
ワラーチとは?ランニング用サンダルの作り方&走り方のコツを解説
今流行のランニング用サンダル、ワラーチについてご紹介していきます。 ワラーチの魅力やワラーチランのメリット・デメリットがわかります。 まだ、自作ワラーチの作り方と足を痛めない走り方のコツもご説明しました。 今回の記事を読むとワラーチの魅力を感じること間違いなしですよ。
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「ワラーチ」とは?
ワラーチとは、メキシコ北西部の先住民族タラウマラ族(ララムリ)が使用しているランニング用サンダルのことです。
シンプルな作りで素足に近い感覚で走れると注目を集めています。
ワラーチが注目されるようになったのは、裸足ランナーのバイブルと言われる「BORN TO RUN」という単行本がヒットしたため。
この本の中で、「走る民族」と呼ばれるタラウマラ族の速さの秘密や、従来のランニングシューズによる足の弊害などに触れられています。
これを機に、ワラーチに魅せられた長距離ランナーが続出したのです。
ワラーチの魅力
では、ワラーチの魅力とはどんなところにあるのでしょうか。
大きく6つの魅力をご紹介します。
- 軽さ
- 雨でもOK
- ハンドメイドできる
- 野生的
- キュートなデザイン
- ローコスト
魅力①:軽さ
まずは、とても軽いのがワラーチの良いところです。
ソールと紐のみで構成されているので、余分な重さがありません。
軽いので足に負担がかからず、軽快にランニングできます。
持ち運びにも便利ですよ。
魅力②:雨でもOK
ランニングシューズのように、布部分がないので、雨の日でもそのまま走ってもOKです。
濡れてしまっても気になりません。
泥はねなどの汚れを心配する必要もありませんね。
魅力③:ハンドメイドできる
シンプルな材料でできているため、自分で簡単に手作りできるのが魅力的です。
自分好みの色やデザインにできて、作る工程も楽しめます。
また、壊れてしまっても、同じ要領でリペア可能です。
DIYが好きな方には自作ワラーチがおすすめですよ。
魅力④:野性的
先住民族が使用していたワラーチを履くと、野生的な気分を味わえます。
ボヘミアンファッションやインディアンファッションなど、現地の民族衣装を模倣したファッションは個性的でおしゃれですよね。
ただのサンダルではなく、「ワラーチ」というのが野性的でおしゃれなワードになります。
魅力⑤:キュートなデザイン
ワラーチは、少ない材料ながら、そのデザイン性もキュートで魅力的です。
特に、親指と人差し指の間に挟む鼻緒とかかとを通す紐の結び方がオシャレに見えます。
また、紐の太さやカラー、種類、ソールの素材によってイメージをガラッと変えられるので、何足持っていても飽きません。
ランニング用はもちろん、普段履きに使っても可愛いですよ。
魅力⑥:ローコスト
自作できるワラーチは、材料費もローコストでお財布に優しいのも魅力的。
高価なランニングシューズなら数万円するものも、ワラーチなら数千円で作れるのです。
もちろん、自作しなくてもワラーチは安価に購入できますよ。
ワラーチを履いて走るメリット・デメリット
長距離に最適とされるワラーチですが、大きく3つのメリットと1つのデメリットがあります。
メリット
まずは、どんなメリットがあるか見ていきましょう。
①:身体に負担がかからないフォームを確立できる
まず、身体に負担がかからないフォームが確立できます。
ランニングをしていると、足の土踏まずが痛くなったり(足底筋膜炎)、膝が痛くなったり(ランナー膝)します。
通常のランニングシューズでは、トゥスプリングによってつま先が地面に接着しない構造になっていたり、靴底のクッション材で地面からの衝撃を和らげる作用があります。
機能性の高い靴により、足裏の機能が使われない状態になっているのです。
素足に近い状態でランニングすると、自ら足の裏の機能を最大限に使うようになるのです。
そして、素足で走ってもケガをしないようなフォームを確立できます。
②:素足に近い感覚で走れる
ワラーチは靴底が薄いため、地面の間隔が直に伝わってきます。
そのため素足で走っているのに近い感覚を得られるのです。
走るのには足の筋力が注目されがちですが、地面と身体の接点である足裏はとても重要なポイント。
身体を前に進めるテコの役割と、地面の状況を伝える役割を持っています。
ゆかるんだ道や、でこぼこ道などの道の状態が足から伝わります。
③:楽しく走れる
ワラーチを履くと、とにかく楽しく走れるようになります。
野性的で気分が良いのです。
「はだし保育」という保育方法がありますが、幼児期に裸足でいることで土踏まずを形成したり、脳に刺激を与える効果があるとされています。
しかし、こどもは効能があるからはだしになるのではなく、裸足になるのが「楽しい」と思っているでしょう。
野性に返ったような、童心を取り戻したような楽しさを感じられるのが良いところです。
デメリット
ワラーチを履くデメリットと言えば、ケガの危険性があることです。
足の皮膚を保護する靴がないため、むき出しの足が外的な要因によって傷つく可能性が高くなります。
また、後に詳しく触れますが、ワラーチに不慣れな状態で長距離ランニングを開始すると、足を痛めてしまうことも。
ワラーチの作り方【準備】
では、ワラーチの作り方をご紹介します。
まずは、必要な材料を準備しましょう。
準備①:ビブラムシート

