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いつか大好きな人と運命の恋をして、結婚して、子供を産む。

強く願わなくても、年を重ねれば自然に手に入ると思っていた「結婚」という選択肢。

当たり前に手に入ると思っていたものが手に入らないと気づいたとき、人は初めて「どれだけ切望していたか」に気づきます。

28歳で婚活を始めたひろこさんも、そんな女性のひとり。
30代が目前に迫り、「あれ?いつかとは思っていたけど、このままだと結婚できなさそうだぞ……?!」と辛辣な現実に気づき、婚活市場に身を投じたアラサー未婚女子です。

女性の社会進出や生き方の多様化に伴い、加速して増え続ける生涯未婚率。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、2035年には生涯未婚率は男性30%、女性20%になるといわれています。

結婚氷河期の昨今、結婚したいと叫ぶアラサー女子の恋愛事情や婚活事情はいったいどうなっているのか……?

その謎を詮索するために、野次馬心からインタビューを敢行。会話の中で見えてきた疑問点を挙げ、筆者の独断と偏見で勝手に論じさせていただきます!

アラサー女子婚活の実情

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母子家庭で育ったひろこさんは、デパートの化粧品売場で働く31歳。
花柄のスカートに白いブラウス、水色のボレロと、CanCamから飛び出したかのようなお嬢様スタイルの女性でした。

婚活を始めたのは3年前、28歳のとき。

「両親が離婚しているので、結婚に夢は抱いていません。でも子供はいつかほしいと漠然と思っていました。年齢的なタイムリミットも考えて、婚活を始めたんです。」

26歳のとき、ひろこさんには結婚を意識した相手がいました。高校で教師をしていた男性で、彼もいつかは結婚したいと言ってくれていたそう。
10か月ほど付き合いましたが、残念ながら別れることになってしまいます。
原因は残業続きだった彼とのすれ違い。3か月近く放置されたこともあり、幸せな家庭を思い浮かべることができなかったそう。

結婚を意識した相手と別れ、次に付き合ったのは飲食店のアルバイトを掛け持ちしていたフリーターの男性。かわいらしい見た目が母性本能をくすぐり、かなりタイプだったのだとか。

彼からの猛烈なアプローチをきっかけに付き合い始めましたが、彼も次第に忙しいことを理由に会う回数が減ってゆきました。そして3か月ほど経った頃、彼から唐突に別れを切り出されてしまいます。

「いきなり別れようって言われたんです。しかもメールで。彼の家に荷物も置いていたのに、それも返してもらえませんでした。」
怪しんだひろこさんが共通の知人に相談したところ、彼が浮気をしていたことが判明。

恋愛に疲れたひろこさんは、学生時代からの趣味にさらに没頭するようになりました。

「ジャ二ーズの追っかけが忙しくて出会いがない」

それはずばり「ジャ二ーズの追っかけ」。

「10代の頃からずっとファンなんです。いろんなグループが好きなので、ファンクラブはいくつか掛け持ちして入っています。母親も大好きなので、一緒にコンサートに行くこともあるんです。」
月に2〜3回は必ずライブや舞台に足を運び、泊まりがけで地方へ出向くことも多いそう。

貴重な休みと大切な給料は、ほとんどジャ二ーズの追っかけに使っていました。

ジャ二ーズの追っかけに忙しくしている中で、まったく出会いがないことに気づいたひろこさん。やっと婚活に本腰を入れる決意をし、先述のとおり28歳で行動し始めます。

「結婚相談所に登録したり、婚活パーティーに行ったり、婚活アプリに登録したり、思い浮かぶことは全部したと思います。たぶん30人くらいは出会いました。でもみんななんとなく続かなくて……」

いいなと思った相手から連絡がこなくなったり、忙しいと言われ会えなくなったり。悩んだひろこさんは、占いに行くことにしました。
そうして3人ほど会ったうちの1人に、ひろこさんは驚きの予言をされます。なんと32歳の誕生日を迎える来年の9月には、妊娠していると断言されたのです。
その言葉を聞いて俄然やる気に火がついたひろこさんは、婚活パーティーの参加回数を増やしました。その結果とあるパーティーで出会った保険の営業マンと、晴れて付き合うことに!

