あせもの原因と症状チェック!未然にあせもを予防する4つの方法
あせもは子どもがよくなるものと思われがちですが、最近では猛暑や節電志向で大人にもあせもになってしまう人が増えています。 大人があせもになると治りが遅く、時にひどいかゆみや炎症を伴うこともあり、生活の質が低下してしまいます。 そうならないためにも、あせもになってしまう原因や、あせもを予防するための方法などをご紹介していきます。
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あせもの原因2つ
「痒いな」と思ったらいつのまにか肘の内側などにできている赤いぶつぶつ。
一度気になると掻きむしってしまいたくなる衝動にかられますが、それはNGです。
このツラい「あせも」は、夏などの暑い時期に汗をかいたときに起こりやすいと思っている人も多いでしょう。
実際その通りなのですが、あらためて原因について詳しくみていきましょう。
①高温多湿の環境や運動をしてたくさん汗をかく
簡潔に言うと、あせもが現れるのは汗管(汗を排出する管)が詰まることが原因です。
人間はかいた汗が蒸発して体の熱を奪うことで、体が熱くなり過ぎないように体温調節をしています。
しかしずっと高温多湿の場所にいたり、激しい運動をして汗を大量にかく状態が続いてしまうと、汗を排出する管=汗管(かんかん)が一時的に詰まってしまいます。
人間の全身には汗腺という汗を出すための器官が分布しています。
汗管から出られなくなった汗は、表皮という皮膚の表面にある0.2mmほどの膜の中に漏れ出します。
ミネラルなどの成分が含まれている漏れた汗が原因で、表皮で炎症が起こってしまうということなのです。
②湿布や包帯、同じ体勢でいるなど、汗をかきやすい箇所や乾きにくい箇所がある
①でも解説したように、かいた汗が長時間残ってしまうことが原因です。
条件がそろってしまえば、夏や運動をしたとき以外にもあせもになってしまう可能性があります。
それは、湿布や包帯、ギプスなどを装着しているときです。
これらのものが皮膚にフタしてしまう状態になり、通気性が悪くなって汗が渇きにくく、汗管が詰まってしまうのです。
また、背もたれにずっとよりかかって座ったり、病気や高齢で寝たきりの人などの背中にもあせもが出てしまうことがあります。
通気性が悪い上に皮膚にフタをしている状態や長時間同じ体勢でいることが、原因となってしまうのです。
あせもの種類や症状をチェック!
あせものことを医学的には「汗疹」と言いますが、汗疹には「赤くて痒いぶつぶつ」だけではなく、いくつかの種類があります。
その種類や症状について、それぞれ詳しくみていきましょう。
種類
あせもには、赤いぶつぶつができて痒みを伴うもの、ぶつぶつだけであまり痒くないもの、皮膚が部分的に盛り上がるものの三種類あります。
痒みや炎症をともなう赤いものを「紅色汗疹」、ぶつぶつだけの小さな水疱状の透明なものを「水晶様汗疹」と言います。
ちなみに皮膚が部分的に盛り上がるものを「深在性汗疹」と言いますが、熱帯など極端に暑い場所で見られる症状で、日本ではあまり見られません。
これらは、汗管が詰まる深さによって違ってきます。
症状
あせもはじんましんや水ぼうそうなどの発疹とは異なり、部分的にできることが多く、全身に起こるケースは少ないです。
原因がアレルギー性のものやウイルス性ではなく汗なので、自然治癒するものが多いです。
「紅色汗疹」と「水晶様汗疹」では、見かけだけでなくその症状が異なります。
「深在性汗疹」は日本ではほとんど見られないので、「紅色汗疹」と「水晶様汗疹」の二種類について、どのように症状が異なるのか詳しくみていきましょう。
①紅色汗疹
一般的にあせもと呼ばれるのはこの「紅色汗疹」です。
小さくて赤いぶつぶつとしたものができて、痒みがあり、汗をかくとチクチク・ピリピリと刺すような感じがあります。
できやすい箇所は、首回りや脇の下、膝や肘の内側、お腹周り、足のつけ根などです。
できやすい部分では湿疹になり、ひどくなると細菌が増殖して膿が発生してしまうこともあります。
ジメッとした高温多湿の環境で汗をたくさんかいてそのまま放置したときに現れやすく、赤ちゃんや子ども、肥満の人、汗っかきの人に多い症状です。
②水晶様汗疹
直径1~3ミリ程度の透明な水膨れがポツポツと現れます。
しかしほとんど痒みや炎症がないため、自覚症状がないことも多いです。
2~3日から数日で水膨れが乾燥し、ほとんど目立たなくなり、そのまま自然と治ることが多いです。
赤ちゃんの顔にできやすいのですが、まれに大人でも発熱を伴うような病気に罹ったときなど、特に免疫力が弱っているときに発生することがあります。
あせもになりやすい人の特徴
赤ちゃんや子どもはあせもになりやすいですが、大人でもなりやすい人がおり、その特徴には以下のものがあります。
- 太っている人、汗っかきの人
- スポーツなどで大量に汗をかく人
- アトピー体質や乾燥肌の人
以上3つの特徴について、詳しくみていきましょう。
①:太っている人、汗っかきの人
太っている人は、皮下脂肪が多いために体内の熱が放出されにくく、汗をかきやすいです。
下腹部や足のつけ根、脇の下、首周りなどは皮下脂肪が邪魔をして密着した皮膚どうしが擦れ、汗管がふさがりやすくなってしまい、あせもの原因となるのです。
