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仙台の方言(仙台弁)の特徴・種類

仙台弁告白

仙台の方言(仙台弁)の特徴

仙台弁は基本的に「なまり」が特徴です。

仙台弁では特に話し言葉の中で「タ行」に濁点がつくのが特徴的です。「わたし(私)→あだし」というようになまりが入り、ストレスポイントは二文字目の「だ」に強くつきます。

また、「サ行」が苦手な方も多く、仙台弁でも北部の方言に多いのですが若干が早口になる・活舌が悪くなってしまう人も少なくありません。「あのさぁ→あのっしゃあ」というように、「さ」が「しゃ」に置き換わる人も見られます。

中には「わたし(私)→あだす」とというようにタ行とサ行の合わせ技でさらになまりがきつくなる人もいるようです。ここまでくるとさすがに、イマドキ女子のなまりではありませんが…。

仙台の方言(仙台弁)の種類

仙台の方言(仙台弁)は、地方にとって若干使い方のニュアンスや言葉尻は変わりますが、ほぼ県内で統一されています。また、山形県や岩手県などの近隣県とも話が通じやすいのも特徴です。

山沿いの地域では声が大きく、活舌が若干悪い点があります。また海沿いの地域では語気が荒く方言が汚いという地域性もありますが、どの地域でも相手を思いやる温かみが含まれています。

仙台弁の中には、標準語で説明しにくくニュアンスが伝わらない言葉も存在します。

仙台の方言(仙台弁)のよく使われる定番表現

仙台弁の表現

①:いづい

仙台弁では定番の方言です。標準語ではニュアンスまでなかなか説明しにくいのですが、居心地が悪い・おさまりが悪いという感覚で使います。

用例①:「いづいと思ってたっけ、シャッツ(シャツ)のボタンひとつ掛け違ってたんだおん」
用例②:「あんだが左手で文字書ぐのみっと(見ると)なんだがいづいっちゃ~」

シャツやブラウスのボタンを一つ欠け間違えると、おさまりが悪いですよね。こういったときに「いづい」を使います。また、普段右利きの人が左手で文字を書いている姿を見ると不思議な感覚に陥りますよね。

こういったときに仙台弁では「いづい」を使います。

②:おだづ

仙台弁での「おだづ」は、「ふざける」といった意味で使われています。

用例①:「俺、むがし(昔)おだってだ頃があってしゃ」
用例②:「おめ、障子ふっちゃいで(壊して)、おだづなよ!」

用例①は「昔ヤンチャしていた頃」というように、とんがっていたことを表現するときに使います。用例②は、親が子供に怒る場面を想像するとわかるように「ふざけるなよ」という意味合いになります。

仙台弁の「おだづなよ!」は東日本大震災があった際に「東北魂」という言葉と一緒に多用されました。

③:もっこ・がっぺ(がぺっこ)

最近では方言を使う人が少なくなりましたが、「もっこ」は男の子、「がっぺ(がぺっこ)」は女の子を指します。乳幼児くらいの子供を指す方言です。

「もっこ」が成長すると「やろっこ」に変化します。やろっこは大人になってからも「○○さんちの息子」という方言でつかわれることがあります。

用例①:「山田さい(山田さん宅)のもっこ(がぺっこ)、もう歩くんだよわ」
用例②:「山田さい(山田さん宅)のやろっこ、まだ嫁もらわねんだど」

ちなみに、先に説明した「おだづもっこ」と先にふれた「おだづ」とひとつにまとめると「いたずらが過ぎる憎たらしい子供」という強い意味に変化します。

④:け・く・かね

「け」は「たべなさい」という方言です。一言ですべてを表現できるのも仙台弁の大きな特徴で、合理的な言葉の代表格といえるでしょう。

「く」は「たべる」という意味になります。そして、最後の「かね」は「食べません」という意味です。

用例①:「おつけ、け!(みそしる食べなさい)」「きんなからのわがしなおし、かねっちゃ(昨日からの沸かしなおしは食べません)」
用例②:「おごご、け!(お新香たべなさい)」「くうがら、うめごだ(食べるからね。おいしいね)」

仙台に住む彼女のお母さんに晩御飯を食べるよう、方言で声を掛けられるかもしれません。この3つの仙台弁はセットとして覚えておくと使いやすいですよ。

⑤:やんだ・すかね

「やんだ」、「すかね」は嫌だ・好きじゃないという方言です。どちらも拒絶を表す仙台弁です。

諸説ありますが、比較級が「やんだ」で最上級が「すかね」というと何となく意味合いが伝わるでしょうか。仙台弁で「すかね」と言われた人は「虫唾が走るほど嫌な人」になってしまいます。

