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女の子座りとはどんな座り方?

昔、女の子座りは、その名前の通り、幼い女の子によくみられる座り方でした。
最近ではその様子が愛らしいことから、10代、20台といった若い女性の中にもこの座り方をする人を多数見かけます。

では、女の子座りとはいったいどのような座り方なのでしょうか?
まずは、その座り方や別名についてみていきましょう。

座り方

女の子座りとは、上の画像のように正座の状態から足先を左右に開いて、お尻を床にぺたんとつける座り方です。
亀の足のように足首まで曲げる座り方と、足首はあまり曲げない座り方があります。

別名

「女の子座り」には、違った呼び方が色々あります。
どの呼び方も、座ったときの足の形がもとになって、名付けられたようです。

正式名:亀居と割座

亀居は、「ききょ」又は「かめい」と読み、公家が着座する際の正式な座り方で、現在の女の子座りと同じ様な座り方をします。
また、正座や胡坐座のように、決まった形を持った座り方を「座法」と言いますが、その座法の1つで「割座」と呼ばれている座り方も、女の子座りと同じ形の座り方です。

亀居と割座は、古い文献にも載っている呼び方で、女の子座りの正式名称と言ってよいでしょう。

その他の通称

若い世代では、「アヒル座り」や「ぺたん座り」と呼ばれることも多いです。
年配の方の中には、「とんび座り」などと言う人もいますし、ヨガの世界では英雄座と言われています。

男性には無理?女の子座りができない人

女性ならあまり苦労せずにできることが多い女の子座りですが、男性には難しい座り方のようです。
なぜ男性には難しいかというと、男性は太ももの付け根にある「大転子」という骨が女性に比べて大きいため、足を動かすときに骨盤にぶつかりやすく、動かせる範囲が狭いからです。

もちろん男性だけでなく女性にも、女の子座りができない人や不得意な人がいます。
調べてみると、女の子座りができない人には、以下のような特徴がありました。

  1. 股関節が固い
  2. 膝関節の機能が低下している
  3. 足首が固い

次では、女の子座りができない人の特徴を、それぞれ詳しくみていきます。

女の子座りできない人①:股関節が固い

股関節の柔軟性に乏しく、特に股関節を内側に回旋させるだけの柔軟性がない人は、女の子座りで上手に座ることができません。
逆に、股関節を外側に回旋させることができない人は、胡坐がかけません。

ひと口に股関節が固いといっても、回旋させる向きごとの柔軟性の違いによって、全く違う症状が出てくることになります。

女の子座りできない人②:膝関節の機能が低下している

膝関節に機能低下や痛みがある場合は、女の子座りだけでなく正座もできなくなることがあります。
膝関節の機能低下は、加齢ばかりでなく、筋力の低下や肥満、あるいは膝軟骨のすり減りなどによっても起こります。

膝関節の機能が低下すると、膝の曲げ伸ばしに痛みが出て、日常生活にも支障をきたすことがあります。
膝の痛みが原因で女の子座りができない人は、太腿の筋肉を鍛えたり、適正体重を維持することで座れるようになる場合もあるようです。

女の子座りできない人③:足首が固い

足首が固く伸びない人は、膝から下の足を伸ばして床につけることができないので、それが原因で上手く座れない人が多いです。
股関節や膝関節に問題がなくても、足首が固いために、座ろうとしてもお尻が浮いてしまい、女の子座りができないようです。

足首が固くて女の子座りができない人は、正座も苦手という方が多いです。

女の子座りは危険なの?

「女の子座りは、すぐにやめた方がいい」という意見があります。
女の子座りは、すぐにやめなければいけないほど危険な座り方なのでしょうか?

結論から言うと、女の子座りが絶対に危険かというと、必ずしもそうではありません。
例えば、ヨガのポーズの中には、ヴィーラ・アーサナ(和名で英雄座)と呼ばれる、女の子座りと同じ形のポーズがあり、健康に役立てている方もたくさんいらっしゃいます。

危険なのは、女の子座りをすることではなく、それを長い間続けることなのです。
特に成長期に、常に女の子座りをしていると、骨格の歪みなどを生じ、成長に悪影響をもたらします。

女の子座りの危険性

女の子座りの危険性に驚く人

では、長時間にわたり、女の子座りをし続けるとどのような危険性があるのかをみていきましょう。
女の子座りの危険性には、以下のものがあります。 

  1. 股関節にねじれが生じる
  2. 骨盤が四角になるおそれがある
  3. 膝痛を引き起こす
  4. 便秘や冷え性を誘発する
  5. X脚になるおそれがある
  6. 腰痛を引き起こす

