固まってしまった場合も仙台弁では「たごまる」ということもあります。

⑥:んだ・んだず・んでがす・んだっちゃ

仙台弁ではすべて同意を表す言葉「そうです」を表します。
一般的には「んだ」と一言で表します。
女の子も「んだ」と普通に言いますので、男性から見れば仙台弁のギャップ萌えが期待できます。

肯定を強めるときには「んだず」、共感しながら同意をするときには「んだっちゃ」、相手が目上の人の場合は「んでがす」というように、方言も変化します。

トークのリズムや勢いを崩さないように入れる相槌です。

⑦:なじょ

仙台弁では「なじょ」は単体では使いません。
「なじょする?」「なじょしたの?」というような使い方をします。

「どうするの?」「どうしたの?」という意味合いです。
「これからなじょする?」とデートの最中に仙台弁で女の子に言われたら、ちょっとキュンと来てしまうフレーズかもしれません。

「なじょして、こんなになったの?」は、どうしてこうなった?という意味ですので、覚えておくと便利です。

⑧:ほでなす・しゃます

あまり、女の子は仙台弁では使わない方言ですが、「ほでなす」と「しゃます」はワンペアの方言です。
「ほでなす」も「しゃます」も「途方に暮れる・どうしていいかわからない・困っている」という意味を表します。

ほでなすの場合は「匙を投げる」というニュアンスも含まれています。

「おらいのむすこ宿題もしねがら、ほでなしったわ(うちの息子、宿題もしないのでどうしていいかわからないけど、あきらめて放置してた)」
「おらいのじっちゃん、ねでばりいで、すしゃます(うちのじいちゃん、寝てばっかりいるので困っている)」

というように使います。
ちなみに「すしゃます」と頭に「す」がはいると「しゃます」を強める意味になり、仙台弁では困っているニュアンスが強まります。

⑨:しゃで・しゃでっこ

弟という意味です。
「~っこ」がつくと小さな子供を意味する方言になります。
仙台弁で多用される「あんちゃんっこ」「やろっこ」「がぺっこ」というような使い方ですね。

「山田さいのしゃでっこ、仕事もしねでほでなしったど」

これは、「山田さんちの弟のほうがニートになった」という意味になります。
先述の「ほでなす」は「家の中で何にもしないで過ごしている」という意味にかわります。

宮城の方言には、言葉の前後をうまくとらえて忖度しなければいけない部分もあります。

⑩:ガガさま

海外のアーティストではありません。
仙台弁ではお母さん・お嫁さんのことを指します。

子供が母親のことを呼ぶのではなく、夫が妻を呼ぶ・舅や姑がお嫁さんを呼ぶときに使います。
「かかさま」ではなく、カ行がなまるので「ガガ」。

宮城の嫁さんは強く、一つ指摘するとたくさんの方言を駆使して言い返すほど強さを持っているので、仙台弁ではオニ女の意味合いも込められているという見解もあるようです。

けれど、トラブルが原因で家出されると、その家は近所から笑いものにされるため「さま」をつけて形だけになりますが敬っていることを表現しています。

⑪:おでって

仙台弁ではお手伝いを指しています。
子供が家で行うお手伝いではなく、近所の人が困っている人の家へ出向き、ホームヘルパーのような手伝いをすることを指します。

宮城の人は、葬儀を自宅で出すことがほとんどです。
弔問客へのもてなしや料理つくりなどを近所の人が担い、遺族は弔問客へのあいさつや祭壇の見守りを行うというような役割を担います。
近所同士の互助会機能といったところでしょうか。

⑫:ぜいご

ぜいごとは田舎を表します。
「ぜいごがら嫁に来た」といえば、この土地と比べたら田舎から嫁に来たと話が歪曲して広がります。

もちろん嫁いだ土地もお嫁さんの出身地も第三者から見れば同じ程度の田舎です。
また、お嫁さんが姑や夫と喧嘩が絶えなければ、仙台弁あるあるで「ぜいごから来た山ザル」と認定されてしまうので気を付けましょう。

それでは、宮城のぜいごを説明するにはとても良い動画があるので参考になさってくださいね。仙台弁もお楽しみください。

宮城の方言(仙台弁)の告白フレーズ・かわいい表現

宮城方言のかわいい表現

①:いぎなり好き!

