フェルト刺繍のやり方&ステッチの種類!簡単なお花の作り方も
幼いころにお母さんの裁縫道具から針と糸を借りてお人形の服を手作りしたことがありませんか? 昔は裁縫大好きだったけれど、今は…という人はぜひフェルト刺繍で昔の気持ちを取り戻してはいかがでしょう。 フェルト刺繍には難しい手法もありますが、今回は初心者さんでも簡単にできる方法を紹介してまいります。 自分だけのかわいいフェルト刺繍がある生活を楽しみましょう。
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フェルト刺繍をはじめよう♡
フェルト刺繍とは、羊毛などを圧縮して作られたフェルト生地に針と糸を使って思い思いの柄を表現することを指しています。
一般的に販売されているフェルトは、繊維状のアクリル生地を圧縮したもので、カラフルなものが多いのが特徴です。
フェルトは切りっぱなしでもほつれず、1mmほどの厚みがあるので手芸が初めての人でも扱いやすい生地です。
それに、手芸店へ行けば20cm角のフェルトなら1枚80円~120円程度で購入できるので、今すぐ始められ、入り口のハードルも低いと思われます。
刺繍となると、本格的なステッチなどが必要になりそうという懸念を持っている人もいるかもしれませんが、初心者のフェルト刺繍の場合「並縫い」と「半返し縫い」などができればほぼOK。
早速フェルト刺繍を始めませんか?
まずは揃えて!フェルト刺繍の材料&道具
フェルト刺繍の材料はとてもシンプルです。
こちらの材料を確認してぜひとも手芸店や100円ショップ、通販などで買い求めてくださいね。
①フェルト
手芸店では、色とりどりのフェルトが販売されているので、ご自身が好きな色を探してみるとよいでしょう。
手芸店で購入できるフェルトはとても扱いやすいので、刺繍に使うならぜひ手芸店で購入できるものをおすすめします。
②刺繍糸
刺繍糸は100円ショップでも購入できますし、手芸店では目を見張るほどたくさんのカラーの糸が購入可能です。
ぜひフェルトの色味とのコーディネイトを楽しみながら買い求めてみてはいかがでしょうか。
③刺繍枠
フェルト自体厚みやハリはあるので使わなくても刺繍は可能です。
大きなフェルトや薄手フェルト生地に刺繍をする際には、刺繍枠をはめるとピンポイントに刺繍しやすくなります。
刺繍枠は100円ショップでも販売されていますが、固定しにくい製品もあるので、手芸店で購入することをおすすめします。
④裁縫セット
針とはさみがあれば最低限刺繍は可能です。
ただし、刺繍糸が通せる針穴が大きいフランス刺繍針やクロスステッチ針を準備してくださいね。
下地を書くためのチャコペンや、大きな布を使いたい場合の刺繍枠を準備しておくと便利です。
チャコペンがない場合は、シャープペンシルでも大丈夫ですよ。
フェルト刺繍の基本の手順
ここからは、フェルト刺繍を実際に始めてみましょう。
一番シンプルなフェルト刺繍の方法は以下の通りです。
- 下絵を書く
- 針に糸を通す
- ステッチを施す
- 完成!アレンジを楽しみましょう。
①下絵を書く
インスピレーションでも、図案帖から探しても構いません。
フェルトに直接刺繍したい図柄を記入していきましょう。
チャコペンではなかなか図案が写し取れないという場合もあると思います。
シャープペンシルやボールペン、手芸店で購入できる図案転写用の消えるチャコマーカーを使うとよいでしょう。
図案が見にくくて刺繍がしにくいという場合もあるかと思います。
初めてのフェルト刺繍の場合、フェルトは白や生成り色などの淡い色から始めてみるとよいでしょう。
②針に糸を通す
次は、刺繍糸の準備です。
刺繍糸は「枷(かせ)寄り」で販売されており、先端を見つけたらそっと30cmほど引き出して切ります。
刺繍糸は6本取りでヨリがかかっていますので、すべてほぐして、2本だけを使います。
太めのラインで刺繍をしたいという場合は3本取りでも構いません。
糸をそろえて、フランス刺繍針やクロスステッチ針の穴に通してください。
これらの針は先端が丸いのですが、フェルト刺繍でも十分指し縫いが可能です。
刺繍糸は、一般的な裁縫で使われる玉留めなどは不要です。
ただ、抜けないように気を付けてくださいね。
③ステッチを施す
糸が抜けないように、初めの1針目は返し縫いをしておくと安心です。
そこからは並縫いや返し縫いの要領で縫い込んでいきましょう。
刺繍枠をセットすればハリが生まれますので図案が見やすくなり、針が刺しやすくなります。
カーブを描きたい場合は針目を細かく縫っていくと表現ができます。
色を埋めたいという場合は、同じ方向にランダムに針を埋めていくと、ふっくらとした刺繍ができます。
簡単な図案であれば30分ほどで完成します。
④完成!アレンジを楽しみましょう。
刺繍が完成したらブローチやしおり、マスコットなどに仕上げてみませんか?