まずは、靴の底部分になる「ビブラムシート」を用意します。
ビブラムシートはVibram社の製品で、ソール(靴の底面)として高い評価を得ています。
ビブラムのゴム製のソールは、滑りにくく耐久性が良いので、様々な靴に使用されていますよ。
ワラーチを自作する際には、2枚セットでインターネットから簡単に注文できるので便利です。
準備②:真田紐

続いて準備するのは、ワラーチを結ぶ紐「真田紐」です。
真田紐は平たい紐状の織りもので、真田幸村が考案したなど諸説ある伝統的な紐です。
真田紐には様々な色やデザインがあり、伸びにくく丈夫なことから、ワラーチ作りに使用されることが多い紐です。
今回は、細めの13mmの幅の真田紐を使用しています。
他にも、紐の種類はどのようなものでもOKですよ。
手芸紐やシューズ用の紐、パラコードなどでも作れます。
あまり細すぎると、指の股に食い込んで痛みを感じてしまうかもしれません。
準備③:ウェットスーツ生地

続いて準備するのが、ウェットスーツ生地です。
今回は厚さ3.5mmの生地を使用します。
ソールが靴の底面で、スーツ生地は足側の生地になります。
スポンジ素材を使用したり、スーツ生地に皮を重ねたりと、厚さや種類は個人の好みや履き心地に応じて調整してください。
ビブラムシート1枚でも作れますが、地面の衝撃が直に伝わるので、足の裏が痛くなることがあります。
準備④:ラダーロック

紐を結ぶ場合は不要ですが、ラダーロックで固定する方法も簡単でおすすめです。
今回は、真田紐の幅が13mmですので、15mmの幅のラダーロックを用意しました。
準備⑤:接着剤