用例①:「町内会の掃除さ行ぐの、おらやんだっちゃ~」
用例②:「あのおだづとお見合いすんの?すかねごだ!」

用例②の「すかねごだ」になると、お見合い相手である「おだづ」と呼ばれた人も、お見合いする人もどちらも「嫌な人」認定されています。それだけ仙台弁では強い言葉に変化することも。

⑥:けっぴ

仙台の方言・仙台弁となるとちょっとネガティブな方言が多いのですが、「けっぴ」は響きがかわいらしい言葉ですよね。

この仙台弁の意味は「鳥のフン」です。途端にかわいい仙台弁がネガティブな響きに代わってしまったかもしれませんね。

用例:「車のガラスさけっぴついだ!(車のフロントガラスに鳥のフンがついた)」

スズメでもカモメのものでも「けっぴ」は「けっぴ」です。仙台人は「けっぴ」は方言ではなく標準語と思っている節がありますので、彼女が「けっぴ」といっても優しく受け止めてあげてください。

⑦:あんべいい・あんばく・やんばい

「あんべいい」は「塩梅いい」という意味合いの方言です。ちょうどよいといった意味合いで使われます。

この方言にはちょっとした変化形が存在します。「あんばく(うまいぐあいに)」「やんばい(ちょうどよく)」「あんべいい(心地がいい)」というように同じ意味合いでも、言葉使いが変わるとニュアンスが変わります。

用例①:「ががさんの煮物、あんばくこせだっちゃ(お母さんの煮物、うまいぐあいに作ったね)」
用例②:「今日のふろのお湯やんばいだごだ(風呂の湯温、いい感じです)」
用例③:「ここがいの椅子、あんべいいごだ(ここの家のソファ、座り心地いいね)」

方言の使い分けの文法は特に存在していませんが、仙台弁についてちょっとだけ耳を傾けてみると面白い方言として感じることができます。

⑧:いぎなり

これも、仙台を代表する方言です。「いぎなり」は「突然に」とか「急に」といったニュアンスで使われます。「たくさんの」という意味も含まれています。

用例①:「あいづ、朝の6時にいぎなり電話よこしやがって」
用例②:「彼のお母さんにデートするって言ったら、いぎなりおいなりさん作ってくれたんだけど」

この「いぎなり」という方言も、仙台人は標準語として使っている節がありますが、関東圏の人から見たら違和感を覚えるという方が多いようです。

⑨:おはよう靴下

「おはよう靴下」は朝に履く靴下ではありません。親指にあたる部分に穴が開き、穴から指が顔を出している状態を指しています。

現在40代以降の人の中には「方言として使ったことがない」という人も見られます。また、最近の若い世代の子も使わないという声もありますが、親世代にある人が子供の靴下を見て「おはよう靴下履いてないで、新しいの履きなさい」ということもあるようです。

彼女が彼に「おはよう靴下履いてる~」と笑うこともあります。そんなときは「靴下プレゼントしてよ?」とおねだりをしてみましょう。

⑩:んだ・いいっちゃ・んだがら

これらの方言は「ほぼ肯定文」です。「いいっちゃ」は「いいんじゃない?」という方言で、中庸なニュアンスを含むことがあります。

相手をしっかり肯定しつつも、受け手にとってはどっちでもいい案件に関して使うこともあります。ちょっと面白いですね。

「んだ」という方言は、肯定の中でも、軽い気持ち「そうだね」を表します。「そうだよ」とは若干ニュアンスが変わります。

用例:「お隣のガガさん帰ってこねって話なんだどや」「んだがら!」

「んだ」が変化し「んだがら」となると、相手は話に食いついた証拠と受け取って構いません。ここから話ぐんと飛躍するきっかけとなります。話がノッてくると、強めの肯定文として「んだがら、だれ」「んだっちゃ、だれ」とリズムを付けるための枕詞「だれ」が付きます。