続いて、女の子座りの危険性を、それぞれ詳しくみていきます。

女の子座りの危険性①:股関節にねじれが生じる

先に述べたように、女の子座りをすると、股関節にねじれが生じた状態になります。
股関節は、体の中で1番大きな関節で、体重を支えながら、歩いたり、走ったり、しゃがんだり、座ったり、ジャンプしたりといった、人間の様々な動きをつかさどる大切な関節です。

そのような大切な関節にねじれが生じれば、体のあらゆる部分に不都合が生まれることは容易に想像できます。
こういった体の歪みやねじれが健康に悪影響を与えることは言うまでもありません。

女の子座りの危険性②:骨盤が四角になるおそれがある

女の子座りは、股関節にねじれを生じさせるだけでなく、骨盤の上部を締めて下部を緩ませるという状態を作り出します。
骨盤は本来、逆三角形のハートのような形をしていますが、上記のような不自然な状態が続くと、骨盤が開いて四角い状態になってしまいます。

すると、女性の場合、妊娠時の胎児の保護が上手くできなくなってしまうことがあります。
また、骨盤の元々の形は、内臓を守るのに都合のいい形ですが、骨盤が四角状になると、男女を問わず内臓下垂を引き起こすケースもあります。

女の子座りの危険性③:便秘や冷え性を誘発する

女の子座りは股関節を緩ませ血流を促進する場合もありますが、その緩みが骨盤の歪みにつながると、次にはその歪みが原因となって、血流にも悪影響を及ぼします。
その結果、血行不良による冷え性になってしまったり、内蔵への血流低下が原因で、胃腸の働きや代謝の低下といった未病につながってしまうこともあります。

具体的には、便秘になったり、むくみや内臓脂肪の増加などとしてあらわれることが多いようです。

女の子座りの危険性④:X脚になるおそれがある

女の子座りの状態では、股関節が内側にねじれており、自分の体重が不自然に大腿骨にかかっています。
成長期の子どもが女の子座りを続けると、内側にねじる力がかかり続けるため、体がこの状態に適応しようとして、股関節を内向きに成長させX脚の原因になってしまいます。

一方、女の子座りにより骨盤が前屈してしまった場合は、X脚とは逆にO脚になってしまうこともあります。
いずれにしても、美脚を望む女性にとっては、スタイルの面からも避けたいリスクが生じてしまうわけです。

女の子座りの危険性⑤:腰痛を引き起こす

女の子座りをすると、お尻の位置が膝よりも低くなるので、その形で体形を整えようとすると、どうしても骨盤が前倒しになってしまいます。
女の子座りでは、骨盤前屈の姿勢で体重を支えるため、腰への負担が大きくなり、腰痛が起こりやすくなります。

場合によっては、腰痛だけでは済まずに、腰自体を傷めてしまうおそれもあります。

女の子座りの危険性⑥:猫背になりやすい

女の子座りは、猫背にもつながりやすいです。
女の子座りにより骨盤が後ろに倒れると、体は背骨を曲げることで重心を前に移動させ、バランスをとろうとします。

この、背中が丸まって頭がやや前に出た姿勢が猫背です。
猫座になると、その不自然な姿勢を支えるために下腹や膝が前に出てしまい、益々悪い姿勢になって、負のスパイラルを断ち切ることができなくなります。

いいところもある?女の子座りのメリット

前章の「女の子座りは危険なの?」でも少し触れましたが、女の子座りにはメリットもあります。
例えば、女の子座りをすると太腿の前側がよく伸びるので、経絡を通じて腸の働きを活発にし、便秘を解消させるとも言われています。

また、ヨガでは精神面での効果も高いと言われており、気持ちを安定させ、精神統一がしやすくなるということです。

結局、女の子座りはしない方がいいの?

女の子座りの是非に迷う人
女の子座りには危険な面だけでなく、良い面もあり、絶対にしない方がいいというわけではありません。
大切なのは、長く続け過ぎないことです。

ストレッチの一環として、あるいは足が痺れた時の緊急避難としてなど、適度に使えばメリットがたくさんあります。
同じ姿勢で女の子座りをし続けないよう注意しながら利用すれば、健康にも一役買いそうです。

但し、成長期のお子さんの場合は、姿勢にも注意し、くれぐれも長期にわたり女の子座りで座り続けないよう配慮してください。

男性が女の子座りをする理由

このように、メリットとデメリットをあわせもつ女の子座りですが、最近の傾向として、女の子座りをする男性が増えてきているようです。
そのような人たちは、なぜ、男性なのにあえて女の子座りをするのでしょうか?