「婚活パーティーでは終盤に気になる人の番号を紙に書いてスタッフさんに渡し、カップルになった組の番号が呼ばれるシステムがあります。私とその人は残念ながらカップルにはなれなかったんですけど、諦めきれなくて。占いの言葉もあったので、思い切って連絡先を書いた紙を渡しました。そうしたら奇跡的に連絡がきて、付き合うことになったんです。」

保険の営業マンだった彼の年収は500万超え。大きな瞳もタイプだったため交際当初こそ浮足立ったものの、彼もまた元彼と同じくかなりの激務なことが判明。

2週間に一度会えるかどうかも危うい状態の中で、ラインの返信も途絶え気味になっていったそう。付き合って3か月経った頃、彼から別れを切り出されました。

別れの理由はいつも「忙しい」

「もちろん別れるのは嫌でしたが、私は少なくとも1週間に一度はデートがしたいタイプ。あまり合わなかったので別れて良かったと思います。
ただ、今回も別れの理由は相手の忙しさ。暇な男性は稼ぎが少ないだろうし、かといって忙しすぎる男性とは会えないし……。正直どんな男性と付き合うのがベストなのか、自分でも良くわかりません。」

どんな男性がタイプなのか聞いてみると、返ってきたのは「一緒にいてほっとできる人」という答え。

「早く子供を生みたいので、良きパパになってくれそうな、温かい家庭を築ける相手がいいですね。」

条件はそれだけ?と聞くと、より詳しい理想像が浮き彫りになりました。

「浮気を心配しそうなので、見た目や身長はあまり気にしません。
あと私は貯金がほとんどないので、せめて年収600万はある男性がいいです。ついでにできれば次男の方がいいかも。」

他にも年上、初婚などの理想条件があがりました。
初婚にこだわるのは、自分の両親が離婚しているからだそう。

「バツイチの方だと、母親が心配すると思います。なにか問題があるんじゃないの?って。母親が結婚に失敗して苦労したのを見て育っているので、一度失敗した人と一緒になる勇気はないですね。」

20代の頃は見た目重視で交際相手を選んでいたひろこさんも、30代になり、年収や家庭環境などの条件を重視するようになりました。
今はジャ二ーズの追っかけも抑えめにし、婚活を再開して頑張っているそう。

「実はこの後も、国家公務員の男性と会う約束しているんです。1か月以内には付き合って、3か月目にはプロポーズを受けるスピード婚を目指しているので、がんばります!」

アラサー女子婚活の難題

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こうして彼女はこれからも婚活茨道をしっかりとした足取りで歩んでゆく……。
そんな言葉で綺麗に完結しそうな上記の話ですが、実はアラサー女子が陥りがちな難所がところどころに点在。

世の結婚したい女子のために、心を鬼にして論じます。

「忙しい」が言い訳の男性と未来はある?

ひろこさんの場合、過去に付き合った男性3人とも「忙しくて会えない」ことが理由で別れています。

稼ぎのある男性と付き合う以上、忙しいのはしょうがない……。そう思いがちですが、実は大きな落とし穴が。

仕事を生きがいにする男性はもちろん多いです。
結婚適齢期とされる20代後半〜30代前半ならばなおさら仕事に没頭する時期。
本当に忙しくて会えない場合もあるでしょう。

ただ、男性は基本的にハンターである、ということを肝に銘じてください。
「今この女性を逃したら二度と良い女性には出会えない」そう思った女性を放っておいたり、手放したりすることはまずありません。
絶対に手放したくない女性ならば、たとえ5分でも会う時間をつくろうと奔走するはず。
「忙しい」という言い訳とともにだんだん連絡も途絶えがちになるような男性は、そもそもあなたへの興味がそこまでないと考えて間違いありません。

ずるずると引きづらずにとっとと関係を断つのもひとつの手。

一緒に未来を描けない男性と付き合っている暇は、アラサー女子にはないんです!

「占いに頼る」はありなのか?

