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子なし夫婦が増えている!

仲の良い子なし夫婦の老後

結婚後、子どもを作ることなく過ごす、子なし夫婦という選択をする人たちは、年々増え続けてきています。
以前は、結婚後、子どもを作ることは当たり前と考えられてきましたが、それぞれの仕事や価値観を尊重し、自分らしい生き方をしたいと考えるようになったのでしょう

そうした人々を「Double Income No Kids(ダブルインカムノーキッズ)」の略補でDINKs(ディンクス)といいます。
1980年代ごろに流行語となってからも、今もなお、こうした選択を続ける夫婦は後を絶ちません。

平成元年では16%だった割合も、平成28年にはなんと23%まで上昇しているのです。

厚生労働省 平成 28 年 国民生活基礎調査

子なし夫婦の老後の生活費は最低いくら必要?

公園で子なし夫婦の老後

定年後の65歳以上子なし夫婦が暮らしていくには、月24万程かかるとの統計が出ています
さらに、男女の寿命は男性81歳、女性87歳なんだとか。

そのため老後の生活が20年ほど続くと考えられます。
すると、単純計算で、24万×12カ月×20年=5760万円。

そこから厚生年金の14,5万円が毎月もらえるので、14,5万円×12カ月×20年=3480万。
老後は、5760万-3480万=2280万円が必要になるでしょう。

総務省統計局 家計調査

子なし夫婦が老後までに貯金しておきたい額

子なし夫婦の老後にかかるお金

老後必要な金額は3000万円ほどあれば安心と言われています。
そのため、今から子なし夫婦の選択をするのであれば、3000万円を目標に貯金を始めるといいでしょう

しかし、定年後もパートで毎月10万円ほど収入があるのであれば、10万×12カ月=120万円で少しゆとりを持つこともできます。
絶対に3000万円貯めなくてはいけないのではなく、その後のライフスタイルを考えながら、貯蓄額を決めていくといいかも。

子なし夫婦が老人ホームに入居する場合の出費や注意点

腕組をする子なし夫婦の老後

では、子なし夫婦が老人ホームに入居する場合の出費や注意点を見ていきましょう。

老人ホームに入居した場合の出費

子なし夫婦を選択する場合、老後は自分の子供に頼ることができず、老後、老人ホームに入居する場合も多いはず。
しかし、その場合も、サービス内容によって金額が大きく異なってくるので注意が必要です。

要介護の場合は金額がさらに高くなり、介護なしに比べて10万円ほど費用が余分に必要になります
だいたい、介護なしは13万、介護付きは24万程となるようです。

さらに立地や部屋の広さによっても金額が異なってしまいますよ。

注意!老人ホームに入居するには保証人が要る

老人ホームは、入居後自身で判断が難しくなってしまった時や、支払いが滞ってしまった時、さらに死亡後のことなどを考えて保証人を必要としている場合が多いです。
しかし、子なし夫婦を選択していると、老後保証人を見つけることができないかも。

そんな時は、保証人を必要としていない老人ホームを見つけるか、成年後見人でも入居可能なところを探しましょう。
さらには、老後に保証人を見つけられない場合、保証会社が代理に立ってくれることもあるので、そちらにお願いしてもいいですね

是非、老人ホームに入居しようと思ったら、早めに保証人が必要かどうか確認してください。

子なし夫婦の場合は相続はどうなるの?

子なし夫婦の老後の散歩

子なし夫婦の場合、夫の死後、遺産はそのまま妻にすべて相続されるわけではありません。
子どもがいれば、遺産は子ども自然と相続されるものですが、子なし夫婦の場合は、何もしていなければ、夫の兄弟、さらには存命ならば夫の親にまで分配されてしまいます。

2人の貯蓄だと思って貯えてきたものも、夫の死後、親交の無かった夫の家族にまで分けられてしまうことになるかもしれないのです
それを防ぐためにも、きちんと生前に遺言書を残して、誰に遺産を相続したいのかを明確にしておきましょう。

子なし夫婦が認知症になってお金の管理ができなくなった時に使える制度

街を歩く子なし夫婦の老後

意識障害が進んで、正常な判断ができなくなってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には、法定後見制度を使って、家族が本人の代わりに法的処理を行う制度があります

これは、判断能力が不十分になった方のみが受けられる制度で、専門家の精神鑑定により状況を判断してもらうことができますよ。

子なし夫婦が亡くなってしまった後の事務処理

1人になった子なし夫婦の老後

パートナーの死後、子なし夫婦の場合は1人で寂しい老後を送ることもあります。
もし、近所の方との親交も続けていれば、近くの方から葬儀を出してもらうこともあるようです。

しかし、孤独な状態が続いていれば、そのまま孤独死を迎えてしまうことも
そのため、事前に葬儀社やお寺に相談し、自分が死んだ後のことをどうするか決めておくと安心です。