丸やハートなどに刺繍の周囲を切り取ったものを2枚準備します。
二枚をブランケットステッチなどで縫い合わせて、綿を入れて閉じればかわいいマスコットに仕上がります。
また、同じ大きさに切ったものを3枚ほど準備し、重ねて手芸用ボンドで貼り合わせます。
乾いたのちにビーズなどを縫い付けたり、ブローチピンをつければかわいいブローチの完成です。
表現力UP!フェルト刺繍で覚えておきたいステッチ
刺繍をするときに覚えておくとかわいい作品に仕上がるステッチを紹介します。
難しいものではなく、小学校の家庭科で習う裁縫レベルでもクリア可能です。
- ブランケットステッチ
- サテンステッチ
- フレンチナッツステッチ
- チェーンステッチ
- ランニングステッチ
①ブランケットステッチ
縁取りや縫い合わせの時に使うステッチです。
ブランケット(毛布)にもこのようなステッチが使われているものを見たことがある人もいると思います。
ブランケットステッチができるようになると、フェルト刺繍だけではなくそのほかの刺繍もできるようになるのでぜひ練習してみてくださいね。
ブランケットステッチの間隔を狭くするとボタンホールステッチになり、フェルトで作るポーチなどに温かみがあるボタンホールを入れることができますよ。
②サテンステッチ
光沢があるサテンのようなステッチを表現するための刺繍です。
刺繍でスペースを埋めるときなどにも使われます。
サテンステッチは簡単なステッチですが、針の刺し方ひとつでラインが変わりますので、針の出し入れに注意しましょう。
糸を引き締めず、ふっくら刺すことを意識すると立体的な刺繍が出来上がりますよ。
何度か練習を重ねることで、バランスよい刺繍に仕上がりますので何度も繰り返してみてください。
③フレンチナッツステッチ
フレンチノットステッチなどと言われるステッチです。
日本の裁縫で言われるところの「玉留め」に近い方法で刺繍を行います。
玉状のフレンチノットステッチは、お花の花芯や星空の星などを表現するときに最適です。
太めの毛糸フレンチノットを作るなどアイディア次第でいろいろな表現ができるでしょう。
きれいに見せるためには、糸を余らせることなくステッチを作ること。
玉を作って止めるときにも玉の根元で針を刺せるように工夫することが大切です。
かわいいフェルト刺繍を作りたいときにはぜひ覚えてほしいステッチの技法です。
④チェーンステッチ
チェーンステッチでは、くさり型の連続刺繍が施せます。
ちょっとプロセスが難しいかもと思われるかもしれませんが、慣れるととても面白く続けられるステッチです。
お花の茎や雲の形のステッチなどアイディア次第でラインや形などの表現が可能です。
ただし、規則性が高いステッチなだけあって、くさりの大きさをそろえないと美しく見えないというデメリットがあります。
チェーンステッチを規則正しく作るために、等間隔で針が出せるように練習しましょう。
⑤ランニングステッチ
ランニングステッチは基本中の基本ともいえるステッチです。
いわゆる並縫いといったステッチですが、針の出入りを気にすることで規則性があるきれいなステッチが出来上がります。
このほかにも、半返し縫いや本返し縫いの手法でできるステッチがあるので、併せて使うとさらにイラストのような刺繍を作ることができるでしょう。
ランニングステッチだけで刺繍は作れますので、ほかのステッチが難しくて断念したという方でもぜひチャレンジしてみてください。
【初心者でも簡単】フェルト刺繍で作るお花の手順
ここでは、フェルト刺繍が初めての人でもできるお花の刺繍をご紹介します。
こちらの動画の冒頭で紹介されているローズを例にとって紹介していきますね。
このほかにも、先ほど紹介したステッチだけでできる刺繍が紹介されているので、ぜひ「お花のフェルト刺繍」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
フェルト(1mm以上厚)20cm角1枚
刺繍糸(6本どり) 芯用50cm 1本/ 葉用100cm 1本/ 花びら用200cm 1本
針・コンパスなど
- フェルトに台となる円を描く
- 茎や葉をあしらってみよう
- 円を5分割するよう芯を作る
- 中心から花となる糸を渡す
- 最後に糸を留めてローズの完成
①フェルトに台となる円を描く
台となるフェルトに直径4~5cmほどの円を描きます。
