クレーマーの心理10個!心理からわかる悪質クレーマー撃退法を解説
クレーマーとは、クレームを言うために、問題ないことでも問題を探し出して言いがかりをつける人です。 いわれのない苦情や無理な要求をしてくる人を「悪質クレーマー」と言います。 どんなショップに行っても何かしら気に入らず、すぐに電話やネットでクレームを入れるクレーマーもいます。 どうしてクレーマーになってしまうのか、クレーマーの心理を探ってみました。 悪質クレーマーの撃退法も併せてご紹介します。 これを読んでクレーマーの心理の把握に役立ててください。
人気のおすすめ記事
なぜ悪質クレーマーは存在するの?
悪質クレーマーが増えたのは、ネットやSNSの普及が大きく影響しています。
「クレーム つけ方」で検索するとザクザク出てくるし、金品をせしめたクレーマーが発信していたり、「そんな方法もあるのか」と心理に触れられます。
自宅に戻ってPCを開いて、とクールダウンすると「クレームするほどのことではなかった」と思うような出来事も、興奮状態のままスマホで公開してしまいます。
「口コミサイトに悪評を書いてやる」という脅しも多いです。
クレーマーに多いのは、退職したシニア、無職の人など、時間を持て余してる人です。
クレーマーの心理
どのような心理でクレーマーになってしまうのでしょうか?
クレーマーの心理は、以下のようなものがあります。
- 自分が正しいことを認めてほしい
- 相手を服従させたい
- 得をしたい
- 向上心が強い
- 被害者意識
- 寂しい人
- 問題を大きくしたい
- 感情をコントロールできない
- 引っ込みがつかなくなった
- ストレスを解消したい
心理①:自分が正しいことを認めてほしい
クレーマーの心理で代表的なのは「自分が正しいことを認めてほしい」気持ちです。
クレームを訴えることによって「こんなところに気づく私はすごい」「すごいと認めて」と主張しているのです。
日ごろから不満を抱えていて、劣等感や無力感に苛まれている人が多いのが特徴です。
自己肯定感が低いので、自分の意見が正しいことを店や会社にも認めてもらい、肯定してもらうと安心します。
他人に肯定されて安心するのは一時的な心理です。
自分で自分を認めることができるようになるまで「もっと認めて」と要求し続けて、クレーマー常習化の危険性があります。
心理②:相手を服従させたい
いつも上から目線で支配欲が強い人は、相手を服従させたい心理が働き、クレーマーになってしまうことがあります。
クレーム処理の達人は「申し訳ございません」と丁寧な対応を崩さないので支配欲が満たされるのです。
以前、某衣料品チェーン店で購入した商品が不良品だったと、従業員に土下座をさせた主婦が、強要の疑いで逮捕される事件がありました。
服従させたい心理によるクレーマーの典型的な例です。
心理③:得をしたい
客の立場を利用して「得をしたい」と考え、私利私欲を追及するクレーマーもたくさんいます。
「傷がついていたから新品と交換してほしい」「入会特典のサービスを増やしてほしい」と、とにかく自分が得をすればOKという心理です。
欲が深い心理が強くて、絶対に損をしたくないと考えています。
「転んでもただは起きぬ」を実践しているので、購入した商品や提供されたサービスに些細な欠点を探し出して、言いがかりをつけるのです。
心理④:向上心が強い
店側のサービス向上を願って、クレーマーになる人もいます。
自他ともに成長することに喜びを感じる心理で「ここがわかりづらかった」「もっとこうして欲しかった」と、率直に伝えます。
ユーザーとして製品やサービスを愛しているからこそ、改善点を求めます。
今後も心地良く利用したいから、ひとつの意見としてクレームをするのです。
このタイプのクレーマーは粘着していないので、伝えるだけ伝えたら終了します。
「代わりにあれが欲しい」「その分サービスして」などの要求は一切ありません。
心理⑤:被害者意識
クレーマーの心理でいちばん厄介なのが、被害者意識です。
ものごとが思い通りにいかないときに、ここぞとばかりに責任転嫁してクレームをつけます。
例えば、カフェでオーダーしたドリンクがなかなか来なかったとき「スタッフが私を蔑ろにしている」と思い込み、その場でクレームをつけます。
「なるべく時間がかからないメニューにしたのに」「この後予定があるのに間に合わない」と、周囲の同情を集めるために泣いたり怒ったりします。