宮城の方言にある「いぎなり」には意味が多くあります。
とても・たくさんという意味や、突然・急になど様々な用途で使えます。

仙台弁でみられる「いぎなり好き!」はどちらかといえば恋愛対象の相手には使わず、食べ物や小動物、アイドルやタレントなどの偶像に対して使う表現となります。
自分より小さい子供などに「あんだの手っこ、いぎなりすぎだ~」というように使ってみましょう。

恋愛対象の相手に「いぎなり」を使うと、相手に引かれてしまうこともあるので注意しましょう。

②:手ぇ、しゃっこい

「しゃっこい」は「冷たい」という意味です。
地域によっては「ひゃっこい」などということもあります。

「手が冷たい=温めてほしい」というサインであることは恋人あるあるですよね。
男の子に言われたら、手袋を外して手を包み込むように温めてあげてください。

男性の手が冷たい場合、女の子は仙台弁で「手、しゃっこいね」と一言伝えましょう。
それだけで、男性の心をくすぐっちゃいますよ!

この後「手袋を買いに行こっか?」など続けていくと、デートの展開がみられます。

③:こしぇだがら、食べて

バレンタインデーのチョコレートなどを手作りすることが主流となりました。
そんなときに使うのが「こしぇだがら、食べて!」です。

仙台弁とともに恥ずかしそうに手渡すところを想像すると、かわいらしいフレーズではないでしょうか。

「こしぇだ」は作ったという意味合いになりますが、単純に作ったわけではないところは、宮城の方言ルールで忖度しなければいけない部分です。
「手作りだから、食べてほしい」と理解しましょう。

仙台弁の言葉の忖度はちょっと上級者レベルですが、男性に対して恩着せがましくならない表現かもしれません。

④:どうもねー!

誰でも使う「どうもねー!」これは、ありがとう、お世話さまという意味合いが含まれますが、若い世代になると「じゃあね・またね・ばいばい」というような感覚で使われます。

別れ際に手を大きく振って言う「どうもねー!」は別離を意味するのではなく、また会おうね・また会ってねといった意味合いなので、勘違いしないようにしたいものです。

仙台弁の「どうもねー」の意味に悩む場合、思い切って男の子に電話してみましょう。
男の子は別段気にせずに使う「どうもねー」なので、なんともない声が聴けて安心するはずです。

⑤:おしょすいごだ

仙台弁のポピュラーな方言ですが、若い世代の子は使わない言葉の一つです。
「恥ずかしい」という意味となります。
「おしょすい」の語尾に「ごだ」がつくと「恥ずかしいわ」というような自嘲の意味も含まれます。

場合によっては、相手を揶揄する意味に代わります。
若い男女が手をつないで歩いている場面を大人が目撃して仙台弁で「おしょすいごだ」ということもありますが、どうか堂々とデートしてほしいものです。

宮城の方言(仙台弁)の面白い表現

宮城のおもしろ方言

①:おはよう靴下

靴下の親指に穴が開いて、指が顔を出している状態を仙台弁では「おはよう靴下」といいます。これは、宮城独特の言いまわしで、なかなかかわいい表現だといえます。

宮城の県立高校の教室ではサンダル履きという学校などは、おはよう靴下の状態でいると一日中恥ずかしい思いをすることもあるようです。

学校の先生や自分の親が「おはよう靴下」の状態でいると、途端に不潔感を感じるという声も聞かれますので替えの靴下を持ち歩く人もいるようですよ。

②:いづい

こちらも、宮城を中心とした東北地方で言われる方言です。
標準語ではなかなか説明できない言葉です。
仙台弁を標準語に直すと「落ち着きが悪い」といった意味合いが近いようですね。