占いが行動を起こすきっかけになるのなら、行くのはもちろんアリです。
問題は「占いの言葉を鵜呑みにして、まったく行動を起こさない」こと。

「あ、私クリスマスまでには彼氏できるんだ☆じゃあ合コン行かなくたって大丈夫じゃん全然余裕〜☆」

これ、この思考。

かく言う筆者もこういうタイプでした。占いで良い未来を予言されると完全に安心しきってベッドの上からてこでも動かないクソニート生活に突入……してしまう性格のため最近は占いに行くのは控えています(本当はこういう非科学的なもの大好きなんですがね)。

ひろこさんの場合は「来年の9月までに妊娠してる」という占い師の言葉を信じ、しっかり行動にうつしています。
婚活しまくって出会いのパイを増やし、妊娠したいと思える相手をガツガツ探しに行っている。

占いで予言された未来を自分の手で叶えに行こうとしているんですね。

つまりはひろこさんにとって、占いは行動を起こすきっかけになっている。

こういう方の場合は、占いに頼って大いに結構!

占いに頼っていいのかどうか?それは今まで歩んできた人生の中で、他力本願な思考により望み通りの結果にならなかった経験が多いかどうか、で決められてはいかがでしょうか。

ジャ二ーズの追っかけはしてもいい?

没頭できる趣味があるのは大変素晴らしいです。
そしてジャ二ーズの追っかけをしている人は結婚できないだとか、そんなことは微塵も思っていません。事実旦那に白い目で見られながらもアイドルオタクをやっている主婦、結構多いと思います。

ただ、超短期決戦勝負なアラサー女子の婚活において、アイドルの追っかけははっきり言って時間の無駄です。
婚活というのはその名のとおり「活動」を行うこと。
時間もお金も有限です。その限られた大切な資源をどれくらい婚活に費やすことができるのか、出会いのパイを増やすことができるのか。
運命の1人に出会えるのが10人目なのか100人目なのかなんて、神様だって知ったこっちゃありません。
とにかく行動あるのみの婚活において、時間もお金も奪われるアイドル追っかけははっきり行って婚活の妨げにしかなりません。いったんストップしましょう。

なあに、素敵な男性にプロポーズされて婚姻届に判を押させた瞬間から、また再開すればいいんです。

願いが叶うまでほしいものを我慢する願掛け、ありますよね。あんな感じで、「入籍するまでアイドル封印!」やってみては?

実家暮らしは辞めるべき?

実家暮らし=結婚できない、というわけではありません。一人暮らしでも結婚がなかなか実らない女性はたくさんいます。

ただ、実家暮らしの女性は、事あるごとに母親の存在がちらつく「プチマザコン」の傾向が高い気が。

母親とふたり暮らしのひろこさんは、マザコンとまでは言わないまでも「母とよくコンサートに行く」「母が心配するかも」など、母親の存在がちらほらでてきました。悪いことではないんですが、30歳を超えた女性の生活にあまりに親の存在が大きな影を落としていると、男性が尻込みするのは事実。
だって逆の立場で考えてみてくださいよ。マザコン男なんかまじで嫌じゃない?

一人暮らししろ!とまでは言いませんが、例えば週末に母とでかける頻度を減らしてみる、母の意見を思い浮かべずに男性選びをする、など、少しずつ親離れをした方が良いかも。

アラサー女子婚活は、客観的な視点をもって

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まあここまで偉そうに論じましたが、要は何を伝えたいかというと、みんな試行錯誤しながら婚活頑張っているんだよ、ということ。

周りに取り残されてゆく焦りも、未来への不安も、別れの悲しさも、味わっているのはみんな同じです。

そんな中で結婚というゴールに近づくためには、自分を変える勇気が必要。

自分の性格・外見・生活スタイルなどを客観的に捉え、「今回はここがダメだったのかも。次はこうしてみよう!」とどんどん新しい自分に生まれ変わってゆきましょう。

せっかく婚活という経験ができるのだから、より良い自分になるためのステップ、と割り切って利用するくらいの気持ちで挑んだ方が気楽です。リラックスしてポジティブに楽しんでいる女性の方が、男性も惹きつけられると思いませんか?

そうやってさまざまな出会いを経た先に、思い描く幸せな未来が待っているかもしれません。

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ライター
まこと

慶應義塾大学経済学部卒。美容メディアにてコンテンツ制作を経験後独立し、現在は多数メディアにて執筆中。恋愛・結婚についてよく語る東京ノマド女子。

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