クレーマーは、自分は被害者だから、店側が責任を取るのは当たりまえの心理が働いているのです。
心理⑥:寂しい人
クレーマーになってしまう心理が「寂しさ」に集約されている人が増えています。
極端な例ですが、仕事をリタイアして、家族とも疎遠になり、だれとも話すことなく生活していると、人生が煮詰まってきます。
そんなシニア男性が、たまに行くコンビニで夜勤の店員があくびをしているのを見ると、癇に障って「店員の態度が悪い」とクレームをつけてしまいます。
店員に原因はありません。
仕事をしていても家族がいても、孤独を感じて寂しさから抜け出られない人は、要注意です。
心理⑦:問題を大きくしたい
何でも大袈裟に捉え、些細なことに大騒ぎをするクレーマーも多くいます。
退屈しているのに積極的に自分からアクションする行動力がなく「つまらない」「何か起こらないかな」と思っています。
このような心理状態で、レストランで料理に髪の毛が入っていると大事件です。
「言うか言わないか」「どのようにクレームを言うのが効果的か」「デザートをサービスしてもらえるか」など、ドラマチックな展開が脳内で炸裂します。
話を盛ったり、虚言癖がある人もいます。
心理⑧:感情をコントロールできない
感情(特に怒り)がコントロールできなくなったときに、怒りにまかせてクレームをぶちまけてしまう人がいます。
人間は理性で感情を抑えたり、別の捉え方をして、社会に適応しています。
幼い子供は理性ができあがっていないので、感情がそのまま行動に表れます。
成長とともにいろんな経験をして理性ができ、感情が暴走することは少なくなります。
経験が少なく理性的ではない人や、疲れが蓄積して上手く理性が働かない心理状態にあった人が、感情に支配されてクレーマーになってしまうパターンです。
心理⑨:引っ込みがつかなくなった
些細なことにクレームをつけたら、店長が直々に出てきて丁重に謝罪され「そこまで大袈裟にするつもりはなかったのに」と思いつつ、引っ込みがつかなくなる人もいます。
「伝わったのならもう結構です」と言えば良いのに、自分の意見を曲げたくない心理の人は脱出口を見つけられません。
気がついたら「クレーマー」の烙印を押されてしまっています。
負けず嫌いで融通が利かない、自分を押し通す心理の人が多いのが特徴です。
心理⑩:ストレスを解消したい
八つ当たりの手段としてクレームをつけるクレーマーもいます。
いつも不満を抱えていて、イライラした気持ちを発散させたい心理でパンパンになっている状態です。
そんなときにたまたま難癖をつけられそうな状況に遭遇して、ここぞとばかりに文句を言ったり怒鳴りつけたりして、相手が謝るとスッキリするのです。
このタイプは、常に「自分が怒ってもいい出来事はないかな」と探している心理状態なので、何がトリガーになるかわかりません。
クレーマーの心理に基づいた対処法
いざクレームに対処するときは、どのようにすれば良いのでしょうか?
クレーマーの心理に基づいた対処法をご紹介します。
- 状況を把握する
- とにかく話を聞く
- 謝る
- 場所と担当者を変える
- 証拠を押さえる
- ルールに則る
- 一人で抱え込まない
- 真摯に受け取る
- 敬意を払う
対処法①:状況を把握する
まず、クレームをつけてきた内容と状況を把握します。
名前と住所、電話番号、勤務先をたずねます。
「名前なんか言う必要がない」と言われたら「クレームには会社で対応させていただきますので、お名前をうかがえないのならお答えできません」と答えます。
ここで「では結構です」と、不利益を想定した心理から終了するクレーマーが大半です。
水際で食い止めることが重要です。
対処法②:とにかく話を聞く
とにかくクレーマーの話を徹底的に聴きます。
口をはさまず、質問せず、急がせず、もちろん絶対に反論せずに、言い分をすべて聞きます。
言って良いのは相槌とオウム返しだけです。
「寂しい」「わかって欲しい」心理のクレーマーは、最後まで聞いてもらうと満足する場合が多いのです。
言い分をきいてもらうと、それだけで「話のわかるやつだ」と思ってしまうものです。
対処法③:謝る
クレーマーの話を全部聴き終わったら、謝罪をします。
「謝ったら非を認めることになるから謝ってはいけない」と言う人がいますが、そんなことはありません。
非を認めるのではなく、嫌な思いをさせたことのお詫びをするのです。
クレーム内容の大半が「謝って済む問題」です。