また、太っていなくても汗っかきの人は、汗が皮膚にある状態が普通の人よりも長いため、リスクが高いです。
女性であれば、胸が大きかったり垂れている人は乳房と胸の皮膚の間に汗がたまって乾きにくいので、同じような理由で原因となってしまいます。
②:スポーツなどで大量に汗をかく人
スポーツなどの激しい運動をして大量に汗をかくと、汗の出口が詰まりがちになってそれがやはり原因となってしまいます。
スポーツ以外でも、夏に屋外で仕事をする人や、屋内でも冷房が効かない場所で仕事をする人など、長時間大量に汗をかく状況にさらされることも原因となってしまいます。
日焼け防止や仕事上長袖を着なければならない場合は、熱がこもりがちになって汗が乾きにくくなってしまい、あせもができる原因となってしまいます。
通気性のいい素材の服を選んだり、吸湿性の高い下着を身に着けるなどするようにしましょう。
③:アトピー体質や乾燥肌の人
アトピー体質や乾燥肌の人は、肌を保護するバリア機能が低いため、汗をかくと普通の人よりあせもになりやすくなってしまいます。
また、皮膚にいる常在菌が汗で増えやすくなり、あせもだけでなくアトピーが悪化してしまうこともあります。
あせもは子どもに多く見られますが、成人でもできやすい人は、アトピー体質を思わせる肌質の人が多いようです。
未然に防ぐ◎あせもを予防する方法
かゆみを伴うものだと、できてしまうと痒くて気になって、日常生活がままならなくなってしまいます。
それなら、できればあせもができないようにあらかじめ対策をしておくようにしましょう。
予防する方法には以下のものがあります。
- 汗をかいても放置しない
- 通気性のよい洋服や吸湿性のよい下着を身に着ける
- 高温多湿など汗をかきやすい環境を避ける
- 入浴後にスキンケアをする
以上4つの予防方法について、詳しくみていきましょう。
①汗をかいても放置しない
常に汗をかいている状態、かいた汗が体に残っている状態は原因になりやすいです。
汗はこまめに拭くこと、汗が染みている衣服や下着は着替えること、ぬるま湯を浴びて洗い流すなど、汗をかいても放置しないよう意識しましょう。
タオルなどで拭くときは、乾いたタオルよりも濡れて湿ったタオルのほうが汗の成分を拭き取ることができます。
また、拭き取る際はゴシゴシとこすらず、押さえるように拭くことで、皮膚のバリア機能を守ることができます。
②通気性のよい洋服や吸湿性のよい下着を身に着ける
汗をかいたらすぐに着替えることができればいいのですが、日常生活の中ではなかなかそうはできないことも多いでしょう。
予防するためには、汗をかいてもすぐに乾くような通気性のよい衣服や、すぐに吸ってくれるような吸湿性のよい下着などを身に着けるようにしましょう。
衣服は乾きやすい木綿などの生地にしたり、最近では吸湿速乾性が高い機能性インナーなども売られているので、それらをうまく取り入れましょう。
③高温多湿など汗をかきやすい環境を避ける
特に高温多湿の環境は汗をかきやすく、さらにかいた汗は蒸発しにくくなります。
梅雨や夏など蒸し暑い時期は、室内にいるときや寝るときなどはエアコンを上手に使って、常に汗をかいてしまうという状態にならないようにしましょう。
適度な湿度(目安は50%)で、さらに扇風機で風通しをよくすれば、あせもができやすい環境ではなくなります。
④入浴後にスキンケアをする
皮膚が乾燥しやすい人は、特に念入りに入浴後にスキンケアをしましょう。
入浴後には保湿剤を塗って皮膚を乾燥から守ることが予防につながります。
予防のためには、保湿剤はあまりべたつかないタイプのものにしましょう。
べたつくものは汗管をふさいでしまうことになり、反対にあせもができる原因になってしまいます。
あせもにベビーパウダーは使える?
赤ちゃんによく使われる「ベビーパウダー」は、もちろん大人にも使えて、あせもの予防にも使えます。
ベビーパウダーは汗を吸着して皮膚を乾燥させる働きがあります。
風呂あがりなどの皮膚が清潔な状態のときに、まんべんなく薄くはたいておくと予防になります。
そのときは、皮膚に水気が残っていると粉が固まってしまい、かえってあせもの原因となってしまうので、きちんと水気を拭いて乾燥した状態でベビーパウダーを薄くはたくようにしましょう。
ベビーパウダーをつけたあとで汗をかいてしまうと、皮膚のしわの奥に粉がたまって固まってしまい、かえって刺激になってあせもの原因となってしまうこともあるので注意しましょう。
また、あせもができてしまった状態でベビーパウダーを付けると、汗腺をふさいでしまうことになるので使用は避けてください。
あせもの原因と症状をチェックして、あせもを予防しよう!
汗をかくことは、体温調節をするためにも必要なことです。
あせもになってしまう原因は、汗をかくことが悪いのではなく、かいた汗を放置してしまうことなのです。
かいた汗が全部速やかに蒸発して、皮膚表面に残らない状態が理想的な発汗量なので、流れるほどの汗をかいたときは拭き取るか水で流すようにしましょう。
あせもができるのは原因があります。
その原因はしっかり取り除いて、あせもにならないよう日頃から心がけましょう。
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