ビブラムと生地を接着するのに必要な接着剤も準備します。
接着剤は強力で、ゴムに対応していればどのようなものでも構いません。
靴底の補修材に安定した評価のある「シューグー」だと、ビブラムシートをしっかりと接着してくれます。
こちらもネットから購入可能です。
手持ちの靴底が剥がれたときの補修にも使えるので、ご家庭に1つあると重宝しますよ。
準備⑥:穴あけパンチなどの道具類
材料を揃えたら、必要な道具類も準備してください。
まずは、穴あけパンチです。
皮用のパンチだと、皮を使用する際にも使えて便利ですよ。
100均でも販売されています。
他に必要なのは、型を取る紙、ペン、布切りはさみ(カッターでも可)です。
ワラーチの作り方【手順】
材料と道具が準備できたら、ワラーチを作ってみましょう。
ワラーチの作り方手順はこちらです。
- 足の大きさに合わせて型取り
- カットして接着
- 接着した生地をカット
- 穴をあける
- 紐を結ぶ
ステップ①:足の大きさに合わせて型取り
まずは、足の大きさに合わせて型取りをします。
型紙を下にひいて、足をのせます。
足のラインに合わせて線をひいていきます。
左右どちらも同様に型を取りましょう。
取った型紙をビブラムシートに当てて、ラインをなぞります。
ステップ②:カットして接着
なぞった線に合わせて、ビブラムシートをカットしていきます。
カットしたビブラムシートをスーツ生地に接着します。
接着剤が完全に乾くまで、重しをのせて一日放置してください。
ステップ③:接着した生地をカット
接着剤が乾いたら、ビブラムシートに合わせてスーツ生地もカットしてください。
カッターでも切れますが、布切りはさみだと曲線が楽に切れますよ。
ステップ④:穴をあける
再度足を合わせて穴をあける位置に印をつけてください。
穴をあける位置は、「親指と人差し指のつけね」、「くるぶしよりやや前」、「土踏まずの中央よりやや前」の3箇所です。
印に合わせて穴あけパンチで穴をあけましょう。
穴をあけたら、カッター等で切れ込みを入れると平らな真田紐がフィットしますよ。
ステップ⑤:紐を結ぶ
最後に、紐を結びます。
紐を結ぶ工程はたくさんあるので、動画を参考にしながら作業するとわかりやすいですよ。
- 鼻緒の裏から紐を通し、裏面でかた結びする
- 鼻緒からくるぶしの穴に通す(足をはめる)
- 下から出た紐を、鼻緒からくるぶしへの紐の前面、下から上へくぐらせる
- かかとに回し、土踏まずの穴に通す
- 下から出た紐を、かかとから回った紐の後ろ面、下から上へくぐらせる
- 出た紐を、鼻緒からくるぶしの紐の下に通す
- 出た紐を、かかとから土踏まず紐の下に通す
- 出た紐を、鼻緒から土踏まずへの2本の紐の下に通す
- クロスした部分を半回転させ輪を作り、出た紐を通ししばる
- 出た紐をかかとを回り、くるぶしから鼻緒の紐の下に通す
- 出た紐を、かかとからくるぶしへの2本の紐のしたに通す
- クロスした部分に輪を作り、出た紐を通ししばる
- 通した紐をくるぶしから鼻緒の紐の下に通す
- 通した紐を、甲の紐の上からくぐらせ、土踏まずと鼻緒の紐の上から通す
- 輪を作り、紐を通してラダーロックで固定する(もしくは結ぶ)
この紐の通し方は、ワラーチ作りでは有名な木村東吉さんの動画を参考にしています。
ラダーロックを使用する場合は、紐の結び回数を減らしても。
他にも紐の結び方は多数ありますよ。
ワラーチの紐が緩んできたときの対処法
紐のみで足に固定されているため、走っているうちにワラーチの紐が緩んでくることがあります。
ランニングの途中で紐が緩んだときのために、予備の紐を持ち歩いて結び直せるようにしておくと安心ですよ。
また、鼻緒からかかとにかけての紐に、ゴムを通して足首にねじりながら巻き付けて縛ると、ゆるみ対策になります。
ワラーチ初心者でも足を痛めない走り方
ワラーチ初心者は、短い距離をゆっくりとしたスピードで走り始めましょう。
初心者は、使い始めに足を痛めやすいと言われています。
スピードの速い外国人ランナーは、フォアフット走法で走ります。
フォアフット走法とは、足の前部分から着地する走法のこと。
ワラーチはフォアフット走法を身に着けるのに良いとされていますが、足前部分を使う走り方に慣れていないため、足を痛める原因になるのです。
フォアフット走法を意識しながら、少しず距離をのばしていきましょう。
ワラーチランニングをする時の注意点
注意点①:無理をしない
まずは、ワラーチに慣れることが重要です。
走って足を痛めるだけでなく、鼻緒やかかと部分の紐がこすれて皮膚が赤くなることも。
痛みを感じたら無理は禁物です。
歩いて移動するところから初めてみましょう。
注意点②:路面状況に気を付ける
石や泥の多い山道に限らず、舗装された道路でもガラスや物が落ちていることがあります。
むき出しの指先をケガする可能性がとても高いので、くれぐれも路面状況には注意して使用しましょう。
ワラーチは通販サイトでも売っている?
DIYが苦手な方は、通販サイトでワラーチも購入可能ですよ。
ワラーチの通販ショップでは、紐の色とベース台、鼻緒の色を選んで組み合わせ発注できます。
16㎝から27㎝の通常サイズであれば、税抜3,700円(送料324円)でコスパも抜群。
足の左右差などに対応したオーダー特注であれば、税抜4,700円(送料324円)です。
ワラーチ通販サイトはこちらになります。
ワラーチ通販サイト「シューズショップタケダ」
ワラーチを履いて楽しくランニングを始めよう
本来持っている足の機能を高めてくれるだけでなく、デザイン性も可愛くてとても注目を集めているワラーチ。
SNSでもワラーチ作りやワラーチランにはまっている投稿が多く掲載されていますよ。
今回の記事で、ワラーチの魅力が存分に伝わったのではないでしょうか。
DIYが好きな方は、自作ワラーチチャレンジしてみるのがおすすめです。
材料の揃ったワラーチキットも発売されていますよ。
通販サイトでお手軽に購入してみても、普段履きに使用してもOKなのです。
あなたも、ワラーチを履いて楽しくランニングを初めてみませんか?
取り入れたくなる素敵が見つかる、大人女性のためのwebマガジン「noel(ノエル)」。
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