その時に中心となる点も打っておくと便利です。
ふっくらとしたバラの花を作るために、刺繍糸は6本取りのままで使います。
このサイズよりも大きな円を作りバラの刺繍をしたいという場合は、刺繍糸ではなく、極細毛糸を使ってみるとよいでしょう。
モヘアやファー毛糸を選ぶと風合いが変わって面白い仕上がりになります。
②茎や葉をあしらってみよう
この動画には表現されていませんが、ローズの刺繍を施す前にバランスを考えて葉を刺繍することをおすすめします。
丸く描いた下地から1mmほど離して葉を刺繍するとより立体的に見えます。
ランニングステッチやサテンステッチなど好みの刺繍で葉を作ってみてくださいね。
方向や大きさを変えて葉の刺繍をすると動きが出てきますしより「お花らしく」見せることができます。
センスが問われる部分でもあるので、いろいろ研究するのもよいでしょう。
③円を5分割するよう芯を作る
芯用の糸を針に通します。
中心点から外の円に向かって5本の芯を作ります。
芯の本数を変えると、花びらの表情が変わります。
芯の本数は5本~7本程度がきれいに仕上がるようです。
不規則性を楽しみたい場合は、5本や7本など奇数で芯を作ってみることをおすすめします。
ポイントとして気を付けたいところは、中心点の「針出」をずれないようにすることです。
同じ場所から糸が出ていると仕上がりがきれいに決まります。
④中心から花となる糸を渡す
次は花用の糸を針に通します。
途中で切らず、長いまま使いましょう。
中心点の近くから針を出し、初めにある芯糸は上から渡します。
次の芯糸の下をくぐらせて、この先も上下に交互に糸を渡していきましょう。
花びらを作るときには、糸を引かないようにすることがポイントです。
時折、指先で渡してきた糸をならしてあげると仕上がりがきれいになります。
花びら用の刺繍糸は、ローズ色などを選ぶときれいですが、グラデーションの刺繍糸を使うとゴージャスなローズに仕上がるのでぜひお試しください。
⑤最後に糸を留めてローズの完成
フェルトに描いた円を埋めるイメージでぐるぐると糸を渡し、芯が隠れるまで埋めたら終了です。
台に終わりの糸を通し糸が外れないように処理すれば完成です。
出来上がったローズの刺繍は立体感があるので、ブローチなどに仕立てるとかわいらしいです。
フェルトは切りっぱなしでもほつれないので、初めての手芸でも見栄えが良いブローチが出来上がります。
刺繍を施したフェルトに輪にしたウーリーゴムを縫い付けたら、髪留めゴムに仕立てることもできますよ。
フェルト刺繍で作ったアイデア作品5選
ここからは、フェルト刺繍を応用して作られた作品をご紹介します。
ハードルが高そうというイメージがありますが、フェルトなので材料費も安く済みますし思った以上に作り方も簡単ですよ。
①ぱっちんピン×季節の刺繍
こちらは、フェルトの台座に季節の花を刺繍したものを、スリーポイントピン(ぱっちんピン)にかぶせたものです。
ピン自体小さなもので、細かい作業になるので難しいと思う方もいるかもしれませんが、髪の毛につけた時に目立つのでお洒落さんにぜひチャレンジしてほしいアイテムです。
季節の花以外にもたくさんの刺繍のモチーフでアレンジしてみてくださいね。
スリーポイントピンにかぶせにくくなるため、フェルトは厚手のものより1mm程度の薄いタイプを使うことをおすすめします。
②フェルト刺繍×わが子の布絵本
手作りの布絵本は、子供の情操教育にも役立ちます。
ママの愛情もたっぷり伝えられますよ。
文字もひとつひとつフェルトに刺繍されているので、細やかさもうかがえます。
立体感もありますし、刺繍糸を変えることでカラフルさも生まれるので色彩感覚を育てることもできますね。
裏の糸の跡を見せないためにフェルトを重ねてブランケットステッチで合わせているようです。
子供にとってお気に入りのおもちゃになること間違いありません。
フェルトは縮みますので、洗いたい場合は縮みにくい「ウォッシャブルフェルト」を買い求めてくださいね。
③シンプルステッチ×コースター
ランニングステッチとブランケットステッチだけで作られた、シンプルなコースター。
手づくりならではの温かさをじかに感じられる作品です。
薄手のフェルトに雲の刺繍を施したものに、もう一枚フェルトを合わせてブランケットステッチで縁かがりを行い、仕上げたものです。
プロセスも簡単ですので、おうち用に準備してみるとよいでしょう。