⑪:ひじゃかぶ・すてこび・まなぐ

高齢者がよく使う方言です。体の一部を指しています。ひじゃかぶは「ひざ」、すてこびは「おでこ」、まなぐは「眼」です。

ほかにも仙台弁で体の一部を表す方言があります。だけど、この3点セットを覚えておくとよいでしょう。

ちなみに、東北人は人前で泣きません。弱音も吐きません。

けれど、悔しくて泣きたくなる時があります。そんな時は「まなぐから水ではってきた」いい、涙が出てきたことをよそに強がります。

仙台の方言(仙台弁)の告白フレーズ・かわいい表現

仙台弁LOVE

①:「うんと、すき」

実は、仙台の方言にはなまりがあれども「好き」という言葉には方言がないのです。思春期世代の女の子の場合、ストレートに「好きです」と告白することが一般的です。

でも、「たくさん」「とっても」のことを「うんと」と方言で言います。語彙が少ない女の子や、「うんと」を方言だと思っていない女の子などは「うんと好きです」と伝えることもあるようですね。

「うんと」という仙台弁に甘酸っぱさが含まれていて、男の子はキュンと来てしまいます。

②:「かっこいいっちゃね!」

「○○君、かっこいいよね!」ということを仙台弁では「かっこいいっちゃね!」といいます。

意中の男の子に対して言う「かっこいいっちゃね!」の語尾は同意ではなく「かっこいいよ!」と言葉を強める方言に変化します。男の子にしたら最高の誉め言葉と受け取って構いません。

これに「いぎなり」がついて「いぎなりかっこいいっちゃね!」になると、雲の上の人に代わってしまうことも。例えば、歌って踊れるアイドルグループのファンが推しメンに対して言う言葉ともうけとれます。

③:「いぎなし好きになっぺした!」

この場合の「いぎなり好きになっぺした!」は「惚れてまうやろ~!」とほぼ同義語です。今まで意識しなかった男子が、ここ一番の時にダンクシュートを決めたという場面や、友達男子が突然女子をかばうような態度をとったという場面を想像してみてください。

少女漫画にありがちな「恋に堕ちる瞬間」のようなときに「いぎなり好きになっぺした!」を使います。告白の気持ちをひた隠しにしながらも、それがあふれ出そうになった時に「今こんなことされたら、いぎなり好きになっぺした!」という告白もアリですね。

④:「付き合ってけさいん」

この頃の女の子はあまり言わない方言かもしれませんが、仙台弁で「付き合ってください」とはこういいます。仙台の方言で「~してけさいん」は最上級の丁寧な言葉遣いとなります。

もしうっかり「付き合ってけさいん」と言ってしまったら、意中の男の子に「どこに?」と切り返されてしまうかもしれません。ここぞっていうときにはストレートに「うんと好き!付き合って!」と伝えましょう。

男性が「付き合ってけさいん」と言われたら、黙って握手をして「よろしくお願いします」と答えてあげてください。

⑤:「めんこいって言われて、おしょすい…」

これは女の子の反応で、ありがちな一言です。「かわいいって言われて、恥ずかしい…」という意味になります。

仙台人にとって、「めんこい」という方言は「かわいい」とストレートに言われるよりキュンとくる言葉のようです。男性は、好意を持っている女の子にたいし「めんこいね」と言いながら軽く頭をなでてあげると、キュンポイントをくすぐられますよ。

「おしょすい」という仙台弁も、若い女の子の間ではあまり使われることがありませんが、あか抜けない方言を使う女の子ってなんかかわいく見えてしまうから不思議です。

仙台の方言(仙台弁)を話す芸能人やドラマ・映画

仙台弁のタレント

宮城県を代表する芸能人といえば、お笑い芸人のサンドイッチマンや狩野英孝さん、パンサーが有名どころです。また、卓球の福原愛選手やフィギュアスケートの羽生結弦選手も宮城県出身です。

ただ、出身が宮城というだけで仙台弁を話すというタレントさんやスポーツマンはいないという現状も…。

宮城県を舞台としたドラマといえば、NHKの朝の連続ドラマ「天花(‘02)」が知られています。このしばらくでは「ロケ地」として使われたことは多々ありますが、ドラマの舞台として宮城県が使われる・登場人物が仙台弁を話すということはほぼありません。

仙台弁はあったかくてかわいい!

仙台弁はあったかい

仙台は、他地域からの流入も多い地域のため、ネイティブスピーカーの方が少なくなったという事実があります。また方言を話すことをせず標準語に近い形で話をする人が多くなったため、コアな仙台弁は薄れつつあります。

けれど、仙台弁はあったかくて告白するにもかわいいフレーズがたくさん!ぜひ使ってみてくださいね。

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ライター
noel編集部

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