お祈りをするときのように、自分の両手の指を組み合わせてください。
自然に手が組み合わさると収まりが良い状態ですね。
次に、一旦手をほどいてから先に下になった親指が上になるように手を組み合わせてみましょう。

これが「いづい」状態です。
特に小指のあたりに「いづさ」を感じるかもしれませんよ。

③:あっぺとっぺ

仙台弁ではポピュラーな言葉です。
かわいい方言ですよね。
「あっぺとっぺ」でも、普通の会話でこれを言われたらちょっと恥ずかし思いをすることもあるのです。

「あっぺとっぺ」とは「うろおぼえ」「いいかげん」「適当な」などという意味合いです。
若い子たちの間では「天然」「不思議系」というニュアンスが含まれることもあります。

「あっぺとっぺかだんな!」とは「いい加減なこと言うな!」と相手がイライラしているときに発せられる方言になるので注意しましょう。
また「あいづ、あっぺとっぺだがら」となると、仙台弁では少々とんちんかんな行動をとる人という意味合いになります。

④:からすけんこ

「からすけんこ」不思議な方言ですね。
「からす」は鳥のカラスそのまま。

「けんこ」は宮城の方言で「貝がら」を指します
つまり、からすけんこは仙台弁で「黒い貝」をさします。

宮城県の漁師はホヤや牡蠣、海苔の養殖網に「からすけんこ」がつくことを嫌がります。簡単に増えるうえ、養殖海産物に被害が出るからです。

さて、この「からすけんこ」は、私たちが高級食材として注目している「ムール貝」の仲間です。
ムラサキ貝や、しゅうり貝などと呼ばれることもあります。
ところ変われば嫌われる高級食材というのも笑えますね。

⑤:いんぴんがだり

こちらは、仙台弁の中でもあまりいい方言ではありません。
「いんぴんかだり」とは、何事に対してもすぐに否定から入る人、いじわるなことを言って相手を困らせる人を言います。

理詰めで攻めようとしますがほぼ屁理屈なので、最終的に誰にも相手にされなくなります。

「あそこがいのじんつぁん、いんぴんかだりだから誰も口つけないんだおんわ」となると「あそこんちのじいちゃん、“いけず”だから、誰も話しようとしないんだよ」という意味合いになります。

「むんつん」という方言もありますが、こちらは仙台弁では「つっけんどんな人」となります。

宮城の方言(仙台弁)を話す芸能人やドラマ・映画

宮城方言とドラマ

方言アイドルなどというジャンルもありますが、宮城出身を公言している芸能人やタレントは残念ながら誰もが宮城の方言(仙台弁)を話しません。

ローカルタレントの「本間明彦」さんや落語家の「六華亭遊花」さん、吉本芸人の「マツトミ」さんなどは、地域のイベントでは方言を話します。

けれど全国区ではありません。

さとう宗幸さんは今では宮城の人という認識がありますが、出身は岐阜県です。
時折仙台弁を話しますが、どことなく宮城の方言にも違和感があります。

宮城の方言を使ったドラマなども存在しますが、ほぼ単発ドラマとなります。
このようなドラマに登場する出演者は仙台弁とは程遠いなんちゃってズーズー弁です。

またロケ地に宮城を選んだという場合でも、登場人物はすべて標準語です。

宮城の方言、使ってみてくださいね。

宮城方言のまとめ

宮城の方言は、地域性からか否定的・ネガティブな意味合いの言葉が多いのですが、話をしてみると、なかなか楽しいものです。
他地域からの流入も増えているため、コテコテの宮城の方言(仙台弁)を話す人は減っている傾向にあります。

けれど、「うんと好きなんだおん」などと宮城の方言を使って告白をしてみませんか?
それだけでも温かみがあって、素敵な関係を築けますよ。

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ライター
noel編集部

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