ここでしっかり謝罪をすると、クレームはこれにて終了です。
謝罪が足りないと、謝って済む問題がこじれてしまい、悪質クレームに発展する可能性があります。
「謝って欲しい」クレーマーの心理を、しっかりと満たすことが大切です。
対処法④:場所と担当者を変える
謝っても納得しないクレーマーは「こちらへどうぞ」とオフィスに案内して、責任者に対応を任せます。
「特別な場所で話をきいてもらえる」「立場が上の人間が相手をしてくれる」という扱いが、クレーマーの自尊心を満たします。
「自分の話をちゃんと聞いてくれる」「そこまでしてくれるのなら良いかな」と、これだけで満足するクレーマーもいます。
対処法⑤:証拠を押さえる
暴走する感情や不満が収まらず、暴れだす悪質クレーマーに対しては、証拠を押さえることが必要です。
暴言や暴行、金品の要求等、クレーマーの言動を監視カメラやボイスレコーダーで記録します。
裁判沙汰になったとき、争点になるのは「言った」「言わない」がほとんどです。
暴行罪、脅迫恐喝罪として起訴できる案件になるかもしれません。
この場合、無断録音してもプライバシー侵害にはなりませんが「念のため録音させていただきます」と言うと、心理的に冷静になるクレーマーもいます。
対処法⑥:ルールに則る
クレーマーは不満をぶつけるばかりで、着地点を想定していません。
「何かもらえる」と期待している人も、具体的に考えていなくて「たくさんもらいたい」と曖昧な心理です。
クレーマーに対処するときは、自社のルールを示して「この場合は返金という規則になっています」「代替品は現在これしか在庫がありませんので、この値段でいかがでしょうか」など具体的に提案します。
「もっと得をしたい」と食い下がってきても「ここまではOK、ここからは別料金」と、一歩も譲らない姿勢が肝心です。
対処法⑦:一人で抱え込まない
クレーマーの対処は、一人で抱え込まないことが大切です。
接客業ではたとえアルバイトでも、ユーザーと接した人がクレームを受けます。
その場の対処法を遂行して、たとえ上手くいっても責任者に報告します。
クレーマーの相手はそれだけでストレスになるので、自分一人ですべて対応して処理をするのは、メンタルを削られます。
後で蒸し返してくるクレーマーもいるので、上司にホウレンソウ(報告・連絡・相談)を忘れないでください。
対処法⑧:真摯に受け取る
クレーマーの言い分を「自社の改善に役立てる」と真摯に受け取ることも重要です。
飲食店でサービスが悪いと言われたら「どうすればユーザーが満足するのだろうか」と考えます。
「オーダーしたものが出てくるのが遅い」原因は、スタッフの動線が考慮されていないレイアウトなのかもしれません。
オーダーシステムをもっと簡略化できるかもしれません。
クレームを真摯に受け止めて、改善して向上する学びだと捉える企業は、成長することでしょう。
対処法⑨:敬意を払う
以上、クレーマーの対処法を伝えましたが、常に根底に「相手に敬意を払う」姿勢を忘れないことが大切です。
傾聴するときも謝罪するときも証拠を押さえるときも、敬意を示した態度を崩しません。
クレーマーは文句を言っているので、当然イライラしています。
クレームを受ける人も、理不尽な思いをしているので、イライラする気持ちも分かります。
でも、ここはひとつ「困っているのはお客様」という基本姿勢で共感してみます。
人間は認めてもらうと穏やかになるものです。
敬意を払うと、クレーマーの心理も満たされて、クレーム処理も首尾よく運びます。
クレーマーの対処は「傾聴」「謝罪」「感謝」で乗り越える
クレーマーの心理は「自分を認めてほしい」「寂しい」で、ほぼ形成されていることがわかりました。
不満を抱えているので、丁寧に相手をしてくれる人に難癖をつけてかまってほしいだけなのです。
そんなクレーマーには「傾聴」「謝罪」「感謝」があれば、十分に懐柔できます。
とことん話を聴いてあげて、心から謝って、貴重な意見をしてくれたことに感謝します。
一貫して敬意を払う姿勢を見せて実行すれば、クレーマーの頑なな態度も緩和できるでしょう。
取り入れたくなる素敵が見つかる、大人女性のためのwebマガジン「noel(ノエル)」。
メイク・コスメ、美容、ライフスタイル、ヘアスタイル、ファッション、ネイル、恋愛のテーマで、編集部が独自調査、または各分野のスペシャリストが監修した記事を毎日更新しています。いまの気持ちに1番フィットする情報で、明日を今日よりすばらしい日に。