青の色味は夏向け、秋はアースカラーでというように時期によってフェルトの色味を変えていくとセンスアップにつながります。
④鮮やかビーズ×アジサイ刺繍
こちらは、刺繍と工作的要素が合体した作品です。
小さな正方形にカットしたフェルトをアジサイの花に見立て、ビーズを花芯のように縫い付けて花を表現しています。
グラデーションを付けるためにピンク系や白色のフェルトをランダムに配置しています。
葉も刺繍を施したうえ重ねて縫いつけてあるので、さらに立体的に見せているのがわかります。
根気がいる作品ですが、出来上がった時の爽快感はひとしおではないでしょうか。
⑤色とりどりフェルト刺繍×ふっくらブローチ
色とりどりのフェルトを重ねて刺繍を施しています。
フェルトにはたくさんの色合いがあり、グラデーションや反対色などで組み合わせやすい特徴があります。
刺繍糸の組み合わせや同系色のビーズなどをあしらってエスニックな感じのブローチに仕上がっています。
綿を入れてふっくらとさせた最後の仕上げに、縁にビーズを縫い付けてかわいさをアップさせているところがポイントです。
きれいにカットしたいという場合は、小回りが利くクラフト用のはさみを準備されることをおすすめします。
フェルト刺繍のバリエーションが広がるおすすめ本
①やさしい色の糸とフェルトで作る刺繍のアクセサリー
フェルトに刺すだけの刺繍に特化した本です。
アクセサリーの作り方も併せて載せているので、自分の好みに合わせた作品作りができる一冊になります。
今風のパターンを中心にお洒落なデザインに注目です。
日本刺繍のようなイメージに近いものもあるので、和の小物が好きなひとにもなじめるでしょう。
糸の色合いが優しいので、刺しているうちに気持ちも穏やかになってくるかもしれません。
色合わせを変えていくつでも作りたくなってしまうレシピ本です。
②フェルトにちくちく刺しゅうブローチ
こちらは、動物のモチーフを中心としたブローチのレシピ本です。
動物が大好きという人におすすめしたい一冊。
一つの刺繍にたくさんの色を使うため、立体的に見せることができますし、毛の流れの作り方など参考になる手法がたくさん詰まっています。
図案となるイラストもかわいいものばかりですので、たくさん作ってバッグや洋服につけたくなってしまうことも。
80点のレシピが満載されているので、どのモチーフから始めようか迷ってしまうという人もいるかもしれませんね。
③フェルト刺しゅうの花図鑑
こちらはちょっと上級者向きの一冊です。
フェルトに刺繍糸で立体的に刺繍を施すという「オフフープ技法」を指南するフェルト刺繍の本です。
アーティスティックな作品を作ってみたいと考えている人はぜひこちらの一冊を準備されてはいかがでしょうか。
花に寄せて作ることができるため、スーツのブローチなどにもおすすめです。
繊細なフェルト刺繍が出来上がるので、趣味として没頭できるかもしれません。
④クロバーフェルトパンチャーで作る 大人かわいい羊毛刺しゅう
こちらは、羊毛フェルトを布に絡めて形作る「フェルトパンチャー」の本です。
刺繍とはちょっと毛色が違いますが、針を刺したり抜いたりということが難しい人でも、専用の器具で上から押さえつけるだけで刺繍のような風合いを作ることができるのでおすすめです。
ステッチが難しくて刺繍をあきらめた人でも、これだったら取り掛かりやすいかもしれません。
こちらは羊毛フェルトと布、フェルトパンチャーという専用器具が必要になりますが、手芸店で買いそろえることができます。
フェルト刺繍をあなたの趣味にしませんか?
ほんのわずかな投資で始められるフェルト刺繍。
動画サイトなどを参考にしながら作品を仕上げられるほどの手軽さなので、刺繍が初めて裁縫が苦手という人でもチャレンジしてみることをおすすめします。
自ら仕上げた作品はいとおしさも相まって大事にできるはず。
ブローチやピンなどに仕上げて自分の身に着けてみてはいかがでしょうか。
趣味を大成させれば、ハンドメイドマーケットで販売する「作家さん」も目指せますよ。
取り入れたくなる素敵が見つかる、大人女性のためのwebマガジン「noel(ノエル)」。
メイク・コスメ、美容、ライフスタイル、ヘアスタイル、ファッション、ネイル、恋愛のテーマで、編集部が独自調査、または各分野のスペシャリストが監修した記事を毎日更新しています。いまの気持ちに1番フィットする情報で、明日を今日よりすばらしい日に。