さらに、エンディングノートを記したり、遺品整理をしておけば、さらに心安らかに死を迎えることもできるはず。

トラブルを避けるために遺書を書いておこう

海を歩く子なし夫婦の老後

子なし夫婦の場合は、自分とパートナーだけだからと言って遺言を書かないで済まそうとすることもあるかもしれません。
しかし、それでは本当に遺産を渡したい相手に、正しく遺産が渡らない可能性もあるのです

また、面倒がって後回しにしていると、いつの間にか痴呆や意識障害が進んで、思うように遺書が書けなくなっていることも。
そうならないために、自分の気持ちを文章に明確に記しておきましょう。

誰にいくら渡したいのかをはっきり書き、わかりやすい文字で間違いがないようにしてください。
些細なミスが、遺書を無効にしてしまうこともあるので気を付けなくてはいけません。

不安な場合は、一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。
また、遺書が出来上がったら、不用意に誰かに渡さず、家族にだけ渡すようにしてくださいね。

老後の子なし夫婦のメリット・デメリット

笑いあう子なし夫婦の老後

メリット

①仕事に没頭できる

子どもができると、産休を取ったり、子ども中心の生活で、思うように仕事をこなすことができなくなってしまいます。
しかし、子どもがいなければ、やりたい仕事に全力で取り掛かることができるはず

コツコツとキャリアを積んで、その道を究めることもできますよ。
やりがいとなって、毎日達成感を味わうこともできます。

②夫婦の時間がある

子なし夫婦は、いつまでもカップルのような仲睦まじい関係を築くことができます。
子どもがいないので、「お父さん」「お母さん」の関係ではなく、老後も出会った頃のままの関係を続けられるのです。

自由な時間も多く、年を取ってからもデートに行ったり、刺激的な毎日を送ることができるでしょう
話題も豊富なので、お互いに飽きがこず、新鮮味を持って過ごすことができるのです。

③子育ての悩みがない

子育てをしていると、どうしても子どもの成長や反抗期に悩みを抱えてしまうものです。
さらに子どもに対してだけでなく、ママ友との関係に悩んだり、受験や子育てにかかるお金にも頭を抱えることでしょう。

子なし夫婦は、そうした悩みは一切なく、老後を迎えることができます。
常に自分の趣味や相手のこと、仕事などを考えて生活することができるので、心にゆとりを持って生活できるのです

④お金が貯まる

子育ては何かとお金がかかるものです。
子どもの教育費や食費、衣服代など、一人の子供を育てるために2000万程かかるとも言われています。

しかし、子なし夫婦の場合は、自分たちのためだけにお金を使うことが可能です。
さらに、仕事も全力で取り掛かることができるため、収入も多く、貯蓄額も増えるはず

デメリット

①老後は寂しい

どうしても子なし夫婦の老後は、寂しいものになりやすいです。
仕事があったり、体が元気なうちにはいろいろと活動的になれるのですが、年を取ると思うように家から出ることもできなくなります。

周りの友達は、子どもや孫に囲まれているのに、と比較することもあります
さらに、パートナーに先立たれてしまうと、家を訪ねてくれる人も多くなく、毎日寂しい気持ちでいっぱいになるのです。

②親戚から責められることもある

親戚からは、どうして子どもを作らないのかと責められることもあるでしょう。
特に自分の親世代からは、子なし夫婦の選択をするということは考えられず、常に口うるさくされてしまうかもしれません

自分の兄弟に子どもが生まれるたびに、比べられてしまったり、せかされることも。
また、親に対して申し訳ないという罪悪感を抱えることもあるかもしれません。

③子育ての経験ができない

子育てをすることはとても大変なことですが、その分自身を成長させてくれることでもあります。
周りの友達の子育て経験談を聞くたびに、情けないと思うこともあるかも

子どもがいて、孫がいるということを一切経験することができないため、同じ子どもを持つ同年代の人たちとの会話についていけないこともあるのです。
そのたびに卑屈になってしまったり、後悔することもあるんだとか。

④毎日が単調

毎日自由で、キラキラした日々を過ごしているにも関わらず、どこか単調でつまらないと感じることもあります。
子どもがいれば、思いもよらないことを行ってくれたり、成長をする姿に心が癒されることもあるでしょう

しかし、長くパートナーと2人きりの生活を続けてしまうと、お互いに飽きがきて、毎日が単調に思ってしまうこともあるのです。
そのため、いつまでも仲睦まじく暮らしている子なし夫婦がいる一方で、残念ながら離婚してしまう人もいるんだとか。

子なし夫婦の老後に備えて、素敵な選択をしよう

ベンチに座る子なし夫婦の老後

子なし夫婦を選択する二人は多いですが、老後の不安は少なくありません。
子どもがいないからこそ、自分たちの老後は自分たちで面倒を見ていくしかなく、貯えや老人ホームなどの確保をきちんと行う必要があります

収入が多くなる一方で、貯蓄するべき金額も多く、若いうちから計算して積み立てるのが◎
しかし、子なし夫婦だからこそ、老後も夫婦で仲睦まじく暮らすことができたり、お互いに仕事でキャリアを積むこともできるはず。

是非、老後に備えながら、自分らしい生き方を選択し、楽しい人生を送っていきましょう。

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ライター
noel編集部

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