ここでは、男性が女の子座りをする理由をみていきましょう。
男性が女の子座りをするには、以下の理由があります。

  1. 女の子座りが楽で苦痛を感じない
  2. 足が痺れた時に姿勢を崩すため
  3. ジェンダーレスという考え方から
  4. 他の座り方が苦手
  5. 男性なのにできるということを自慢したい
  6. 可愛いと思ってほしい
  7. 威圧感を与えたくない
  8. 単なるクセ

続いて、男性が女の子座りをする理由を、それぞれ詳しくみていきます。

女の子座りの理由①:女の子座りが楽で苦痛を感じない

男性でも、胡坐をかく場合のように股関節を外側にねじるより、内側にねじる方が楽で痛みを感じないという人がいます。
このような男性は、女の子座りが全く苦にならず、むしろ楽に感じて、好んで女の子座りをすることがあります。

実際に、スポーツの影響などで股関節が柔らかい人の中には、女の子座りができる人がたくさんいます。

女の子座りの理由②:足が痺れた時に姿勢を崩すため

女の子座りをすると、一時的に股関節が開いて血流が良くなるので、足が痺れた時に痺れがとれやすいと言われます。
胡坐をかいても同様の効果がありますが、おおっぴらにそのような姿勢が取れないときには、女の子座りをしてみると足の痺れに有効です。

そのことを知っている男性は、足が痺れた時に女の子座りで痺れを軽減させていることがあります。

女の子座りの理由③:ジェンダーレスという考え方から

現代は、「男だから、女だから」という役割意識や社会的な性差が少ない、ジェンダーレスの時代になりつつあります。
そういった価値観の変化に伴って、「男だから、女の子座りはおかしい」という考えに説得力がなくなり、男女を問わず、それぞれが自由に楽な座り方をしてよいと考える人が増えてきてました。

そのような社会背景のもとで、性別にとらわれず自分自身が心地よい方法を選ぶ男性が女の子座りを選択しています。

女の子座りの理由④:他の座り方が苦手

日本でも、畳や床に座る生活が少なくなってきたため、股関節が固く胡坐がかけない男性も増えています。
そんな人の中には、女の子座りならできるという方もいるので、苦手な座り方の代わりに女の子座りをする人もいます。

女の子座りの理由⑤:男性なのにできるということを自慢したい

骨盤の形状の違いから、男の人には座りにくい形の女の子座りですが、逆に男性で女の子座りができると、体の柔らかい人として注目されることも多いです。
そのため、敢えて女の子座りができることを自慢して、称賛を浴びたいという心理が働くこともあるようです。

女の子座りの理由⑥:可愛いと思ってほしい

「女の子座りはみっともない」という人がいる反面、女の子座りを可愛いと感じる人もいます。
女性アイドルやグラビア写真などでよく見かけることからも、女の子座りが可愛らしさの象徴になっていると考えられます。

最近では、男性であっても可愛く見られたいという人もいます。
そのような男性の中には、可愛らしさをアピールし、周りの人に可愛らしいと思ってもらいたくて女の子座りをしているという人も出てきました。

女の子座りの理由⑦:威圧感を与えたくない

胡坐のような男性的な座り方は、時として周りの人に威圧感を与えたり、横柄な態度と誤解されてしまうことがあります。
それを避けたい人の中には、あえて女の子座りをする男性もいるようです。

正座ができなかったり、正座をすると痛みを感じる男性で威圧感を与えたくない場合の次善の策ということでしょう。

女の子座りの理由⑧:単なるクセ

女性の姉妹が多い男性は、育った環境の中で女の子座りが当たり前に行われていることも少なくありません。
そんな男性の中には、何の疑問も持たずに自分も女の子座りをしていて、癖になってしまったという人もいます。

大人になってから、それが女の子座りだと知って、人前ではしないようにしているという人もいますが、癖はなかなか治りにくいもの。
いつもの癖で、ついうっかり女の子座りをしてしまう男性もいるようです。

女の子座りや足組みはNG?正しい座り方

ここで、正しい座り方について確認しておきましょう。
女の子座りの弊害を色々見てきましたが、これらの弊害は足を組んで椅子に座る場合にも起こります。

つまり、女の子座りや足組みは、正しい座り方とはいえず、悪影響が出る可能性を否定できません。
それでは、正しい座り方とは、どのような座り方なのでしょうか?

正しい座り方の基本は正座です。
そして、正座のポイントは「骨盤を立てる」ことです。

骨盤を立てて、正しく座る方法を、子どもの場合と大人の場合に分けて説明します。

子供

お子さんに正しい座り方を指導する場合は、できるだけわかりやすく簡単な方法を示してあげることが必要です。
そこで、「あれをして、それからこれもして」と言葉を並べるのでなく、「頭の上から、糸で吊下げられている状態をイメージして、頭を引き上げるように」と指導するのがよいでしょう。

このようにイメージするだけで、胸を張らなくても背中が丸くなりませんし、骨盤を立てることを意識しなくても、自然に骨盤が後ろに傾くことがなくなります。
うつむきがちな視線もすうっと前を向き、姿勢も格段に良くなりますので、ぜひお試しください。

大人

正座は、体に最も負担のかからない座り方だと言われています。
一見難しそうに見えますが、正しい形を知れば、長い時間座っていても楽な座り方なので、上手に正座ができるようにしていきましょう。

大人の場合は、意識的に骨盤を立てることから始めます。
それにより、骨盤が正しい位置に収まるので、腰への負担がグンと少なくなります。

この時、背筋を伸ばして座りたいのですが、背筋を無理にピンとさせるというよりも、お腹をへこませながらお尻をほんの少し前にだすイメージで整えるとうまくいきます。

正座は、座ったときのバランスに優れ、腰への負担も少ないのですが、どうしても膝に負担がかかりますので、膝に痛みがある方は決して無理をしないようにしてください。

女の子座りで骨盤が歪む?セルフチェックと矯正方法

骨盤の歪みにつながりかねない女の子座り

ここまで女の子座りと骨盤の歪みの関係を、色々とみてきました。
両者の関係を知れば知るほど、「これまで女の子座りを頻繁にしていたので、骨盤の歪みが気になる」という方もいらっしゃることでしょう。

そこで、歪みのセルフチェック法と、万一歪みがあった場合に簡単に実行できる矯正方法をご紹介します。

セルフチェック

体の歪みを自分でチェックできる、簡単な方法を3つお伝えします。
1つでも歪みの傾向を把握できますが、より正確なチェックのために、全ての方法を試して確認することをおすすめします。

セルフチェック①:人差し指あわせ法

足を肩幅に開いて両手を上げ、目をつぶって左右の人差し指を正面で合わせます。
人差し指が正面でピッタリ合わされば歪みはありませんが、そうでない場合は次のような歪みが疑われます。

指の位置 歪みの状態
右 人差し指 上にある 右肩と右骨盤が上方向に歪んでいる
左 人差し指 上にある 左肩と左骨盤が上方向に歪んでいる
右 人差し指 外側にある 右肩と右骨盤が前方向にねじれている
左 人差し指 外側にある 左肩と左骨盤が前方向にねじれている

セルフチェック⓶:足踏み法

目を瞑って、その場で大きく手を振り足を高く上げて、50回足踏みをします。
最初の場所から動いていなければ歪みはありませんが、そうでない場合は次のような歪みが疑われます。

ずれた方向 歪みの状態
右にずれた 骨盤が右側にねじれている
左にずれた 骨盤が左側にねじれている
前に進んだ 背骨が猫背になり、重心が前へ下がっている
後ろに下がった 背骨が猫背になり、重心が後ろへ下がっている

セルフチェック③:膝倒し法

仰向けに寝て、膝を立てます。
膝をつけたまま、左右にゆっくりと倒していき、左右で倒しにくい方がないかチェックします。

左右どちらかが倒しにくかったり、倒すときに痛みを感じたりする場合は、そちら側に骨盤のねじれや開きがあると考えられます。

矯正方法

体の歪みを、簡単に矯正方法するを2つご紹介します。
どちらも、5分かからずにできる運動ですので、日常のちょっとした隙間時間を利用して習慣にしていただくと、より大きな効果が期待できます。

矯正方法①:お尻ウォーキング

床に足をまっすぐ投げ出して座り、歩くようにお尻を片方ずつ前に出して進みます。
少し歩いたら、同じ姿勢で、今度は後ろへバックしていきます。

所要時間:前後で5分程度

矯正方法⓶:骨盤回し

足を肩幅に広げ、上体はなるべく動かさないようにして、腰を大きく回します。
右回しと左回しを同じ回数ずつ行いましょう。

所要時間:2~3分程度

「女の子座りは危険?正しい座り方と女の子座りをする男子の心理」のまとめ

女の子座りは、可愛らしさを印象付けるだけでなく、使い方によっては健康促進にも役立ちます。
但し、長期にわたって女の子座りをし続けると、体に悪影響を及ぼすおそれがあることがわかりました。

それらを踏まえて、女の子座りをする場合には、良い点、悪い点をきちんと理解し、リスクを最小限に抑えていくようにしましょう。
特に成長期のお子さんに対しては、注意を怠らないようにすることが大切です。

そして可能であれば、これを機会に正座をするようにしてはいかがでしょうか?
正しい座り方をすれば、気持ちがよいだけでなく、健康面でも大きな恩恵がもたらされることでしょう。

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ライター
noel編集部

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